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石田明生

Author:石田明生
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夏の旅計画
 梅雨時の鬱陶しい毎日、8月後半に予定しているフランス旅行の旅程作りをして暇をつぶしている。旅行は、旅行自体ももちろん楽しいが、旅を頭の中で想像して旅の順路を作り上げるのも楽しい。本当にその通りになるかどうかは、どうでもよい。ボードレールは、実際は旅好きではなかったと聞いているが、『旅への誘い』にあるとおり旅を作り上げるのは名人だった。
 以下に、たとえば8月16日の旅程を作り上げてみよう。
 宿泊するホテルは随分前から決めてある。パリの西隣のLevallois-Perretという町だ。サン・ラザール駅からL線で二つ目、時間で5分ほどの駅Clichy-Levalloisから徒歩5分ほどの所にある。旅歩きの順路はそこが起点となる。

8月16日(水)
 町歩きはサン・ラザール駅から始まる。駅から歩いて東に5・6分ほど行くとサント・トリニテ教会がある。この比較的新しい教会は(1861年建築開始1867年竣工)、モーパッサンの小説『ベラミ』の舞台になっている。ベラミことデュロワは友人のコネを使って入り込んだ新聞社で、持ち前の美貌を武器に出世を重ね、ついに社長夫人と親しくなるまでになった。そこでさらに出世を確実にするためその夫人と恋仲になろうと目論む。その最初の足がかりをサント・トリニテ教会で掴もうとして、教会で逢い引きをする。信心深い夫人は教会なら逢い引きに応ずると計算したのだ。事実彼は彼女の心を掴むことに成功する。デュロワは第一ステップを越える。
 当時完成したばかりだったこの教会はその美しさで異彩を放っていたのだろうか。ロッシーニ(1868年)、ベルリオーズ(1869年)、ビゼー(1875年)の葬儀が相次いで行われたのは偶然とは思えない。

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パリ旅行記(2007年) | 17:59:15 | Trackback(0) | Comments(5)
2007年夏のパリ日記(16)・・・ピクピュス界隈
9月12日(水)快晴
 パリ滞在最後の日だ。
 まず、モディアノの小説『ドーラ・ブリュデール』のドーラが通った高校のあったピクピュス界隈(12区)に行く。彼女の寄宿学校はロトシルドの病院近くにあるとわかっていたので、その辺りを散策する。

病院.JPG
ロトシルド(ロスチャイルド)病院

 すると、今日は水曜日だからだろう、高校生くらいの少年・少女が群れをなして歩いているではないか。ちょうど下校風景に遭遇したのだ。思わず,シャッターを押しまくる。すると、僕がカメラを持っているのに気付いた女の子が「あっ,カメラを持っている!」と、叫んだ。これはまずかったかな,と思うと,「ねえ,写真,撮ってよ」と言うではないか。もちろん、否やはない(この部分は8月30日「ドランシー」の日記と重複します)。

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パリ旅行記(2007年) | 16:27:56 | Trackback(0) | Comments(0)
2007年夏のパリ日記(15)・・・カルナヴァレ美術館
9月11日(火)(快晴)

 少々寝不足で二日酔いのまま、オペラ座からバスに乗り、シャルル・ド・ゴール空港に行く。チェックインを済ませ、四人は帰国の途についた。

 さて一人になると、昨日の仇は今日討てとばかり、早速「Produits de monastere」に行って、クルミのクリームとイチジクのジャムを、休みだったショコラティエに行きショコラを買う。これでおみやげは手に入った。

ショコラティエ.JPG
お気に入りのショコラティエ「L'Atelier du chocolat bayonne」
ベルギー系ではなく、ピレネー山脈のふもとのバイヨンヌ風


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パリ旅行記(2007年) | 15:45:24 | Trackback(0) | Comments(0)
2007年夏の旅日記(14)・・・モンマルトル、レ・アル
9月10日(月)快晴

 今日は旧友たちにとってパリ最後の日となる。だから、おみやげの買い物も視野に入れてパリ観光を目指す。
 まずはモンマルトルの丘を散歩する。
 モンマルトルという名前は「メルキュール神殿の丘」から来たという説があるが、それよりも面白いのは(失礼!)、「殉教者(マルチール)の丘」という語源だ。250年頃、初代パリ司教のサン・ドニは、ここで打ち首になったが、自らその首をかかえて、北に向かって歩いて行ったそうだ。そしてついに力尽きて倒れた地が、サン・ドニというわけだ。

アベス駅.JPG
モンマルトルの丘にある唯一のメトロ駅「アベス」、
この美しい駅はアール・ヌーボーの芸術家ギマールの作品。


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パリ旅行記(2007年) | 22:34:40 | Trackback(1) | Comments(0)
2007年夏のパリ日記(13)・・・ふたつの世界遺産(シャルトル、ヴェルサイユ)
9月9日(日)快晴

 今日は日曜日、休みで閑散となるパリ市内でぐずぐずしているよりも、思い切って郊外に出かけよう。そしてどうせ出かけるならば、世界遺産を見学しよう。
 というわけで、シャルトル大聖堂とヴェルサイユ宮殿を一日でまわることにした。
 モンパルナス駅発9時半の電車に乗って、まずシャルトルに行く。

コンポステ.JPG
シャルトル行きの切符をこの自動読み取り機でコンポステ(読み取らせる)しなければならない。
フランスの国鉄は改札口がないからだ。


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パリ旅行記(2007年) | 22:34:39 | Trackback(0) | Comments(0)
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