Intel Arc A380をゲットしたので、まずはベンチマークで性能がどのくらいなのかをチェックしてみた。ただ、あまりGPUベンチマークはやったことがないので、「回したらスコアがばっちり出る系のベンチマーク」しかやっていないです。
まあ、Arc A380はArcシリーズの中でも下位モデルなのだけど、Intel公式にはGTX1650やRX6400より高性能、ということになっている。
GTX1650とかは持っていないので比較できないけど、手持ちのミドル・ローエンドGPUと比べてどのくらいなのか、確認してみた。
まず共通で使用した環境は、i9 12900Kを使用した環境。この状態でGPUを入れ替えて測定した。
CPU | i9 12900K |
Cores | 8P+8E/24T |
L2 Cache | 14MB |
L3Cache | 30MB |
Boost | 5.2GHz |
RAM | DDR4-3600 |
RAM Size | 8GBx4 |
RAM Timing | 16-19-19-39-1 |
RAM FCLK | Gear1 |
M/B | MSI MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4 |
SSD | Plextor M10P |
PS | Seasonic FOCUS PX-750 |
Case | Thermaltake Core V7 |
OS | Win11 x64 |
そして、比較したGPUの一覧。
GPUのスペックを比較するとこんな感じ。
コア数・周波数を見ると、Arc A380はGTX1060と比べコア数は少なく周波数が高い。メモリ帯域も一致していて、理論値では同等といえそう。ただ、問題はあくまでスペック上は…ということなのだ。
GPU | Arc A380 | UHDG 770 | GTX1060 | RX5500XT | RX460 |
Units | 128EU | 32EU | 10SM | 22CU | 14CU |
Cores | 1024 | 256 | 1280 | 1408 | 896 |
Clock | 2450MHz | 1500MHz | 1506MHz | 1670MHz | 1090MHz |
Boost | 2450MHz | 1500MHz | 1708MHz | 1845MHz | 1210MHz |
RAM | GDDR6 | DDR4 | GDDR5 | GDDR6 | GDDR5 |
Size | 6GB | 32GB | 6GB | 8GB | 2GB |
Bus | 96bit | 64bit | 192bit | 128bit | 128bit |
Speed | 15.5Gbps | 3.6Gbps | 8Gbps | 14Gbps | 7Gbps |
Bandwidth | 192GB/s | 57.6GB/s | 192GB/s | 224GB/s | 112GB/s |
TDP | 92W | - | 120W | 130W | 75W |
Driver | 3259 Beta | 3221 | 516.59 | 22.7.1 | 22.7.1 |
まずは、FF14ベンチマーク(1080p デスクトップ高品質)から。
Arc A380は、さすがにi9 12900Kの内臓GPUからは大幅にスコアが向上しているものの、GTX1060とはかなり差がある感じ。スペック表だけでみると、もう少し近づいてもよさそうなものだが…。
次にFF15ベンチマーク(1080p高品質)。さすがに重いベンチマークなので、内臓GPU(HDG770)では落ちてしまった。A380でも結構かくかくで厳しそうだった。
これもスコアはFF14と同様の傾向。GTX1060との差は大きい。
次に3DMark。
Arc A380は3DMarkだけには強烈に最適化されていると見えて、これまでの傾向が嘘のよう。GTX1060をやや上回るスコアが出ている。ここまで露骨だとベンチマーク番長とか言われても仕方ないように思う。
とはいえ、まあ前向きにとらえれば、頑張って最適化すればこのぐらいのポテンシャルはある、ということなのだろうか。
Fire StrikeでもArc A380は健闘しているが、わずかにGTX1060の後塵を拝する形に。
A380は、DX12が得意で、DX11は少し苦手、ということで、DX11のFire Strikeは少し性能が出にくいのかもしれない。
Night Rapidは、GTX1060とRX5500XTの中間ぐらい。
最後に消費電力。ワットチェッカーのような専用の機材はないので、
+styleのスマートWi-Fiプラグで、スマホアプリで確認できる消費電力を目視でチェック。アイドル時とFF14ベンチマーク中の消費電力を比較した。
Arc A380はローエンドだけあって、控えめな消費電力に収まっていて、さすがにGTX1060/RX5500XTよりは相当低い電力になっている。まあGTX1060は2016年発売で16nm、一方A380は6nmなので、当然といえば当然なのだが…。
むしろ、Arc A380のアイドル電力が最も高いというのが問題かもしれない。
Arc A380はアイドル時にもBoard Powerが16~17W程度と比較的高い。GPUメモリのクロックが全く下がらないので、ここで無駄に電気を食っているのかもしれない。
また、PCIeのASPMが有効にならないので、これも電力が減らない原因のひとつかもしれない。
8月にはドライバ更新等で改善されるという話を聞いたので、期待したい。
というわけで、Intel Arc A380の性能をチェックしてみた。3D Markではそこそこだけど、実ゲームではどうなの? という現状が図らずも確認出来てしまったと思う。
まあもともと延期の理由はハードウェアというよりはドライバの問題という噂なので、ドライバの最適化とかそのあたりが、まだまだ全然追いついてないのかな、という感じがする。
まあ、Intel Arcの本命は、A780/770とかだと思うのだけど、最大の問題はとにかくものが出てこない(発売されない)こと。
GeforceやRadeonの次世代が迫ってきている状況の中、最近では8月末いや9月、みたいな話になっているのだけど、はたしてどうなることやら…。