Android 11 が公開されました!日本時間 9 月 9 日に、ソースを Android オープンソース プロジェクト(AOSP)にプッシュし、Android の最新バージョンを正式にリリースしました。Android 11 は、3 つのテーマ、すなわち人、管理、安全性にフォーカスして開発されています。人中心のコミュニケーションへのアプローチ、ユーザーがすべてのスマート デバイスにすばやくアクセスしてコントロールできる管理、端末のデータの共有方法をより細かく制御できる安全性の 3 つです。詳しくは、こちらのブログ記事をご覧ください。  

デベロッパーにとって、Android 11 は新機能の宝庫です。会話通知、デバイスとメディアのコントロール、「今回のみ」のアクセス許可、強化された 5G サポート、IME の切り替えなどを確認しておきましょう。皆さんの開発作業を高速化するため、互換性の切り替え、ADB の増分インストール、アプリ終了理由 API、データアクセス監査 API、Kotlin NULL 可能性アノテーションなど、たくさんの新しいツールも追加しました。多くのデベロッパーの皆さんがAndroid 11 に対応したアプリを開発されることが楽しみです! 

9 月 9 日より、正式版の Android 11 が Pixel 2、3、3a、4、4a 端末から順次配信が開始されていますので、ご期待ください。配信前にダウンロードする方は、Android 11 デベロッパー サイトをご覧ください。  

人、管理、安全性

「人」

Android 11 は「人」を中心とした、高い表現力を持っています。スマートフォンで会話する方法を新たな発想で見直し、皆さんの生活に最も重要な「人」を認識して優先できる OS です。デベロッパーは、Android 11 を使ってさらに深い会話や個人間のやり取りを行うアプリを構築できます。

  • 会話通知がシェード上部の専用のセクションに表示されます。これは人を前面に出したデザインになっており、会話をバブルとして開く、ホーム画面に会話のショートカットを作成する、リマインダーを設定するなどの会話専用アクションも実行できます。


  • バブルを使って会話を表示したままにできるので、端末でマルチタスク作業を行っていても会話にアクセスできます。Android 11 のメッセージ アプリやチャットアプリでこの機能を有効化するには、通知で Bubbles API を使う必要があります。


  • 統合キーボード サジェスチョンを利用すると、自動入力アプリやインプット メソッド エディタ(IME)から、状況に特有なエンティティや文字列を IME のサジェスチョン ストリップ(このような内容を表示するには最も便利な場所です)に直接かつ安全に表示できます。


バブルと会話通知


管理

Android 11 では、ユーザーが端末につながっているすべてのスマート デバイスにすばやくアクセスして、1 か所からコントロールできます。デベロッパーは新しい API を使い、ユーザーによるスマート デバイスの表示やメディアの制御を実現できます。

  • デバイス コントロールを使うと、ネットワークに接続されたスマート端末に今までになく迅速かつ簡単にアクセスして制御できます。電源ボタンを長押しするだけで、すべてのデバイスが即座にデバイス コントロールに表示されるようになりました。新しい API を使うと、アプリを「コントロール」に表示できます。詳しくはこちらをご覧ください。


  • メディア コントロールは、オーディオ コンテンツや動画コンテンツの出力先デバイス(ヘッドフォン、スピーカー、TV など)を即座に切り替えたいときに便利です。詳しくはこちらをご覧ください。

 

デバイス コントロールとメディア コントロール


安全性

Android 11 では、機密性の高いアクセス許可をユーザーが細かく制御できるようにして透明性を向上させ、アップデートを高速化することで端末の安全を保てるようにしています。

 

  • 「今回のみ」のアクセス許可 - ユーザーはアプリに対して、端末のマイクやカメラ、位置情報に対する 1 回限りのアクセス許可を付与できるようになります。アプリは、次に使われたときに再度アクセス許可をリクエストできます。詳しくはこちらをご覧ください。
     


    Android 11 の「今回のみ」アクセス許可ダイアログ


  • バックグラウンド位置情報 - バックグラウンド位置情報を使うには、実行時アクセス許可に加えて、ユーザーから追加の承認を得る必要があります。バックグラウンド位置情報を必要とするアプリでは、システムはまずアプリがフォアグラウンド位置情報を要求することを確認します。その後、個別のアクセス許可リクエストによって、アクセス権をバックグラウンド位置情報に広げます。その際、ユーザーがアクセス許可を付与できるように、システムは [管理] を開きます。 

