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石田明生

Author:石田明生
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小銭も積もれば・・・
 先日の月曜日、授業中にぐらりときた。長い横揺れだったので、遠いどこかで大地震が起こってなければよいがと案じていたが、やはり、ひどいことになっていた。地震自体は人の力ではどうしようもないもの、問題はいかに対処するかだ。
 特に地震大国の日本だから、衆知を結集して事に当たらなければならないだろうし、現にいろいろと努力はしている。
 そういう援助の一環で、テレビを見ていたら、民間からの寄付の集め方に感心させられた。各局がそれぞれの電話番号を表示して、視聴者がそこに電話をかけると自然と105円なりが寄付される仕組みになっている。これはすばらしい。寄付をするのにほとんどあらゆる面倒が省かれているからだ。そして、105円という金額も適切だ。高すぎれば渋る人も多く出るだろう。
 そこで、さっそく電話をかけてみた。すると、一斉に視聴者がかけているのだろう、混雑していてなかなかつながらない。そしてそれもすばらしい。みんな寄付に応じている証拠なのだから。電話がつながらなくて「みんなやってるな」と嬉しくなるなんて、こんな時ぐらいかも知れない。

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オピニオン | 19:17:02 | Trackback(0) | Comments(1)
全席優先座席について
 先日の「余録」に次のようなことが書かれていた(2007.7.16)。

《(株主総会でのこと)・・・阪急電鉄が1999年から実施している「全席優先座席」について、高齢の株主が「普通の優先座席があったほうが席を譲ってもらいやすい」と見直しを求めた。突然の発言に、複雑な思いが広がった。》

 余録によると、阪急電鉄の全席優先というのは次のような経緯によるらしい。
 優先座席は1973年の9月15日、つまり敬老の日に当時の国鉄の中央線に初めてお目見えした(この年は老人医療費の無料化、年金の物価スライド制などが始まり、「福祉元年」と言われた年だそうな・・・今やこんなことは夢のようだ)。この優先座席は翌翌年の75年に時の運輸省の通達で私鉄にも広がった。
 それから約四半世紀後、阪急電鉄はこの優先座席の存在が、人間の性悪説によるものと気が付いたのかどうか知らないが、いずれにせよ、どんな席でも困っている人がいれば席を譲るのは当然のことではないかと、いわゆる「性善説」を支持し、ドアーの上に「席をお譲りください」というシールだけにした。
 というわけで、全座席優先席という考え方で7年が過ぎて、上の発言だ。これをどう考えればいいのだろうか。

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オピニオン | 11:34:35 | Trackback(0) | Comments(1)
『第三の男』を聞く・・・恵比寿駅
 若者たちは、映画『第三の男』(キャロル・リード監督、1949年、イギリス)と聞いて、どれだけフムフムと共感するのだろうか。もっとも偉そうに「若者たち」などと、書き出したが、かくいう僕にとってもこの映画は歴史に属するものだ。
 僕の『第三の男』体験は、なんといってもその音楽からだった。
 高校生となった僕が、音楽に対する生来の劣等感から、なんとかこれを打破できないものだろうかと考えて、入ったクラブは「ギター愛好会」だった。女子学生が多く、別の意味でも楽しそうだったし、これで音楽劣等感から解放されるなら、まさに一石二鳥というものだ。

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オピニオン | 21:30:06 | Trackback(0) | Comments(0)
鳥のさえずり
 不思議なことがあるものだ。僕が使っている最寄り駅の階段やホームではいつも鳥がかしましくさえずっている。「チッ、チッ、チッ・・・ピーチク」オノマトペ(擬音)ではうまく表現できないが、というより表現できないほどにぎにぎしい。しかも驚いたことに雨の日も、深夜の十時過ぎになっても鳴いている。
 もちろん鳥籠などない。
 これはCDかテープで流されている、人工的な鳥の鳴き声なのだ。
 駅長の、我ら勤め人に対するささやかな思いやりかもしれない。朝の満員電車に乗ろうとすると、どうしてもすさみがちになる我ら乗客の心を、耳に心地よい音で少しでも和らげようという配慮なのだろう。もしかすると痴漢行為も減るかもしれない。
 深夜まで、鳥のさえずりがホームや階段でかしましいのは、一日の仕事で疲労困憊した我ら勤め人に、美しい音色による癒しの効果を期待する駅長の深慮かもしれない。

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オピニオン | 17:15:49 | Trackback(0) | Comments(1)