いよいよ、フィギュアスケートのシーズンの始まりです。
既に、国内外の小さな大会で日本の有力選手や新進気鋭の若手選手達が活躍しています。
●村元・高橋組:リズムダンス「ソーラン節」
→こちらです
素晴らしい!!
評判通り、これは素敵なプログラムです。
振り付けはズエワコーチでしょうか。グッドジョブ!
良い演技は短く感じるものですね。
二人のコンビネーションも前期までと比べ、遥に自然でギクシャクした感じが無くなりましたね。
エレメンツによってはレベルを取りこぼしているのもあります。しかし、これは伸びしろと考えれば、まだまだ、レベルアップが期待出来るということになります。
連続ツイヅルやスピン、担ぎ技のような素人目にも分かりやすいエレメンツを見ればネ!
全日本では小松原組との「対決」だ.。
●高校1年になった吉田陽菜選手は進化中。
フリースケーティング→こちらです
冒頭のトリプルアクセル、よ、余裕がある( ゚Д゚)
全日本選手権で、この子、ひょっとしたら。。。。
北京五輪。女子シングルは3枠あります。
有力選手は…敬称略…坂本、紀平、宮原、樋口、三原、といったベテラン・中堅に、
若手では昨年4位の松生理乃、6位の河辺愛菜、そして、吉田陽菜の3選手が有力でしょうか。
いや、山下真湖、川畑和愛、白岩優奈の3選手もいます。
私個人は、3人のうち1人は誰か若手が入ったらと希望しています。
中堅では、樋口選手に頑張って欲しいです。カギは、トリプルアクセルが決まるか否か。
ただ、女子の場合、男子と異なり、体調・体型の面で予想は難しいんですよね。。。
2021.09.11 |
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リザルトは→こちらです
羽生選手のフリーの演技→こちらです
●羽生選手。格の違いを見せつけるような名演。
羽生選手が、「ゾーンに入る」と、こういう演技になります。
稀に見る名演技に、わたしはただただ幸せ(●^o^●)
2017年の世界選手権でのフリー、「ホープ&レガシー」でも同様の凄いジャンプ構成で完璧な演技をしましたが、今回の方がもっと表現力が増していて私はいっぺんに好きになってしまいました。
石坂浩二が上杉謙信役を演じた大河ドラマ「天と地と」(1969年)のオープニング曲を使用しているそうですが、ステップシークエンスを含む演技の中間の部分は仲代達矢が平清盛役を演じた「新平家物語」(1972年)のオープニング曲です。これらは動画で聴くことが出来ますので、興味のある方はセルフサービスでどうぞ。※
なぜか、羽生選手はこうした和風の音楽が良く似合います。
☆私は大河ドラマの「天と地と」は観たことがありませんが、「新平家物語」の方はビデオによる総集編を観たことがあります。これは素晴らしいドラマだったのでしょうね。フルに全編が観たかったなあ。
※私の観た「総集編」のタイトルバックを使ったオープニングの動画ありました。
→こちらです
キャストもスタッフも錚々たるメンバー。あ、脚本は平岩弓枝じゃないか!
もちろん、宇野選手や若手のホープである鍵山選手の演技も素敵で感動しました。
それにしても…今季で引退して行く選手達の見るにつけ、同じようにフィギュアスケートに打ち込んで努力しても、実力差というものが大きく出てしまうのはどうしてなんだろう…と思う。
やはり、才能の差なのでしょうか?
スポーツの世界もビジネスの世界も、「競争原理」で動いていて、これは人間の潜在能力を引き出す最も有力な方法と分かってはいても、やはり、神様は不公平であり、残酷だなあ、と思ってしまいます。
●女子シングル
紀平選手の美しい4回転サルコウはどんなに称賛しても足りることはありません。4回転サルコウとトリプルアクセル、という2つの武器を持った紀平選手の近未来が楽しみです。が、フィギュアスケートファンであれば誰でも分かるように、坂本選手の方が…やはり…今のところですが…演技全体のクオリティは少し上でしょう。
スピードが違う。高さが違う。エネルギー量が違う。
ただし、坂本選手のルッツにエッジエラー判定が出て減点されている点はマイナス要素。
坂本選手がトリプルアクセルか4回転ジャンプを一つ身につけたら、凄いことになります。
しかし、今回、私が最も感銘を受けたのは宮原知子選手の「トスカ」の表現力です。
ステップシークエンスでは加点がオール5の満点評価でした。
これが初戦の演技であれば、試合を重ねたらどれだけ素晴らしい演技になることか!