    なお、不正利用を防ぐため、アプリがバックグラウンドで位置情報にアクセスする場合は承認を得なければならなくなります。デベロッパーの皆さんの対応が間に合うよう、2021 年まで既存アプリへのポリシーの適用を行わないません。詳しくはこちらをご覧ください。

     
  • アクセス許可の自動リセット - ユーザーが長期間アプリを使わなかった場合、Android 11 はアプリに関連付けられたすべての 1 回だけのアクセス許可を「自動リセット」し、ユーザーに通知します。アプリは、次に使われたときに再度アクセス許可をリクエストできます。詳しくはこちらをご覧ください。
     

  • 対象範囲別ストレージ - 外部ストレージにあるアプリのデータとユーザーのデータの保護を強化し、さらにデベロッパーが簡単に移行できるように改善しています。詳しくはこちらをご覧ください。

     
  • Google Play システム アップデート - 昨年リリースされた Google Play システム アップデートは、Android エコシステムの端末に対するコア OS コンポーネントのアップデートを促進する仕組みです。Android 11 では、アップデート可能なモジュールの数が倍以上になっています。この 12 の新しいモジュールは、ユーザーやデベロッパーのプライバシーやセキュリティ、整合性の改善に役立ちます。

     
  • BiometricPrompt API - BiometricPrompt API を使うと、アプリがロック解除や機密部分へのアクセスを行う際に必要とするバイオメトリック認証強度を指定できます。下位互換性を確保するため、この機能は Jetpack Biometric ライブラリにも追加されています。この件については、作業の進捗に応じて最新情報をお知らせします。

     
  • Identity Credential API - これにより、モバイル運転免許証、国民識別番号、デジタル ID などの新しいユースケースが実現します。Android 11 でデジタルファーストな身分証明を提供できるように、さまざまな政府機関や業界パートナーと連携して作業を進めています。

こちらから、Android 11 のすべてのプライバシー機能について確認いただけます。


イノベーション

  • 5G サポートの強化 - Android 11 では、高速かつ低遅延な 5G ネットワークを活用できるように、デベロッパー サポートがアップデートされています。ユーザーが 5G ネットワークに接続したタイミングを検知したり、接続が従量課金かどうかを確認したり、接続の帯域幅を推定したりすることができます。5G 体験の構築に役立つよう、Android Emulator にも 5G サポートを追加しています。Android で 5G を使ってみたい方は、5G デベロッパー ページをご覧ください。


       
    5G は、自宅にとどまることなく、友人から家族、会社に至るまで、まわりの世界とシームレスな繋がりを実現し、「移動中」の体験も高める
     

  • 新しい画面タイプのサポート - Android 対応端末のメーカーは、ホールパンチ スクリーンやウォーターフォール スクリーンなど、新しく画期的な画面の端末を市場に送り出しています。Android 11 では、プラットフォームによるサポートを追加し、アプリを最適化できる API を提供しています。ホールパンチ スクリーンとウォーターフォール スクリーンは、どちらも既存のディスプレイ カットアウト API で扱うことができます。新しいウィンドウ レイアウト属性を設定してウォーターフォール スクリーン全体を使用したり、新しいウォーターフォール インセット API を使ってエッジ付近のインタラクションを制御したりすることができます。 

     
  • 通話スクリーニングのサポート - Android 11 では、通話スクリーニング アプリによるロボコール対策が強化されています。アプリは、通話詳細の一部として着信通話の STIR/SHAKEN ステータス(発信者番号のなりすましに対抗するための標準)を検証できるようになり、通話拒否の理由の報告も可能になります。さらに、システムが提供する通話終了画面をカスタマイズし、通話を迷惑通話としてマークする、連絡先に追加するなどの操作が可能になります。 


品質の向上


  • OS の耐障害性 - Android 11 では、RSS HWM しきい値に基づいてユーザーが気づかないようにプロセスの再起動を強制するなど、メモリ再利用プロセスを微調整することで、OS 全体のダイナミックさと耐障害性を向上させています。 さらに、パフォーマンスとメモリを改善するために、Android 11 に Binder のキャッシュを追加しています。これにより、静的に近いデータを取得する際にキャッシュが活用されるようになり、利用頻度の高いシステム サービス IPC コールが最適化されます。Binder のキャッシュは、電池寿命の向上や CPU 時間の削減にも効果があります。


