【J1:第5節】 ヴィッセル神戸 vs 浦和レッズ (ノエビアスタジアム)→ 開幕4連勝の神戸と2勝1敗1分けの浦和の上位対決は前半はほぼ互角の展開になった。0対0で迎えた後半16分に浦和はFW興梠のダイレクトパスを受けたMF柏木が素晴しいコントロールから左足のトーキックで決めて先制に成功すると直後の後半19分にもMF柏木のCKからDF遠藤航が頭で合わせて貴重な追加点を奪った。神戸は後半36分に途中出場した19歳のMF中坂のゴールで1点差に迫ったが後半47分に浦和がカウンターから決定機を作ると最後はMF柏木が合わせて決定的な3点目のゴールを奪った。
浦和は後半の早い段階でMF武藤雄を下げてMF駒井を投入。MF武藤雄の出来は決して悪くなかったのでやや意外な選択だったがこれが大成功。MF駒井をボランチに入れて、MF柏木をシャドーの位置に上げたが、ペトロヴィッチ監督の選手交代がものの見事にはまった。MF柏木はシャドーの位置に上がってから2ゴール1アシスト。特に先制ゴールは鮮やかすぎた。神戸のボランチのMFニウトンが前からプレスをかけてボールを奪いに行ったので中盤にぽっかりとスペースが空いていた。浦和はその隙を見逃さなかった。
この日はここまで5ゴールを挙げているFWラファエル・シルバを欠いたが1トップの位置でプレーしたFW興梠が非常に良い動きを見せた。自身のゴールはなかったが1点目と3点目はFW興梠のパスが起点となった。試合前の時点で勝ち点差は「5」。まだ始まったばかりとは言っても「8差」になるのはかなりきつい。浦和にとっては非常に大事な試合だったが、FW興梠とMF柏木が見事な活躍を見せた。失点シーンは良くないやられ方だったのでこのシーンは反省材料と言えるが注目の上位対決で浦和は底力を発揮した。
神戸は今シーズン初黒星となった。ホームの浦和戦には滅法強くて2008年から8試合負けなし。8試合で6勝2分けだった。神戸がホームで浦和に敗れたのは2007年以来なので大のお得意様と言えたが久々の敗戦となった。19歳のMF中坂に今シーズン初ゴールが生まれたのは明るいニュースと言えるがこの日の神戸は攻撃に迫力がなかった。FWレアンドロが長期離脱中。FWポドルスキは加入前。仕方がないところもあるが攻撃陣の駒は豊富とは言えない。FW田中順、FW大槻周、MF小林成などの頑張りが必要である。
【J2:第8節】 モンテディオ山形 vs 東京ヴェルディ (NDソフトスタジアム山形)→ 2勝1敗4分けで10位の山形と5勝2敗で3位の東京Vの試合はアウェイの東京Vペースで進んでいく。前半20分と前半34分に左WBのMF安在が得意の左足で惜しいシュートを放つなど東京Vが優勢に試合を進めたが先制ゴールを奪うことができない。すると後半22分に右サイドに流れたFW阪野のクロスからMF瀬沼が強烈なヘディングシュート。キーパーがはじいたところをMF汰木がドリブルで相手のタイミングをずらしてから豪快に決めて山形が先制に成功する。1対0で勝利した山形は2連勝。東京Vは2連敗となった。
シュート数は山形が10本、東京Vは22本。山形のシュート数も決して少なくないがそれでも東京Vの半分以下。東京Vは決定機の数も多かった。中でも後半7分のGK児玉のキックミス(空振り)がきっかけとなったFWアラン・ピニェイロの大チャンスの逸機は悔やまれるところである。山形の最終ラインの選手が粘り強く対応したところもあるが単純にシュート精度を欠く場面も多かった。東京Vは5連勝のあと2連敗。5勝3敗となったので踏ん張りどころを迎えている。上位に踏みとどまることが出来るか?の分かれ目と言える。
山形は粘り強い戦いを見せた。内容的にはかなり劣勢だったので課題の多い試合になったがこういう難しい試合で勝ち点「3」を獲得できると波に乗ることが出来る。上位を走る東京Vを叩いて差を縮めたい試合だったので勝利できたのは良かった。価値ある決勝ゴールを決めたのは21歳のドリブラーのMF汰木だったがMF南が怪我で離脱している中で存在感を発揮した。センスを感じさせるドリブラーで相手選手の間をスルスルとすり抜けていくことができる。攻撃においてはアクセントを加えることができる選手である。
最近の山形は新加入のMF中村駿をボランチ、DF高木利を3バックの左で起用している。MF中村駿はオフに群馬から加入した大卒2年目の若手ボランチで、DF高木利も大卒3年目。25歳前後の選手がたくさん起用されるようになってきたが、DF高木利を最終ラインで起用するアイディアは面白い。左SBあるいは左WBの専門家なので左ストッパーというポジションは不慣れなポジションだと思うが攻撃力のある選手なので組み立てにも貢献できるし、後方から攻撃参加した時は精度の高いクロスを入れることが出来る。
【J2:第8節】 ロアッソ熊本 vs 松本山雅 (えがお健康スタジアム)→ 1勝4敗2分けで20位の熊本と4勝2敗1分けで5位の松本山雅の試合はちょうど1年が経過した熊本地震の復興支援マッチとして開催された。観客動員数は13,990人。熊本のホーム戦としては史上7番目。2012年以降では最多となる観衆を集めたので異様な雰囲気の中で試合は行われたが前半7分にFW安柄俊のミドルシュートのこぼれ球を拾ったFWグスタボが左足で強烈なシュートを突き刺してホームの熊本が先制に成功する。その後はほぼ松本山雅が試合を支配して攻め込んだが同点ゴールは生まれず。
