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経済なんでも研究会
サタデー自習室 -- 金(きん)の研究 ⑨
2008-06-28-Sat  CATEGORY: 政治・経済
9)驚くべき多重性格 = 金本位制の終了、金ドル本位制の崩壊で、通貨制度の観点からみると、金は完全に通貨としての地位を失った。現在は貴金属の一商品として、市場で取り引きされているだけのように見受けられる。ところが、よくよく観察してみると、通貨としての側面もまだ十分に備えているようだ。

金はもともと、通貨と商品の二面性を持っていた。たとえば金ドル本位制がうまく機能していた1950年代の半ば、ロンドンには商品としての金を自由に売買する市場が誕生している。この自由市場は、その後ニューヨーク、シドニー、東京、香港などにも開設され、いまではこれらの都市をつないで24時間切れ目のない取り引きが可能になった。

このうちロンドン市場は現物取り引き、またニューヨーク市場は先物取り引きの指標価格を形成している。これらの取り引きは、宝飾品としての金、ITなど先端技術産業の原材料としての金。医療用の金、さらには財産形成のための金。いろいろ性格が異なる需給によって成立している。そして最近の投機的な売買からは、通貨的な臭いも立ちのぼる。

ドル相場が安くなると、金の価格が上がる昨今。金はドルという通貨を裏保証している最強の“通貨”のように振舞っているように見える。そして金がまだ通貨的な側面を持っているなによりの証拠は、各国の通貨当局が大量の金を保有して放さないこと。ちなみに06年の保有額は、1位がアメリカで8133トン。以下ドイツ、IMF(国際通貨基金)、フランスの順。日本は765トンで、第7位だった。

                              (続きは来週サタデー)

    ≪27日の日経平均 = 下げ -277.96円≫

    【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】

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