  • 同期的な IME の切り替え - 新しい API を使うと、アプリのコンテンツと、アニメーションしながら画面に出入りする IME(インプット メソッド エディタ、すなわち画面キーボード)やシステムバーを同期させることができます。これにより、自然で直感的でスムーズな IME の切り替えを簡単に実現できるようになります。新しいWindowInsetsAnimation.Callback API を使うと、フレーム単位の完璧な切り替えが行えます。この API を使うとシステムバーや IME がアニメーションしている間、アプリはインセットに対するフレーム単位の変化について通知を受けることができます。さらに、新しい WindowInsetsAnimationController API を使うと、システムバー、IME、没入モードなどのシステム UI タイプを制御することもできます。詳しくはこちらをご覧ください。 


 

  • HEIF アニメーション ドローアブル - ImageDecoder API を使うと、HEIF ファイルに格納されたイメージ シーケンス アニメーションのデコードとレンダリングを行うことができます。そのため、ネットワーク データや APK サイズへの影響を最低限にとどめつつ、高品質アセットを利用することができます。HEIF イメージ シーケンスを使うと、アニメーション GIF に比べてイメージ シーケンスのファイルサイズを大幅に削減できます。 


  • ネイティブ イメージ デコーダー - 新しい NDK API を使うと、グラフィックや後処理用にネイティブ コードからイメージ(JPEG、PNG、WebP など)のデコードとエンコードを行うことができ、しかも外部ライブラリをバンドルする必要がなくなるため、APK サイズを小さく保つことができます。ネイティブ デコーダーには、継続的にプラットフォームのセキュリティがアップデートがされる Android の処理を活用できるというメリットもあります。この API の使い方の例については、NDK サンプルコードをご覧ください。

     
  • MediaCodec の低遅延動画デコード - Stadia など、リアルタイムに動画ストリーミングを行うアプリやサービスには、低遅延動画が不可欠です。低遅延再生をサポートする動画コーデックは、デコードの開始後、できるだけ早くストリームの最初のフレームを返します。アプリで新しい API を使うと、特定のコーデックの低遅延再生について確認と設定を行えます。

     
  • 可変リフレッシュ レート - アプリやゲームで新しい API を使うと、ウィンドウに好みのフレームレートを設定できるようになります。ほとんどの Android 端末は、60Hz のリフレッシュ レートで画面を更新します。しかし、60Hz に加えて 90Hz をサポートしているなど、複数のリフレッシュ レートに対応し、実行時に切り替えることができるものもあります。このような端末では、システムがアプリに最適なリフレッシュ レートを選択する際に、アプリが設定したフレームレートを使用します。この API は、SDK と NDK の両方で利用できます。詳細については、こちらをご覧ください。

     
  • ダイナミック リソース ローダー - Android 11 には、アプリが実行時に動的にリソースやアセットを読み込む新しいパブリック API が含まれています。リソース ローダー フレームワークを使うと、アプリやゲームにリソースの基本セットを含めておき、実行時に必要に応じて追加リソースを読み込んだり、読み込んだリソースを変更したりすることができます。 

     
  • Neural Networks API(NNAPI)1.3 - Android 端末で機械学習をサポートするため、命令や制御の追加を続けています。一般的なユースケースを最適化するため、NNAPI 1.3 には優先順位とタイムアウト、メモリドメイン、非同期コマンドキューに関する API が追加されています。高度なモデル用の新しい命令には、符号付き整数の非対称量子化、分岐とループ、MobileNetV3 などの次世代オンデバイス ビジョンモデルの高速化に役立つ hard-swish 命令などが含まれています。 


デベロッパーに優しく

  • アプリ互換性ツール - Android 11 の大半の動作の変更点をオプトインできるようにし、アプリの targetSdkVersion を 30 にするまで反映されないようにすることで、アプリに対する互換性の影響を最低限にとどめています。また、Google Play を通して配信している場合は、これらの変更をオプトインするまでに 1 年以上の期間があります。ただし、早めにテストを始めることを推奨します。Android 11 では、テストに役立ててもらうため、多くのオプトイン可能な変更点の有効、無効を切り替えることができるようにしています。詳しくはこちらをご覧ください。