音楽をスケートで表現することに無限の可能性がある…そんな演技と思いました。
若手では、NHK杯の時と同様、やはり、松生理乃選手と河辺愛菜選手ですね。
松生選手が「柔」であれば、河辺選手は「剛」でしょうか。
松生選手が宮原選手のようなタイプで、河辺選手は坂本選手や樋口選手のようなタイプか。
松生選手のヒラヒラと優雅に舞うような演技に、河辺選手はグイグイと力強く押して行く演技。
特に、河辺選手のダイナミックなイーグルやイナバウアーに加え、身体を大きく使った所作からは、「演技空間」の広さみたいなものを感じます。どちらかと言えば細やかで優雅な所作が目立つ日本の女子選手の中にあって、河辺選手は樋口選手と同様、希少価値?がありそうです。
ただ、男子と比べ女子の近未来の予想は難しいですね。ジュニア時代に期待されてシニアになったらサッパリ…という選手もいますし、ジュニア時代は「たた滑って、跳ぶだけ」と思った選手がシニアになってから凄いスケートスキルと表現力を身に付けることもあります。
☆「ジャッジの陰謀論」…一部の羽生ファンでしょうけど、まだこんなこと言っているのか。
羽生選手のショートプログラムでスピンの一つが「0点」になってことで、テクニカルコントローラー(技術役員の一人)前田真美さんが槍玉に挙がっているのに驚きました。
つまり、前田さんは高橋大輔選手のコーチをしていた長光歌子さんの弟子だったとて、こちら関係の選手には判定が甘く、羽生選手には「不当に厳しい」とか、許せない、とか。
呆れたなあ、もう。
以前に槍玉に挙げられた技術役員は天野真さん。こちらは浅田真央さんに「不当に厳しく」、キムヨナさんには甘かったとか何とかで、ヒドイことを言われていました。
もう、こんなこと、とっくに卒業して良さそうものを、まだまだいるんですね。
男子シングルでも女子シングルでも、技術役員は3人体制で、ジャンプの回転やスピンのレベル判定を一人で決めているのではないことくらい、もう、常識なんですけどね。
2020.12.27 |
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私はフィギュアスケートの選手達の演技や言動について批判めいたことを書くのはずっと控えて来ました。
①必死に努力している選手達に私が偉そうにモノ申すのも、ちょっと。中傷・誹謗と受け取られるのも業腹。
②一部の政治家や知識人や商売人への批判だけで精一杯だった。
【羽生結弦選手の「負けは死も同然」発言について】
きっと、羽生選手の本心であり、そのくらい必死に戦っている証拠なのでしょう。悔しさもあった。
自ら逃げ道を塞ぐ覚悟をハッキリと示したのかもしれません。
なかなか言えない言葉です。
しかし、世に日本代表になれないレベルの選手はゴマンといます。彼等・彼女等とて人生の多くをフィギュアスケートにささげ、一生懸命に戦っているのだと思います。才能の差か練習環境の差か、何かしらの理由でトップにまでは至らないレベルで頑張っている選手達のことを考えますと、羽生選手のこの言葉はどうなるのでしょうか。
私が最も気になったのは、
①羽生選手がこの言葉を発したのは、聞かれて咄嗟に自然に出たものではなく、「用意していた言葉」「計算された言葉」に聞こえることです。これが私が違和感を覚える理由の一つです。少なくとも、羽生選手は口から出まかせの軽口や冗談でこの言葉が出たのでは決してありますまい。
②そして、羽生選手が誇張したとは言いませんが、この言葉がどんな影響を人に与えるか彼は良く知っていたと思います。つまり、「五輪を2連覇した羽生結弦は、さすが、他の人とは言うセリフが違うだろ?別次元だろ?」みたいな雰囲気。これが私が違和感を覚える第二の理由です。
③観客もファンも、羽生選手が2位に終わったからと言って、勝てなかったからと言って…残念には思えど…誰も批判はしませんし、それどころか彼の演技に味わいが増していることを称賛するでしょう。特に、あの気迫に満ちたフリーの演技には私も感動しましたし、羽生ファンの多くが涙したと思います。
負け惜しみではなく、フィギュアスケートの演技には…それが点数に反映されなくとも…選手個々の魅力というものがあります。滑りだすだけで放射されて来るオーラや色気や輝きや優美さ等。羽生選手にはそれがあります。少なくとも、優勝した選手よりもずっとそうした魅力を感じます。もちろん、年齢から来る熟成度もあります。ある意味、それは勝った負けたよりも大切なものかもしれません。特にフィギュアスケートでは。私と同じように思うフィギュアファンは多いのではないでしょうか?
