Web Share API  

ユーザーがソーシャル ネットワークで簡単にコンテンツを共有できるようにするには、各ソーシャル サービス用の共有ボタンを手動でサイトに組み込む必要があります。そのため、ユーザーが実際に使っているサービスで共有できないことも多く、ページサイズの肥大化やサードパーティ製コードを含めることによるセキュリティ リスクも発生しています。  
Chrome for Android では、新しく navigator.share API が利用できるようになっています。これは、Android ネイティブの共有ダイアログを呼び出すことにより、インストールされている任意のネイティブ アプリで簡単にテキストやリンクを共有できるようにするものです。今後のリリースでは、インストールされているウェブアプリとの共有もできるようになる予定です。  
navigator.share API を使うと、Android ネイティブの共有ダイアログ経由でさまざまなネイティブ アプリとコンテンツの共有が可能

WebUSB  

高レベルのウェブ プラットフォーム API は、キーボード、マウス、プリンター、ゲームパッドなど、ほとんどのハードウェア機器をサポートしています。しかし、特殊な教育、科学、産業用の USB 機器を使う場合は、安全ではない可能性があるドライバやソフトウェアを検索してシステムレベルの権限を使ってインストールする必要があります。  
今回、Chrome で WebUSB API がサポートされました。これにより、ユーザーの同意を得た上で、ウェブアプリが機器と通信できるようになります。各デバイスが提供するすべての機能を利用できますが、ウェブのセキュリティが保証される点は変わりません。  

今回のリリースに追加されたその他の機能  

  • Android に加えて、PC でも Network Information API が利用できるようになりました。これを使うと、サイトから基盤となる端末の接続情報にアクセスできます。 
  • 既存の Scroll API の新しいオプション パラメータ、または scroll-behavior CSS プロパティを使って、スムーズなスクロールを指定できるようになりました。 
  • プラットフォームで、CSSOM View Smooth Scroll API を使ってスムーズなネイティブ スクロールを実現できます。これには、scroll-behavior: smooth CSS プロパティまたは window.scrollTo() DOM スクロール メソッドを利用します。JavaScript でこの動作を実装する必要はなくなります。 
  • CSS の色の値は、8 桁および 4 桁 の 16 進数を使って #RRGGBBAA および #RGBA という形式で指定するようになります。 
  • Visual Viewport API によって、サイトから相対位置で画面の内容にアクセスできるようになりました。これを使うと、ピンチしてズームなどの複雑な機能を直接的な方法で実現できます。 
  • Device RAM API を利用できるようになりました。サイトからユーザーの端末の RAM の量を参照できるようになるため、ウェブ アプリケーションの全体的なパフォーマンスを最適化できます。 
  • インストールされたウェブアプリを操作して最初のウェブアプリのスコープ外のサイトに移動する場合、新しいサイトが自動的にカスタム Chrome タブで読み込まれるようになりました。 
  • ネイティブ コントロールを利用している動画の再生中に、ユーザーが動画と一致する向きに端末を回転すると、Chrome が自動的に動画を全画面に拡大するようになりました。 
  • nextHopProtocolResource Timing および Navigation Timing で利用できるようになりました。これにより、リソースの取得に利用するネットワーク プロトコルにアクセスできるようになります。 
  • サイトでサードパーティ製埋め込みコンテンツにコンテンツ セキュリティ ポリシーを強制できるようになりました。これには、<iframe> 要素に新しく追加された csp 属性を使用します。 
  • DOMTokenList インターフェースで replace() がサポートされました。これにより、すべての同じトークンを簡単に新しいものに変更できます。たとえば、有効期限が切れた際に、activeinactive に変更できます。 
  • 要素の attribute 名のリストにアクセスする getAttributeNames() がサポートされました。これにより、attributes コレクションに対して反復処理を行うよりも直接的な仕組みが提供されます。 
  • セキュリティ強化のため、JavaScript ダイアログが開いた際に自動的に全画面を終了するようになります。 
  • サイトから、指定されたオリジンや quota で使用されるディスク スペースの大まかなバイト数にアクセスできるようになりました。これには、Storage API に新しく追加された navigator.storage.estimate() 関数を使用します。 
  • ブラウザのキャッシュ ヒット率を上げるために、URLSearchParamssort() がサポートされました。これは、格納されているすべての名前と値のペアを並び替えて出力します。 
  • URLSearchParams のコンストラクタが更新され、他の URLSearchParams インスタンスだけではなく、任意のオブジェクトをパラメータとして渡せるようになりました。 
  • 誤って発行された証明書を気づかずに使ってしまうことがないように、サイトで新しい Expect-CT HTTP ヘッダー が使われるようになりました。これによって、レポートの自動化や Certificate Transparency 要件の強制が可能になります。 
  • Chrome のバックグラウンド タブで、Media Source による動画フレームのデコードが行われなくなりました。 
  • ImageCapture.getPhotoSettings() で、写真の解像度、赤目軽減、フラッシュ モードなどの「ライブでない」カメラ設定を取得できるようになります。
  • サイトは Clear-Site-Data ヘッダーを使って cookie や service worker、キャッシュエントリなどのクライアントサイドデータを削除できるようになります。

サポートの終了と相互運用性の改善  

  • セキュリティ強化のため、URL に \n< の両方の文字が含まれるリソースはブロックされるようになります。 
  • セキュリティ強化のため、安全でないコンテキストで Presentation APIstart 関数がサポートされなくなり、削除されました。 
  • on<event> 属性間の一貫性を向上させるため、onwheel 属性が Element から WindowDocumentHTMLElementSVGElement に移動します。 
  • 仕様に準拠し、さらに細かい参照コンテンツのフロー制御を実現するため、Chrome で 3 つの新しい Referrer Policy 値である same-originstrict-originstrict-origin-when-cross-origin がサポートされました。 
  • 仕様の変更に従い、colSpan の最大値が 8190 から 1000 に下がりました。

 
Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team



IoT ですと、例えば 20 ヘルツとか 30 ヘルツみたいなデータでいくと、1 秒間に 20 〜 30 回というデータが簡単に生成されてあがるようになってくる。これは、やっぱり AI にとって革命。

そうするとデータ量が爆発的に増え始めるので、AI が学習する、賢くする上で一番重要な学習ベースになりえる。そういったところが IoT と AI が密接に関わってる一番大きいところかなと思っています。

及川:なるほど。そのデータを収集するための IoT という切り口ですよね。

もう 1 つ、ちょっと聞きたいんですけれど。今回は Google I/O で、Android にのるTensorFlow Lite というのが出てきて、IoT 側でもエッジコンピュータとして機能するものがあるじゃないですか。それについてはどう思われますか?

岡田:それも非常に我々としてはありだなと思ってまして。いわゆるスマホの中で動く AI はもちろんあると思うんですけど、我々が目指しているのはどちらかというと工場で動く AI とか小売店舗の中で動く AI を目指していたりします。

これはなにが違うかというと、普通のスマホって使うときだけ AI を動かせばよかったりするんです。でも、工場とか小売店って 24 時間 365 日起動してくれなきゃ困るわけですよね。

そうすると、スマホ 1 個だと信頼性が低い。そこに対して、エッジ側と呼ばせていただいているんですけれども、そこに AI を置かせていただく。言ってることはまったく一緒なんですけど、プロセスが違う。

スマホ側はもちろん Google さんがやっちゃうので、我々がやらないところにいこうと。そこで、エッジ側というかたちで店舗だったり工場だったり街だったり、そういうところに AI に適用していきたいイメージですね。

及川:なるほど。ちょっと誘導尋問みたいになっちゃったんですけれども。データ収集、コレクターとして、もしくは実際にそこで演算、AI をやっていくところの両面で IoT に期待しているってことですね。

岡田:はい。


来年に向けて「使い物になる」テクノロジーが出ようとしている


及川:わかりました。じゃあ次、芳賀さん。VR の切り口から IoT を見て。

芳賀洋行氏(以下、芳賀):ありがとうございます。僕、IoT はくわしくなくてですね。今日のプレゼンを聞いて非常によくて。

うちのお客さんでも、工場とかで使われている VR って、ライブのストリーミングビューアーみたいな感じになってきていて。実際にそこに指示を出したりというのも出てくると思うのです。

そうすると、「この機械の調子がどうなっているか」とか、そういう情報をあげるのもそうですし。実際に、いわゆる 360 度カメラを使ってデータをあげるという。ちょっとでかい通信になっちゃうと思うんですけど。それもそんなに……通信量が上げればできると思うので。非常に期待しているところです。

及川:わかりました。今のお 2 人の話を聞いて、もう 1 つ質問したかったんですけど。
IoT 代表で玉川さんに出ていただいているんですけれども、IoT そのものじゃないですよね。IoT を広めるための通信というところじゃないですか。なので、その立場から見ても今後、IoT に対してどう思われるか。あと、2 人の今のご意見を聞いてどう思われるかをお話ししていただいていいですか?

玉川憲氏(以下、玉川):そうですね。IoT の技術といったときに、本当にまだまだ発展途上だなと思っていて。とくに昨年の終わりぐらいから Google Cloud さんをはじめ、ほかのクラウドベンダーを見てても、IoT 系のサービスがダダダーって出てきてるんですね。
まさにここから、今年、そして来年はテクノロジーとしても、IoT におけるモノ向けのクラウドがどうなっていくか。ここがまさに進化していくところなので。

それこそ AI、それから VR というプレイヤーのみなさまから、きちっと使い物になるようなIoTのテクノロジーがまさに出ようとしているところだと思うのです。私自身もプレイヤーとしてどんどんそういったすばらしいテクノロジー・プラットフォームを提供していきたいなと思っています。


人間が発見できなかった最適解をテクノロジーが発見していく


及川:なるほど、わかりました。たぶんここも深掘りしようと思ったら、もっとたくさんしたいと思うんですが。とりあえず次の AI のほうに移ります。

AI 代表である岡田さんは聞き役にいったん回っていただいて、同じように、IoT 側として AI に対して期待するものだとか、あとは今の自社の事業でどういう絡みがありそうかを教えていただいていいですか。

玉川:クラウドが出てきて、クラウド・AI がすごい進んでるなと思ってるんですけど、本当にここから先、なにかすごくおもしろいことが起きるんだろうなと思っていて。



あれですね、AlphaGo なんかは本当に象徴的で。AlphaGo の結果では、50 回分ぐらいの対戦が見せられたんですよね。あれを見た時の専門家の反応が「なんでこうなるかはわからないけど、強い」という感じなんですね。

つまり「人間には理解できないんだけれども、こっちのほうがいい」というような事象が今後いっぱい出てくる。それって「飛行機が飛んでるけど、なんでかわからない」みたいな、なんかそういうことが出てきてるわけです。

ここが進化してくると、もちろん「なんかよくわからないことが起こって怖い」という警戒心なんかもあるかもしれないんですけれども。どんどん人間が発見できなかったような最適解を、ディープラーニング、それから AI が発見していく世の中になってくる。なので、僕は非常に楽しみに思っています。


データをあげれば「これ使えるじゃん!」が出てくる感じ


及川:ソラコムの事業の中で AI を活用している、もしくは活用する可能性はありますか?
玉川:我々は通信部分を提供している会社ですので、今後は……実際は今までもパートナーエコシステムというかたちで、ABEJA さんをはじめ、みなさまとパートナリングさせていただいてるというところがまずあります。

それからソラコム自身がいわゆる通信のセキュアな通信部分を提供しているので、この通信の部分において、今はちょっとくわしくは言えないんですけれども、そういったテクノロジーを適用できるスペースはいっぱいあるなと思っています。

及川:たぶんなにかありますね(笑)。

玉川:はい。

及川:わかりました。だいたい想像つきます。では AI に対して、芳賀さん。

芳賀:すばらしいと思っています。というのは、VR、ヘッドトラッキングのデータなどは弊社も蓄積していまして。こういったものから「どういったものをよく見てるのか」とか、非常に使わせていただきたいですし。



あと、僕はけっこう AI は素人でして。本当に Google さんで検索して一番上に出てきた API を使うみたいな感じで出して「これ使えるじゃん」といって、どんどんデータをあげれば答えが返ってくる感じになってくれるのを心待ちにしております。

というか、もうそんな感じなんですよね。合ってます?