  • アプリの終了理由 - アプリが実行される端末の種類、メモリ構成、ユーザーが行った動作は多岐にわたり、アプリが終了した場合、その理由とその状況を分析することが何より重要となります。Android 11 では、その分析が簡単にできます。搭載された終了理由 API を使うと、アプリの直近の終了について詳細をリクエストできます。

     
  • データアクセス監査 - データアクセス監査はアプリの診断を行う機能で、アプリがユーザーデータにどのようにアクセスするか、どのユーザーフローからアクセスするかについて知ることができます。たとえば、皆さんのコードや使用する SDK で、機密データへの意図しないアクセスを見つける際に役立ちます。詳しくはこちらをご覧ください。 

     
  • ADB Incremental - 開発時に ADB(Android Debug Bridge)で巨大な APK をインストールすると、非常に時間がかかって生産性に影響が出る可能性があります。特に、Android ゲーム関連のデベロッパーではそれが顕著です。Android 11 の ADB Incremental を利用すると、開発用の PC から大きな APK(2GB 以上)を Android 11 端末にインストールする時間が最大で 10 分の 1 になります。詳しくはこちらをご覧ください。

     
  • Kotlin NULL 可能性アノテーション - Android 11 では、パブリック API のさらに多くのメソッドに NULL 可能性アノテーションが追加されています。また、たくさんの既存のアノテーションが警告からエラーにアップグレードされています。これにより、NULL 可能性の問題を実行時ではなくビルド時に発見できるようになります。詳しくはこちらをご覧ください。 


Android 11 リリースに向けたアプリの準備

Android 11 はまもなくユーザーに公開されます。ぜひ、互換性テストを終えてアップデートを早めに公開していただくようお願いします。 


注意すべき大きな動作の変更点のいくつかを紹介します(これらは、アプリの targetSdkVersion によらず適用されます)。

 

  • 「今回のみ」のアクセス許可 - 位置情報と端末のマイクやカメラに対する 1 回限りのアクセス許可を付与できるようになります。詳しくはこちらをご覧ください。


  • 外部ストレージ アクセス - 外部ストレージにある他のアプリのファイルにアクセスできなくなりました。詳しくはこちらをご覧ください。


  • Scudo 強化アロケータ - Scudo がアプリのネイティブ コード用ヒープメモリ アロケータになりました。詳しくはこちらをご覧ください。


  • ファイル記述子サニタイザー - Fdsan がデフォルトで有効化されるようになりました。アプリのネイティブ コードでファイル ディスクリプタ処理の問題を検出します。詳しくはこちらをご覧ください。


Android 11 には、オプトイン可能な動作の変更点も含まれています。これらは、アプリのターゲットを新しいプラットフォームにした時点で反映されます。互換性のあるバージョンのアプリを公開した後、これらの変更点をできる限り早く評価することをお勧めします。互換性テストやツールの詳細については、Android 11 の互換性の週にお伝えしたドキュメントをご覧ください。詳しい技術解説は Android 11 デベロッパー サイトをご覧ください。 


新機能や新 API でアプリを強化する

準備ができたら、Android 11 に移行し、使用できる新しい機能や API について各種ドキュメントでご確認ください。こちらでは最初に着手すべき重要な機能をまとめています。以下の機能はすべてのアプリで対応することをお勧めします。 

  • ダークテーマ(Android 10 以降)- ダークテーマを追加するか Force Dark を有効にして、システム全体でダークテーマを有効にしているユーザーに一貫性のある体験を提供します。

  • ジェスチャー ナビゲーション(Android 10 以降)- アプリを全画面に対応させてジェスチャー ナビゲーションをサポートし、カスタム ジェスチャーがうまく動作するようにしましょう。詳しくはこちらをご覧ください。

  • ショートカットの共有(Android 10 以降)- 共有データを受け取りたいアプリは、ショートカット共有 API を使って共有ターゲットを作成する必要があります。共有データを送りたいアプリは、システム共有シートを使う必要があります。


  • 同期的な IME の切り替え - 新しい WindowInsets API やその関連 API を使うと、ユーザーにシームレスな画面遷移を提供できます。詳しくはこちらをご覧ください。 


  • 新しい画面タイプ - 必要に応じて、ホールパンチ スクリーンやウォーターフォール スクリーンを搭載した端末用にコンテンツをテストし、調整してください。詳しくはこちらをご覧ください。  