マスコミは優勝を盛んに煽りますが、ファンは必ずしもそうではないでしょう。
それよりも、羽生選手自身が納得出来る演技、全ての力を出し切った演技を期待しているのではないでしょうか。結果、優勝したらそれにこしたことはありませんが。ネイサン・チェン選手が完璧に演技をしたら、たぶん、羽生選手を上回る得点と順位になるでしょう。これは仕方のないことです。負けが死も同然なんてことは全くありません。
ソチ五輪では期待された浅田真央選手は表彰台に上がれませんでしたが、あれは「負けは死も同然」でしょうか?とんでもない。多くの観客を感動させたではありませんか。確かに、試合には負けました。しかし、一人のフィギュアスケーターとしては「大勝利」だったのではないでしょうか。
それゆえ、羽生選手の口から、「負けは死も同然」というセリフは聞きたくなかったです。
【宮原知子選手がトリプルアクセルを習得すると宣言したそうですが】
遅いですよ。今頃になって。
私は4年も前から宮原選手は4回転かトリプルアクセルを見に付けないとロシア選手には勝てない!と強調して参りました。が、宮原陣営にはそのような気配はありませんでした。事実、平昌五輪では宮原選手は最高の演技をしましたが、表彰台にも届きませんでした。日本のエース宮原選手にとっては辛い結果だったでしょうね。
で、紀平選手が3Aを、ロシアのジュニア女子選手が4回転ジャンプを決めているのを見て、大いに刺激されたのでしょう。宮原選手もアスリートである以上、優勝したいという気持ちは強い。
しかし、宮原選手は21才です。長洲未来選手の例がありますので3A習得は不可能ではないかもしれませんが、かなり厳しいんじゃないですかね。何故なら、豪快なジャンプを持つ樋口新葉選手ですら、18才の今もなかなか3Aが試合に使えるレベルになっていないのです。
年齢的には、同じく3Aの習得の宣言をした坂本花織選手の19才が限度じゃないでしょうか。彼女の大きなジャンプを見る限り、十分に可能でしょう。
宮原選手の弱点はジャンプに向かう際に「思い切りが足りない」ことでしょう。いつも本人自らが「思い切りが足りなかった。慎重になり過ぎた」と言っています。これで難しい3Aを試合で決められるでしょうか。
宮原選手はここまで来たら、ミスを頻発させているトリプルルッツやトリプルサルコウの改善と、今取り組んでいるジャンプの全面的な改良(もっと高さと美しさを目指す)に専念した方が良いと思います。彼女の長所である音楽表現もまだまだ進化出来ると思います。あえて言わせてもらいますと、優勝よりも宮原選手の個性を伸ばす方向が良いと思います。私は3Aよりも、宮原選手の個性がより発揮された美しい演技が見たいです。
【紀平梨花選手が同じミスを繰り返すのが気がかり】
ショートプログラムの冒頭の3Aのミス。何回同じ場面を見たことでしょうか。「ああん、もう、しっかりしてくれッ!」と叫びたくもなります。もちろん、嘗ての浅田真央さんやトゥクタミシェワ選手も苦労しているのを見れば分かりますように、女子選手にとって3Aは非常に難しいジャンプなのでしょう。素人が想像するよりずっと難しいのでしょう。
しかし、紀平選手の場合は公式練習でも6分間練習でも3Aをバンバン決めているのです。それも、「何とか降りた」「やっと決めた」レベルではなく、高い確率で完璧に決めているです。
つまり、3Aのミスは技術的問題ではなく明らかにメンタルの問題でしょう。
昔から、「(海外の選手と比べ)日本人選手は本番に弱い。プレッシャーに弱い。萎縮する。緊張し過ぎて失敗する」とよく聞かされて来ました。これがどこまで科学的根拠があるのか怪しいですが、結果としては当たっているケースが少なくないようです。すると、紀平選手にも同じ弱点があるということでしょうか。
トラウマにならなければ良いのですが。。。
まだ16才だから、そこまで大袈裟に考えなくても良いのかもしれませんが。
さて、来る国別対抗戦での紀平選手のショートプログラムに注目ですね。この大会は割とお祭り気分で行われる雰囲気もありますのでプレッシャーは少ないのではないでしょうか?
