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フランス大会&グランプリファイナルに寄せて:愚見を少々




■手抜きですが、フランス大会では主に本田真凜選手について記します。

●本田真凜選手の音楽表現は素敵だ。
演技動画はここです

今大会で一番印象に残った演技でした。本田選手の音楽表現は猛練習の積み上げによる成果というよりも、何より本人の個性・資質に根ざしたものと感じます。

それゆえ、音楽表現が本田選手の天分の発露のまま自然に流れます。水の流れるごとく。快い。借り物の衣装を着たような趣きは一切無く、生まれた時から自家製の衣装を纏っている…そんな印象です。


●「本田選手は練習熱心でない」、との指摘があるようですが。だからと言って。。。

それとは対照的に、「宮原選手は誰よりも練習熱心」と称賛されますね。このこと自体は良いのです。しかし、メディアが練習熱心とされるアスリートをつかまえては、「誰よりも長時間練習をしている」「やめろ、と言われるまで練習を続けている」のような称賛がやたら繰り返されると、私は少々反発したくなって来ます。

少なからぬ日本人特有の、「スパルタ教育好き」「地獄の猛特訓好き」の匂いがプンプンしてくるからです。正月休みも夏休みも返上して、予備校でねじり鉢巻きを締めて朝から晩まで猛勉強している小中学生の姿を思い出す。もちろん、このこと自体を批判するつもりはありません。それぞれの家族や本人の自由だ。

そうではなくて、

「長時間の練習」こそがアスリートの鏡みたいに、葵の印籠のごとく振りかざされるのはどうかな?と思うのです。21世紀の時代、大事なのは量よりも質ではないだろうか?

企業でもそうだ。
朝は誰よりも早出をし夜は誰よりも遅くまで残業する社員が、「ビジネスマンの鏡」みたいに言われて来たことを連想してしまいます。「二十四時間、働けますか?」なんて猛烈なテレビCMもありましたっけ。

しかし、私が尊敬していた上司はこう言っていたものだ。
「残業する社員も、それをさせる上司も、能力が無い証拠」「その日にやるべき仕事は規定時間内終わらせるよう社員を教育し、効率的な仕事の進め方をすることが大事だ」とね。

要は、ダラダラと残業するな!残業時間の多少と仕事の熱意とは関係無い、ということでしょう。

ネイサン・チェン選手が名門イェール大学に入り、学問とフィギュアスケートとの両立で頑張っています。当然、練習時間は少なくなるでしょう。

すると、チェン選手は「練習不熱心」ということになるのだろうか?

問題は、本田真凜選手がどんな練習をしているか、その中味や密度が如何?ということであろう。

そこでクイズです。

数学の練習問題を解いている時、あるいは、少し難解な論文を読んでいる時、何かの習い事でレッスンを受けている時、お仕事で何かの企画書なり報告書を書いている時、あなたは何分、集中力を持続出来ますか?

2時間?1時間?30分?15分?

私は15分が限界です。もちろん、休まずに続けるのですが、明らかに集中力は低下しています。それゆえ、珈琲を入れたり、窓から外をぼんやり眺めてみたり、ちょっと音楽を流したりしたくなります。再び、取り組ますが15分を過ぎるとやはり低下して来ます。この繰り返しですね。

私が通っていた高校では「100分授業」、「90分授業」なるものが行われていましてね、確かに、「猛勉強している感」はありましても、果たして本当に効率的であるか、かなり疑問でした。私は苦痛でした。

もちろん、人ぞれぞれです。長時間練習なり長時間勉強なり、長時間労働で成果を上げる人もいるでしょう。だからと言って、それを万能であるかのように持ち上げるのはどうでしょうか?

それと、三度の飯より、美談作りが大好物なメディアらしいお話でもありますね。


●アイスダンス:パパダキス&シゼロン組の芸術的な名演技!!
演技動画はここです

演技が始まった瞬間から、滑りや表現に、タダならぬ気配を感じます。

下手な説明など不要。ただひたすら魅了されるだけです。

点数や順位を競う、という点ではあまりワクワクさせられることの少ないアイスダンスですが、日本舞踊やバレエを観賞するように楽しむのがアイスダンスだ。

民放テレビは男女シングルオンリーではなく、せめて、彼等の演技くらい流して欲しいわ。



■グランプリファイナル(開催地:カナダ・バンクーバー)の男女シングル進出選手。

●男子シングル
宇野昌磨(日本)
ネイサン・チェン(アメリカ)
セルゲイ・ヴォロノフ(ロシア)
チャ・ジュンファン(韓国)
ミハル・ブレジナ(チェコ)
キーガン・メッシング(カナダ)

良いですねえ。羽生選手の欠場は残念ですが、メッシング選手が繰り上がり選出となり、これが結果的に各国からそれぞれ一名づつの進出となりました。これぞ国際大会に相応しい。

大ベテランのブレジナ選手とヴォロノフ選手の活躍がとりわけ私には嬉しい。

●女子シングル
宮原知子(日本)
アリーナ・ザギトワ(ロシア)
紀平梨花(日本)
エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)
坂本花織(日本)
ソフィア・サモドゥロワ(ロシア)

男子とは対照的に、こちらは、「第二次日露戦争」だな(^_^;)。

ところで、男女それぞれ6名づつを列記しましたが、これはダテに並べたのではありません。

はい。私の予想した順位です(^_^)/



2018.11.30 | | コメント(13) | トラックバック(0) | フィギュアスケート・大会



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プロフィール

片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、神仏を尊び、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者熟女(四十路半ばを過ぎた)ですが、よろしくお願いします。

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