CPU性能の向上がいまひとつぱっとしないなか、QSVでのHW HEVCエンコ対応は、Skylakeの重要な新機能の一つとなっている。
そのHEVCエンコードに
QSVEnc 2.11でSkylake HEVCに対応したので、その画質を調べてみた。
また、ついでにQSV H.264のfixed funcの速度/画質比較も行った。
条件等
環境Win10 x64
Core i7-6700K @ 4.29GHz (Cache 4.07GHz) (4C/8T) <Skylake>
Intel HD Graphics (24EU) 350-1150MHz (4274ドライバ)
DDR4-3234, 2ch, 16GB
Aviutl 1.00
QSVEnc 2.11
x264guiEx 2.33 + x264 x64 r2579 (kmoisar氏 kmod版)
x265guiEx 3.65 + x265 x64 1.7+427 (自ビルド VC2015)
入力サクラノ詩 OP (デモ版)
ファイル名: sakura_op.mpg
MPEG1 1280x720 11.5Mbps 1分56秒
設定QSV HEVC ICQ-u 4 --icq 24
QSV HEVC CQP-u 4 --cqp 25:26:28
QSV H.264 ICQ-u 4 --icq 23
QSV H.264 CQP PG-u 4 --cqp 24:26:29
QSV H.264 CQP FF-u 4 --cqp 27:28:28 --fixed-func
QSV H.264 ICQ-u 4 --icq 23
x264自動マルチパス 1800kbps --preset slow --qcomp 0.7 --aq-strength 0.4
x265自動マルチパス 1800kbps --preset slow --psy-rd 1
ビットレートとエンコード速度
| ビットレート(kbps) | 速度(fps) |
---|
QSV HEVC ICQ | 1812.79 | 152.62 |
QSV HEVC CQP | 1790.14 | 173.33 |
QSV H.264 ICQ | 1884.12 | 346.43 |
QSV H.264 CQP PG | 1803.79 | 354.42 |
QSV H.264 CQP FF | 1844.59 | 361.11 |
x264 | 1794.79 | 87.05 |
x265 | 1787.71 | 13.57 |
画質を比較するため、ビットレートを1800kbps付近にそろえた。エンコード速度はQSV H.264が圧倒的に速く、QSV HEVCは約半分の速度となっている。
H.264のFixed Funcと通常のGPUを使うモードでは大きな速度差はないようだ。
769フレーム目 (1からカウント)
オリジナル
QSV HEVC ICQ 1812.79kbps
ちょっと微妙な感じ。かなりざらついていることがわかる。
QSV HEVC CQP 1790.14kbps
ICQよりはよいだろうか。
QSV H.264 ICQ 1884.12kbps
HEVC CQPと似たようなもの。
QSV H.264 CQP PG 1803.79kbps
このフレームはICQよりCQPのほうが良い画質に出るようだ。
QSV H.264 CQP FF 1844.59kbps
Bフレームがない分、画質が落ちているのがわかる。
x264 1794.79kbps
さすがの高画質。
x265 1787.71kbps
わかりにくいが、高画質のx264よりさらに画質が良い気がする。
1748フレーム目 (1からカウント)
オリジナル
QSV HEVC ICQ 1812.79kbps
ここではCQPよりも画質が良い。まあそこそこの画質。わずかにH.264 ICQよりよいかも?
QSV HEVC CQP 1790.14kbps
このフレームではICQ > CQPとなるようだ。
QSV H.264 ICQ 1884.12kbps
それなりに良い画質だろう。
QSV H.264 CQP PG 1803.79kbps
だいぶ甘くなっている気がする。
QSV H.264 CQP FF 1844.59kbps
やはりBフレームがないのはきついか。
x264 1794.79kbps
安定の高画質。
x265 1787.71kbps
さらにすっきりしている。
まとめ
ざっと画質を見てきたが、残念ながらH.264→HEVCで大きな画質の向上は発見できなかった。まあ、もちろん、今回は設定とかほとんど触ってないので、たとえば設定を高画質寄りに振るなどしてみるとまた違うかもしれない。
ともかく、QSVEnc 2.11でとりあえずSkylake HEVCエンコードが可能となったので、もしSkylakeを持っている方がいたら、遊んでみてください。