投稿日:2008-09-23 Tue
ピーの墓地は海辺の墓地と違いほとんど起伏がなく、平たく広がっていた。ここでも地図がなければ目指す墓地を探し当てることはできないだろう。不安を抱きながら墓地に入ると、幸いにも、入り口に管理事務所があり、年配の管理人がつめていた。「ジョルジュ・ブラッサンスの墓はどこでしょうか?」
管理人はとたんに相好をくずして、立ち上がり、ついてくるように合図をした。小径に立つと、次のように言った。
「ここを真直ぐ行って、三つ目の角を右に曲がりなさい。ほら、あの松の木の下ですよ」
「やはり、松の木があるのですね」にやりとすると・・・
「ええ、もちろん、彼のために植えたのですから」と、ウインクをした。
後ろを振り返ると、ブラッサンスの墓を示す標識が立っていた。訊くまでもなかったのだ。孤高の詩人ヴァレリーと異なり、この吟遊詩人はあくまで民衆を愛し、民衆に愛され、民衆として生きたから、墓参者が絶えないのだろう。見ると、例の松の木の方に、何組かの墓参者の群れがあった。
ジョルジュ・ブラッサンスの墓
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