及川:合ってます。

芳賀:合ってますよね。


AI に関する技術はどこまで必要?


及川:これは、先ほど控え室でも話したんですけど、今深掘りしたいなと思ってて。そこらへんから岡田さんに話していただきたいんですけれど。

1 つは今、芳賀さんが言われていたように、Google をはじめ、いろんなところがコグニティブなカタチで API を出しているので、「これを使えばいいじゃん」というところを使っていく。本当に API 利用者という立場。

一方で、いろんなアルゴリズムなりライブラリがあります。これを使う。両方そうなんですけれど、これはけっこう職人的なものが必要じゃないですか。そのパラメーターをどう与えるのか。特徴量の抽出をどうするのか。いろいろあったりします。さらにもっと深いところになると、本当にその部分の研究まで入ってくるところがあるんですよね。

岡田さんの会社はどうアプローチされているのか。AI に対してどう取り組むかを考えている技術者や企業に対して、なにかメッセージがあれば。

岡田:そういった意味ですと、我々の会社は一番上から一番下まで全部やっていますという流れになっています。

基本的には基礎アルゴリズムの開発です。いわゆる、誰も今まで知らなかった AI を研究ベースで作り込むところもやらせていただいていますし、逆に対小売業向けには、完全に誰でも使えるスマホアプリというものもあります。ここまですべてバーティカルでやらせていただいているんですね。

そのなかでよくやらせていただいているのは、プラットフォームの部分です。どうしてかというと、先ほど簡単に話しましたが、Google さんのいわゆる GCP のインスタンス立ち上げ、そこで TensorFlow を使って自分たちでこねこねできる方はそれでいいと思うんです。ただ、そういった方は、ほとんどの業種でそういうことができないと思っているんですよね。

逆に、コグニティブサービスのようなカタチで、完全に「API を叩くだけ」というのは、画像認識問題に関してはけっこう簡単にできたりします。ただ、ほとんどが使えないんですよね。ここでコグニティブサービスを延々と提供していくのは、やっぱり無理なんです。ちょうどその中間にある部分が必要なはずなんですよ。

なので「ここまでカスタマイズしなくていいけど、ちょっとやりたいよね」と、かゆいところに手が届く感じ。ゼロからオンプレで触るのか、AWS を使うのか……言っちゃいましたね。あとは GCP を使うのか。その感覚かなと思っています。
そういう意味だと、我々はAI業界における GCP や AWS といったものを使っていきたいとすごく思っている感じですね。


通信速度が今より速くなったときの展開


及川:わかりました。ちょっと ABEJA の例から外れるのですが。もしかしたら3人にお聞きしてもいいかもしれないんですけれど、やっぱりコグニティブ系サービスを使うのは、めちゃくちゃ簡単じゃないですか。

例えば、画像認識で顔の detection をして、怒ってるのか笑っているのかとかってけっこうな精度でわかったり。先ほどの ABEJA さんでもあったみたいに、性別や年齢はけっこうわかるんです。

それって、いったん画像をアップロードしてストレージに情報を入れるというところがありますよね。静止画ならいいけれども、最近はそれをビデオで Google でもできるようになってるんですよね。そうすると、その大量のものを処理するのかって、時間だったりコストだったりがトレードオフが入ってきて難しくなるなって思うんです。

結局、これにも答えないかもしれないですが。もし自分たちが同じような選択をしなきゃいけない CTO だったとき、どういった適切な技術の選択をされますか? じゃあどうしよう、回答できる人から。

芳賀:一番画像を送ってそうな僕から。初めはすごく軽い気持ちでカジュアルに API を叩いて、動画とかも、めちゃめちゃでかくて長いやつを送っちゃたりしてますよね。



そこで「こんなもんなんだ」と知った上で、モデルとかの特性、それをある程度は理解して「これはこんなコストの上がり方するんだよね」と理解して、「うちで作らないほうがいいよね」となって。うちが作ったらいくらかかるか、だいたいそいったクラウドサービスで見て、「ああ、これはだいたいこのぐらい金額感になるんじゃないか」と予想で入れたりしますね。答えになってますかね?

及川:ほかのお 2 人、なにかアドバイスありますか?

岡田:そういった意味だと、ボトルネックは通信なので。その通信の前になにをするか。あとにするか。それを最初に選ぶのが重要かなと思いました。

逆に言うと、通信線が光ファイバーだったら動画も送れちゃうんですよね。光ファイバーが定常的に入っているようなところなら、それで OK だったりします。ただ、まだ IoT では、LTE や 3G 回線だと遅かったりします。そうなると、データを送るのはつらいよね、といってやめてしまう。

最近よくあるのは、メインの通信は光ファイバー。でもコントロールだけでいわゆる SIM カードを使うということがけっこうあったりしますね。そういった組み合わせを適切な場所に応じて選んでいくカタチかなと思っていますね。一応、我々はすべて提供しています。

及川:なるほど。ちょうどいい流れになったんですけど、やっぱりそこの通信のところという話で、ソラコムもまさにそこをやってると思うんですね。

そうすると今後は AI 的なものが出てきたときに、データの量……。量というのはサイズもそうですし、回数という、頻度というのもどんどん増えてくると思うんですね。そこはどう将来的に技術が発展するか、事業としてどう展開を考えているかだったり。

玉川:通信という観点で見たときに、1 本の線がものすごく速いという話と、あらゆるデバイスがつながるというのと、両方の次元の話があると思うんですね。

我々が今とくに取り組んでいるのは、自動販売機といったもの。それから家電やセンサー、メーターなど、今まで通信でつながれなかったものに対してもっと広げていきたい。どちらかというと、あらゆるものに通信を与える方向で今一生懸命やっています。

一方で Inevitable な流れとしては、通信回線はどんどん速くなり、どんどん安くなっています。結果的に見ても、それが手頃な値段になってくるのはもう避けられない動きです。それを我々も見据えながら、できるだけ手頃な、そして使いやすいカタチで提供していきたいと考えています。


VRで再現すべきは「本質」


及川:なるほど。わかりました。では、最後に VR についてなんですけれども。ちょっと芳賀さんは最初は聞き役になっていただいて、玉川さんと岡田さんに VR というものに関してどんなかたちで将来を考えているか。同じことの繰り返しですけども、今の事業との絡みではなにがあるかを教えてください。

玉川:芳賀さんのプレゼンを初めに見させてもらった時に……僕はもともと 1998 年ぐらいに大学院の研究で VR やってたんですね。なので、ものすごく感慨深いものがあって。
当時、VR をやろうとすると、SGI の Onyx という数千万のマシンを買って、あれをグリグリとやってたわけですが。それがもう本当に民主化されたなと非常に感慨深く思ってまして。すばらしいことだなと思っています。

実はバーチャルリアリティって、先ほど「人工現実感」という日本語が出てたんですけれども。もしくは日本語だと「仮想現実感」という言葉のほうが多いんですよね。



僕、それは間違ってるなと思っていて。バーチャルリアリティの「Virtual」って、英語だと「本質」という意味なんですよね。「なにが本質ですか。その十分な本質を届けられていますか?」がバーチャルリアリティだと思っているので。

それぞれのユースケースにおいて、本質って違うと思うんですよ。だから今、InstaVR さんが提供されている仕組みってすばらしいなと思っていて。あそこにおける本質が表現されていれば、十分にものすごく有用なものとして使えるってことなんだなと思っているんです。

そうなると、今後 VR はどんどんリアルになってくるので、本質が伝えられる領域がどんどん広まってくる。

僕はぜひ実現してほしいなと思っているのが、最近グローバル化しての悩みが「海外出張がしんどい」というものがあります。時差がつらいので、もう本当に私自身の availability zone(クラウドにおけるグローバルのデータセンター拠点)が世界中にあるみたいなかたちにしてほしいなと思っています。

及川:なんか VR とは違う「バーチャルなんとか」かもしれないですね。

玉川:現実感というか、そこに。まあ、テレイグジスタンスみたいなところですかね。


人の視点ではなく「AI の視点で見る VR」


及川:なるほど。わかりました。岡田さん、お願いします。

岡田:まず、私も個人的にもともとコンピュータグラフィックスをやっていた人なので。
私は当時 2008 〜 2009 年くらいに NVIDIA の Quadro を突っ込んで、Autodesk の Maya と RenderMan をゴリゴリ動かしてやるという、……けっこうすごいマニアックな話になっちゃうんですけど。そういったことをやっていたんです(笑)。

そういった意味で、我々が AI や VR に対して思っているのは……。AI を使うときに一番苦労するのは、教師データと呼ばれる、人間のこれまでの知見を集めていく作業が難しかったりするんですよね。

例えば、製造業などもそうなんですが、最終的になにか検品して物を出す時、すごい職人さんがいるんですよね。「どこを見ているんですか?」みたいなものです。なぜか「これはダメ」「これは OK」といった、独特の感覚がすごく多くて。そういったものを VR を使って効果的に学習していくことができるのかなと思っています。

それを一部 AI 化するのは 1 つあると思うんですけれど。そういったものを AI 化しないという話もあります。AI 化してしまった場合、「もう知らないです」という話になっちゃうと非常にまずいことが起きてしまうので。そこは人と、その AI をハイブリッドにして体験する。AIの視点になって、人間が物事を扱う感じですね。そういったことが実現できるかなと思っているんです。

我々としては、このあたりにすごくポテンシャルを感じています。

今までは人の視点を見る VR だったんですけど、逆に言うと私たちは AI の視点で見る VR みたいなところに関して、……それこそゲームチェンジが起こるかなと思っています。


VR デバイスがまだまだ民主的じゃない現実


及川:その話、すごくおもしろいなと思いました。そのいわゆる職人の技を AI 化していくのは……。実は先ほど前のセッションでもあったんですけど、AI って今、第3次ブームって言われているんです。第 2 次ブームの時にちょうど私、社会人になった頃だったんですよ。もうなくなっちゃった、DEC というコンピュータの歴史のはるか彼方に行っちゃった会社があるんですけれども。そこが AI 技術にすごく力を入れていて。

当時は主に推論エンジンなんですよね。そうすると、いわゆる匠の技、職人の技にヒアリングをかけて聞き出してというナレッジエンジニアというタイトルがあり、それを推論エンジン用の言語に置き換えていくことが、AI 化されていったんですよ。

よくあったのが、鉄道のダイヤ。あれって組むのが難しいんです。そこで、すべて自動化するところに使ったんですね。ただ、その時はすべて機械化するというところで終わっちゃったんです。

今の岡田さんの視点はおもしろくて。人にもちゃんと継承していかなきゃいけないところに VR 技術を混ぜてみたほうがいいんじゃないかって話なんですよね。これはとてもおもしろい切り口だなと今、聞いてて思いました。感想ですけど。

今のこの2人の話を受けて、VR の民主化は非常に意味があると思っているし。あと、最初のセッションでも「VR というのは体験の共有だ」と言っているところはまさにそうだと思うわけですね。

ただ、民主化と言ったときに、InstaVR はクリエイター側のほうの民主化をどんどん進めてると思うんですけれども。一方で VR デバイスがまだまだ民主的じゃないっていう現実があったりすると思うんですね。