ここでまたしても3Aで同じミスを繰り返すようであれば、事態は深刻です。
現行のルールでは、ショートプログラムでのジャンプの規定違反は0点になります。3Aは綺麗に決まれば基礎点と加点の合計で10点は稼げますので、成功と失敗では天と地の差になります。
素人考えですが、深刻な場合の対策としては、
①専門家の指導によるメンタルトレーニング・イメージトレーニングの実施
②ショートでは3Aをしばらく封印する。
③3Aを冒頭に跳ばず、2番目に跳ぶ。
紀平選手の完成度でしたらほとんど問題無く跳べると思うのです。むしろ、最初に単独の3ルッツか、3F-3Tのコンボを持って来て、身体が暖まり始めた所で3Aを跳ぶ方が決まり易いのではないかと。
どうでしょうか。。。ダメかなあ。。。
以上、3人の選手について偉そうに言いたい事を書きましたが、あくまで応援したい気持ちで言わせてもらいました。そもそも、応援する気の無い選手であれば私は何もコメントは致しません。
2019.04.09 |
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●大谷翔平選手(24才)のバットの構えについて。
一度も野球をしたことの無い片割月が野球評論家気どりで語る。
前にも書いたように私も大谷選手のファンになりました。すると厳禁なもので、それまで応援していたニューヨークヤンキースの方には興味が無くなり、マー君こと田中投手の試合も見ることがなくなりました(^^ゞ。
期待を遥かに上回る活躍でしたが、バッターとしては一つ、心配なことがあります。それは、三振が多過ぎることです。見逃しもあれば空振りもあります。特に、インコースに曲がって落ちて来る変化球に弱いようです。もちろん、ホームランや長打が最大の魅力なのですが、打率が2割9分にも届かないのが物足りないです。
今から一ヶ月前くらいでしたか、とある番組で松井秀喜さんが大谷のバットの構えについて、「構えたバットの位置が高いと、私ならインコースのボールをヒットすることはとても出来ない。よくあの構えでヒット出来るものだ。これは彼の才能だ。もちろん、打者によって構えはそれぞれあって良いのだが…でも、彼は若いですから学習するでしょう」くらいのことを言っていました。
松井秀喜さんはニューヨークヤンキースのマイナーの特別打撃コーチを務めている関係上、あまり立ち入ったことは具体的には言えなかったのでしょうね。
私が推測するに松井さんの本心は、「もう少し、構えの位置を下げた方が打率が上がるだろう。もしも私がコーチすればそう指導するだろう。が、現状では私が彼を指導することは出来ないので…」
くらいの意味だったと思います。
確かに、上の画像を見ても、大谷選手のバットの構えは松井さんと比べかなり高いですね。
欲を言えば切りが無いのですが、私は大谷選手には是非とも3割バッターになって欲しいです。来季、フォームを変えるのか、あくまで今までと同じフォームのままなのか、興味深いです。来季はバーター専門で出場するのですから、何とか3割は打って欲しいなあ。
もっとも、今の大リーグでは打率よりも打点や本塁打数の方が高く評価される印象です。打率が2割そこそこでも本塁打が30本以上だと、打線の柱としてクリーンナップを任されるようです。私とて、仮に、大谷選手が日本人打者として初の本塁打40本を達成してくれるなら、打率の方は2割8分くらいで十分です(^_^;)。
●卓球の伊藤美誠選手(18才)の強さについて。
温泉卓球レベルの片割月が卓球評論家気どりで語る。
オデコが広いというのは良いよね。賢そうで。
11月6日付、共同通信
