Google の Geospatial Creator を使ってワールドスケールの拡張現実エクスペリエンスを数分で作成する
ARCore Geospatial API (英語) の対象範囲は、昨年の 87 か国から 100 か国以上に拡大しています。これは、Google の Visual Positioning System (英語) とストリートビュー対象範囲の拡大によって実現したものであり、デベロッパーが位置情報に基づいた革新的で安定した没入型エクスペリエンスを開発して公開することに貢献しています。私たちは、ARCore Geospatial API Challenge (英語) に提出された革新的なハッカソン作品の場合であっても、Gorillaz との連携の場合であっても、便利なアプリケーションやワールドスケールの楽しくて新しいユースケースを公開するために限界を押し広げ続けています。Gorillaz との連携においては、タイムズ スクエアとピカデリー サーカス (英語) を音楽ステージに変えて、圧倒的な迫力の演奏を届けました。
昨年を通して寄せられ続けた声の 1 つは、この強力なリソースにアクセスできる人を増やし、世界中の誰もが拡張現実エクスペリエンスを作成し、視覚化し、デプロイできるようにしてほしいというものです。
Geospatial Creator の紹介
今回リリースした Geospatial Creator は、現実世界に紐付いた没入型コンテンツを、誰もがわずか数分で視覚化し、デザインし、公開できるようにするツールです。多くの方に親しまれている Unity や Adobe Aero というおなじみのプラットフォームから直接操作することができます。
Unity(左)と Adobe Aero(右)で Geospatial Creator を使い、拡張現実エクスペリエンスを簡単に視覚化し、作成し、公開する |
Geospatial Creator は、ARCore と Google Maps Platform の Photorealistic 3D Tiles (英語) を利用しています。デベロッパーやクリエイターは Geospatial Creator を使って、デジタル コンテンツを配置したい現実世界の場所を簡単に視覚化できます。これは、Google Earth や Google ストリートビューの表示方法に似ています。Geospatial Creator には新機能も含まれています。たとえば、制作プロセスでデベロッパーやクリエイターの時間と労力を削減するため、3D タイルに表示するバーチャル コンテンツを場所にさらに簡単に紐付けられるようにする屋根用アンカーが挙げられます。
こういったツールを活用して、現実世界に紐付いたクロスプラットフォーム エクスペリエンスを構築することができます。サポートされるデバイスには、Android と iOS の両方が含まれます。Adobe Aero で構築した没入型エクスペリエンスは、QR コードのスキャンやリンクで簡単に共有できます。完全なアプリをダウンロードする必要はありません。Geospatial Creator で作成したものは、すべて物理世界で体験でき、リアルタイムでローカライズされて現実世界が拡張されます。
Geospatial Creator を使うと、デベロッパーやクリエイターは Google Maps Platform の Photorealistic 3D Tiles(左)を利用して開発でき、リアルタイムのローカライズやリアルタイム拡張(右)が提供される |
デジタル コンテンツで物理世界を拡張すると、ユーザーが遊んだり、ショッピングしたり、学んだり、制作したり、情報を得たりする方法が変わります。このツールで何ができるかを知っていただくため、Gap、Mattel、Global Street Art、シンガポール観光局、Gensler、TAITO といったゲームや小売り、近隣スポット紹介などのパートナーと連携して、現実世界のユースケースを開発しています。
「SPACE INVADERS: World Defense」没入型ゲームが世界をゲームの舞台に変える
今年の夏には、あの有名なアーケード ゲームを現実世界で実際にプレイできるようになります。オリジナル版の登場から 45 周年を記念して、TAITO が「SPACE INVADERS: World Defense」をリリースします。このゲームには、ARCore と Geospatial Creator が使われています。そばにいるスペース インベーダーから地球を守るというオリジナル版のゲームプレイを引き継ぎながら、AR と 3D ゲームプレイを組み合わせて、現実世界と連動した魅力的な没入型エクスペリエンスを提供するので、複数世代のプレーヤーをつなぐことができます。
Gap と Mattel がショーウィンドウをインタラクティブな没入型エクスペリエンスに変える
Gap と Mattel は、Adobe Aero の Geospatial Creator を使い、有名な Gap タイムズ スクエア店をインタラクティブな Gap×Barbie エクスペリエンスに変えます。5 月 23 日より、さまざまな色や形で装飾されたストアを見ることができるようになり、新しい限定版の Gap×Barbie コレクションの衣装をモデルとした Barbie やその友達たちとのインタラクションも可能になります。
Global Street Art が AR 壁画でストリート アートを新たな次元へ
Google Arts & Culture は、Global Street Art と連携して (英語) 、世界的に有名な 3 名のアーティストとともに、ロンドン(Camille Walala)、メキシコシティ(Edgar Saner)、ロサンゼルス(Tristan Eaton)にある実物の壁画を拡張します。アーティストたちは Adobe Aero の Geospatial Creator を使ってバーチャル体験を作成し、AR によって実物の壁画をデジタルで拡張することで、アート作品にまつわる深く豊かなストーリーを伝えます。
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シンガポール観光局がシンガポールを巡る没入型ガイドツアーを作成
Google のパートナー イノベーション チームは、シンガポール観光局と連携して、VisitSingapore アプリにシンガポール没入型ガイドツアーのプレビュー版をリリースしました。シンガポール旅行のマスコットである Merli が、シンガポールの名所や秘密スポットを巡るインタラクティブな拡張ツアーに連れて行ってくれます。このツアーでは、有名なマーライオン公園を訪れたり、Victoria Theatre and Concert Hall で AR 交響楽団の演奏を楽しんだりすることもできます。完全版のガイドツアーはこの夏にリリースされます。地域最高のホーカーフードを見つけたり、過去のシーンから都市の歴史を学んだりするのに役立つことでしょう。
Gensler がコミュニティの新しい都市計画の可視化をサポート
Gensler は Adobe Aero の Geospatial Creator を使って、家を持たない人々がコミュニティの新しい都市計画を簡単に想像できるようにしています。住宅計画のデザインを没入型にすることで、都市の変更案とその社会的な影響を誰でも細かく思い描けるようになり、最終的に必要な人に適切な住処を提供できるようになります。
Geospatial Creator を使えば、ワールドスケールの AR エクスペリエンスを誰でも遠隔で作成できます。Photorealistic 3D Tiles が利用できる国が対象であれば、デベロッパーもクリエイターも、数分で没入型エクスペリエンスを作成して公開できます。数回のクリックだけで、コミュニティをサポートし、ユーザーを楽しませ、ビジネスにソリューションを提供するアプリケーションを作成できます。goo.gle/geospatialcreator で、さっそく今日から始めてみましょう。皆さんは、世界をキャンバス、ゲームの舞台、ギャラリーにして何を作るのでしょうか?それを見るのを楽しみにしています。
Reviewed by Mari Kawanishi - Developer Marketing Manager, Google Play