なので、そこに対してはどう考えるかもちょっと踏まえて、今のお2人のお考え・印象とかに対してご意見あればと思います。

芳賀:ありがとうございます。お 2 人の話で、僕も Onyx 使ってまして。その時に感動した Autodesk の Maya の開発がしたくて Autodesk に入ってですね。実際に Autodesk の Maya の開発してて、非常に感動しております。……わかる人しかわからない話ですね(笑)。


職人芸も VR で本質を捉えられるようにしたい


先ほどのお話を本質的に捉えていて、例えば事業継承や経験の継承では本当に必要だと思っています。高精細の 360 度カメラを作っていくことはできるんです。でも、それでどういった本質がそこに入っているのかを抜かないと、無駄な通信が発生するだけなんですよね。そういったものをぜひやっていただきたいなと思います。

弊社のお客様だと、観覧車を止める訓練を VR でやっている人たちがいるんです。あれ、手で止めていたりするんですよ。危ないと思うんですけど、それが職人芸だったりする。そういったものを意味づけして本質を捉えられるようになっているといいかと思います。
デバイスの供給量ですよね。

まずヘッドセットがありますよね。ヘッドセットに、例えばモバイル端末をつける。ヘッドセットとモバイル端末にデータの通信として 5G が来る。デバイスのほうに H.265 とか HEVC あたりの動画コーデックが入ってくる。そのコーデックをクラウド上で編集できる状態になっている。

それを落としてもつまらないだけの状況になっているのがあった上で、さらにクライアントで快適に動かして、そこのたまったヘッドセットデータのトラッキングデータを、もしかしたらクライアントで処理してからあげてもいいですし。そのままあげるかもしれないですけど。その一連のことができるようになるのは、そんな遠い未来じゃないと思いますね。2020 年ぐらいにはいけると思うので。

今年の終わりぐらいからには、ヘッドセットもある程度「こういうの作ればいいんだ」がわかってきているので。あとはもう時間の問題。それこそInevitableな流れになっていると思います。



<続きは近日公開>
次回イベント開催のお知らせ
「Inevitable ja Night - インターネットの次にくるもの Presented by Google Cloud」
第2回 AI とビジネスに起こる不可避な流れ
日時 : 11 月 14 日 (火) 19 : 00 - 21 : 00
定員 : 200名
主催 : グーグル合同会社


Posted by Takuo Suzuki - Developer Relations Team


Slides API コードラボ スタートガイド 

コードラボを使ってみるには、レポジトリをクローンします。最初にスクリプトを実行すると、いくつかのステップに分けてプレゼンテーションを作成することがわかります。start ディレクトリでサンプルアプリを実行すると、次のような「TODO」が表示されます。
-- Start generating slides. --
TODO: Get Client Secrets
TODO: Authorize
TODO: Get Data from BigQuery
TODO: Create Slides
TODO: Open Slides
-- Finished generating slides. --

GitHub 情報のクエリには、BigQuery ですでに公開されているパブリック データセットを使います。BigQuery を使うと、Google のインフラにある大量のデータセットに対して数秒でクエリを実行することができます。BigQuery のパブリック データセットの利用や、独自のデータセットのアップロードは、bigquery.cloud.google.com から行うことができます。このコードラボではオープンソース ライセンスに注目しているので、GitHub のパブリック レポジトリのクエリを実行し、そのライセンスを取得します。
WITH AllLicenses AS (
  SELECT * FROM `bigquery-public-data.github_repos.licenses`
)
SELECT
  license,
  COUNT(*) AS count,
  ROUND((COUNT(*) / (SELECT COUNT(*) FROM AllLicenses)) * 100, 2) AS percent
FROM `bigquery-public-data.github_repos.licenses`
GROUP BY license
ORDER BY count DESC
LIMIT 10
GitHub オープンソース ライセンス クエリ
パブリックやプライベートなデータセットは無限にあります。BigQuery でどのようなデータを分析できるか、Google Slides API を使ってどのようなプレゼンテーションを自動生成できるかを想像してみてください。Slides API コードラボの目的は、その両方をすばやく学んでいただくことです。Slides API やこのコードラボに関する問題点、質問は、GitHub または Stack Overflow でお尋ねください。

皆さんのアプリのリリースを楽しみにしています。


Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team



時間もあれですので、さっそく進めていきたいと思います。まずはこのお 3 方に、5 分という短い時間なんですけれども、みなさまの事業内容や自己紹介。お話しいただくようにお願いしております。

まずは玉川さんからお願いしたいと思います。

玉川憲氏(以下、玉川):みなさん、こんにちは。ソラコムの玉川と申します。ソラコムはIoT向けの通信プラットフォームを提供している会社です。ソラコムってご存じの方はどれぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

ああ、全員ですね。ありがとうございます(笑)。

(スライドを見て)こうやって会社概要を見ていただきますと、だいたい資本金が37億円あります。日本にしてはめずらしく、非常にテックスタートアップというんでしょうか。シリコンバレー型の資金調達をガーッとして、一気に成長させるやり方をとっております。

ビジョンとしては「世界中のヒトとモノをつなげ共鳴する社会へ」でやっております。
私自身はもともと研究者、エンジニアあがりです。ソラコムを立ち上げる前は AWS のエバンジェリストをやっておりました。

趣味は技術書を書くことです。毎年こつこつと、趣味で書いております。


「エンジニアリングの力を主体とした会社を作りたい」と立ち上げた


我々はソラコム立ち上げる時に、日本発でグローバルに通用するようなプラットフォームビジネスをやりたいと言っていました。こういった強い思いを持っている。あとはイノベーションで、そしてエンジニアリングの力を主体とした会社を作りたいということで、ほぼエンジニアを集めて立ち上げた経緯があります。



我々は IoT をやっているわけですけれども。もともとの背景としては、クラウドにものすごくデータが集まってきている。そんななかで、モノ、自動車、自販機、家電、そういったところからクラウドにデータを送ろうとすると、「デバイスからクラウドへのセキュアなデータ通信がない」ことに気づいたんですね。

私自身がクラウドをやっていたので。クラウドが出てきたことによって、つまりコンピュータが民主化されてみなさんの手に渡ったことで、ものすごくイノベーティブな Web サービスが世界中で出てきました。

IoT になってそういったものを実現しようとすると「通信の民主化が必要だ」ということで、SORACOM Air というサービスを 2015 年 9 月 30 日に出しました。

これは SIM を提供してるんですけれども。ただの SIM ではなくて、モノに挿すとモバイル通信でつながって、それがクラウドに直結している。そして AWS でも Azure でも Google でも、もしくはオンプレでもインターネットでも接続できる。

つまり我々は、モノと処理基板の通信をセキュアに集中管理できるような仕組みを提供している会社です。こういった Web の上でコントロールできる。もちろん API でもコントロールできる。

おかげさまでたくさんアワードをいただきまして、今 6,000 以上のお客様にお使いいただいています。企業規模を問わず、スタートアップ、中小企業、大企業、さまざまな業界でお使いいただいています。

例えば十勝バスさん。北海道・帯広市のバス会社さんで、位置情報をクラウドにあげて、路線案内アプリを出されていたりしています。楽天 Edy さんの決済端末。楽天 Kobo スタジアムのビールの売り子さんの決済端末で使われています。

JapanTaxi さん。最近、タクシーに乗ると後部座席にタブレットがあって、動画広告が流れると思うんですけれども。そういったもので 4,000 台のタクシーで使っていただいてたり。コマツさん。スマートコンストラクションの仕組みで使っていただいていたりします。
最近発表した事例としては、ダイドーさんの自販機ですね。15 万台の自販機が今後 IoT 化されていくところで使っていただいています。それから、京成電鉄様の100以上の踏切の監視とかですね。

こういったところで SORACOM を使っていただくと、非常にスモールスタートできるということで、1 枚につき月 300 円ぐらいから使えるんですね。


ソフトウェアで実現したバーチャルキャリア


我々が IT ベンチャーがどうやってモノ向け通信を提供してるかというところなんですけれども。

非常にざっくりと仕組みをいうと、携帯通信キャリアさんの基地局だけをお借りして、そこから専用線をクラウドに引く。そのクラウドの上でテレコムのコアネットワークという、パケットの交換とか、課金システム、そういったものを全部作っている。

つまりバーチャルキャリアなんですね。基地局とクラウドを組み合わせて、ソフトウェアで我々が実現したバーチャルキャリアが SORACOM の仕組みです。

大きなパラダイムシフトを提供することができたなと思ってるんですけれども。IoT って、Internet of Things なので、モノとインターネットをつなぐということなんです。でも、我々が思っているのは、クラウドにデータをあげることになるんだと。

これが Inevitable なことでですね……。これまた噛んでしまいましたね。これ、言いにくいんですね、Inevitable。クラウドにデータをあげることは避けられないムーブメント。なので、我々はモノとクラウドを直結するパラダイムシフトを提供していることなのかなと思っています。

ソラコムのサービスは日本から始まったんですけれども。もともとグローバルなプラットフォーム事業を作りたいということで、昨年 30 億円の資金調達をしてグローバル展開を開始しまして。昨年 10 月にアメリカ、そして今年2月にヨーロッパで発売開始。この新しい SIM は 120 ヶ国で使われるようになっています。

ということで、クラウドが出てきてたくさんの Web サービスが生まれたように、我々も「SORACOM が出てきたから、IoT のソリューションサービスがいっぱい出てきた」とみなさんに言っていただけるように貢献していきたいと思っております。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

ディープラーニングのビジネスがイノベーションに直結する


及川:玉川さん、ありがとうございました。では、続きまして、岡田さんからお願いします。

岡田陽介氏(以下、岡田):はじめまして。株式会社 ABEJA の岡田と申します。本日は貴重な機会をいただいて本当にありがとうございます。

まず ABEJA という会社は、基本的には AI。とくに……この AI ってかなり一般的な言葉になってしまってるんですけど、AI という大きな枠組みの中にマシンラーニングというものがあります。そのマシンラーニングの中にディープラーニングがあるんですけれども。そのなかで我々はとくにディープラーニングに特化して事業を進めさせていただいているベンチャー企業でございます。

ちなみに、ちょっと玉川さんにやられたので私もやりたいんですけど、ABEJA を知ってたって方、ちょっと手を挙げていただけるとですね。

(会場挙手)

ああ、やっぱりソラコムさんよりは少ないですよね……。まあ、そんなかたちでございますと。



それで簡単に自己紹介なんですけど。私、ちょっと老けて見えるんですけど、実は 28 歳でございまして、しれーっと先ほど 20 代・30 代・40 代のところで、20 代でサッと手を挙げさせていただいてたんですけれども。

もともと小学校 5 年生ぐらいからずっとプログラミングをやってまして、そのあとずっとコンピュータグラフィックスをやってました。そのコンピュータグラフィックスをやっている時に、GPU ですね。だいたい今ディープラーニングと GPU ってもう切り離せないようになってくるんですけれども。そういったものをずっと触っていました。

そのなかで実際に起業してみたり、東京のベンチャー企業に来てみたり。あと、シリコンバレーに行ったりしてるんですけれども。そのシリコンバレーに行ったのがちょうと2011 〜 2012 年ぐらいなんですね。その時がちょうど、Google さんがいわゆる Google Brain Project というのをシリコンバレーでやられていました。

これを見ることはできないんですけど、「こういうのやってるそうなんだ」みたいな。こういった情報を聞いて「これはすごいことが起きたな」と思って。シリコンバレーで遊んでいてはいけないと。なので、日本に戻って起業したというのが、この会社の目的でございます。

なので、我々は本当にずっとイノベーションと向き合ってるんですけれども。当時 2011 年〜 2012 年、私の中でのイノベーションは、本当にディープラーニングみたいなところ。ディープラーニングを使ってなにかビジネスを作っていくことが、イノベーションに直結するんだろうなって思っている。そういうのをやらせていただいたりしておりました。


