Google Labs から新製品のご紹介
2010年12月24日金曜日
[Google Labs からリリースされた新しいベータ製品について、Google Labs プロダクトマネージャーの井上陸から寄稿してもらいました。この記事は Official Google Blog とのクロスポストです。-山崎]
本日は、Google Labs からリリースされた新製品をご紹介します。Google Labs は、Google の開発している実験的な製品を、新しい技術をいち早く試したいユーザーのみなさんにお届けしてフィードバックをいただく、実験室のような場所です。Google では、さらに多くのイノベーションをみなさんにお届けするべく、日夜開発を続けています。そして今月は、6 つの新製品が Google Labs からリリースされました。
App Inventor for Android
App Inventor for Android
App Inventor for Android は、個人用の Android アプリの開発が誰でも簡単にできるツールです。これまでは、このツールはクローズドベータの参加ユーザーのみ利用可能でしたが、先週、App Inventor (beta) として Google アカウントをお持ちのすべてのユーザーに使っていただけるように公開しました。App Inventor ホームページにアクセスして、自分のアプリを作ってみてください。そして、自分のアプリにまつわるストーリーを App Inventor ユーザーフォーラムでシェアしてみてはいかがでしょうか。
Body Browser
Body Browser は、人体の複雑な 3D モデルをブラウザ上で見ることのできるデモアプリで、最新版の Google Chrome beta でご利用いただけます。このアプリは新しい 3D グラフィックの標準規格、WebGL を使うことによって、ブラウザ上でプラグイン無しに 3D グラフィックを体験することを可能にしています。WebGL をサポートしているブラウザで Body Browser の URL にアクセスすると、スライダーを動かして骨格、筋肉、神経など様々な人体の構造を見たり、モデルをズームしたり回転させて特定の部分を詳しく見ることができます。もちろん、検索ボックスを使ってどこにあるかわからない部分を調べることもできます。URL をコピーして送ることで、自分が調べた内容を他の人と共有することもできます。
DataWiki
DataWiki は、構造化されたデータ(複数の項目を持った表、例えば氏名とコメントの載っているゲストブックがいい例えかもしれません)のためのウィキです。この製品は、通常のウィキを拡張して、構造化データを簡単に作成、編集、共有、可視化そして相互リンク可能にしています。このプロジェクトの元々の着想は、災害救助の際に必要になる様々なデータにあります。例えば、地震の後、行方がわからなくなった家族や知人を探すのに使われた person-finder アプリや、災害地域でのインターネットや携帯電話の接続状況をリアルタイムに記録する connectivity maps を実現するためには、カスタマイズされたデータフォーマットをその場で作る必要があります。DataWiki は REST アーキテクチャに基づいており、AppEngine を使用しています。また、このプロジェクトはオープンソースになっています。
Google Books Ngram Viewer
Google Books Ngram Viewer は、単語や文句がどれくらいの頻度で書籍の中で使われてきたか、その歴史的な推移をグラフにできるツールです。このツールに単語または複数単語でできた文句を入力すると、520 万冊の書籍をベースにした 5000 億単語からなるデータを元に、それらの年度ごとの使用頻度がグラフとして表示されます。先週、Google はこの可視化ツールとそのベースとなっているデータを、人文科学研究を助けることを目的として公開しました。リリース時にポストしたブログに様々な面白いグラフの例(例えば、tofu vs. hot dog)が載っているので、ぜひ試してみてください。
Google Earth Engine は、地球環境の変化の大規模な観測と計量を可能にする新しいプラットフォームで、今月初めに U.N. Climate Change Conference Cancun で発表されました。この製品は、過去に例の無い大量の衛星画像データをオンラインで使用可能にし、また分析のための強力なコンピュータインフラ — いわゆる Google クラウド — を提供します。Google Earth Engine は既に地球規模での森林破壊を食い止めるためのプロジェクトに使われ始めており、また他の様々な用途、例えば水資源のマッピングなどにも利用可能です。このプロジェクトは Google の進めている持続可能な未来を作る努力の一環です。
Google Shared Spaces
Google Shared Spaces
Google Shared Spaces を使うと、友人や同僚と一緒にガジェットをオンラインで共有し、その上で旅行のスケジュールなどの共同作業やゲームをすることができます。使い方は簡単。自分が Shared Spaces 上で使っているガジェットの URL を他の人に送るだけでガジェットの共有を始めることができます。共有を始めたら、後はその上でリアルタイムに友達と一緒にガジェットを使い、さらに画面の下でチャットをすることができます。この製品は、Google Wave の技術の一部を使って開発されました。
ここで紹介した実験的な製品達は、Google の中の様々なチームによって開発されました。いくつかは 20% タイムのプロジェクトで生まれ、いくつかは社内スタートアップのようなチームによって作られています。これらの製品はすべて、製品に情熱を持った、小さなチームによって開発されたものです。
Google のリリースする実験的な製品に興味を持たれた方は、ぜひ googlelabs.com(日本語)にアクセスして、他の製品も試してみてください。そして、今後のリリースにもご期待ください。