「…【北京共同】6日付の中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は、卓球の国際大会で中国トップ選手を相次いで破った伊藤美誠選手について「大魔王が現れた」と驚きをもって伝え、中国の卓球界が警戒を強めていると報じた。
環球時報は「伊藤選手と向き合うときは、戦術や試合に臨む心構えを(他の選手と対戦するときと比べて)変えなければならない」との中国の卓球女子監督の言葉を引用。同監督は「彼女の実力は超一流」として警戒するよう呼び掛けたという。
伊藤選手は今月開かれたスウェーデン・オープンで世界ランク1位の朱雨玲選手、16年リオ五輪女王の丁寧選手ら中国勢に勝利し優勝した…。」
中国の新聞記者さんよ、仮にも18才の乙女に対し、「大魔王」はないでしょう。それを言うなら、おたくら中国女子選手達の方がよほど「大魔王」な風貌をしているよ(*`へ´*)
決勝で伊藤美誠選手が世界ランク1位の朱雨玲選手を4-0で圧勝した試合。
→動画はここです
特に、動画の5分50秒から伊藤選手のフォアハンドスマッシュがノータッチで決まった1本と次のバックハンド対バックハンドで打ち勝った1本に注目!伊藤選手の特長が良く出ています。
2017年のアジア選手権で、平野美宇選手が中国のトップ選手を次々に破り優勝した時も凄かったですが、今回の伊藤選手のケースはさらに凄いと言えるでしょう。
何故なら、アジア選手権では5セットマッチでしたが、スウェーデン大会は7セットマッチなのです。つまり、より実力が試される試合だったと言えます。
「日本人選手キラー」こと、劉詩雯選手を準々決勝で、五輪女王&世界女王こと、丁寧選手を準決勝で、世界ランク1位の朱雨玲選手を決勝でそれぞれ打ち破ったのですから凄い。
平野選手はアジア選手権以後、中国陣営にスタイルを研究されてあまり勝てなくなりました。平野選手の卓球は石川佳純選手と同じく、オーソドックスなドライブ型のスタイルなので研究され易いのかもしれません。日本人女子では石川選手が一番力が安定しているのに、中国人選手にはなかなか勝てない理由はその辺りにもあるのでしょう。
ところが、伊藤選手のスタイルは非常に独特で、そう簡単には行かないと思います。
①トップスピンをかけるドライブ型ではなく、ナックル系のフラットな打ち方や意外性のある変化球を打つので相手はタイミングやリズムを取るのが難しい。
②ボールの上がりばなを叩く、「ライジングショット」が得意でスピードが速い。テニスの伊達公子さんと似ている。コントロールが難しいが決まると効果が大きい。
③おそらく、手首が強靭で柔軟なのでしょう。バックハンドの強打が超女子級に速い。
④これもおそらくですが、伊藤選手は頭が良い。一球、一球、考えながら打っている。ただやみくもに強打していない。相手の裏をかいたり、タイミングをずらしたり、が上手い。
⑤抽象的ですが、相手にマッチポイントを握られてから逆転する精神力の強さと冷静さがある。
こういうスタイルの選手は女子では他にちょっと見当たらないので、中国陣営といえでもなかなか対応が難しいのではないかと推測します。希望的観測も入っていますが(^_^;)。
世界の主流はトップスピンをかけるドライブストローク。テニスもそうですが、ネットをはさんだ球技では、いわゆるストレート球よりも、スライダーのような回転球の方が安定した配球が出来るのは理屈です。
逆に、回転数の少ないフラット系の球はコントロールが難しいので、調子が悪いとミスを連発する率が高くなります。伊藤選手が負けるケースではミスの連発が目立ちます。
その代り、当たり出すと手の付けようがなくなるというわけです。
もちろん、中国選手の強さは無類ですからこのまま負けっぱなしということは無いでしょう。
バドミントンの世界では中国一強の時代が終わり、日本が非常に強くなりました。卓球も早くそうなって欲しいです。もともと、卓球は日本のお家芸だったのですから。