東大の教授と共同研究なども実施


それで今、日本とシンガポールの 2 拠点でやらせていただいておりまして。けっこうめずらしいのは、弊社もう 10 ヶ国ぐらいにメンバーがいて、かなりグローバルでダイバーシティなオーガナイゼーションになってるというかたちですね。

あと弊社の特徴的なところですね。創業当初から日本トップレベルの先生方と共同研究させていただいているのがすごく大きな強みになっております。東大の國井(尚人)先生とか。東大に初めて情報科学を作りましたという先生と一緒に共同研究もさせていただいています。

あと、弊社のめずらしいところは、先ほど GPU という言葉が出ましたけれども。最近、謎の AI 半導体メーカーでやたらとバズワードになってるいる Nvidia という会社からアジアで初めて出資をいただいております。これが非常に大きなポイントでございます。

アジア初、かつ日本初なので、基本的にフレームワークがなかったんですよね。なので、我々が第 1 事例にならざるをえなくて。そういうのをやらせていただいたりしていました。


ABEJA Platformでエコシステムを作る


そのなかで我々がなにをやっているかというと、基本的には AI みたいなものをクラウド上に突っ込んで作っている会社です。

これですね、もう IoT みたいなかたちで、玉川さん、ソラコムさんがあるおかげで、いろんなセンサーデータからどんどんいろんなデータがクラウドにあがってまいります。それをどんどん吸わせていただいて、いろんなデータを複合してビッグデータを作って、人工知能を作っていきます。

これ、我々が人工知能をエッジ側にズドンと落とすことができるのが特徴的でございまして。クラウドだとGoogleさんとか、敵わない部分が出てくるんですけれども。これはエッジ側にもデプロイできるところが非常に大きいです。

我々、これをすべて司る仕組みとして「ABEJA Platform」を持たせていただいています。
そのなかで、この ABEJA Platform をより多くの方に使っていただくためにプラットフォームのエコシステムを作っておりまして。ここに、実際にIoTのデバイスを作られている会社様やその中の通信。まあ、通信はソラコムさんに入っていただいたりですね。実際に我々の仕組みとインテグレーションしていただく会社さんなど。

あと「そもそも AI でなにしたいんでしたっけ?」をコンサルする会社さん、すでに API を持っている会社さんとも実際に連携をさせていただいています。実際にトレーニングコースもご提供していますね。

我々は、基本的にはプラットフォーム層を作っている会社のイメージになっていまして。基本的に GCP とか立ち上げてクラウドを作れる方は、クラウドを使って基本的にディープラーニングを使えるんだったらどうぞ……なんですけど。ほとんどの方はやっぱり使えないです。なので、そのプラットフォームと、実際にいろんなサービスみたいなものを持たせていただいています。

実際に小売業様とかに提供していますと、(スライドを見て)こういう映像データを送っていただければ、「こういうふうに人が来て、こういうところに滞在してました」「男性、29、28 歳が来てますよ」とかが一発でわかる。そのような仕組みをご提供させていただいています。

これが実際にビジュアライゼーションされたり、アイコンで見れたり。お客様にそれを使っていただいてるというかたちになります。

最後、駆け足になりましたけれども、以上でございます。ありがとうございます。

(会場拍手)


専門家じゃない設計士がVRを作れる環境を提供


及川:どうもありがとうございます。では、最後、芳賀さんお願いいたします。

芳賀洋行氏(以下、芳賀):世界 10,000 社が選ぶ VR アプリ制作ツールの「InstaVR」を提供しております、InstaVR の芳賀と申します。

InstaVR は、Web からの簡単な操作でインターネットの VR 体験を、iOS や Android、Gear VR、Daydream、Oculus、Viveといった、ありとあらゆる VR プラットフォームに配信できるツールを提供しています。

(スライドを見て)例えばこちら、弊社のお客様のスミソニアン博物館様になるんですが。こんなかたちで博物館の中を歩き回ったり、そこに埋め込まれたデータを見るといった体験を、スミソニアンの方の 1 人が作ってるんですね。



作成したのを App Store に出したり、Google Play で配信したり、もしくは自社の Web サイトに埋め込んで幅広く配信するといったことができるツールを提供しております。VR を使うと、ここにいてもスミソニアンを体験できるように、いつでもどこでも体験できる価値があります。

VR は、2025 年には 9.6 兆円の巨大市場に成長します。そしてその約 70 パーセントがゲーム以外の用途に使われるんですね。

ただこれ、けっこう困ってることがありまして。ものすごくお金がかかっちゃってるんですね。これを解決するには、なぜこんなことが起こっているかというと、コンピュータグラフィックスとか習得な困難な技術を持った技術者たちが時間をかけて作っちゃってるんですね。

これを InstaVR が解決して、1 分間で習得して、誰でも分単位で VR アプリを制作できるツールを提供します。

例えば、事例を出してみましょう。日建ハウジングシステム様。こちら以前から VR プレゼンを導入されていました。

こちらでは、VR 制作コスト 99.2 パーセントという劇的な削減に成功しています。今まで 2 〜 3 日かかっていたり数週間かかっていたものを分オーダーで作れる。さらに専門家じゃない設計士がVRを作れる環境を提供します。

ほかにも、弊社のお客様である国連さんから「圧倒的な習得のしやすさ」。さらには「数百時間の開発時間を節約することができます」というお声をいただいております。


誰でも VR 体験ができる……このメリットは?


InstaVR を使うと、誰でも今すぐに、体験をありとあらゆる人へ、いつでもどこでも提供できる。

「これ、なにがうれしいんですか?」というのはあるんですが、例えば海外の旅行代理店にテーマパークを売り込みたい場合。これは体験しないとわからないじゃないですか。(InstaVR だと)体験できるんですね。

(スライドを見て)例えば、弊社のお客様のサンリオエンターテイメント様ですと、このようなかたちで実際のテーマパークの体験を、ヘッドセットに詰め込んで持っていくんですね。そうすると、「なんだ、こんな感じか。これならいけるよね」を体験できたりします。こんなふうに時間と空間を超えられる。

今度は未来に行ってみましょう。例えばこれは弊社のお客様のジェットを開発されている EMBRAER という企業なんですが。こちらですと、注文前に内装などを確認して、セールスツールに使えると。弊社ではさまざまなお客様が、VRをセールス活動に活用されていたりします。

さらに人材採用もしくは訓練に関しても VR は有効です。弊社様のお客様としては USDA、アメリカの農林水産省では人材採用と訓練。海軍様だと空母の訓練に InstaVR を使って作った VR アプリを活用されていたり、そういったことにも使われます。

こちらは若干暗いんですけど、メディア体験として、シリア難民というのを実際に体験して、本当に難民問題を突き詰めて考えるものですね。こちらは CNN 様を擁する Turner 様などがご採用をいただいております。

(スライドを見て)そして VR、親和性の高そうな、このような旅行ですね。Expedia 様をはじめ、ドバイ空港やカタール空港などに、InstaVR を使ったアプリというのが導入されていたりします。

もちろん教育も。教育に関しては、スタンフォード大学様やそれから Pennsylvania University など、さまざまな大学様が実際の大学教育、もしくは幼年教育というかたちで InstaVR を採用して、さまざまな用途に活用されております。


InstaVRの海外売上比率は90パーセント以上


ますます広がる InstaVR の利用シーンというところで、これまで 1 万社・140 ヶ国にご採用いただいています。海外売上比率は 90 パーセントを超えております。売上高もマンスリーマンスリーで成長中でございまして。シリコンバレーのベンチャーキャピタルを含む複数投資家より、シリーズAの資金調達を昨年完了させてきたところでございます。

改めまして、私、芳賀と申します。最後に自己紹介です。10 歳からプログラミングをしてまして、90 年代から VR に関わっておりました。

アメリカの 3DCG 最大手の Autodesk にてソフトウェアエンジニア、GREE にてプロダクトマネージャーをしたあとに、個人で VR を作っていたら 150 万ダウンロードいっちゃいまして。こちらをもとに作ったのが、InstaVR のツールです。

会津大学でコンピュータサイエンス、あとはグロービスで MBA をとっております。本日はよろしくお願いします。

(会場拍手)

及川:ありがとうございます。みなさますばらしく時間管理ができていて、5 分で終わりました。ありがとうございます。

Twitterを見てたら質問があって。「InstaVR だけ会場に知ってる人の知名度アンケートがなかったけど」っていうのが。聞いてもいいですか?

芳賀:あ、お願いします。

及川:はい、InstaVR、ご存じの方?

(会場挙手)

芳賀:あ、けっこう知ってる。

及川:おっ、すごいですね。

芳賀:ありがとうございます。

及川:すばらしい。ということで、3 社のアンケート取れましたので、さっそく進めたいと思います。





<続きは近日公開>
次回イベント開催のお知らせ
「Inevitable ja Night - インターネットの次にくるもの Presented by Google Cloud」
第2回 AI とビジネスに起こる不可避な流れ

日時 : 11 月 14 日 (火) 19 : 00 - 21 : 00
定員 : 200名
主催 : グーグル合同会社

Posted by Takuo Suzuki - Developer Relations Team



Google はこの 3 年間、Tango を用いてモバイル ARの基本となる技術を開発してきました。ARCore はその技術に基づいて構築されています。ARCore は特別なハードウェアなしで動作し、 Android のエコシステム全体にスケールすることができます。ARCoreは数百万台を超えるデバイスで動作する予定です。プレビュー期間中は 7.0 Nougat 以上がインストールされた Pixel および Samsung S8で動作します。高い品質と性能水準を目指し、Samsung、Huawei、LG、ASUS などの端末メーカーと協力しています。



ARCore は Java / OpenGL、Unity、Unreal Engine で動作し、次の 3 つの機能をサポートします。
  • モーショントラッキング: ARCore は、スマートフォンのカメラから検出した特徴点や IMU センサーデータを処理することでスマートフォンの位置や向きや姿勢を計測し、オブジェクトの位置を正確に配置できます
  • 水平面の検出: AR オブジェクトは床やテーブルに置くのが一般的です。 ARCore は、モーショントラッキングに使用するのと同じ特徴点を使用して水平面を検出できます
  • 光源の推測: ARCore が周囲の環境光を推測することで、開発者は周囲の環境に合わせてオブジェクトをライティングし、よりオブジェクトをリアルに見せることができます


ARCore の開発にあわせ、開発者が素晴らしい AR 体験を生み出すことができるよう、Google は開発者をサポートするアプリケーションやサービスにも力を入れています。AR アプリケーションを使って誰もが素晴らしい 3D コンテンツを簡単に作成することができるよう、BlocksTilt Brush を開発しました。また、Google I/O で発表したように、 AR体験をテーブルの上だけでなく、より広い世界スケール へと進化させるため、Visual Positioning Service(VPS)にも取り組んでいます。私たちは Web が AR の将来において重要な要素になると考えています。そこで、Web 開発者に向けたプロトタイプのブラウザもリリースします。開発者は、カスタムブラウザを使うことで AR 拡張 Web サイトを作成し、Android / ARCore および iOS / ARKit の両方で実行することができます。

ARCore は AR をあらゆるユーザーへと提供する次なる一歩です。是非、GitHub からご意見をお寄せください。また、新しい AR Experiments ショーケースをご覧いただき、ARCore の可能性を感じてみてください。#ARCore からソーシャルメディア経由で開発した製品を紹介していただければ、みなさんの優れたアイデアを Google からも共有していきます。

Posted by Hak Matsuda - Developer Relations Team




イベント概要

【イベント名】 Google Developers Summit : Progressive Web Apps
【日程】 2017 年 9 月 22 日(金) 9:30 - 18:00 (開場: 9:00)
【場所】グーグル合同会社
【定員】 200 名


