政治・社会のアレコレを徒然に語る①
●「日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切である」「戦後、日本国憲法によってこの国は平和と繁栄を享受してきた」と。皇太子さま55歳の誕生日。
片割月の感想。
皇太子の言葉には今上天皇の言葉と共通する通奏低音が響いている。これがお気に召さない右翼やネトウヨは、皇太子を批判し、秋篠宮に期待を寄せるようです。小林よしのり氏は違いますが。
昔も今も、権力者は天皇や皇室を「利用」こそすれ、「敬う」ことは無かった。それどころか、裏切って来た。もちろん、例外はいます。安倍首相は果たしてどちらの方?
●「憲法改正を国民に1回味わってもらう。『憲法改正はそんなに怖いものではない』となったら、2回目以降は難しいことを少しやっていこうと思う」 / “自民、改憲へ「世論対策」本腰 国民投票に向け集会再開:(朝日新聞)
片割月の感想。
ワロタ。「1回味わってもらう」って、アンタ等は麻薬の売人かよ?(-^〇^-)。
それと、古典落語の「明烏(あけがらす)」を思い出します。
酒も女も知らない堅物の若旦那を町内の遊び人二人がお稲荷様へと誘うが、着いた場所は遊郭の吉原。実は二人の目的は、若旦那に女遊びを、「1回味わってもらう」ことだった。若旦那は帰ろうとするが、「入るときと出るときの人数が違うと、番人に捕まえられる」と脅かされて、渋々、花魁と一夜を過ごす。
翌朝、二人が部屋をのぞくと、若旦那はすっかり花魁に夢中。呆れた二人が「それじゃあ、あっしらだけ先に帰りますよ」と言うと、「帰れるもんなら、帰ってごらん。番人に捕まえられるから」…というオチ。
男にとって、女も麻薬の一種になります(笑)。
国民にとって、憲法改正も一度味わったら止められない麻薬になるのでしょうか。
麻薬が人間を破滅させるように、改正憲法が日本を破滅させる日が来るのでしょうか。
そもそも、「憲法改正に賛成か反対か?」という問い自体がナンセンスなのですよ。
そんな単純なお話ですか?
●自民、民主、公明、維新などの与野党は17日、選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる公選法改正案を来週にも衆院に再提出する方針を固めた。今国会で成立する見通し(産経新聞)
片割月の感想。
トンデモない法案です。亡国の発想だ。
私はむしろ、選挙権年齢は20歳から25歳に引き上げた方が良いとさえ思っています。
「モラトリアム人間」という言葉が流行ってから40年が経っています。かく言う私もモラトリアム人間なのかもしれませんが。日本人の平均寿命は戦前~戦後の「50歳」から「80歳」へと大きく伸びました。つまり、昔の18歳と現代の18歳とでは、大人と子ども位の違いがあるのです。子どもに選挙権を与えるのは、ナンとかに刃物の類。
●1987年、イラン・イラク戦争で機雷が敷設されたペルシャ湾に中曽根康弘首相が自衛隊を派遣しようとした。後藤田正晴官房長官が押し留めた。「戦争になります。国民にその覚悟ができていますか」。戦争を知る人の戒めの言葉だった(信濃毎日)
片割月の感想。
後藤田正晴は強面のタカ派というイメージがありましたが、そのような政治家でも上記のような見識を持っていた。内外から批判を浴びた中曽根首相の靖国参拝を止めたのも後藤田正晴でした。
また、彼のアドバイスを聞き入れた中曽根氏も、それだけの器があったということでしょう。ところで、安倍首相の器は小さいようです。小さくとも美しい器であれば、それはそれで良いのですが。。。
●「戦前の軍国主義に回帰しつつある。誰かが止めないといけない」(山崎拓元幹事長) 。「戦後70年の今年、手遅れになる前に、もう一度立ち止まって考える必要がある」(古賀誠元幹事長) 『週刊朝日』
片割月の感想。
自民党を去ったか政界を引退した自民党の重鎮が、こぞって安倍首相の危険性を指摘しています。その中には古賀氏のように共産党機関紙、「赤旗新聞」のインタビュー記事に登場した人もいるくらいです。
以前には考えられないことです。彼らの強い危機感が伝わって来ます。
●櫻井よしこ「日本人に生まれて良かった」(悟空出版)
片割月の感想。
あ~あ。櫻井氏もついに、いや、やはり、と言うべきでしょう。
背中に蕁麻疹が出そうなテーマを出しちゃいましたね。
桜井さん、世の中には、「言わぬが花」「秘すれば花」という格言があるのをご存知ないか?