いずれ近いうちに、日本の男女とも…何十年ぶりか…世界王者が誕生すると思います。
日本で新たにプロ卓球リーグとしてのTリーグが始まり、テレビ東京が力を入れているのも心強いです。
☆
長らく日本では、「卓球はネクラのスポーツ。ダサイ」とのイメージがあった。これを変えてくれた一人が先ほど引退を表明した福原愛さんですね。最近の卓球人気は福原さんの貢献が大です。
☆
伊藤美誠選手が勝った理由の一つに、サーブもありました。
つまり、中国人選手が彼女のサーブのレシーブでミスする場面がいくつもありました。
何が楽って、サーブで得点するのが一番楽でしょうね。
卓球でもテニスでもバレーボールでも。
逆に言うと、中国陣営が伊藤選手のサーブ対策を研究すると、サーブの優位が減り、伊藤選手が苦戦する可能性があります。ネットをはさんだ球技では、サーブ&レシーブの重要性が非常に高いですね。
2018.11.06 |
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女子体操界がコーチの暴力指導や協会幹部のパワハラで騒がれている。
私が非常に危惧していることがあります。いやだなあ~、と強く感じることがあります。
それは、メディアに登場する複数の「元体操選手」が異口同音に、18才の女子選手に暴力指導をしていたコーチに「同情的」であること、しかして、パワハラの疑いのある女子の強化本部長や副会長に対しては激しい非難を繰り返していることです。
確かに組織上層部のパワハラ問題は重要ですが、それに劣らず、もしかしたら、それ以上に重要なのは、「体罰・暴力指導」の問題ではないかと私は考えています。
学校教育やスポーツ界では、「時には体罰・暴力による教育・指導もやむなし」との考えを持つ人が少なくない。また、それを支持する生徒や選手と、その家族も少なくないようです。
私の母もそういう一面がありました。私の学生時代、母は私のボーイフレンドに対し、「うちの子は小生意気だから、時には横っ面を一発張ってもいいわよ。男の力を見せなさい」と煽っていたことがありました。
●体罰・暴力容認派の主たる主張
①未成年には、口でいくら言って聞かせても分からない場合は、ある程度の暴力はあっても良い。「言っても分からないか従わない場合は身体を叩いてでも強制的に従わせる必要もある」
②説明ではなく、身体で覚えることもある。口では説明し難い事柄もあり、それは叩くことで身につくこともある。
③暴力は良くないが、教師やコーチが熱心な余りに、愛情があってやっていること。世間が大げさに騒ぎ過ぎ。
④そもそも、子供は「半人前」なのだから、大人と同じ権利は無い。問答無用の体罰もありだ。
⑤教師やコーチが甘いと、子供に舐められる。バカにされる。
⑥自分も体罰・暴力による指導を受けて育った。
もしも、上記の主張に根拠があるとするならば、
体罰・暴力を用いない教師やコーチは指導力が劣るということになるのでしょうか?
暴力指導の無いコーチは熱心さと愛情に欠けることになるのでしょうか?
体罰や暴力を用いない教師は子供から舐められ、バカにされているのでしょうか?
それと、スポーツと同様に、「口では説明し難い事柄が多い」とされる、「書道」「茶道」「英会話」「ピアノ※」等の教師が、分からずやの生徒に平手打ちを食わせる、などというのは聞いたことがありません。
そうではないでしょう。体罰や暴力無しでも指導力を発揮している教師やコーチはいくらでもいるでしょう。生徒思いで熱心と言われる教師はいくらでもいるでしょう。
むしろ、体罰・暴力を用いないと指導出来ない指導者こそ、むしろ、未熟な指導者の証拠ではないでしょうか?