当日のスケジュール

午前の部  9:00 -   9:30    開場
  9:30 - 10:00   キーノート: Progressive Web Apps: What, Why and How
10:00 - 10:45   セッション 1: Service Workers for Instant and Offline Experiences
10:45 - 11:00   セッション 2: Securing the Foundation with HTTPS
11:00 - 11:15    休憩
11:15- 12:00    セッション 3: Deep Engagement: Installable apps and Push Notifications
12:00 - 12:30   セッション 4: Web Payments
12:30 - 13:30   ランチ
 

午後の部 : セッションの後コードラボを開催
13:30 - 14:00  セッション 5: Tooling for Progressive Web Apps : Lighthouse and More
14:00 - 16:00  コードラボ & Mingling with Googlers
16:00 - 16:30  休憩
16:30 - 17:00  セッション 6: AMP and Progressive Web Apps
17:00 - 17:45  Q&A
17:45 - 18:00  クロージング


■申し込み方法

本イベントへの申し込み、詳細につきましてはこちらのサイトをご覧ください。
※ 参加可能な方には 9 月 11日(金)より順次参加証を送付いたします。

Posted by Takuo Suzuki - Developer Relations Team
Share on Twitter Share on Facebook



以前リリースした単純な React ベースのサンプルアプリとは違い、ShadowReader デモアプリはいわゆる「Vanilla JS」と呼ばれる純粋な JS のみでできており(もちろん AMP は例外です)、The Guardian の実際のフィードと AMP ページを使っています。さらに、アプリの作成に必要な作業をお見せするため、すべてゼロから作られています。スマートフォン(やエミュレータ)を使って実際に https://amp.cards から動かしてみることもできます。

では、このアプリのどこが特別なのでしょうか。今回は、AMP ページの用語をご存知の方向けに言えば、いわゆる「アプリシェル」をどれほど早く作れるかを紹介しています。このアプリは、記事を表示するためのテンプレート ロジック全体が含まれた巨大アプリとは違い、単純に Guardian の RSS フィードを読み取っています。カードがクリックされた際に既存の AMP ページをインラインでレンダリングする処理は、AMP に委譲しています。これによって、エンジニアリング作業とアプリ自体が信じられないほど軽量になります。他にも、次のような特徴があります。
デベロッパーの皆さんは、ぜひソースコードをご覧ください。FLIP ベースのアニメーション、遅延読み込みされるカードとシームレスに再接続される記事のビューなど、アプリのそれぞれの機能や要素がどのように構築されているかは、私のブログで紹介しています

ShadowReader は、半分はインスピレーションを与えるため、半分はチュートリアルとして作られています。ぜひ、PWAMP が皆さんのユースケースに応用できるかを評価するためにご利用ください。また、サポートが必要な場合は遠慮なくご連絡ください。現在、PWAMP は大流行中です!


Reviewed by Yoshifumi Yamaguchi - Developer Relations Team
Share on Twitter Share on Facebook





服部桂氏(以下、服部:クラウドも、僕ら考える規模で考えていると想像を超えてしまうということがあるんじゃないでしょうかね。

そうすると、我々のビジネスモデルといった前提条件を外して考えないといけないようなシンギュラリティの論議がやっぱり出てくるってことですよね。

小島英揮氏(以下、小島):この AI 的なプロセッシングとVR・IoT。これをデータレイヤーと言っていいかもしれないですけど。これはやっぱりつなげていけるのもクラウドというエコシステムがあるからという理解でいいですか。

服部:まさにそのクラウドが優れたアルゴリズムと計算能力とビッグデータをつないでいる。

クラウドという世界最大のコンピューティングプラットフォームであって、高信頼性で、かつ我々の人生が全部入っちゃってるわけですよ。だからもう一生お付き合いしなきゃいけないというかね。もう「これやめますか、人間やめますか?」ぐらい、もう一生のデータが入っちゃっている。

小島:確かに。じゃあこういう感じですよね。

さっき北浦さんが「VR が 1 つで破壊力あるもの」だと。今まで伝えられなかった体験というものを伝えるというのは非常におもしろいけれども、それは独立してるものじゃなくて、VR・IoT も AI も実は 1 つの大きなエコシステムの中にあり、その要がクラウドのエコシステムだというイメージと……。

服部:そうですね。だから、利用できないデータを入れてもダメなんです。素直にいいデータを意識しないで自然にどんどん入れていって、みんなでシェアしていく。より大きいデータが意味があるんだけど、今、頭で考えたり、恣意的にいろんなことをやっていると、データの質が高まらないわけですね。

そのためには VR を使ったり IoT を使ったり。そういった技術をうまく使って、自然にどんどん滞りなくデータを還流してシェアできるということだと思いますね。

小島:かつ、人が判断しない。AI が判断するので、たぶんデータ一つひとつはあまり大したことなくても、数が来るとAIがよろしくいろいろ考えてくれるみたいな世界になるんじゃないか、と。

服部:そうですね。だから、そこらへんの 1 つのインターフェースとして、AI 的なものがあったほうがいいと思うんですよね。今は打ち込むんじゃなくて、言葉で言えば全部データになっていくとか、いろんな翻訳をしてくれるとか。要するに、アシスタントとしていろんなことをどんどん助けてくれるってことですよね。

新興国での スマートフォン の価値は「お金持ちに見える」


小島:そうすると、情報の流れがつながっていないといけないので。それがぐるっと回って今、北浦さんがカンボジアでやっている。今現在はみんながスマホでつながってるわけじゃないけれども、数少ないIT機器を中心に、現地の農家の方といろんなデータをつなぐ流れを今、人の流れを作ってるわけですね。人によって情報の流れを。

北浦健伍氏(以下、北浦):はい。

小島:その情報の流れができていれば、そこに VR や IoT、AI など、そもそもスマホがやってきたときに爆発的に流れる装置ができる。

北浦:まずいったんつながらないと、本当にどうにもならないので。

小島:だから、いきなりスマホだけ渡してもつながらないってことですよね。

北浦:そうなんです。

小島:情報の流通……。

北浦:本当に僕たち最初にカンボジアへ行った時。iPhone 2 台持ってる人とかいるんですけど、「あの人たちはなんで iPhone 買うか」と考えたのですが、それは自分が金持ちだと見せたいからなんですよ。



小島:札束みたいなやつ?

北浦:そうです。だから「写真を送ってよ」って言ったら、写真は送れないっていうわけですよ。「いや、インターネットで送れるじゃない」って言ったら「そんなものにはつながっていない」って。

小島:でも、金はあると。

北浦:はい。

小島:なるほど、なるほど。

北浦:だから、ぜんぜん違うエコシステム。

小島:それを本来の情報とかデータの流れにつないでいくというのが、今の北浦さんのやられている作業ですよね。

北浦:そうですね。はい。

小島:それが1度できれば、このエコシステムが来たときにガッといくということですね。

北浦:はい。

「英語さえ話せれば世界中の人と意思疎通できる」わけではない!


小島:なるほど。わかりました。じゃあ結局 AI・VR・IoT、クラウドをのりにして、不可分なエコシステムだなっていう話になってきたと思うんですけれど。

では、そのマーケットに行こうと決めたところで。日本でやっていくのは実は大変なんじゃないかと僕個人としては思っています。だって、マーケットはシュリンクしているじゃないですか。

今、実際に日本を飛び出しちゃって、それもアメリカじゃなくカンボジアでやっている北浦さんの目から見ると、エンジニアや起業家に求められているものはなんですかね? 技術的なトレンドは、今なんとなくわかったんですけれども。

北浦:日本人のほとんどは、外国でやるなら英語を話さなきゃいけない。逆に言うと、日本はすごく英語信仰が強くて「英語さえ話せれば世界中の人と意思疎通できる」と思っています。

小島:僕らはそう習いました。

北浦:これ、実はまったくそうではなくて。

小島:(笑)。

北浦:確かに英語で意思疎通は……。英語をしゃべれると伝わったような気にはなるんですけど、実はまったく伝わらない。



日本という国は、言葉の外で「こうだよね」「言わなくてもわかるよね」というところがものすごくたくさんある。その中で会話が成り立っている社会なんですね。僕たちもよく言うんですけれど「コピーとってきて問題」というものがありまして。

小島:コピー? コピーってこの紙の?

北浦:そうそう。例えば、日本の会社にいて「ちょっとコピーをとってくれ」と言われたら、絶対にコピーをとって持ってくるじゃないですか。デスクまで。待っていて来なかったら怒るよね、という話なんです。

カンボジアでは「コピーをとってきて」というと、ほとんど持ってこない。「あれ、コピーは?」と言ったら「とりました」と言われる。

小島:(笑)。

北浦:「持ってこいとは言われてない」って話になります。なので、そこは大前提がまったく違う。

小島:じゃあ、どんなに Google Translate が進化しても、それじゃダメだってことですね。

北浦:ダメです。

小島:「コピーをとれ」を翻訳するだけでは伝わらなくて。それを咀嚼して原文にちゃんと「とって、持ってきてください」まで言わなきゃいけない。

北浦:言わなきゃダメなんですね。だから逐一そういう細かいところまで手取り足取りマネジメントしないといけないんですけど。日本ではそこをしなくていいというか「そんなことを言わなきゃならないやつは仕事ができないやつ」という中で生きているじゃないですか。でも世界に目を向けたときは、それを言わなくちゃ伝わらない人が完全にマジョリティ。

小島:そっちのほうが多いんですね。

北浦:多い。圧倒的に多いので、そういう人たちと一緒にやっていくには、彼らが「できないやつ」じゃなくて、自分たちが彼らに合わせていくしかない。

小島:なるほど。例えば日本が縮小して、阿吽の人がどんどん縮小していくなかでビジネスを考えるときには、コミュニケーションとか伝える力がベーシックに求められる。

北浦:そうですね。はい。今後は伝える力とマネジメントする力が一番求められるんじゃないかなって。

テクノロジーで感情を伝える手段を考えなければならない


小島:服部さんから見ると、ジェネレーションギャップで「近頃の若い者は……」みたいなのあるかもしれないですけど。それ以上のギャップかもしれないですよね。

服部:そう思いますけどね、大手の新聞社も新聞を買ってくれないんですね。みんなデジタルで読めるから、ということで。文字に書いてるものはもうみんなお金を払わないんですよ。お金を払ってるのは自分が好きなものとか感情とか。

これから(検索量が)1 兆倍になったときにどう考えるべきかというと、文字がいっぱい増えて、いっぱいページが増えるということじゃない。例えば AI なんかが感情を Google さんが読んで、それに合わせてくれるとか、文字になっている。先ほどの「コピーをとりにいく」を 3D、もしくはロボット使ってやってくれるとか。

それから今、検索できないものありますよね。例えば自分の体の中とか部屋の中とか物とか。まったく我々が考えもしなかったような部分に Google 的な機能で検索できる。
すごくよく言うのは、Google さんが世界をつないで、あとの 5 億人とコラボできるようにする。そういったツールがあって初めて 70 億人がつながる。今の 70 億人はコラボできない、ネットがなきゃ絶対できないんですよね。

だから、そこらへんを目指して。そのために AI を使って、より新しい次の次元を目指していただいてるんじゃないかなという気は僕はしてるんですけどね。

小島:北浦さんの視点からいくと、まず伝える力・伝える能力がすごい大事だし、服部さんの考え方でいくと、今してるところを、サービスとかツールとかテクノロジーでなんとかすると、新しいビジネスになる。

服部:そうですね。だから今言われたような話をさらに新しいITテクノロジーで、コンテキストを伝えるとか、感情を伝えるとか、シェアするというような、我々が今考えているよりもうちょっと一段上のアプリケーションを考えていかない。

それは今から 1 兆倍のデータや、その処理能力があれば、やらないといけないことだと思うんですよね。きっと。

翻訳機能だけでなく「行間を読む機能」


小島:なんか、いろんな前提が変わっちゃう?

