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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「5重の壁」全て破損
福島原発1~3号機「圧力容器」損傷濃厚「5重の壁」すべて破損

5重の防御なるものが全て壊れているというのは、確かにその通り。原子炉は絶対安全だ、圧力容器、格納容器はどんな時も破損しないとしたり顔で解説していた原子力専門家には、もう一度この事態を解説してもらいたいものだ。

燃料棒は溶融して崩壊し、放射性物質は確かに炉内から漏れている。問題は圧力容器と格納容器の密閉性が、まだどれほど保たれているか。

しかし、この記事で、九州大の工藤和彦特任教授が、「圧力容器内の気圧が1気圧程度で推移しているデータ」を示したというのは、他のメディアでは確認できなかったが、本当だとすると衝撃的な話。

これは圧力容器の釜が既に割れており、炉内の物質が圧力容器からダダ漏れになっているということを意味する。格納容器がある程度の密閉性を保っていれば、全ての放射性物質が環境中に放出されるまでには至っていないだろうが、これは本当か。中央制御室の電源が回復したとはいえ、炉心の計測系までは復旧していないはずで、この教授の言うデータなるものが間違いだとよいのだが。

一方、モニタリング・ポストのデータによると、関東近県の放射線量はゆっくりと下がり続けており、これはここ数日、新たな放射線物質がこちらまで来ていないことを示しており、よい兆候。問題は福島原発からの放出量が安定してきているのか、単に風向きがラッキーだっただけのことなのかがよく分からないところ。

まあ、いずれにせよ、新聞や週刊誌のように、政府や東電の対応を口を極めて罵っても、現時点での問題解決には何ひとつ役立たない。現場では、最悪の事態を避けるための努力が懸命に継続されている。既に放射性物質は高濃度で辺りに拡散しつつあり、実に危険な任務だが、いったん炉と燃料棒保管プールの安定を取り戻すのが最優先。今はただ、その成功を祈るのみだ。