同じスポーツでも新体操、NHKの特集番組で見たのですが…日本人選手の専任コーチを務めるロシア人の女性ですが、大変に厳しい指導をしていても選手を平手打ちにしたり、髪の毛を引っ張るなどという暴力をしているようには見えません。また、大声で怒鳴りつけるという場面すらありません。
フィギュアスケートでも例えば、オーサーコーチやタラソワコーチが選手に暴力を振るう場面などちょっと想像出来ません。しかし、お二人とも名コーチとの定評がありますよね。
ただし、日本人コーチの場合はどうなんでしょうね?(^_^;)
●暴力の恐さは、
①頻度や程度がどんどんエスカレートする危険が高い。暴力で教え子に怪我をさせる例は少なくない。平手打ちで鼓膜が破れたり、頸椎を痛めたり、脳震盪になることもあります。こうなれば、もはや、犯罪でしょう。
②ある程度の暴力とは、具体的にはどの程度なのか極めて曖昧。
③親の子に対する暴力ですら、虐待に繋がり易い。
⑤大人に叩かれないと分からない、言うことを聞かない子供は、将来どんな人間に育つのだろうか?
コーチの暴力を容認していた選手とその家族を、女子強化部長が、「宗教みたい」と批判したのは不適切ですが、日本に根強い「体罰信仰」への批判としては私は同感です。
以前に書いたことがありますが、ルネサンス時代のイギリス人法律家トマス・モアが、「生徒に口でいってきかせるよりも、むしろ鞭にものをいわせたがる悪い教師」と喝破したように、500年も前から体罰の批判があったのです。
それから500年、まだ、体罰は根強く残っています。
●日本人の「体罰信仰」の源泉は、軍国主義時代の悪しき伝統であり、明治~大正時代には無かった、とする説もあるようです。そして、「体罰」と「根性論」はセットであると。
そうかもしれませんが、それだけでは十分な説明になっていないように私は思います。
もう一つの源泉は、日本に根強い「長幼の序」という精神システムにもあると思います。
つまり、たった一年先輩でも、先輩として敬い、従順に振る舞い、間違っても、反対意見を言ってはいけない。批判など論外、という日本のメンタリティが教師やコーチの体罰・暴力を容認する空気を作っているのではないかと。
何度も例に挙げて申し訳ないが、NHKであった松井秀喜とイチローの対談です。イチローが松井の年齢を聞き、「なんだ、俺よりも年下じゃないか」と言い、その後、延々と、一方的に松井の批判や嫌味を言いまくったことが忘れられません。
私は思ったね。怒りながら。
年下って、松井の生年月日とイチローのそれとはわずか十カ月の差しかないのに、俺より年下か、って、それが何だというのだ!とネ。つまり、俺より十カ月後輩の松井だから、言いたい放題言うぞ、ってことなのか。
私は子供の頃、母からは体罰を受けたことはありませんが、父からは何度か平手打ちをされたことがあります。最後に平手打ちされたのは高校2年生。
私はそんな父に対し、恨みこそ感じても、「愛のムチ」などと感じたことはありません。
ううッ、
愛のムチ、
とか、
アメとムチ、
とか、
嫌な言葉だ。
身体中に蕁麻疹が出そうになる言葉だ。
☆
暴力に反対していながらこんなことを言うのは矛盾なのですが。。。
肩から上、首~顔~頭への暴力は絶対にダメです。ほっぺを軽くピタピタとやることもダメ。
何故なら、ここは人間のプライドにも関わる個所だからです。
で、唯一、体罰としては、お尻をペンペン叩くのはOKでは?
お尻は一番お肉の厚い箇所なので、怪我をする危険は非常に少ないし、人間のプライドはさほど傷つかないと思うからです。ちょっとユーモラスでもある。
ま、男性コーチや教師が女子の教え子には出来ないけどね。セクハラになるかも。
※
トリビアな知識ですが。
ベートーヴェンは作曲だけでは食べて行けないので、貴族の子女にピアノのレッスンをすることで生活費を稼いでいたそうです。そこで一人の不器用な女子生徒に腹を立てたベートーヴェンはその女子の腕に噛みついたことがあったそうです。これは大抵の伝記にも登場するエピソードです。
ベートーヴェンは子供時代に父親から虐待的なピアノ指導を受けたそうですから、教え子にも同じことをしたのかもしれません。体罰の連鎖というものはかくも恐ろしい。
2018.09.07 |
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