服部:そうなんです。

北浦:Google 検索でもそうなんですけど、基本的に文字が読める・理解できる前提じゃないですか。世界のいろんなデータを見ると「識字率が高い」みたいなことが書いてあるんです。でも、あの識字率は「文字が発音できる」なんですよね。だから、地名は読めるし、相手の名前も読めるんですけど、センテンスになると理解しないんです。

小島:単語はわかる?

北浦:単語はわかるんです。だから、「カンボジア」って書いてあるとか「インド」って書いてあるとか「北浦さん」とかはわかるんですけど。「北浦さんがどこどこにいって誰々と会った時にどうしてこうしたから、〇〇」っていう文章になるとわからない。

小島:ものすごい複雑なんでしょうね。それ。

北浦:複雑です。日本人でもそうですけど、「Don’t Go」「Stop」はわかるけど、5 行ぐらいの文章にされると英語読むの苦手な人が多いじゃないですか。あれが自国語のレベルなんですよね。

だから文字ではないものでいかに伝えるかが、NEXT 5 BILLION にはものすごく重要なポイントだと僕は思っています。

小島:すごくリアリティがありますよね。日々、それをカンボジアでリアルに感じていらっしゃる。

北浦:本当に伝わらないんですよ(笑)。

小島:英語が万能では絶対にないということですよね。

北浦:はい。ないですね。

小島:そこを単純にテクノロジーで、翻訳だけではぜんぜんダメで。行間を読む機能とか、そういうのが必要になる。

北浦:そうですね。結局、言葉は頭の中にイメージしてることを、僕たちは便宜上の言葉にして伝えてるだけなんです。でも、この頭の中にあるイメージをいかにそのまま相手に伝えられるかが、やっぱり最も大事になってくるんだろうなと思います。そのあたりが次のテクノロジーの大きなブレークになるんじゃないかな。

「世界を目指すなら、日本の顧客は無視したほうがいい」


小島:わかりました。では、その新しいテクノロジーやコンテキストでビジネスを考えていくとして、すごいレガシーな質問なんですけど。それを始めるために、日本拠点でみなさん始めたほうがいいのか、それともどうせ海外へ行くんだから、初めから出ていってしまったほうがいいのか?



一般的によく聞かれる話だったりするんですけど。これはもう日本を出ていってしまった北浦さんからすると、どう捉えますか?

北浦:顧客がどこにいるのかというところが、最も大事かなと。

小島:どこにいるか。つまり、自分がやりたいサービスとかビジネスのお客さんがいるロケーションはどこですかと?

北浦:はい。例えば、「日本で成功しました」「そこから世界に出ていきます」って言ったとき、そこに大きなハードルがある。それは先ほど言ったように、そもそものバックボーンとか常識が違うからなんですね。

それを最初から僕のように海外でやってしまったときは、ハードルがあるわけで。どこかのタイミングで日本から世界に出るときは、ハードルがあるとは思います。
とはいえ今、日本と世界という考え方をするというのも、今後はどんどん変わっていくのかなと思います。

例えば僕、大阪出身なんですけど。やっぱり大阪の人はなかなか東京に出てこないんですね。彼らが言うには「大阪がいいか、日本がいいか」みたいな話をしちゃうんです。

小島:これの、もうちょっとスケールダウン版。

北浦:もっとスケール小さい版。

小島:日本と世界じゃなくて、大阪か日本か。

北浦:そうなんです。でも、本当はそうじゃなくて「別に大阪でもいいし、最初から日本中でやるんだったら、別に大阪だけにこだわったものを作らなくてもいいじゃない」という感じには思います。

小島:それって、どうせ出ていくんだったら、お客さんと近いところはどこかを見ないといけないし、どうせ最後にそこへ出ていくことを考えたら、初めにそのハードルを超えるのか、1 回体制整えてから超える。でも、どこかで超えなきゃいけない。

北浦:そうなんですね。体制を整えてから超える。これ、実はすごく難しい。

小島:むしろ体制ができちゃったから、超えるのは難しい。

北浦:そこを壊してまた出て行く必要が果たしてあるのかっていう。日本という特殊なマーケットの中でうまくいっているものをわざわざ壊して、違うところでうまくいかすものを持っていかなければならないところがあるので。

もし、日本でうまくいかせることを考えてビジネスをするのであれば、あまりグローバルは逆に考えずに、日本の……。

小島:お客様が日本にいるビジネスということですよね。

北浦:そうですね。逆にいうと、最初から世界に出て考えるのであれば、日本の顧客を無視するぐらいの感覚でやっちゃわないといけない。

小島:どこが自分のマジョリティなのか。そこに合わせるべきだってことですよね。

北浦:はい。

あらゆる既存価値を、国を超えて議論しないと始まらない


小島:一方で、服部さんはいろいろ世界とかトレンドを俯瞰して見ていらっしゃいますけど、国で切るという考え方ってもしかして古いんですかね?

服部:それなんか、20 世紀の質問じゃないですか?

小島:あ、ごめんなさい(笑)。

服部:21 世紀ですよ、今。それは半分冗談ですけれども。みなさんがネットを使い始めて20年ぐらいじゃないですか。メールとか使ってなかったですよね、最初。それから携帯も使ってなくて。

ここ 20 年で生活とかビジネスが変わったと思うんですよ。これから 20 年経ったら、まったく想像もつかないよね。というふうに、覚悟しておいたほうがいいと思うんですよね。
そういう意味では、20 世紀はグローバリズムでは「国を超えて……」と言ってましたけど、今まさにネットの中でやっているのは、もう 1 つの国を超えちゃって、1 つ、Google 国みたいのがあって。これは要するに 30 億人が……。まあ、Facebook だって 10 億人以上いますから。

小島:そうですね。

服部:そういった Google や Facebook といった中でアイデアを共有したり、ものを作ったりしています。だからもう、国というもの自体が事実上……。昔は「なくなるよね」と言っててまだなくなっていないけれど。どちらかというと、Google や Facebook のようなものがもとになって産業ができて、サービスができていくことを真剣に考えないといけないと思うんですね。



これから何十年くらい経って、みなさんが仕事をするときに国とかっていうのを考えいたらもう古いというか。どっちかというと……。

小島:国境というのは、例えば県境と同じぐらい感じであるけれども……。

服部:あるとは思いますけどね。

小島:けれども、ビジネスを規定する線じゃなくなってくるんじゃないかってことですか?

服部:まさにネットのなかで Google のクラウドのなかでの著作権とか知的所有権とか、もう国を超えて論議しないと始まらないわけですよね。

小島:そうですよね。

服部:そういう意味では、これから近代が作ってきた国とかいろんな価値がバンバン壊れちゃってですね。家族も壊れちゃうかもしれないし、男女間の垣根もなくなっちゃうかもしれない。

要するに、我々はこれから 10 倍ぐらいになるイメージじゃなくて、1 兆倍になってですね、まったく違う世界になることを覚悟しておかないいけない。そうじゃないと、あとで「えー、そんなの想定外」みたいな話がいっぱい出てくる。過去 20 年でもいっぱい出てきましたからね。これからもっと出てくるんじゃないかなっていう気がしますね。

小島:これまでの視点で、クライテリアとかエリアを切るんじゃなくて、本質を見たほうがいいってことですね。自分のお客さんがなにか。自分はどこにいくのか。そこで一番近しいところはどこかを選ぶセンサーと、そこと会話するコミュニケーション力が必要。

北浦:そうですね。

日本はパスポートがある点で圧倒的有利


とくに今のところ、国というものがあるなかでは、日本のパスポートってものすごくどこでも行きやすいんですね。

小島:日本人であるということは、このビジネスをやる上で……。

北浦:大きいですね。選べるので。例えば、僕たちが今いるカンボジアの人たちが逆に「日本に来てビジネスします」「ヨーロッパに来てビジネスします」というときにでも、まずパスポートの時点で行けないというハードルがある。もちろんビザは取れるんですけど、パスポートをとるのはめちゃくちゃハードルが高いんですよ。

僕たちは、そのハードルをボーンと飛び越えてしまっている。これは、グローバルで進めていくときに、かなりのシード権のポジションにあるんですね。

これが今後どうなるかわからないわけですね。でも、今のところ、日本のパスポートは世界でも有数、指折りのパスポートなので。これを持ってる時に早く勝負をするべきじゃないかなと思いますね。

小島:今の視点、すごくよくて。中にいるとなかなか気がつかないですけど、外から見ると「こんなにいい通行手形はないよ、ビジネスの」ということですよね。

北浦:そうですね。うちのインド人パートナーも、アメリカへ行くのに、大使館に行って先に 10 万円を払うんですって。

小島:先払い。

北浦:先払いです。これ、ビザもらえなかったら 10 万円なくなるんですよ。
僕たちは別にアメリカでビザと取らなくても「明日から行こう」ってできるでしょ。でも、カンボジア人がアメリカへ行きたいときは、インターネットでまず申込みをして、そこから 1 ヶ月先にようやく大使館に面談に行ける予約ができるんですよ。

そこで初めて面談をして。今のところカンボジア人がビザもらえるのは 3 パーセントです。97 パーセントの人は、カンボジア人、1 万 5,000 円も払って……。

小島:じゃあ、圧倒的に僕らは有利ってことですね。

北浦:有利です。

小島:それを使わない手はない。

北浦:そうなんです。これを使わない手はないと思います。

小島:なるほどね。

Think Big にいけ


「これ使わない手はない」って話をいただきましたけど、最後に 30 秒ずつぐらいでなにかひと言ずつ。ゲームチェンジがやってくるわけですけど、この会場のみなさんに「これからは真摯にやっていくといいよ」みたいな、もしひと言あればいただければと。
まず、北浦さんから。

北浦:Google もそうなんですけど、今までいろんなフロンティアっていうところは完全に欧米企業に押さえられていました。だから、日本企業が世界のフロンティアを取ってきたっていうのは、僕、まったくないと思うんですね。

でも、先ほどの NEXT 5 BILLION に関しましては、まだフロンティアです。今のところは完全にがら空きです。やはりここをどんどんと取りにいくような人たちが日本からもっと出てきほしいなと僕は考えています。

小島:もう「すぐ行け」ということですね。

北浦:はい。

小島:じゃあ、服部さん。

服部:とてもおもしろいセッションだったと思うんですけれども。Inevitable というのは、実は「未来」という意味なんですね。ケビン・ケリーさんはやっぱり「未来」とかいう陳腐な言葉を使いたくなくて。

我々が避けられない未来をどう考えるか。

未来というのは必ず来るんですけれども、想定外が必ずあるわけですよね。でも、それは我々の想像力が不足してるからです。「こんなはずじゃなかった」とか。それで、コンピュータは全部 AI を使って。AlphaGo は名人が考えなかったような手を全部考えてくれる。だから、コンピュータと一緒に協力することによって、我々の未来への想像力のオプションを増やしてあげる。

極端なことを言うとあれですよ、みなさん。日本人とかそういうのじゃなくて、もう 21 世紀は地球人。

だからもうちょっと、どうなるかはわからないですけど、今のスケールとかものの考え方は前提にしなくちゃいけないんだけど、なるべく「そのスケールを超えたらどういうふうに自分の未来がなっていくか」ですね……。

小島:なるほどね。「Think Big にいけ」という感じで。

服部:そういう発想をしてるほうが、想定外とか、「そんなはずじゃなかった」ということがない。そのためにクラウドなんかをどんどん活用するのは、一番人類の平和のためにはいいんじゃないかなと私は思っていますね。

