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石田明生

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消費税8%
 いよいよ四月から消費税が5%から8%になる。僕もその前に買っておかねばと、気持ちは焦っているのだが、いざとなると思い浮かばないものだ。冷蔵庫やエアコン、テレビなどが余命幾ばくもなくなっているのなら、ここで思い切ってとなるのだが、彼ら思いのほか元気がいい。
 安売りのスーパーの店内を歩いていると、なにか買うものを必死に探している自分に気付いてびっくりした。よく考えてみれば、無理に買う必要などないのに、缶詰は、焼き海苔は、インスタントラーメンは、という具合にいちいち頭の中で家の貯蔵量を検討している。。
 ところで、今度の消費税8%というのは、さらに年内にも断行される10%というのは、僕が毎年行っているフランスと比べると少し高い感じがする。大方の日本人はそう思っていないかもしれないが・・・先進各国との消費税比べは、おおざっぱに平均の値でしている。たとえばフランスは19.5%(?)なので、日本の8%なんて存在しないようなものだと、錯覚してしまうから、注意したい。
 毎年フランスで、ホテルを取り、食事をし、スーパーで買い物をしているから、わかるのだが(というのは、レシートに必ず内税の税率が明記されているから)、たいていは7%で、まれに11%のときがある。食料品は5.5%だ。レストランにせよホテルにせよ、僕のレシートが7%の消費税(付加価値税)が付いているということは、僕の旅行レベルはそれくらいだ、ということをも意味している。だから、僕がフランスでは消費税7%だと言っても、他のひとがフランスに行った場合には、11%だと主張するかもしれない。あるいはそれ以上か。要するに、どんな旅行、どんな食事をするかによるのだ。
 逆に言うと、フランス帰りのひとに消費税の率をたずねてみればいい(もしその人が消費税に関心があり、レシートをチェックしているならばだが)。そのひとの、フランス滞在中の贅沢度、あるいは貧乏度(さしずめ僕のケース)がわかるというものだ。

その他 | 14:25:59 | Trackback(0) | Comments(0)
バカ丁寧語
 今、四月から消費税が8%になるので、それに関するニュースがかまびすしい。
それはそれで問題なのだが、消費税に関するニュースを見ていたら、最近気になってしょうがない表現が耳に入ったのでひと言もの申しておこう。
 それは、「・・・させていただく」という敬語の乱用のことだ。耳ざわりではあったが、不快と言うほどではなかったので、今までずっと、ここ数年我慢してきた。
 そのニュースによると、マクドナルドは逆に客を呼び込むために値下がりを断行するらしい。ある支店長は得意満面で次のように言った。
「今まで120円だった商品を100円に値下がりさせていただきます」
 これを聞いた時、「させていただきます」もここまできたかと、げんなりしてしまった。
「すみません、疲れたので腰掛けさせていただきます」「お腹がすいているので先に食べさせていただきます」のように、「させていただく」ほうには、必ず負い目があり、謙譲の気持ちを表明している。それが「させていただく」の使い方だと思うが・・・
 ところがこのマックの支店長はどんな気持ちで「させていただく」とのたまわったのか。「100円にします」と言ったほうがずっとさっぱりしているのに。
 いちいちメモをしていなかったので(していれば枚挙にいとまがないほどなのに)、他の例を挙げられないが、一度ビックリしたのは、万引きの容疑者らしきひとが店に入ってきたのをある店員が「来ていただいた」と言っていたり、小学校の校長が生徒に「学校に来ていただいた」とインタビューでしゃべっていたのを耳にしたこともある。
 まさか、日本中がバカ丁寧語で満たされるなんてことはないだろうね。


雑感 | 13:54:29 | Trackback(0) | Comments(0)
お弁当
 どうも僕は弁当作りが好きなようだ。今頃こんなことを述懐しても変なものだが、最近つくづく思う。というのも、2月以降学校が休みになり、弁当を作ることがなくなって、何か物足りなさを感じ始めたからだ。この物足りなさは何だろう、そんなことをぼんやり考えていると、妻が「パンを買ってないから、明日のお弁当どうしよう」とつぶやくのを耳にした。妻は、2月から4月の初めまで、デパートで採寸のアルバイトをしている。要するに町の中学・高校の制服を作るための仕事だ。だから、毎年この時期だけお声がかかる。
 何年か前から、妻はこの仕事をしているが、お弁当にいつもサンドイッチを自分で作って持って行っていた。僕もそこに自分の入る余地があるとは夢にも思っていなかった。ところが、この度のつぶやきだ。僕は「おにぎりかお稲荷、つまり土曜の弁当みたいなものでいいのかな」と思わず声に出す。「土曜の弁当」とは、このブログにも紹介したことがあるが、土曜の朝食用の簡単な弁当のことだ。彼女の職場の昼食の時間は短く、すばやくすまさなければならないらしい。
 そこで、つい一週間ほど前、おにぎりとお稲荷、サラダとゆで卵という、僕にとって土曜の定番弁当を作って、妻に持たせた。帰ってきて、感想を聞くとまんざらでもなかったらしい。そこで、ほとんど毎朝ということになった。最近は、物足りなさも感じなくなり、その物足りなさの原因が、弁当作りがなくなったことだとわかった。この春休み、弁当作りと夕食作りでますます専業主夫に磨きがかかってきた。

弁当2         弁当4

弁当3
左 : おむすび弁当とポテトサラダ・ソーセージ・ゆで卵 
右 : 三色弁当とオムレツ・ソーセージ・乾燥トマトと苺 
下(今日) : チャーハンとシュウマイ・キノコホイール焼きチーズ載せ
(今日は、夕べの残りご飯があったので、チャーハンにしました)




日常スケッチ | 09:43:37 | Trackback(0) | Comments(0)
「さん」と「氏」の違い
 一月前あたりから、いわゆる「ゴーストライター事件」で、日本中が沸き返っている。柏の通り魔的事件と違って、死傷者が出ていないので、凄惨な感じがしないのはそれはそれでよいのだが、佐村河内というひとりのヒーローを信じ、英雄視した少年・少女が心に傷を負ったとしたなら、笑い事ではすまない。
 この事件は、どなたもご存知のように、彼の曲のすべてを作曲していたとする新垣という音楽家が、ゴーストライターだったことを公の場で公表したことで、誰でも知ることとなった。それだけではない。全聾とされてきた佐村河内氏が実は全聾ではなかったというおまけまでついた。いや、おまけどころではなく、人によってはそれこそが事件の核心になるのかもしれない。
 ところで、一連の報道、とりわけテレビのニュースを見ていて、おもしろく感じるのは、キャスターやコメンテーターがゴーストライターである新垣という人を「新垣さん」と呼んでいるのに対し、全聾を装い天才作曲家を演じた佐村河内という人を「佐村河内氏」と呼んでいることだ。完全な犯罪者とすることができないので、「・・・容疑者」とは呼べないし、呼び付けにもできない。日本語というものは便利なものだ。「さん」も「氏」も、どちらも丁寧語であるから失礼にあたらないし、乱暴でもない。が、テレビのキャスターたちが「新垣さん」「佐村河内氏」というたびに、こちら側に伝わって来るのは、「さん」に対して一定の共感を示しつつ、「氏」と呼びながら劣等化しているという事実だ。

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雑感 | 09:01:56 | Trackback(0) | Comments(0)