投稿日:2019-12-27 Fri
一昨日は年賀状書きで大わらわだった。40枚ほどであったが、少しでも手書きをとなると大変だ。今年は、下手な俳句を下手な字で書くのはさすがに気が引けて活字にしてしまった。新年を迎えるにあたっての覚悟を下手な俳句にしている。この度はこんな句だ。
日向ぼこ我も生きたやディオゲネス
ソクラテスの孫弟子と言われている哲学者ディオゲネスにまつわる逸話は多い。その中でも傑作なのは、マケドニアのアレクサンドロスとのそれだろう。
まだ王子だった大王は、アテネにやってきた時、著名な哲学者の噂を聞いていたので、是非ともその哲学者に会いたいと部下を率いて街に出て行った。ディオゲネスはほとんど着るものもなく道端にごろりとしていたので、王子は「何かして欲しいことはないか?」と親切に声をかけた。すると、哲学者は「ある。そこをどいてくれ。日陰になるから」と答えたという。何も所有せず犬のような生活をしていたキニク(犬)派の哲学者らしい答えは痛快だ。もちろん、アリストテレスの弟子であるアレクサンドロスも怒りもせず、退いたという。


「アテネの学堂」ラファエロ作 真ん中で寝頃が彫っているディオゲネス(Wikipédiaより)
というわけで、「寒さ」を恐怖する僕はひたすら日向ぼっこをし、物に執着しない生活を送ろうと決意した次第だ。
△ PAGE UP