小島:わかりました。ありがとうございます。Think Big ということですよね。

僕からは、これからは大きさじゃなくて速さが武器になる時代だと思います。



もちろん今日ここにいらっしゃってる方は、それを理解してたぶんいらしゃってると思うんですけれども。それが今まで以上に強みになってくる時代になるんじゃないかなと思っています。

速くやれば速く武器を使えて、速くフィードバックを得られる時代になると思うのです。なのでぜひ、今日はみなさんの次のアクションためのヒントをつかんでいただいて、誰よりも速く動くというのをこのイベントを機にやった方が生まれてくると、我々としてもうれしいかなと思います。ありがとうございます。

それでは、まだまだ話していたいんですけれども、お時間になりましたので、こちらのほうで対談のほうは終了とさせていただきます。

今一度、今日のスピーカーのお2人に拍手のほうをお願いしたいと思います。ありがとうございました。

北浦:ありがとうございました。


いかがでしたでしょうか? 今後このようなテーマでの議論を定期的に開催していく予定です。

次回イベント開催のお知らせ
「Inevitable ja Night - インターネットの次にくるもの Presented by Google Cloud」
第2回 AI とビジネスに起こる不可避な流れ

日時 : 11 月 14 日 (火) 19 : 00 - 21 : 00
定員 : 200名
主催 : グーグル合同会社



Posted by Takuo Suzuki - Developer Relations Team

Share on Twitter Share on Facebook

第 2 四半期の終わりとともに、amp-analytics で動画アナリティクスをネイティブにサポートするための集中対応が始まっています。この対応は、まず amp-video から行われます。これは現在試験運用版として利用でき、来週には正式版がリリースされます。この機能を使うと、サイトオーナーは再生や一時停止といった動画イベントに関連する動画固有のデータを取得できるようになります。仕様は上のリンクから参照できますので、提案されている仕様がニーズに合うかどうかについてフィードバックをお寄せください。

別の分野では、以前の四半期の作業(amp-analytics を利用してデータを収集できるようにする AMP 拡張機能)が終了しつつあるので、フィルタのサポート作業を近日中に開始する予定です。また、amp-analytics をカスタマイズする方法をさらに追加するさまざまなプロジェクトが計画されています。たとえば、ロードマップには reportWhen などの機能が記載されています。

広告
サイトオーナーが広告リクエスト情報を拡張し、より適切にターゲットを設定して収益を増加できるようにする作業を進めています。これには、Real Time Config(RTC)と呼ばれる新機能を使います。RTC を使うと、サイトオーナーが Cookie ベースのターゲット情報やそれよりも幅広い対象端末に関連する情報を使って安全かつパフォーマンスよく広告リクエストを拡張できるため、ユーザー エクスペリエンスに悪影響を与えることなく、AMP インベントリであげる収益を増やせるようになります。RTC を使ってすべてのターゲティング ベースのユースケースを実装したいと考えています。Github の Issue への報告をお待ちしています。

また、AMP ページに表示される競合他社の広告の排除やブロックを行うスポンサー キャンペーンを実現したいという古くからの要望にも対処する作業を進めています。これは、AMP ページのすべての広告リクエストを相互に関連付けることによって実現します。機能の開発はすでに始まっており、近日中に試験運用版がテスト公開される予定です。この機能をテストしてみたい方は、Github でお知らせください。

なお、AMP By Example ではすでにたくさんの画期的な AMP 広告(例: AMP 形式で作成されたライトボックス広告)が利用できるようになっています。これを変更して無料でキャンペーンに利用することもできます。また、amp-animation の導入に伴い、スクロールと連動したアニメーションを使った広告も簡単に直接販売キャンペーンに組み込めるようになっています。
* * *

作業したりフィードバックを寄せてくださっている AMP 開発コミュニティの方々に感謝いたします。いつものように、問題や機能リクエストがありましたら遠慮なくお知らせください

Reviewed by Yoshifumi Yamaguchi - Developer Relations Team
Share on Twitter Share on Facebook



今年から、1 社というよりはこの不可避な流れにたくさんなるべく張っておきたいということで、VR とか決済とか、そういったところのいくつか会社のマーケティングのお手伝いをしている者でございます。

『攻殻機動隊』の世界観がリアルになってきている

今日の Inevitable な流れというところで、イントロダクションというところなんですけれども。世代が合う方がどれぐらいいるかわかりませんが、僕的には今日お話しする VR とかAI とか IoT って、最近実写版もありましたけれども『GHOST IN THE SHELL』『攻殻機動隊』の世界観がすごくリアルになってきてる流れなんじゃないかなと思います。

あの中では、VR のゴーグルや AI、マイクロマシン、センサーみたいなものがごくごく普通に生活の中に入ってきている。いろんなネットワークは非常に進化してるんだけれども、まだ国や民族という器は残っている。非常に今と似たような状況なんじゃないかなと思っています。

「これはアニメの話じゃないか?」と思うかもしれませんが、非常に今ここに近い流れが来てるんじゃないかなと思ってまして。

それでちょっとご説明したいのは、こちらの図です。

(スライドを指して)一番左にあるのはクラウドコンピューティング。ここから端を発して、たぶん今ビッグデータ、モバイルという流れが来てると思います。今日、この先に、AIや VR/AR といった仮想体験、そして人だけじゃなくて物もデータを出してくる IoT の世界が来るという話なんですが。これを技術の流れじゃなくて、エコシステムの流れで捉えていただきたいと思ってるんですよね。



「エコシステムってなにか?」という話なんですけれども。たぶんみなさんはお手元にスマホをお持ちだと思います。このスマホには 2 つの要素があると思っています。

1 つはスペックというんですかね、ハードウェアの性能みたいなところ。これも「テクノロジー」と表現できると思うんですけれども。

いかにスペックが高くても、おそらくみなさん、その中にあるたくさんのエコシステム、……みなさんの中ではいろんなアイコンが見えると思うんですけれども。これがなかったら、このテクノロジーは使わなかったと思います。10 万円もする電話機を、みなさんは買わないと思うんですよね。

なんでみなさんこれを買ってるかというと、このテクノロジーの中で使えるエコシステムがどんどん広がっているからです。

これは Google のデータなんですけれども、昨年 1 年、Google Play だけでダウンロードされているアプリケーションの数は年間で 820 億回。ちょっと天文学的な数字ですよね。
これだけみなさんが使えるものが増えている。そして、これだけ多くの人の生活に関係あるビジネスがスマホを起点に大きくなっているということになると思います。

インターネットの次に来るトレンドは?

クラウドがもたらした「簡単にシステムが作れる」「ストレージがすごく安く使える」が、このモバイル、それから大量のデータを吸い上げるというビッグデータの流れを作ってきたと思うんですけれども。

今日お話しする AI や VR、IoT は、この流れにあるんですよね。

これだけ大量のデータが流れるようになった。それを処理するのにいちいち人がやっていたら大変だろうということで、このAIの流れがあるわけですし。「今のようにテキストとか情報だけじゃなく、体験も伝えられるようなインフラができているよね」ということで、VR や AR も来ている。

そして、データを吸い上げる対象は人だけじゃなくて、センサーからもどんどん吸い上げたい。ビッグデータへどんどん取り込みたいということで、IoT が来ている。

クラウドから始まったエコシステムの積み重ねで、この AI・VR・IoT が来ている。だから、単なるニュースのバズワードじゃなくて、確実なエコシステムの延長として来てるということですね。

今日、何度かこの黄色い本、『〈インターネット〉の次に来るもの〜』をフィーチャーしますけど、ここに書かれているのは、この不可避な流れというところです。

今日触れておきたいのはテクノロジーだけじゃなくて、日本におけるもう 1 つの不可避な流れ。これは人口減少社会というところです。



ちなみにこれ、内閣府のデータを使って私が昨日グラフにしてみたものなんですけれども。2010 年から始まって右肩下がりに人がどんどん減っていく。

ポイントは、購買層がどんどん減っていくんですよね。これがなにかというと、ファクトとしては労働人口・消費人口がどんどん減っていく。このままだと日本の GDP は絶対にシュリンクしていく。これをなんとかしなきゃいけない。

ちなみに今日、会場にいらっしゃってる方の年齢を確認しておきたいんですが。40 代以上の方、どれぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

30 代。

(会場挙手)

20 代。ここ一番多くいてほしいんですけど。

(会場挙手)

意外に少ない。10 代。

(会場挙手)

10 代いらっしゃる。

僕はちょっと逃げ切れないんですけれども(笑)。20 代・30 代の方は、この不可避の流れ、テクノロジーのエコシステムと日本のマーケットがシュリンクしていく流れにどう対応するか、すごい大事なことじゃないかなって思います。

「じゃあインバウンドで対応すればいいの?」「それとも世界に出ていけばいいの?」って話になると思うんですけども。今日注目したい1つのトレンドは「NEXT 5 BILLION」ですね。



さっきまでご紹介していたスマホのエコシステムに、まだ取り込まれない人がざっくりいうと50億人ぐらい残っている。このマーケットをどう飛び込んでいくか。これが実は大きなテーマになるんじゃないかなと思います。テクノロジーの不可避な流れと、この「NEXT 5 BILLION」をテーマにお話ができればと思います。

というところで、前フリがだいぶ長くなってしまいましたけれども。このあと服部さん、北浦さんのお2人にそれぞれ、インターネットの次に来るもの、このトレンドのNEXT 5 BILLIONのビジネスを実際やっていらっしゃる立場からお話を聞いていきたいと思います。

最初のVRブームで見た世界は「人工現実感」と呼ばれていた

それでは、お 2 人の簡単な自己紹介ということで、まず服部さんのほうから略歴と「こんなことやってきたよ」をおうかがいしたいと思うんですけれども。まずは、朝日新聞入社なんですよね。



服部桂氏(以下、服部):一応(笑)。

小島:一応、はい。

服部:最初のプレゼンにはどういうわけか「朝日新聞に入りました」って書いてました。

小島:理工学部から朝日新聞。文系みたいな感じですけど。結局、ITの世界にずっと関わっていらっしゃって。この『人工現実感の世界』はVRのことですよね。



服部:そうですね。最初の VR ブームの頃は「ヴァーチャル」って言ってもわからなかったので「人工現実感」って表現していました。

小島:表現も、この頃はまだこなれてない感じがありますよね。あと新聞初のインターネット連載。旧来のメディアとインターネットの融合をずっとテーマにして、かなり早い時期からやっていらっしゃったんですよね。

これ、いくつか写真をお借りしてきたんですけれども。この右側にあるのは「ウエアラブル・シンポジウム 2010」って書いてますけど、やったのは 1998 年。たぶん 2010 年を見越してというやつだと思います。



服部:そうですね。

小島:この女性がかぶってるのが、いかにも昔のウェアラブルな感じがして。

服部:ちょっとレトロな。

小島:レトロですよね。近年のウェアラブル端末とかから見ると、だいぶレトロな感じで(笑)。

服部:でも早かったんですよね。98 年。

小島:そうですね。あと、左にある『人工現実感の世界』は、さっき言った VR 的な世界ということになると思います。

デジタル社会は常に変化している


今日みなさんにお伝えしたいのは、服部さんは 1990 年代からこうやって、その時々のテクノロジーの変遷を、その時点から先を見通すというのをやっていらっしゃっていて。そんな服部さんの目から見ても最近一番ビビッときたものが、この『The Inevitable』というこの本じゃないかなと思うんです。このケビン・ケリーの本は見た時にゾクッときた感じですか?



