Android Studio 2.3

Android Studio 2.3 がダウンロードできるようになっています。今回のリリースは IDE 全体の質の向上が中心です。皆様からのフィードバックに感謝いたします。私たちは、世界中の何百万という Android アプリのデベロッパーのために Android Studio を高速かつシームレスにすることに注力しています。

Android Studio 2.3 で質の向上を図れたことは大変うれしく思っていますが、今回のリリースには開発フローの各フェーズに組み込めるいくつかの新機能も追加されています。アプリをデザインする際には、今回アップデートされた WebP サポートをアプリ用のイメージに活用できます。また、ConstraintLayout ãƒ©ã‚¤ãƒ–ラリ サポートや Layout Editor のウィジェット パレットもアップデートされています。開発を行う際には、Android Studio の新しいアプリリンク アシスタントを利用してアプリの URI をまとめて確認することができます。アプリのビルドやデプロイを行う際には、アップデートされた実行ボタンを使用して、信頼性が向上してさらに直感的になった Instant Run を利用できます。さらに、Android Emulator でアプリをテストする際に、テキストのコピーと貼り付けを行えるようになりました。

Android Studio 2.3 の新機能

質の向上に加えて、Android Studio 2.3 に追加されている機能の詳細は、以下の新機能リストをご確認ください。
ビルド 

• Instant Run の改善と UI の変更: è³ªã®å‘上の一環として、Android Studio 2.3 の Instant Run の信頼性を改善するために、いくつかの大きな変更を行っています。Run アクションを実行すると、再起動が必要となるようなコードの変更を反映するために、常にアプリケーションが再起動されます。一方、アプリを実行したままコードをスワップする新しい Apply Changes ã‚¢ã‚¯ã‚·ãƒ§ãƒ³ãŒè¿½åŠ ã•ã‚Œã¦ã„ます。また、信頼性向上のため、ベースとなる実装が大きく変更されており、Instant Run が有効になっているアプリの起動が遅かった問題も解消されています。詳細はこちらをご覧ください。

新しい Instant Run ボタンのアクション 

• ビルド キャッシュ: ã“の機能は Android Studio 2.2 で導入されましたが、デフォルトでは無効になっていました。ビルド キャッシュは、Android Studio で高速ビルドを行うためのベースとなるビルド最適化機能の 1 つです。この新しいビルド キャッシュは、Exploded AAR と DEX 変換前の外部ライブラリをキャッシュすることによって、高速なクリーンビルドを可能にします。ビルド キャッシュはユーザー全体が対象となり、Android Studio 2.3 ではデフォルトで有効になっています。詳細はこちらをご覧ください。

デザイン

• Constraint Layout のチェーンと比率のサポート: Android Studio 2.3 には、ConstraintLayout の安定版リリースが含まれています。今回のリリースに含まれる ConstraintLayout では、2 つ以上の Android ビューを双方向にチェーンさせて 1 次元のグループを作成できるようになっています。これは、2 つのビューを隣り合わせに配置しつつ、余白がある場合にビューを均等に拡張したい場合に便利です。詳細はこちらをご覧ください。

Constraint Layout のチェーン


ConstraintLayout では、比率もサポートされています。これは、中にあるレイアウトが伸縮してもウィジェットのアスペクト比を維持する必要がある場合に便利です。比率の詳細はこちらをご覧ください。ConstraintLayout のチェーンと比率はどちらも ConstraintSet API を通じてプログラムから作成することもできます。

Constraint Layout の比率

• Layout Editor パレット: Layout Editor のウィジェット パレットがアップデートされ、レイアウトのウィジェットを探す際に検索、並べ替え、フィルタリングを行えるようになっています。また、デザイン サーフェスにドラッグする前にウィジェットをプレビューできるようにもなっています。詳細はこちらをご覧ください。

Layout Editor のウィジェット パレット

• お気に入りのレイアウト: ã‚¢ãƒƒãƒ—デートされた Layout Editor のプロパティ パネルでは、ウィジェットごとにお気に入りの属性を保存できるようになっています。詳細パネルで属性にスターを付けると、お気に入りセクションに表示されます。詳細はこちらをご覧ください。

Layout Editor のプロパティ パネルに表示されるお気に入りの属性

• WebP サポート: APK のサイズ削減に貢献するために、Android Studio でプロジェクトの PNG アセットから WebP イメージを生成できるようになっています。WebP はロスレス フォーマットの場合でも PNG より最大で 25% 小さくなるのが特徴です。Android Studio 2.3 には、PNG をロスレス WebP に変換できるだけでなく、非可逆 WebP エンコードを使用した場合の結果も確認できる新しいウィザードが搭載されています。ランチャー以外の任意の PNG ファイルを右クリックすると、WebP に変換することができます。イメージを編集する場合は、プロジェクト内の任意の WebP ファイルを右クリックして PNG に戻すこともできます。詳細はこちらをご覧ください。



