2020年NHK杯フィギュア
NHK杯の特設サイトがあって、便利になりましたね。採点結果も演技構成も動画も見られます。
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●女子
①坂本花織選手。
今や坂本選手は、完璧な演技をした時のキム・ヨナさん、メドベージェワ選手、ザギトワ選手のレベルに匹敵する境地に達したのではないでしょうか?
ジャンプ、スピン、ステップ、滑りの上手さ、パワー、音楽表現等、どれを取っても彼女等に勝るとも劣らぬ出来映え。4回転ジャンプやトリプルアクセルが無くてもここまでの高得点を叩きだせる日本人女子選手は彼女が初めてでしょう。
4人がそれぞれ完璧な演技を終えた時、私は、「ふう~ッ」とため息が出ました。あまりの見事さに、何かを語ろう、書こうとしても、意気阻喪して立ち向かえなくなる…そんな感じです。
私は正直、他は文句無くても、こと音楽表現という点では坂本選手はどうなんだろう?とずっと思っていました。彼女は優雅さ、妖艶さ、華やかさ…俗な言い方をすれば、「女性の色気」を表現して行くタイプにどうしても見えません。これって、フィギュアスケートでは不利に働くのかなあと。
しかし、今回の演技を見て私は完全に間違っていたと思いました。女性らしさとか関係無く、坂本選手は音楽を立派に表現していると思いました。明るく元気一杯な彼女に合った選曲にもなっている。
ここしばらくは、少なくとも北京五輪までこの調子は持続し、さらなる進歩も期待出来そうです。
②樋口新葉選手
フリーでやっとトリプルアクセルを降りましたね。少しだけ回転不足があったようですが回転には不安は無いようです。ランディングのコツさえ掴めれば大丈夫そうです。
私はやはり、高難度ジャンプに挑戦する選手が好きです。
ただ、前から気になっていたのですが樋口選手はジャンプ前の助走がちょっと長い感じがします。その分だけ「繋ぎ」の演技が薄くなるわけで、ここがもっと改善されればもっと高い演技構成点が出ると思うのに。ステップシークエンスでは最高の評価を得ているのに、演技全体としては少し表現面がお留守になっているように見えます。
それにしても、樋口選手のステップシークエンスは見応えがあります。これも私は正直、彼女のジュニア時代の演技からは今の表現力を予想出来ませんでした。樋口選手には日本人女子選手には珍しい「強さ」と「濃さ」があります。
③松生理乃選手。
全日本ジュニア選手権の演技で既に感じましたが、松生選手にはスケートのセンスの良さがあるように思います。滑りの柔らかさ、上半身の柔らかな使い方、そして、ジャンプもステップもスピンもバランス良く上手いですね。
今後に予想される体型変化を如何に乗り越えて進歩して行けるか。
④河辺愛菜選手
河辺選手もトリプルアクセルを跳べる選手。今回は上手く行きませんでしたが成功した時は綺麗に決まっているので心配はしていません。
私の当らない予想ですが…河辺選手は表現力豊かなタイプに育つように思います。彼女の意欲的なステップシークエンスを見て、ふと、そんな予感がしました。
河辺選手の顔立ち、若い頃の石田ひかりさんに少し似ている。
⑤三原舞衣選手。
あの細い脚を見て胸が痛みました。これでよく4分間のフリーをしっかりと素晴らしく演じられるものだと驚きました。どれだけ練習と努力を積み重ねたのでしょうか。人として尊敬します。
⑥本田真凜選手。
う~ん。。。
右肩脱臼であまり練習が出来なかったことは別としても、本田選手は一部で言われているように本当に練習嫌いなのでしょうか?良く言われることですが、スポーツはやたら練習すれば良いというものでもなさそうです。練習漬けになってむしろ調子を落としたり、故障の原因を作ったりする例もあるくらいです。
また、世には「練習嫌いの名選手」の例は少なくありません。
単に練習の量がどうかより、むしろ、計画的な練習が出来ているどうかにあるようです。
本田選手はどうなのでしょうか。
●アイスダンス
他の2組の選手には申し訳無いけど、やはり、村元哉中/髙橋大輔組に尽きます。
そりゃ、まだ、これからだ、くらい素人の私でも感じます。しかし、そんなことファンなら誰でも分かっていること。34才の高橋選手の熱意に私は感銘を受けるのです。
7つ年下の村元選手が、「カカア天下」、いや失礼、「姉さん女房」に見えます。
●男子シングル
出て来る選手がいずれもミスが多くて…。
逆に、女子の坂本花織選手の凄さを感じたりして。
もちろん、鍵山優真選手は異次元の滑りでしたね。
宇野昌磨選手のシニアデビュー当時と比較したくなります。
表現技術では宇野選手、ジャンプ技術では鍵山選手かしら。
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2020.11.29 | | コメント(8) | トラックバック(0) | フィギュアスケート・大会