該当するアプリでは、以下の項目にも対応することをお勧めします。

  • 会話 - メッセージングやコミュニケーションを行うアプリは、長期ショートカット共有を作成して通知に会話を表示することで、会話エクスペリエンスに参加できます。詳しくはこちらをご覧ください。 


  • バブル - バブルは、会話を表示したままにしてマルチタスク作業中に会話にアクセスできるようにする方法です。これを実現するには、通知で Bubbles API を利用します。 


  • 5G  - アプリやコンテンツで高速かつ低遅延な 5G を活用できる場合は、何ができるかを確認するため、デベロッパー リソースをご覧ください。 


  • デバイス コントロール - アプリで外部スマート デバイスをサポートする場合は、Android 11 の新しいデバイス コントロール エリアからアクセスできるようにしましょう。詳しくはこちらをご覧ください。 


  • メディア コントロール - メディアアプリは、Android 11 メディア コントロールをサポートすることが推奨されます。ユーザーがクイック設定シェードから再生や再開を制御できるようになります。詳しくはこちらをご覧ください。 


Android 11 のすべての機能については、developer.android.com/11 をご覧ください。 


Android 11 をインストールする

Android 11 は、9 月 9 日より、一部の Pixel、OnePlus、Xiaomi、OPPO、realme スマートフォンにロールアウトされます。今後数か月で、さらに多くのパートナーが端末のリリースやアップグレードを行う予定です。今年のベータ版プログラムに登録されている端末も含め、Pixel 2、3、3a、4、4a スマートフォンをお持ちの方には、まもなく OTA(無線)アップデートが届きますので、ご期待ください。  

Pixel 端末向けの Android 11 のファクトリー システム イメージも Android Flash Tool から利用できます。または、こちらからダウンロードできます。いつものように、最新の Android Emulator システム イメージは Android Studio の SDK Manager から取得できます。Treble 対応の端末で幅広くテストしたい場合は、こちらから Generic System Image(GSI)を入手できます。 

Android 11 のソースコードは、Android オープンソース プロジェクト リポジトリの Android 11 ブランチの下にあります。こちらをご覧ください


今後の予定について

プレビュー版の Issue Tracker はまもなくクローズし、Developer Preview やベータ版ビルドに対して記録されたオープン状態のバグの管理も終了します。しかし、フィードバックは引き続きお待ちしています。Preview の Issue Tracker に記録した問題がまだ解消されていないという方は、AOSP Issue Tracker で Android 11 に対してフィードバックをお寄せください

 ä»Šå¹´ã®ãƒ—レビュー プログラムに参加してくださった、たくさんのデベロッパーと先行ユーザーの皆さん、本当にどうもありがとうございました。お寄せくださったフィードバックのおかげで、Android 11 はあらゆる人にとってよりよいプラットフォームになっています。

 Android 11 に対応した皆さんのアプリを拝見できることを楽しみにしています。


Reviewed by Yuichi Araki - Developer Relations Team and Hidenori Fujii - Google Play Developer Marketing, APAC

早くも 8 月になり、Android 11 公式版のリリースが迫っています!

現在、この新しいプラットフォームの最終調整を行っているところですが、2020 å¹´ 8 月 6 日(日本時間 8 月 7 日)に最後のベータ版であるAndroid 11 Beta 3 をリリースしました。今年のプレビュー サイクルの最後のアップデートですので、ユーザーへの公式版リリース前の今こそ、デベロッパーの皆さんはぜひご自身のアプリやゲームの準備をお願いいたします。

Android 11 Beta 3 は、Pixel 2、3、3a、4 の各端末で8 月 7 日より利用が可能になっています。また、近日中に Pixel 4a でも利用できます。また、こちらから登録をすると、OTA(無線)アップデートも行えます。既に登録済みの方は、まもなく自動的にアップデートが行われます。これまでフィードバックを提供してくださった皆さん、どうもありがとうございました。ぜひ引き続き、フィードバックをお寄せください

それでは、いよいよ時期が迫ってきた公式 Android 11 リリースに関する情報をお伝えします。

Android 11 Beta 3 の概要

Android 11 Beta 3 のアップデートには、Pixel 端末と Android Emulator 向けの Android 11 のリリース候補ビルドが含まれています。Beta 2 で Platform Stability に到達しているので、SDK や NDK API、アプリに面するシステムの動作、非 SDK インターフェースの制限など、アプリに面する部分や動作はすべて確定しています。Beta 3 には、これらの機能と最新の修正および最適化が含まれており、テストを終えるために必要なものがすべてそろっています。

