【解説】
創立70周年に贈る、劇団四季ミュージカルの原点。
時を経ても輝き続ける、魂の舞台をあなたに――。
創立70周年を記念して、劇団四季が自信と誇り、
熱い想いと共にお贈りする『ジーザス・クライスト=スーパースター』。
演出家・浅利慶太が、オリジナル演出とは全く異なる独創的な発想で、
海外ミュージカルを“日本人の心”に響く舞台に昇華させた、浅利演出の代表作です。
初演時のキャストは、劇団四季の俳優が中心。スターの知名度に頼らず、
真の実力を持った俳優たちが、深いテーマ性のある作品を上演する――
四季の基本姿勢の先駆けとなり、現在の上演スタイルを確立した、
まさに“劇団四季ミュージカルの原点”。それが『ジーザス・クライスト=スーパースター』なのです。
さらに、『キャッツ』『オペラ座の怪人』の作曲家A・ロイド=ウェバーと
『ライオンキング』の作詞家ティム・ライスが20代の時に生み出した出世作でもあります。
日本的様式美の要素を取り込み、創造力に満ちた斬新な舞台を繰り広げた[ジャポネスク・バージョン]とは打って変わり、今回お届けする[エルサレム・バージョン]は、大胆なまでにあらゆる装飾を削り取った荒野が舞台。
圧倒的リアリズムを追求した浅利演出は高い評価を得、芸術選奨文部大臣賞を受賞しました。
イエス・キリストを一人の苦悩する若者として赤裸々に描いた、衝撃のロック・オペラ。
十字架にかけられるまでの最後の7日間。その核心に迫る、濃密な人間ドラマ、心の叫び――。
上演のたびに熱烈な支持を得てきた魂の舞台を、今こそあなたの胸に。
【ストーリー】
この作品は、イエス・キリスト(ジーザス・クライスト)が十字架にかけられるまでの最後の7日間を描いたミュージカルである。
今からおよそ2000年前、ローマ帝国領のパレスチナに一人の青年が現れた。
大工の息子ジーザスは、人々に新しい教えをとき、数々の奇跡を起こしているという。 圧政に苦しんでいた民衆たちは、たちまちジーザスの言葉に耳を傾けるようになり、彼こそ「救い主」「神の子」と讃える。
弟子の一人、イスカリオテのユダにとってジーザスは「神の子」ではなかった。
ジーザスを愛するユダには「全て御心のまま」という師の真意が理解できない。
マグダラのマリアもまたジーザスを愛していた。
彼女は、かげりの無い、純粋で献身的な愛をジーザスに注ぐ。
ジーザスが「ただの人」だと露見したとき、人々はそれを許すはずが無い。 彼らの怒りによってジーザスは押しつぶされてしまうだろう。 そう予感していたユダは、師ジーザスを裏切る決心をする。
「あなたを誰かが追い詰めるなら、私がやる」
弟子たちとの最後の食事でジーザスはこの中に裏切り者がいると指摘する。
動揺する弟子たちをよそに、ジーザスは独りゲッセマネの園で父なる神に問いかける。
「私はあなたの心が知りたい、この目であなたが見たい」
銀貨30枚と引き替えにユダは師の居場所を教え、ついにジーザスは捕らえられた。
支配者たちの間をたらい回しにされ、侮辱・嘲笑されながら抵抗しないジーザス。
いま、あまりにも無力に見える彼の姿に民衆は失望し、叫びつづける。
「彼を殺せ、十字架にかけろ」
ユダ、マリア、シモンやペテロといった弟子たち、ユダヤ教の司教、ローマ帝国総督、そして民衆。
人々の思いが交錯する中、ジーザスは十字架に向かって進んでゆく…。
【スタッフ・キャスト】
作詞 : ティム・ライス
作曲 : アンドリュー・ロイド=ウェバー
企画・製作 : 四季株式会社
初演日本版演出 : 浅利慶太
訳詞 : 岩谷時子
美術 : 金森 馨
照明 : 沢田祐二
振付 : 山田 卓
レジデント・ディレクター : 荒木美保
ステージング担当 : 礒津ひろみ
稽古進行管理 : 北澤裕輔,吉賀陶馬ワイス,松尾 篤,
大森瑞樹,小島光葉,山田充人
美術監修 : 土屋茂昭
役 名 : 配 役