2009年5月26日(火)
この映画 【天使と悪魔】 を見たのは公開初日の深夜である。
セルン(欧州原子核研究所)の壮大なセット(または、実物でロケ? または全てCG)とバチカン図書館の壮大なセット(または、実物でロケ? または全てCG)が細部まで描かれていて、金は掛っているが、ストーリーは駄作!?
というか、キリスト教の背景や「根比べ」(次期法皇を選出する「コンクラーベ」)について相当の知識が無いと、非キリスト者である我々にはさっぱり解らない。
とりわけ、ストーリーの中で次々と次期法皇候補の枢機卿を殺害してゆく犯人の動機が解らない。 何か数百年前からの因縁があるようではあるが・・・
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それと、反物質を作り出す装置の配管のあちこちから(壊れたり異常事態が起こっている訳でもない正常動作として描いているにも拘わらず)蒸気のようなものが噴き出している様子は、絶対にあり得ない話である。 作り出そうとしている反物質の大きさが量子レベルなのだから蒸気が漏れていたら、パススルーしてしまうではないか?! まあ、事実を描いたら、映像的に静止画像のようになるので、映画的演出としてやっているということは解るのだが。
なお、この反物質の爆発力について、「ペガサス・ブログ」が試算している。引用してみると・・・
さて,この反物質が,たとえば反水素のガスの何グラムで,映画のような5キロトンの爆発に相当するか計算して見る(ちょっとスジのネタバレになってしまった).
有名なアインシュタインの関係式 E=mc^2 を使えばよい.反物質は同じ量の物質と消滅してエネルギーに変わるので,反物質1kgであればmに2を代入,c(光速)は3x10^8m/sとして,1.8x10^17Jとなる.反物質1gならその千分の1つまり1.8x10^14J.
TNT火薬5キロトンは1.3x10^13Jに相当するので**,したがってこれに対応する反物質の量は0.072gということになる.映画に出てきたカプセルにあるのが液体とすれば,だいたい見た感じと一致する.もっとも,反物質の原子や分子は電気を持たないので,磁場や電場の組み合わせでそれを宙づりにすることは出来ない.
まあ、映画終盤で、それだけのものがバチカン広場上空で爆発するのに、バチカン広場に居る数万人の人たちが多少の怪我を負う位で、殆どの人が生き残っているというのも考えられない。 爆発についての科学的考証がいい加減である。
まあ、それやこれやで、一方では突っ込みどころの多い、また一方ではさっぱり解らない映画であった。 わたし的には最初に描いたように「壮大な駄作」だと思う。
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