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頑張れ、河出書房新社!「嫌」でもなく、「呆」でもなく





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某書店に行くと、河出書房新社による「選書フェア」なるコーナーがあり、TAKE FREEのリーフレットも置いてありました。

リールレットにはこう書いてあります。以下はそのまま書き写したものです。

「今、この国を考える」フェアにあったって
「嫌韓」「嫌中」――――昨今、多くの書籍や週刊誌の記事で、近隣諸国への憎悪がいたずらに煽られています。「ヘイト・スピーチ」は日常の風景と化し、連動するように「愛国」や「国益」が、この国に住むひとりひとりが自らの生活と結びつけて考えなければならないものとして話題に上がることが多くなりました。
そして、こうした流れは、生活保護バッシング、女性の貧困や少子化を呼び込む雇用体制といった諸問題と結びつき、個人の生活や未来への想像力を、国や社会が無慈悲に遮断するかのような空気が生まれています。
この国で「普通に」暮らすことさえ息苦しさを感じる人々が増えている今、これからを生きるための手がかりとなるような本を届けたいと私たちは考え、このフェアを企画しました。フェア対象書籍には、各著者からコメントを寄せていただき、さらにこのフェアにご賛同くださった12名の方々から「今、読むべき1冊」をご推薦いただきました。
こんな時だからこそ、「嫌」「呆」ではない視点が必要です。未来を想像するために、過去を振り返り、今現在そこにある問題を考えてみませんか。ぜひ手にとっていただければ幸いです。
                                        河出書房新社 坂上・武田・松尾・片山


同感です。やはり、同じことを感じている人達がいるんだなあ。

河出書房新社は昔から時流に便乗した本よりも、世界・日本文学全集や堅い歴史・社会本の出版に熱心ですね。経営もさぞかし苦しいことでしょう。過去には何度か経営難に陥ったこともあると漏れ聞きます。

私も世界文学全集や世界の歴史シリーズの本ではお世話になりました。特に世界の歴史シリーズは歴史を動的に捉えた説明で、目からウロコが落ちるようでした。今でも何冊かは手元に大事にとってあります。

河出文庫では、非人頭弾左衛門についての本や例のマルキ・ド・サドの本など、他の文庫本ではなかなか手に入りにくい書物が少なくありません。また、かつてはカッパブックスで発行された「三光」(旧日本軍による残酷な中国人殲滅作戦)は右翼の脅迫により絶版になったそうですが、今は河出文庫で読むことができます。

推薦本からは、文芸評論家の斎藤美奈子氏の推薦による、加藤直樹著「九月、東京の路上で:1923年関東大震災 ジェノサイドの残響」を買いました。大震災における「朝鮮人虐殺」をも「無かったこと」にしようとする歴史修正主義の手が及ぶ中、こうした本の価値は高い。もちろん、テレビに出演している有名人の手による本ではないので、大して売れはしないでしょう。それでも、過去の歴史を語り継ぐ人達の努力は決して無駄ではないと思います。


九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響
(2014/03/07)
加藤 直樹

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☆東日本大震災ではありませんが、石原慎太郎氏が都知事をしている時に新関東大震災が起きたら、冗談ではなく、再度、在日韓国・朝鮮人や在日中国人に対する殺人・暴行事件が多発した可能性があっただろうと思います。

それは石原慎太郎という極右(三国人発言等)が首長にあって、ヘイトスピーチ集団とそれを支持する都民がいれば、昔と条件はさほど変わらないと思うからです。大正末期から90年。平成の日本人は歴史から何を学んだのだろうか。


文化防衛論 (ちくま文庫)文化防衛論 (ちくま文庫)
(2006/11)
三島 由紀夫

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私は三島由紀夫の小説のファンであり、論文では「文化防衛論」を愛読しています。三島ファンに限らず右翼な方々なら一度は読むべき本です。日本の文化を牽引する要・主体としての天皇・天皇制を語っていますが、なかなか読み応えがあります。一流の右翼活動家としての三島由紀夫の面目躍如たる内容です。今現代の右翼論者のチープな主張とはレベルが違う。ただし、日本の美の極みが「切腹」に収束されるとするならば、やはり、それは何かが違う、とは思います。

ただし、三島由紀夫は当時猖獗を極めていた三派全学連だの革マル派だのと、暴力的共産主義による天皇制打倒に対する危機感が強かった。そういう時代背景を抜きにしては彼の過激な主張と行動は考えられません。

石原慎太郎は右翼としても、小説家としても、三島由紀夫よりは数等は劣ります。たぶん、ご本人も薄々感じているのではないでしょうか。ただ口先だけで強がって見せるだけの、極めて小心な人間と思います。百田尚樹も石原慎太郎も極右小説家の特徴でしょうか?話し言葉を大事にしない、粗雑さという点でも似た者同士です。三島由紀夫は自らの信念に命をかけましたが、石原慎太郎は醜い老害を晒しているだけに過ぎません。小柄だった三島由紀夫には肉体上のコンプレックスがありボディビルで克服しようとしましたが、大柄な石原慎太郎には精神的コンプレックスがあるので、乱暴な強がり文句や差別的言動で克服出来ると思っているようです。



 

2014.09.19 | | コメント(4) | トラックバック(0) | 歴史・文化



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片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、神仏を尊び、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者熟女(四十路半ばを過ぎた)ですが、よろしくお願いします。

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