池澤夏樹さん個人編集の世界文学全集の第1期第3巻、ミラン・クンデラの「存在の耐えられない軽さ」を読み終えました。
物語の軸となっているのは、トマーシュとテレザ、フランツとサビナという4人の男女の恋愛です。しかし、単なる恋愛小説ではなく、哲学的な内容を持った作品でした。おまけに、時系列に沿って物語が進行しないことも、作品の複雑さに拍車をかけています。物語の随所に作者が顔を覗かせて、物語の進行を妨げるような考察を始めたりもします。しかし、作者の語り口の上手さで、決して読みづらい小説にはなっていないのが凄いです。
物語の主な舞台となるのは、ソ連に牛耳られているチェコです。そこに生きる4人の男女は、否応なしに歴史的な状況に振り回されて行くことになります。とはいえ、そこに悲壮感は感じられず、登場人物たちはそれぞれの個性によって、淡々と運命の選択をしていっているように感じられました。
それほどページ数がある作品ではないのに、予想外に読むのに時間がかかったのは、この作品を読み進む中で本当に様々なことを考えさせられたからだと思います。1人の人間、1つの生命の儚さ。そして様々な思想や主義の裏側にある欺瞞などなど、この作品を読んでいて考えさせられたことがたくさんありました。
物語の軸となっているのは、トマーシュとテレザ、フランツとサビナという4人の男女の恋愛です。しかし、単なる恋愛小説ではなく、哲学的な内容を持った作品でした。おまけに、時系列に沿って物語が進行しないことも、作品の複雑さに拍車をかけています。物語の随所に作者が顔を覗かせて、物語の進行を妨げるような考察を始めたりもします。しかし、作者の語り口の上手さで、決して読みづらい小説にはなっていないのが凄いです。
物語の主な舞台となるのは、ソ連に牛耳られているチェコです。そこに生きる4人の男女は、否応なしに歴史的な状況に振り回されて行くことになります。とはいえ、そこに悲壮感は感じられず、登場人物たちはそれぞれの個性によって、淡々と運命の選択をしていっているように感じられました。
それほどページ数がある作品ではないのに、予想外に読むのに時間がかかったのは、この作品を読み進む中で本当に様々なことを考えさせられたからだと思います。1人の人間、1つの生命の儚さ。そして様々な思想や主義の裏側にある欺瞞などなど、この作品を読んでいて考えさせられたことがたくさんありました。
最終更新日 : 2022-10-30