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経済なんでも研究会
異常な原油高 : ひとつの読み方 (Ⅲ)
2008-06-05-Thu  CATEGORY: 政治・経済
☆増殖するファンド = 過剰となったドルの大半は、世界各地に設立された投資ファンドとなって存在する。先進国から途上国にいたるまで、ファンドの数がいくつあるのかも不明だ。メリルリンチ社は、このうちSWF(政府系ファンド)だけでも、合計2兆2280億ドルの運用資産を持っていると推計している。

なかでも、中東産油国のいわゆるオイルマネー・ファンドは強力だ。中東10か国の石油収入は、07年だけでも3900億ドル。原油価格が1ドル上がると、65億ドル増加する計算だという。もし130ドルの価格が1年間続くと、石油輸出国の経常黒字は合計1兆ドルに達するという推計もある。加えてファンドは投資や投機に成功すれば、その儲けで自己増殖して行く。

市場の側からみた試算によると、商品市場全体に対するファンドの運用資産残高は、03年には130億ドルだった。それが08年3月末では2600億ドルに。5年間で20倍となった。特に07年1月からは、原油市場でのファンドによる投機的な動きが活発になったという。

投資ファンドのすべてが、投機的に資金を動かしているわけではない。むしろ大半のファンドは中長期目標の投資に専念している。ただ株式や債券市場に比べると、商品市場の規模は格段に小さい。たとえばニューヨーク市場の規模は、株式が15兆ドルなのに対して、原油のそれは1500億ドル程度でしかない。したがって100億ドル単位の投機マネーで、原油市場はほぼコントロールできると思われる。

                                      (続きは明日)

    ≪4日の日経平均 = 上げ +226.40円≫

    ≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ

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