結婚式で、呆れたというか、こちらが恥ずかしくて赤面しそうなセリフを花嫁が言うのを聞いたことがあります。
花嫁が感極まって涙声で、「私は、クク。。クスン。。世界で。。アウウ。。。父と母を。。ククッ、一番尊敬しています!お母さん、お父さんに育てられて良かったですゥ~!ウエーン(;_;)」と。
別に悪いことではないですよ。しかし、私はこういう場面は苦手です。ケッ!アホくさ!いい気なものだわ。聞いている方はドン引き。こんな歯が浮くようなセリフをよくもまあ、恥ずかしくも無く人前で言えるものだと。
「日本人に生まれて良かった」とか、「日本人の美徳はこれだ」なんてセリフに対しても、花嫁のセリフを聞いた時と同じ心理に私はなりますね。これは正しいとか悪いとかではなく、感性の問題でしょう。
要は、「日本人であるだけですごい!」と自画自賛しているようなもので、チープな自己啓発本のさらなる劣化版。こんな本を読んで、「そうか!日本人って凄いんだ。素晴らしいんだ。俺、勇気が湧いて来ました!」と思う人がいるのですか?いるとしたら、そうとうナイーブな人なんでしょうね。
それと、フランスやパリに半年滞在した日本人が、「ああ、私はフランス人に生まれたかった!日本は嫌いよ」と言ったら、櫻井氏やその類の方々は怒りの余り、卒倒するのでしょうか。
いわゆる、タカ派or右翼識者・論者の中では、私は櫻井よしこ氏、西尾幹二氏、そして、小林よしのり氏の著書は時々読みます。彼らの歴史認識はめちゃくちゃで専門家からは相手にされないレベルです。さりながら櫻井氏は韓国人識者の金両基氏との論争、「日韓歴史論争:海峡は越えられるか」(中公文庫)のように、見解の対立する相手との共著もあり、とても参考になります。また、櫻井氏は中国の脅威や沖縄の基地問題について関心が深く、「左翼論者」からは聞けない情報もありますので助かります。
小林よしのり氏はなかなかユニークで肯ける事柄も少なくありません。氏が最近著した「保守も知らない靖国神社」と、「新戦争論」はなかなか面白いです。一読をお薦めします。読後感想をアップする予定。
西尾氏はニーチェの名訳でお世話になった関係で読みます。西尾氏の特長は文章が上手いことです。嘘だと思う方は、彼が和訳したニーチェ著「この人を見よ」(新潮文庫)を手にして見ると納得するでしょう。
櫻井氏はタカ派右翼論者には良くある、神懸かり的なことが好きらしい。一昨年に、伊勢神宮の式年遷宮に右翼参議院議員の山谷えり子氏(やはりネ^^)とお参りされたそうです。櫻井氏によると、式典の夜、風もない静寂な森がフト揺れたそうだ。で、そこに「神がお渡りになるのを、私は確かに感じた」そうです。
こういう神懸かり的な話を聞いて感激するのが右翼で、アホくさ!と思うのが左翼だとすれば、私は左翼だ。私とて神仏を尊ぶ気持ちは強くありますし、比叡山や高野山にお参りすると心が洗われ、お寺の境内に「霊気」が漂っている趣むきすら感じますが、これは多少オーバーな形容のお話しに過ぎません。
櫻井氏がテレビに登場すると私はチャンネルを直ちに変えます。あの何とも甘ったるい声とヌメっとした話し方は私には耐え難いからです。もちろん、これは私の感性による好みです。
気持ち悪い!としばしば言われる石破茂氏の目つきと話し方を、私はさほど気にならないし、むしろ、このオタクっぽさが漂うキャラが、可愛いじゃない!?と思うくらいです。これもまた私の感性による好みです。
●国会だか予算委員会での答弁で、野党議員に対し安倍首相が、「私を批判することは、テロを利することになります」位のことを言ったとか。
片割月の感想。
つまり…安倍首相って、あまり頭が良くなさそうですね。
原稿を何度もチェックしないと人前で語れないようですし、
話し方も早口でせわしく、しばしばトチる。麻生氏より下かしら。
「ニッキョーソ!」のヤジも、首相として極めて低レベル。ネトウヨ並み。
頑張れ!成蹊大卒の安倍さん!母校の不名誉とならぬように(^_^)ノ。
それと…最近の安倍さんは、かなり傲慢になっていると思います。
橋下市長の二の舞を演ずることの無いよう、
ここらで少し、反対派の辛口意見にも耳を傾けた方がよろしいかと存じます。
耳に快い同調者の甘言に浸っているようでは、先は短いですよ。
●共産党の志位委員長がスピーチをしている時に自民党議員が「テロ政党!」とヤジったとか。
片割月の感想。
あのネ、自民党議員さんよ。やはり、歴史の勉強が足りないです。テロは右翼(正しくは極右か)の十八番ですけど。幕末期の尊皇攘夷派による佐幕派に対するテロ暗殺から、戦前の軍人や右翼による政府要人に対するテロ暗殺、そして、戦後の浅沼社会党委員長の刺殺事件等、テロはことごとく右翼によってなされて来たのです。
左翼(正しくは極左か)の十八番は、旧ソ連に象徴される内部抗争のリンチとか粛清です。フランス革命では同じ革命派の間でのテロというかリンチがありました。もっとも、テロという言葉はそもそも政府側が反政府側に対して行った大量処刑を指していたのが、いつのまにか、反政府側やゲリラによる殺戮行為を指すようになってしまいました。
ついでに言えば、ゲリラという言葉も、第二次世界大戦のレジスタンスやパルチザン、ベトナム戦争の南ベトナム民族解放戦線(ベトコンという言葉は侮蔑的な意味合いがあるのでメディアが使うのは問題だ)等を指していた時は、比較的正義でこそあっても悪というイメージはあまり無かったと思います。
最近は、ゲリラ=無法で残忍なテロ集団のイメージが強く、すっかり価値が下落しましたね。
2015.02.24 | | コメント(5) | トラックバック(0) | 政治・社会