Android 11 の公式リリースる作業の中で、この機会を活用して Exposure Notifications System(濃厚接触通知システム)を考慮した Android のアップデートも行っています。Beta 3 以降で、ユーザーは Android 11 で端末の位置情報設定をオンにせずに Exposure Notification アプリを実行できるようになります。これは Exposure Notification System のみで実現できる例外です。これが可能なのは、アプリが Bluetooth スキャンを行っても、端末の位置情報が推定できないように設計されているからです。ユーザーのプライバシー保護のため、他のすべてのアプリでは、端末の位置情報設定がオンになっていてユーザーが位置情報へのアクセスを許可していない限り、Bluetooth スキャンを行うことはできません。この点は以前と変わりません。詳細については、 An update on Exposure Notifications ã®ãƒ–ログ投稿投稿をお読みください。

公式 Android 11 リリースに向けたアプリの準備

公式 Android 11 リリースに向かう今、Android のアプリやゲームのすべてのデベロッパーの皆さんに、早めに互換性テストを終えてアップデートを公開するようにお願いしています。SDK、ライブラリ、ツール、ゲームエンジンのデベロッパーの皆さんは、互換性のあるバージョンをすぐにリリースすることが一層重要です。皆さんのライブラリなどを利用しているデベロッパーの方は、皆さんからのアップデートを受け取るまで作業できないかもしれません。互換性アップデートを公開したら、関係するデベロッパーに向けてアナウンスをお願いします。



Android 11 Beta 2 リリースの際に詳しく説明しましたが、Android 11 で互換性テストを行う方法は以下のとおりです。


現在のアプリをテストするには、すべてのアプリの動作の変更点についてのドキュメントを確認し、プラットフォームの変更によってアプリが影響を受ける可能性がある部分を特定します。注意すべき大きな変更点のいくつかを紹介します(これらは、アプリの targetSdkVersion によらず適用されます)。



  • 1 回だけのアクセス許可 - 位置情報と端末のマイクやカメラに対する 1 回限りのアクセス許可を付与できるようになります。詳細については、こちらをご覧ください。
  • 外部ストレージ アクセス - 外部ストレージにある他のアプリのファイルにアクセスできなくなりました。詳細については、こちらをご覧ください。
  • Scudo 強化アロケータ - アプリのネイティブ コード用ヒープメモリ アロケータです。詳細については、こちらをご覧ください。
  • ファイル記述子サニタイザー - この機能がデフォルトで有効化されるようになりました。アプリのネイティブ コードでファイル ディスクリプタ処理の問題を検出します。詳細については、こちらをご覧ください。


アプリのライブラリや SDK の互換性テストも忘れずに行ってください。問題を見つけた場合は、最新バージョンの SDK にアップデートするか、デベロッパーに連絡してサポートを受けるようお願いします。


互換性テストやツールの詳細については、Android 11 の互換性のブログ記事でお知らせした関連情報をご覧ください。詳しい技術解説は Android 11 デベロッパー サイトをご覧ください。


新しい機能と API を試してみる



人、管理、安全性に関する新たな体験を構築できるように、Android 11 にはたくさんの新機能が搭載されています。ぜひ、デベロッパー機能についてまとめた #Android11 ベータ版に関する投稿をご覧ください。また、Android 11 Beta のウェブページでは、Android チームが新機能についてご説明している動画をご覧いただけます。Android 11 向けの機能や API の詳細についても、Android 11 Beta のウェブページをご覧ください。

また、Android Studio の Android 11 機能もお試しください。大きな APK のインストールを高速化する ADB Incremental、プラットフォーム API への Null 可能性アノテーションの追加などにより、生産性やワークフローを改善できます。最新の Android Studio ベータ版または Canary 版をダウンロードすると、これらの機能を試してみることができます。Android Studio を Android 11 用に設定する手順はこちらです。

Android 11 Beta 3 の入手方法

Android 11 Beta 3 は、Pixel 2、3、3a、4 の各端末で 8 月 7 日より利用が可能になっています。また、近日中に Pixel 4a でも利用できます。また、こちらから登録をすると、OTA(無線)アップデートも行えます。既に登録済みの方は、まもなく自動的にアップデートが行われます。オンデマンドでアップデートしたい方は、Android Flash Tool をお試しください。手動で書き込みたい方のために、ダウンロード可能なシステム イメージも公開されています。

