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石田明生

Author:石田明生
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コルマール旅情(2)
 第二面のマリアのテーマは心なごむものであったが,問題はその裏面だ。そこにグリューネヴァルトがもっとも力を注いだと思われる傑作がある。思えばこの祭壇画は、聖アントワーヌ会修道院付属の施療院の礼拝堂に飾られていたものだ。主役は常に聖アントワーヌでなければならない。
 聖アントワーヌは、4世紀エジプトの聖者であった。彼はあらゆる所有物を投げ捨て,エジプトの南、テバイードの砂漠であらゆる誘惑と戦い,修行したと伝えられる。この「聖アントワーヌの誘惑」は画家にとっても(ヒエロニスム・ボス、ピーター・ブリューゲル)小説家にとっても(ギュスターヴ・フロベール)、魅力的なテーマであったのだろう。
 人間のありとあらゆる欲望を退け、ひたすら祈りと修行を全うし、聖アントワーヌは紀元356年に105歳で没した。この105歳という年齢のすごさも加わり、彼は聖者の中でも人気のある聖者となった。グリューネヴァルトは、その魅力的なテーマに敢然と挑んだのだ。

聖アントワーヌの誘惑


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2013年フランス旅行 | 18:06:27 | Trackback(0) | Comments(0)
1789 les amants de la Bastille・・・『1789年、バスティーユの恋人たち』
 ついに、待望のDVDが我が家にやってきた。10月下旬に注文したオペラ・ロック『1789年、バスティーユの恋人たち』だ。昨年の夏、フランスのホテルでそのPV『世界が欲しい Je veux le monde』を見て以来、一年と三ヶ月になる。まさに恋いこがれていた恋人に会えたような気分だ。実は先週末に到着してから、もうすでになんどもなんども見ている。なんど見てもすばらしい。期待を裏切らなかった。ちなみに,ホテルで見たPVは以下のだ。

http://www.youtube.com/watch?v=rDZKoJ5XMco


 ビートの利いた音楽と過激な女たちの服装、マリー・アントワネットの存在、恋人同士らしい美男美女、これをホテルのテレビで見た時、このミュージカルがおもしろくないわけがないと直感した。帰国してさらに、次の『うまくいくさ、恋人よ Ça ira mon amour』をyoutubeで見つけた時、このDVDを絶対に手に入れたいと決心したのだ。

http://www.youtube.com/watch?v=6Om4EIUWrYQ


 ちなみに、フランス・アマゾンで二枚組DVD(一枚はmaking offやインタビューなど)の値段は14ユーロ弱だった。

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雑感 | 11:16:50 | Trackback(0) | Comments(0)
玄冬
 昨日、65歳の誕生日をむかえた。昨年は,2の6乗の歳などと息まいていたが,さすがに65歳というとまいってしまう。何やら区役所から郵便物が届き,65歳は無視したくともできないものだ。いやがおうでも、青春、朱夏、白秋を経て、ついに玄冬の段階に達したということなのだろう。季節は巡り,冬に至る。

 この一年で,何かしたかというと、墓を買ったぐらいか。百万円ちょっとで(恥ずかしながら,一番安い)、自宅からかろうじて歩ける距離に、死後の地を見いだしたというわけだ。キリスト教徒ではないので、死んだあと,ペテロとの出会いをどうするかとか,仏教徒ではないので,閻魔様になんと言い訳するかとか,そんなことを考えていない。
 先日,かばんを買った。仕事用のものだが,このかばんを最後にきっと定年まで、もう新たなかばんを買わないだろう。いや,買えないだろう。今,なにを買っても,それを最後まで使えるのか,ふと頭をよぎる。年をとるということはこういうことなのか。まさに,年を取って初めて実感することなのかもしれない。
 毎年行くフランス旅行、こうなったら,来年も意地でも行きたいものだ。Bon anniversaire!!!

雑感 | 23:13:45 | Trackback(0) | Comments(0)