比較環境
CPU | i9 12900K |
コア数 | 8P+8E/24T |
L2 | 14MB |
L3 | 30MB |
Boost | 5.2GHz |
メモリ | G.Skill F4-3600C16D-16GTZNC |
速度 | DDR4-3600 |
容量 | 8GBx4 |
タイミング | 16-19-19-39-1 |
メモリFCLK | Gear1 |
iGPU | Intel UHD Graphics 770 |
dGPU0 | INNO3D GeForce RTX 4080 16GB X3 |
dGPU1 | EVGA GeForce RTX 2070 XC Gaming |
dGPU2 | GUNNIR Intel ARC A380 Photon 6G OC |
dGPU3 | ZOTAC GTX 1060 Mini |
SSD1 | Plextor M10PGN 1TB NVMe PCIe Gen4 |
SSD2 | Plextor M8PeG 1TB NVMe PCIe Gen3 |
マザー | MSI MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4 |
冷却 | Corsair iCUE H150i RGB PRO XT |
電源 | KRPW-PA1000W/92+ (80+ Platinum) |
ケース | Thermaltake Core V71 |
OS | Windows 11 |
ドライバ | NVIDIA 526.47/526.98 Intel 31.10.101.3793 |
エンコーダ
QSVEncC 7.23
NVEncC 7.02
VCEEncC 7.12
入力動画1 (アニメ版)
sakuranotoki_op.mp4 H.264 1920x1080 30fps 3194frame
AvisynthのLWLibavVideoSourceで読み込み (SWデコード)
入力動画2 (実写版)
sample_movie_1080p_new_short8.mp4 H.264 1920x1080 29.97fps 4550frame
AvisynthのLWLibavVideoSourceで読み込み (SWデコード)
使用コマンド
qsv H.264 (-u 1:quality, 4:normal)
--icq [x] -u [1,4] -c h264 --level 5.1
FF: [--fixed-func]
qsv HEVC (-u 1:quality, 4:normal)
--icq [x] -u [1,4] -c hevc --level 6 --max-bitrate 60000
10bit: [--profile main10 --output-depth 10]
FF: [--fixed-func]
qsv AV1 (-u 1:quality, 4:normal)
--icq [x] -u [1,4] -c av1 --max-bitrate 60000
10bit: [--output-depth 10]
nvenc H.264
--qvbr [x] --level 5.1
quality: --preset quality --multipass 2pass-full --lookahead 32 --multipass 2pass-full --weightp --bref-mode each
nvenc HEVC
--qvbr [x] -c hevc --level 6
quality: --preset quality --multipass 2pass-full --lookahead 32 --multipass 2pass-full --weightp --bref-mode each
10bit: --output-depth 10 --profile main10
nvenc AV1
--qvbr [x] -c av1
quality: --preset quality --multipass 2pass-full --lookahead 32 --multipass 2pass-full --weightp --bref-mode each
10bit: --output-depth 10
画質比較
では早速、画質比較の結果を見てみる。
bitrate-vmaf
今回からvmafも追加。
縦軸vmafが高いほど画質がよく、横軸ビットレートが小さいほど圧縮できているので、左上にいればいるほど良いことになる。
※凡例の □ をクリックすると、グラフ線のオン/オフができます。
※マウスをグラフの 〇 のところにあてると、値が確認できます。
グラフが表示されない場合はこちら。
この動画では、アニメ版と異なり、RTX4080のvmafスコアが、Arc A380より明確に高く、非常に良い画質(vmaf)ー容量比となっている。
RTX4080に関してはHEVCよりAV1のほうが画質(vmaf)ー容量比がよいのも変わらず。AV1が初実装であることを思えば、驚異的だと思う。
Arc A380はRTX4080よりやや画質(vmaf)ー容量比が悪い結果となってしまっている。
bitrate-ssim
縦軸SSIMが高いほど画質がよく、横軸ビットレートが小さいほど圧縮できているので、左上にいればいるほど良いことになる。
※凡例の □ をクリックすると、グラフ線のオン/オフができます。
※マウスをグラフの 〇 のところにあてると、値が確認できます。
グラフが表示されない場合はこちら。
ssimでは、基本的にはvmafとそう大きくは変わらないが、やや傾向が異なるところもある。
全体的にArc A380 QSVのほうが、RTX4080 NVENCよりssimではよい結果となっているようだ。
bitrate-fps
今度は縦軸をエンコード速度(fps)にとったもの。
※凡例の □ をクリックすると、グラフ線のオン/オフができます。
※マウスをグラフの 〇 のところにあてると、値が確認できます。
グラフが表示されない場合はこちら。
最高画質設定なのもあって、RTX4080はそれほど速くなく、Arc A380のほうが全体的に高速だ。
ただ、これは最高画質設定であるので、プリセットを調節すれば高速に実行できるかもしれない。このあたりは今後確認したい。
まとめ
というわけで、RTX4080のNVENCの画質の状況を確認した。
AV1のhwエンコードはRTX40xxシリーズで初めて搭載されたが、初代であるにもかかわらずHEVCを上回る非常に高い画質を実現できていて、素晴らしい。
今回は最高品質設定で確認したが、AV1エンコードではArc A380と比べやや速度は落ちるものの、画質(vmaf)ー容量比では上回っていて、素晴らしいエンコーダとなっていると思う。
特に配信用途ではいま主流のH.264からAV1に乗り換えられれば、画質の向上や帯域の圧縮に大きく貢献できそう。
RTX40xxシリーズの問題はとにかく価格で、まあ現在のRTX4090/4080は非常に値段が高く、さすがにエンコードのために買うというのは難しそう。なかでもRTX4080はGPU性能を考慮するとコスパ最悪だ。
今後、RTX4060/4050などのより安価な製品にもこの高画質なエンコーダが搭載されると思うので、早く下位のラインアップが拡充されてほしいと思う。