WebP イメージ変換ウィザード
• マテリアル アイコン ウィザードのアップデート: ãƒ™ã‚¯ã‚¿ãƒ¼ アセット ウィザードがアップデートされ、検索やフィルタリングが可能になり、各アイコン アセットのラベルも表示されるようになりました。詳細はこちらをご覧ください。
ベクター アセット ウィザード




開発

• Lint ベースライン: Android Studio 2.3 では、未解決の Lint 警告をプロジェクトのベースラインに設定できます。それ以降、Lint は新しい問題のみを報告します。この機能は、以前から Lint の問題が多く存在するアプリで、新しい問題だけを修正したい場合に便利です。今回のリリースで追加された Lint ベースラインおよび新しい Lint チェックとアノテーションについては、こちらをご覧ください。

Lint ベースラインのサポート
• アプリリンク アシスタント: Android Studio を使ってアプリで簡単に Android アプリリンクをサポートできるようになりました。新しいアプリリンク アシスタントでは、URL に対して新しいインテント フィルタを簡単に作成し、デジタル アセット リンクファイルでアプリのウェブサイトとの関連を宣言し、Android アプリリンクのサポートをテストすることができます。アプリリンク アシスタントにアクセスするには、メニューから [Tools] → [App Link Assistant] を開きます。詳細はこちらをご覧ください。




アプリリンク アシスタント

• テンプレートのアップデート: Android Studio 2.3 では、これまで RelativeLayout を使っていたすべてのテンプレートがデフォルトで ConstraintLayout を使うようにアップデートされています。テンプレートおよび Constraint Layout の詳細をご覧ください。また、新しく Bottom Navigation Activity テンプレートも追加しました。これは、Bottom Navigation マテリアル デザイン ガイドラインを実装したものです。


新しいプロジェクト ウィザード テンプレート

• IntelliJ プラットフォームのアップデート: Android Studio 2.3 には、インスペクション ウィンドウや通知システムのアップデートなどの拡張が行われている IntelliJ 2016.2 リリースが含まれています。詳細はこちらをご覧ください。

テスト 

• Android Emulator でのコピーと貼り付け: 強い要望に応えて、最新の Emulator（v25.3.1）にコピーと貼り付けの機能が組み込まれました。Android Emulator とホスト オペレーティング システムでクリップボードを共有することによって、どちらの環境からもテキストをコピーできるようになっています。コピーと貼り付けは、x86 Google API Emulator システム イメージ API レベル 19（Android 4.4 - Kitkat）以上で動作します。

Android Emulator でのコピーと貼り付けのサポート

• Android Emulator コマンドライン ツール: Android SDK ツール 25.3 以降では、emulator が SDK ツールのフォルダから別のエミュレータ用のディレクトリに移動しています。また、"android avd" コマンドはサポート終了となり、スタンドアロンの avdmanager コマンドに置き換わっています。emulator および "android avd" で利用できたコマンドライン パラメータは、アップデート版のツールでも動作します。また、emulator コマンドにロケーションのリダイレクトが追加されています。ただし、コマンドラインから直接 Android Virtual Device（AVD）を作成する場合は、対応するスクリプトをアップデートする必要があります。Android Studio 2.3 から Android Emulator を使う場合は、この変更によるワークフローへの影響はありません。詳細はこちらをご覧ください。

Android Studio 2.3 に含まれる新機能をまとめます。

開発 Lint ベースライン Lint チェックとアノテーションのアップデート アプリリンク アシスタント テンプレートで既定となった Constraint Layout Intellij プラットフォーム アップデート 2016.2 ビルド Instant Run の UI 変更 ビルド キャッシュ

デザイン Constraint Layout のチェーンと比率 Layout Editor のウィジェット パレット プロパティ ã‚¤ãƒ³ã‚¹ãƒšã‚¯ã‚¿ãƒ¼ã®ãŠæ°—ã«å ¥ã‚Š WebP サポート マテリアル アイコン ウィザードでの検索 テスト Emulator でのコピーと貼り付け Emulator コマンドライン ツール

Android Studio 2.3 の詳細については、リリースノートをご覧ください。

スタート ガイド

ダウンロード

旧バージョンの Android Studio をご使用中の方は、ナビゲーション メニューから Stable チャンネルのアップデートを確認できます（Windows / Linux の場合は [Help] → [Check for Update]、OS X の場合は [Android Studio] → [Check for Updates]）。Android Studio 2.3 は、公式ダウンロード ページからもダウンロードできます。Android Studio のすべての新機能や機能強化を利用するには、アプリのプロジェクトの Android Gradle プラグインのバージョンを 2.3.0 にアップデートする必要があります。

気に入った機能や問題点、新機能の提案などのフィードバックは大歓迎です。Google+ のページや Twitter で Android Studio 開発チームからの情報を常にチェックしてください。


Posted by Yuichi Araki - Developer Relations Team