Pixel 端末をお持ちでない方は、Android Studio で Android Emulator を使うか、サポートされている Treble 対応端末で GSI イメージを使うと、Android 11 を実行できます。

公式 Android 11 リリースに向けて

数週間後に予定されている公式 Android 11 リリースにご期待ください!それまでにテストを終え、できる限り早く互換性アップデートを公開することをお勧めします。ぜひ遠慮なくフィードバックをお寄せくださいプラットフォームの問題(プライバシーや動作の変更点も含む)、アプリの互換性の問題サードパーティ SDK の問題の送信には、ホットリストを使うことができます。


先日、Android 11 AMA と Android Studio AMA が Reddit の r/anddroiddev で開催されました。参加してくださったデベロッパー コミュニティの皆さん、本当にありがとうございました!お役に立てたことがありましたら幸いです。




Reviewed by Yuichi Araki - Developer Relations Team



このブログ投稿は、 Android 11 に関する重要な内容を毎週取り上げる #11WeeksOfAndroid シリーズの一部です。第 4 週は、Android 11 の互換性がテーマです。

大事なお知らせ


Android 11 Beta 2 がユーザーやデベロッパーの皆さんに向けて公開され、Android 11 は 2020 年第 3 四半期に予定されている最終リリースに向けて引き続き急速に開発が行われています。デベロッパーの皆さんにとっては、今がアプリの準備をすべきタイミングです。その点に留意して、アプリの互換性テストを始めたり Android 11 の新しいツールを使ったりする際に役立つ関連情報をお知らせします。


Platform Stability


Android 11 では、Platform Stability と呼ばれる新しいリリース マイルストーンを追加しました。これは、デベロッパーに対して、すべての API とシステム動作が確定したことを明確に示すためのものです。Android 11 Beta 2 で、Android 11 は Platform Stability に到達しました。これは、最終の互換性テストとアップデートを行う絶好のタイミングです。Android 11 Beta 2 リリースと Platform Stability のブログ記事で、このマイルストーンの意味を詳しく解説しています。また、Android 11 のスケジュールでもこのマイルストーンについて説明しています。




 ã‚¢ãƒ—リの互換性


Android 11 Beta 2 リリースと Platform Stability のブログ記事でもお伝えしたように、Android 11 の互換性とは、ユーザーが期待するアプリの機能がすべて Android 11 で正常に動作すると確認されたことを意味します。確認を始めるにあたって必要なものは、アプリと、Android 11 を実行する端末かエミュレータだけです。

アプリの互換性確認の目的は、Android 11 でアプリをテストし、アプリの機能を維持するために最低限の変更を行い、Android 11 の最終リリースまでに互換性を確保したバージョンをユーザーに公開することです。ほとんどの場合、targetSdkVersion を変更したり、新しい API でコンパイルしたりしなくても対応できるはずです。

アプリやゲームだけでなく、SDK やライブラリ、ツール、フレームワークを開発している皆さんにとっても、今が Android 11 でテストを行い、互換性のあるバージョンをリリースすべきタイミングです。そうしないと、皆さんのプロダクトを使っているアプリやゲームのデベロッパーの作業が、Android 11 と互換性があるバージョンを入手できるまで、滞ってしまう可能性があります。

アプリの互換性の詳細については、移行ガイドやアプリに影響する可能性がある動作の変更点リストをご覧ください。


アプリをテストするためのツール



互換性テストを始めるにあたって活用できるいくつかの新しいツールを取り上げました。ブログ投稿「Testing app compatibility in Android 11」で詳しく説明しています。

1 つ目の互換性フレームワークは、アプリに影響する可能性があるプラットフォームの変更点を管理する際に役立つ新機能です。これにより、変更点に関する標準メタデータ、targetSdkVersion に基づく標準変更条件、アプリに影響する変更点を特定する際に役立つ標準ログ出力が提供されます。デバッグ可能なアプリで開発者向けオプション、[Settings]、adb のいずれかを使用して、動作の変更を切り替えることができます。この機能は、変更点を切り出して個別にテストする際に役立ちます。

端末間や API レベル間のリグレッションを切り分けるのは、時間がかかる複雑な作業になる可能性があります。Android Studio 4.2 では、複数の物理端末や仮想端末でインスツルメンテーション テストを並列実行し、すべての結果を 1 つのテスト マトリクスで比較できます。そのため、短時間に多くの端末でテストを行って問題を早期に発見できます。

