投稿日:2008-07-31 Thu
まもなく夏休みという、前期最後の慌ただしさのさなか、畏友田中氏から、一冊の本が送られてきた(『老教授ゴハルの犯罪』アルベール・コスリー著、田中良知訳 水声社)。試験やら採点やら忙しくて読み切ったのは今日になってしまったが、読み出したらおもしろくて、大部分を今日一日で一気に読んだ。我々日本人には馴染みのない、エジプト・カイロの町が舞台だ。たとえ、カイロに行ったことがある人でも、ツアーで行く限り、この小説の舞台は、未体験に違いない。そのカイロの「現地人街」を徘徊して、東京のどんな街角とも異なる、生活と心のありようが見て取れた。
ここに少し紹介してみよう。
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投稿日:2008-07-28 Mon
やっと前期も終了し、先日は妻に誘われて、猛暑の中、両国から錦糸町まで歩いた。両国には相撲見物ではなく、江戸東京博物館の特別展『北京故宮 書の名宝展』と、常設展を見学するためだ。書のことはよくわからないので、どちらかと言えば、気持ちは常設展にシフト・・・
ただ、あまりにも有名な王羲之の『蘭亭序』を一目見るのは悪くはあるまい。そんな不埒な思いで館内を歩いていると、びっくり。その『蘭亭序』の前は、モッコリと人だかりができて、順番待ちの人気ぶりだった。撮影禁止だったので、写真でお見せすることはできないが、見学者の人たちの表情は真剣そのもの、伝説的書家・王羲之の凛とした美しい筆遣いに感動しているのか。それとも、遥か遠い、大陸にまで至る祖先の軌跡(奇跡)に思いを馳せているのか。
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投稿日:2008-07-09 Wed
過日(7月5日)、神保町はすずらん通りにあるサロンド富山房において、「七夕&パリ祭」の夕べが行われた。実際の革命記念日、7月14日の一週間以上前だったが、会場の都合等、いろいろあったのだろう、そんなことはかまわない。要はお祭り騒ぎがしたいのだ。浴衣姿が涼しげなパリ祭パーティー
何もよそ様の国の記念日を日本で騒いでもしょうがないだろう、と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、そこには深いわけがある。主催が『エコール・ラパン』という、フランス語会話教室だからだ。
パーティーのパンフ
左のムッシューがミシェル先生。右のマダムは神保町応援隊隊長
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投稿日:2008-07-09 Wed
先日、現金書留を受け取った。その時、印鑑がすぐに見つからなかったので、サインでよいか尋ねた。すると、「サインでしたら、フルネームにして下さい」と言われた。そこでフルネームでサインをしたが、なぜか釈然としない。印鑑では名字だけなのに、なぜサインの場合、フルネームでなくてはいけないのだろうか。その郵便局員に尋ねてみればよかった。残念なことをしたものだ。と後悔したが、考えてみたら、その局員の方(かた)が納得できる説明をできるとも思えない。だが、今度は尋ねてみよう(次に現金書留が我が家に来るのはいつのことか)。
サインの場合はフルネームにしてほしいというのは、フルネームで書けば、家族の誰が受け取ったかわかるからだろうか。いや違う。なぜなら、印鑑のほうが押した人間の匿名性ははるかに高いからだ。三文判で押す場合、誰が押しても同じだ。対して、サインはたとえ名字だけでも筆跡を見れば、少なくとも我が家族は誰の手によるものかすぐにわかる。つまり、フルネームで書く必要などまったくないのだ。結句、郵便局員の方が「フルネームで・・・」と、おっしゃったのは、家族の誰が受け取ったか、明確にするためではない。判子の場合でわかるとおり、受取りの家族名をもとより知ろうとしていないからだ。
ではなぜフルネームか?
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