逆に後半35分に熊本が右サイドのFKを獲得するとMF上里のシュートがそのまま決まって大きな追加点を奪った。2対0で勝利した熊本は連敗を「4」でストップさせた。負けると自動降格圏に転落するところだったが何とか踏みとどまった。熊本地震が発生したのは4月14日(木)。これが前震。4月16日(土)に起こった地震が本震と言われているので本震からちょうど1年後に試合が開催された。熊本にとっては特別な試合になったがイレブンは意地を見せた。クラブに携わる人全てにとって大きな意味を持つ勝利になった。
2節以降、勝利から遠ざかっていた熊本は今シーズン2勝目を手にしたが重要な一戦で目立ったのは初スタメンのFWグスタボだった。前半7分に左足で強烈なシュートを決めたが足を攣ってベンチに退くまでパワフルさを前面に押し出したプレーでスタンドを沸かせた。熊本は得点源になれる選手あるいは攻撃の中心になれる選手を必要としているがFWグスタボが大化けしたら相当に面白いことになる。これほどフィジカルの強い選手はJリーグにはなかなかいない。復興支援マッチでFWグスタボが最大級のインパクトを残した。
松本山雅は1失点目はアンラッキーだった。ただ、その後の攻撃は迫力があった。少なくない数の決定機を作ったので攻撃に関してはまずまず良かったがなかなかフィニッシュが決まらなかった。エースのFW高崎には3度ほど大チャンスが訪れたが全て決められなかった。昨シーズンと同様でFW高崎にボールが集まって来る環境になっているので彼が自分の仕事ができないようだと苦しくなる。数字的には昨シーズンも16ゴールと十分な結果を残しているが決定機に決められない場面は少なくない。シュート精度は課題と言える。
【J3:第5節】 ブラウブリッツ秋田 vs ガイナーレ鳥取 (あきぎんスタジアム)→ ともに2勝1分けと好スタートを切った秋田と鳥取の上位対決は3対1でホームの秋田が完勝。秋田が無敗をキープした。前半19分に左サイドの裏を取ったFW田中智の折り返しをMF久富賢が決めてホームの秋田が先制に成功すると前半25分にはMF前山のFKからCBのDF有薗が決めて2点目を挙げる。さらに後半25分には右WBのMF古田のパーフェクトなクロスからFW田中智が頭で合わせてダメ押しの3点目を奪った。鳥取は終了間際にセットプレーからDF秋山のゴールが決まって1点を返したが反撃はこの1点のみ。
杉山弘一監督が就任した秋田は3勝1分け。素晴らしいスタートを切った。今シーズンは福島も快進撃を見せているのでJ3リーグは東北のチームが頑張っている。オフの選手の入れ替えは最小限にとどまったので間瀬監督の元で4位と好成績を残した昨シーズンのメンバーが中心。「昨シーズンと比べてボールをつなぐ意識は高まっている。」と言われているが大きな変化はない模様。「継続路線」と言えるが組織的でいいサッカーを披露している。3対0になったあとの失点は余計だったが、完勝あるいは圧勝だったと言える。
昨オフは最小限の補強にとどまったが、それでもGK小澤、DF有薗、MF古田、MF藤山など新戦力の頑張りは目立っている。札幌時代から才能を高く評価されてきたMF古田は秋田では左右のWBの位置で起用されている。対戦相手によってMF古田とMF青島のどちらを右にしてどちらを左にするのかを決めていると思うがこの日は右WB。1対1で仕掛けて打開できる選手なのでサイドで起点になっている。「1トップ+2シャドー」が秋田の大きな武器となるがサイドからもチャンスを作ることができるようになったのは大きい。
鳥取は今シーズン初黒星となった。これまではいい試合を見せていたがこの日は完敗と言うしかない試合になった。森岡監督が就任した鳥取も今シーズンからパスをつなぐ意識が高まっているが、秋田のプレッシャーの前にイージーなミスが目立った。試合に負けたこと以上に内容が残念なものだった。収穫と言えるのは左SBの位置でスタメン起用された19歳のDF礒江がまずまずのプレーを見せた点。CKのキッカーを任されるほど左足のキックは評価されているようだ。鳥取U-18出身の選手なのでクラブの期待は大きい。
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◆ まとめ #1630 神戸 vs 浦和、山形 vs 東京V、熊本 vs 松本山雅、秋田 vs 鳥取 (2017/4/18)
→ J1の1試合、J2の2試合、J3の1試合をクローズアップしました。注目の上位対決となった神戸 vs 浦和は3対1でアウェイの浦和が勝利した。神戸は今シーズン初黒星となりました。浦和は後半途中にボランチの位置からシャドーの位置に移ったMF柏木が2ゴール1アシストの大活躍。選手交代が大成功しました。神戸は19歳のMF中坂のゴールで1点差に迫りましたが勝ち点を得ることはできませんでした。
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