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【ちばぎんカップ：千葉×柏】 190センチのFW櫻川ソロモン。ポストワークは120点。フィニッシャーとしては・・・。 | | |　

■　Jリーグの開幕まであと1週間

Jリーグの開幕まであと1週間となったが毎年恒例のちばぎんカップが開催された。2021年はコロナの影響で開催は見送りとなったので2年ぶりの開催となるが今年で何と26回目となる。過去の対戦成績は柏が16勝9敗と大きく勝ち越しているが90分で決着が付かないときはPK戦まで行われる。PK戦に限定すると千葉が4勝1敗と勝ち越しているので「柏の方が地力はある。」と言える。フクダ電子アリーナでの開催となった。

ホームの千葉は「3-4-2-1」。GK新井章。DF新井一、チャン・ミンギュ、鈴木大。MF田口、小林祐、福満、秋山陽、風間宏矢、見木友。FW櫻川ソロモン。注目の新戦力のMF風間宏矢が2シャドーの一角でスタメン出場。MF高木俊はベンチスタートとなった。左WBもMF末吉塁がベンチスタート。新加入のMF秋山陽がスタメンで起用された。レフティのMF秋山陽はジェフ千葉U-15出身。この時以来の古巣復帰となる。

対するアウェイの柏は「3-4-2-1」。GK佐々木。DF大南、エメルソン・サントス、古賀。MF椎橋、戸嶋祥、中村慶、三丸、マテウス・サヴィオ、細谷。FWドウグラス。新加入のFWドウグラスがスタメン出場。韓国代表としてW杯予選を戦ったGKキム・スンギュはベンチ外。パリ世代で19歳のGK佐々木がスタメンで起用された。右WBは清水から加入したMF中村慶が起用された。MF細谷はU-22日本代表になる。

■　FWドウグラスが決勝ゴールをマーク

試合の序盤は千葉ペースになった。激しいプレスでボールを奪って主導権を握りかけたが前半10分に柏が逆カウンターを仕掛ける。MF細谷の絶妙なスルーパスを受けたFWドウグラスがキーパーとの1対1を落ち着いて決めて柏が先制に成功する。エースとして得点源になることが期待されるFWドウグラスはいきなり結果を残した。千葉はボールの失い方が悪くて最後はFWドウグラスに裏を取られてしまった。

1点を追う千葉は20歳のFW櫻川ソロモンを軸に攻撃を仕掛けた。柏のDFエメルソン・サントスとのマッチアップは優勢。しっかりとボールをおさめて時間を作ったがそこから先のプレーはスムーズには運ばず。シュートチャンスはあまり作れなかった。前半は1対0で折り返した。迎えた後半26分に千葉は見せ場の少なかったMF見木友を下げてMFサウダーニャを投入。この交代をきっかけにいい攻撃を見せるようになった。

後半36分には3枚交代を実施。MF高木俊、DF高橋壱、MF末吉塁を投入すると後半47分にMF末吉塁のクロスからMF高木俊に大チャンスが訪れたが2連続で放ったシュートはいずれもポスト直撃。絶好の同点のチャンスを逃した。1対0で逃げ切った柏が今年のちばぎんカップを制した。Jリーグの開幕戦は1週間後に迫ったが柏はアウェイで湘南と対戦して、千葉はホームで昇格組の岩手と対戦する予定になっている。

■　「今年の柏は彼次第」と言える。

いよいよJリーグの開幕が間近に迫ってきたが前評判があまり高くない柏にとっては大きな勝利となった。「J1のチーム vs J2のチーム」なのでちばぎんカップを落とすようだと周囲は騒がしくなったはず。J2の中では前評判が高くて「昇格候補の1つ」に挙げられる千葉を相手にアウェイで勝利できたのは良かった。後半のアディショナルタイムに決定機を作られたが何とか逃げ切ることが出来たのも良かった。

決勝ゴールを決めたのはFWドウグラスだったが「今年の柏は彼次第」と言える。神戸での2年間はいずれも7ゴールだったが欠場も多かった。プレーした時は高確率で結果を残しているので「ある程度プレー出来れば2桁ゴールはクリアできる。」と思うが稼働率がどの程度になるのか？は分からない。新加入のFW森海渡(筑波大)も期待を集めているがルーキーに過度な期待は禁物。FWドウグラスの負担は大きい。

FWドウグラスはストライカーとしてはかなりの万能型である。サイドからのクロスをヘディングで合わせて決めるゴールも多いがこの日の決勝ゴールのように裏抜けも出来る。本番でも3バックを採用するのか？否か？は分からないがどんなシステムであってもチャンスボールは彼に集まってくるだろう。仕留められる力はある。右WBで起用されたMF中村慶が気の利いたプレーを見せたのも柏にとっては収穫と言える。

■　ポストワークは120点。フィニッシャーとしては・・・。

敗れた千葉は早い段階で先制ゴールを許したことで「いいシチュエーションの機会」になった。得点力に課題を抱えているチームなので先制ゴールを奪ってしっかりと守ってくる柏をどうこじ開けるのか？は興味深かったが1トップのFW櫻川ソロモンは大きな存在感を発揮した。2021年は30試合で4ゴール。五輪後に定位置を確保してプチブレイクを果たしたが千葉がJ1に昇格するためには彼の本格ブレイクは不可欠である。

この日はDFエメルソン・サントスとマッチアップする機会が多かったがFW櫻川ソロモンが優勢だった。190センチという破格のサイズを誇るが「パワーに関しては並外れたものがある。」と言える。日本人の長身フォワードは「線が細くて空中戦やポストプレーは苦手。実な裏抜けを得意にしている。」という選手が多いがFW櫻川ソロモンはポストプレーに磨きをかけており、ボールの収まり具合は素晴らしく良かった。

しっかりと起点になったが自身のゴールは無し。シュートチャンスもあまりなかった。2021年もなかなか得点数が伸びなかったが「こういう形になればゴールを決める！」というのは現状はイメージしにくい。性格的におとなしいのか、プレーはスマートである。CFなのでもっと積極性や強引さや傲慢さも欲しい。CFなのである程度以上は点が取れないと評価されなくなる。彼も「今年の千葉の命運を握る選手」と言える。

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