服部:ケビン・ケリーさんは、有名な『Wired』という雑誌の最初の編集長です。今から25年前ぐらい前ですかね。彼が書いた最近の本が『The Inevitable』。今日の不可避というタイトルですね。



彼はだいたい僕と同じぐらいの世代なんですけれども、「いったいなんなんだろう?」と思って、その本を訳して。Inevitableじゃわからないので、一応『〈インターネット〉の次に来るもの』という日本語の題をつけて。「違うんじゃないか」とか言われましたけど、一応みなさん最近わかっていただいて。

今日もInevitableというイベントなんで、この本の販促会じゃないかなと僕は思って、間違って来ちゃいました(笑)。

小島:オンラインでサーチするとすぐ買えますので、みなさんぜひ。

服部:よろしくお願いします。

小島:この本がおもしろいのは、今まで過去に描かれていた未来予想図って、さっきのウェアラブルみたいな、その時に考えうるテクノロジーで未来の世界を考えてるんですけど。この本って、あまり特定のテクノロジーに触れていないんですよね。「こういうふうになるよ」という流れの話をしてるのがすごく特徴的だなと思ったんです。

服部:今のビジネス書は、「次はなにが当たる」「Googleの次はなんだ」「クラウドサービスってなに?」って書いてありますけど。結局はみんな当たらないわけですよね。なにが来るか。



ただ、ケビン・ケリーさんも私もずっとここ何十年かやってみて。なんか「インターネットなんかビジネスに使えないよね」といったらやっぱり使えたり、「もう全部情報が流れちゃってパッケージがダメだよね」という話はあっという間に現実になってしまって。
一つひとつのものじゃなくて。要するにデジタル社会は常に変化して、流れて、アクセスしていくような、こういう力学で動いていることは間違いないんですよね。

スマホのエコシステムに組み込まれてない人たち


小島:続きまして。NEXT 5 BILLIONで、もう現場に飛び込んでやっていらっしゃる北浦さんです。ちょっと自己紹介をしていただいてもよろしいでしょうか。

北浦健伍氏(以下、北浦):よろしくお願いします。ふだんカンボジアに住んでまして。カンボジアでおもに小規模農家を束ねて、オンライン農協のようなものを作ろうという感じで日々やっています。




小島:AGRIBUDDYという。

北浦:そうですね。AGRIBUDDYですね。たぶん、ここに来た中で一番遠くから来てるはずです。

小島:今朝、羽田に着いたということで。お疲れさまです。
ここでカンボジアを拠点に見てるマーケットというのは、このNEXT 5 BILLIONですよね。

北浦:新興国の小規模農家は約25億人いると言われているんですけれども。この人たちは間違いなくNEXT 5 BILLIONの中の半数を占めている人たちなんです。しかし、やっぱりこの人たちは未だにインターネットにつながっていない人たちなので。

小島:さっきのスマホのエコシステムに組み込まれてない人たちっていうことですね。

北浦:そうです。なので、Googleがなにかを知らない人ですし。Googleから見ても……。

小島:リーチされていない人たち。

北浦:リーチされていない人たち。そこが地球最後のデータ・フロンティアだと思っているので。そこをなんとか僕たちの手で握ってしまいたいなと考えて、今やっています。

「まだ取り込まれていない人々」をデータ収集し、可視化


小島:なるほど。小規模農家の話が出てますけど。ここも少しお話しいただいていいですか?

北浦:新興国の小規模の農家に、我々の胃袋は実はほとんど支えられています。現在で75パーセントぐらい。



ここから日本の人口は、先ほどの不可避な流れで減っていくとなっているですけれども、世界人口は増えていくようになっています。増える分のほとんどは、新興国の農業でサポートしていく流れになっています。

にも関わらず、彼らはみんな貧しい。なので、ここを解決し、彼らとビジネスしていくことができればなと考えてるのが、僕たちのアイデアですね。

小島:「貧しくなるスパイラル」と書いてますけど。



北浦:簡単なイメージだと思うんですけれども。新興国の農家は、みなさんがイメージされるとおり、非常に貧しいです。

農業で食えないから、みんなどんどんと都市に出ていって。要するに出稼ぎですね。そして残ってるのがおじいちゃんおばあちゃんとか、働けない人たちばかりになっている。そういう人たちだとうまく作業ができないので、よりお金が作られない。

しかもその人たち、さっきも言ったように、データに接続されていないので。第三者からその人たちがどういう人たちなのか、まったくわからない。

小島:データで見てる人からすると、いないことになってるような。

北浦:そうなんですよね。なので、いないことになってる人たちはプレイヤーではないという認定をされている。プレイヤーが普通にできるアイテム、例えばお金であるとか、ファイナンスや、今の情報から完全に外にいる。ここで僕たちが彼らのデータを集めることによって、実際にどこでなにが行われているのかをしっかりとやっていきたいなと思っているんです。

確かに一人ひとりの個別の農家は経験とか勘とはあるんですけれども。その蓄積だけなので、その人の中にしかないものになってる。それを外部から観測することができないので、第三者がまったく分析したりできない。僕たちがそれをデータ収集することによって、第三者から見て、彼らのことがよく見えるように可視化していくと考えています。
とくに先ほど言ってるように、経済の世界は、基本的には信用の塊で成り立ってるという。

小島:データがないと信用もされないってことですね。

北浦:信用もされないですね。過去のこともわからないし。過去のことがわからないから未来の予測もできない。であれば、その人を信用するに足るものがなにもないという状態なので、そこを僕たちが作っていきたい。



小島:個々の人というより、まるっとその人たちが全体で信用を今されていない。外されているという?

北浦:そうですね。

小島:そのために、その人たちにデータを紐付けるようなことを今やっていらっしゃるんですよね。

北浦:はい。

小島:ありがとうございます。たぶんそのデータを紐付けるところが、今後の潮流に実はうまくつながってくるんじゃないかなと思っています。

テキストベースで共有できる情報は限られている


このお2人にいろいろ今日聞いていきたいもの。大きく3つの質問として用意しています。
まず1つ目なんですけど。今回、モバイル、ビッグデータ、エコシステムのあとに、AI、VR、IoTってけっこう来るんじゃないかっていうのが、まあこのイベントの大きなテーマなんですけれども。

例えばじゃあ、今までのデジタル経済圏から外れさているマーケットでやっていらっしゃる北浦さん。いきなりこれがやってくるような世界になると、このなかだと一番注目株ってなにかありますか?

北浦:やっぱりVR。

小島:VR?

北浦:はい。僕の中ではAIとかIoTは、仕事を便利にするとは思うんですけど。僕は今、やはり途上国の人々とやっていて一番戸惑っているのは感覚の共有なんですね。



小島:感覚。つまり知識じゃなくて体験とか。

北浦:はい。例えば、カンボジアってご存じのとおり常夏の国で、年がら年中暑いんです。でも、あの人たちにとって寒いと感じるのは、だいたい18度以下なんですよね。18度以下になると「寒い」とか言い出したりするんです。あの人たちにいくら日本の「しびれるような寒さ」とかいっても通じないんですよ。

あとは「きれい」ですよね。カンボジアの人たちは整頓されているものを見たことがないですし、いわゆる美術的な美しさを見たことがない。そんな人たちに「美しい」「きれい」は伝わらない。

小島:カンボジアには「美しい」に相当する言葉は1つしかないって聞いたんですけど。

北浦:そうなんですよ。「saat」って言葉なんですけど。これで「かわいい」「きれい」「清潔」「整頓されている」をすべてまかなっているんですね。

小島:じゃあきれいもそれだし、整頓されている部屋もそれだしみたいな?

北浦:そうなんです。なので、「床が可愛い」とか言ってしまったりするんですけど、彼らにとっては「かわいい」「清潔」の違いがなにかわからない。
ここはやはり実際にきれいな様子を見せるとか一緒に体験するとか。そうすることで初めてお互いに共有できるものが完成する。今までのようにテキストベースの知識を得るところではできないんです。

小島:じゃあ、Webが今までテキストというか知識を共有するものだとしたら、VRは体験とかコンテキストを共有するようなものだという。

北浦:だと、僕は思う。

小島:それに、その方を経済圏に取り込もうと思うと、それがないとちょっと会話にならない?

北浦:ならないですね。

小島:なるほど。ありがとうございます。

AIブームがなかなか成功しなかった理由は「データ不足」


これは服部さんのほうから実はスライドをいただいてきたんですけれども。AI・VR・IoTが1つ渾然一体になってるような絵になっているものです。これ、ちょっと解説していただいてもいいですか。




これちなみに真ん中にあるのはクラウドってことですよね。クラウドをまたいでAIと、それからVR。

服部:なんか、出の音楽があまりに若かったので。みなさんの年齢も40代以降って言われたんだけど、僕、60代以降なので。まあこれからは高齢化社会になるということも含めてちょっとお話ししたいと思っています。

小島:(笑)。

服部:今日、クラウドのお話なので、私がケビン・ケリーさんの本なんかを見て、ちょっと問題を整理しようと思って描いたものなんですけれども。

上のほうからシンギュラリティ、AI、マシンラーニングとかプラットフォームとか書いてありますけれども。なにを言いたいかというと、AIの論議の中で最近言われているのは「昔からAIはありました」「だけど、それが最近ものすごく高速になって、1ヶ月かかっていた計算が1日でできるようになりました」です。

昔は、データがほとんどなかったんですよね。でも今、Googleさんの中には山ほどデータがあります。

この中でも例えられていますが、昔は……ロケットに例えると、最初はペンシルロケットみたいなやつだったんです。でも今はICBMになっちゃった。

そのICBMみたいな大きなオペレーションをやるには、すごく大きな燃料タンクが必要です。まさにビッグデータですね。それもすごく頭がよくて、機敏に動ける。この両方が必要です。

上の方に、どちらかというとAIとマシンラーニングなど、アルゴリズムで動いている部分があり、プラットフォーム以下は Google が言っている Tensor Processing とか、いわゆる Fog Computing がある。

とにかく、下の方からどれだけ大量のデータを自然にたくさん収集できるか。変に考えないで日々の生活そのものをいっぱい入れることで、より大きなデータをより高速に回す。これが、今のトレンドで起きている。

小島:なるほど。私が知る限りAIは今「第3次AIブーム」って日本では言われていて。過去何回か技術的なブレークスルーが来ると思いながら結局フライしなかったのは、燃料足りなかったからなんですよね。データという燃料ってことですかね。

服部:そうですね。だからより大きな、……ちょっと例えは悪いですけどね、おもちゃのロケットからICBMみたいな感じになっていて。ロケットであることには変わりないんですけど、ものすごく大規模になるとできることが変わります。

小島:その燃料が、VRやIoTという体験、センサーから来るような情報がどんどんクラウドで吸い上げられて、今までにない種類の燃料になるような。

服部:ええ。昔は手で打ち込むとかね、いちいちデータを入れるのが大変だったんだけど。VRだと、体験とかいちいち説明しないで動作とか360度で出ちゃう。

小島:これで「寒い」が伝わるし、農作業の仕方も伝わるような。

北浦:結局、この10年ぐらいで、約17億人がスマホを使うようになったんですよね。でも、あとまだ50億人が取り込めていない。なので、データが集まってるとはいえ、やはり17億人ぐらいですから、まだ偏ってはいるんですよね。

とくにその17億人というのは、教育をされていて先進国に住んでいる人たちがメインなので。そうではない人たちのデータが集まってきたときに、今までちょっと違うあっと驚くようなデータというのが、偏ったものがまだあるんです。

小島:まだ見つけられていないタイプのデータってことですよね。

北浦:あると思いますね。

<続きは近日公開>

次回イベント開催のお知らせ
「Inevitable ja Night - インターネットの次にくるもの Presented by Google Cloud」
第2回 AI とビジネスに起こる不可避な流れ

日時 : 11 月 14 日 (火) 19 : 00 - 21 : 00
定員 : 200名
主催 : グーグル合同会社

Posted by Takuo Suzuki - Developer Relations Team

Share on Twitter Share on Facebook