Android Generic System Image(GSI)は、Android 11 のテストを多様な端末に展開する際にうってつけです。これを使い始める際に役立つ Android GSI コードラボの更新版をリリースしました。GSI を使うと、Android 9 以降のロックフリーな Treble 互換端末に、Android 11 の汎用バージョンをインストールできます。これには、Pixel 端末だけでなく、世界中の Android エコシステムで使われている多くの人気端末も含まれます。



開発者向けオプションのアプリの互換性切り替え


エコシステムのアップデートとアプリの互換性


  • Accelerating Android Updates」というブログ投稿では、Android のアップデート可能アーキテクチャを拡大することで最新 OS の普及率を高める継続的な取り組みについて考察しています。Project Treble や Google Play システム アップデートなどのテクノロジーにより、短時間で多くの端末にアップデートを配信できるようになり、エコシステム全体の整合性が増しています。
  • Project Treble で行ってきた作業で、新規端末と既存端末への Android の新バージョンの導入が劇的に高速化、簡素化されています。さらに、端末メーカーが独自のデベロッパー プレビュー プログラムを実行できるようになり、場合によっては Android 自体の開発が進む中で同時進行させることもできます。こういったプログラムは、端末メーカーが OS のアップデートを短時間で準備し、早い段階で Android デベロッパー コミュニティと協力し合うために役立ちます。
  • Google Play システム アップデート(Project Mainline)の目的は、Android エコシステムのさまざまな端末のコア OS コンポーネントを直接アップデートし、エコシステム全体のセキュリティ、プライバシー、整合性を向上させることです。Android 11 では、アップデート可能なモジュールを追加し、アクセス許可、メディア、NNAPI などのアプリに面する重要な領域の動作を標準化しています。

その他の改善には、Generic Kernel Image(GKI)と Virtual A/B のほか、シームレスなアップデートとストレージ要件の縮小によるメリットを組み合わせた新しい OTA(無線)アップデート メカニズムなどがあります。これらの機能を Android 11 端末に導入するため、端末メーカーと緊密に連携して作業を進めています。

今後これらの機能は、さまざまなプラットフォームのバージョンや端末に対してアプリの互換性を確保するための開発およびテストのコスト削減に役立つことでしょう。

Excelliance Tech の事例



アプリの互換性に関する予期しない問題が起きる一般的な理由は、アプリやゲームが Android の非 SDK インターフェースを使っているからです。Android 11 では、アプリでパブリック API の使用に移行してもらうための長期的な作業を続けています。

Excelliance Tech は最近、開発している LeBian SDK で、非 SDK インターフェースから安定した公式 API に移行しました。Android チームとの共同作業の成果として、リソース読み込み用の新しいパブリック API も誕生しました。Android 11 ですべてのデベロッパーが使うことができる ResourcesLoader API です。

Excelliance Tech の事例は、こちらのブログ投稿でご覧いただけます。



Excelliance Tech チーム



関連動画



Android 11 の互換性について計画を立ててアプリをテストする際に役立つ 3 つの動画を投稿しました。プレイリストはこちらからご覧ください。

以下の動画は、Android の年間リリース スケジュールと、それぞれのフェーズのデベロッパーにとっての意味を簡単にまとめてお話しています。



次の動画は、Android 11 のデベロッパーがテストやデバッグに使える新機能である互換性フレームワークを紹介しています。このフレームワークの概要、役立つ理由、使い方を説明しています。具体例を通して、特定の変更点を有効化する方法、アプリでその変更点をテストする方法、ログ出力を調べてアプリに影響した変更点を特定する方法についてお伝えしています。



最後は、複数の端末で同時にインスツルメンテーション テストを実行する Android Studio の新機能についての動画です。Android Studio はアプリの互換性テストを行う最適なツールです。端末セットの設定方法、端末でテストを実行する方法、そしてテスト マトリックスに移動して結果の比較と分析を行う方法を説明しています。




Android 11 の互換性についての情報をチュートリアルで確認する


Android 11 の互換性について概要を確認したい方は、チュートリアル形式で動画や関連ブログ記事・コードラボをまとめて確認できる Android 11 の互換性 Pathway をご覧ください。Pathway は、モジュールを順番に完了する形式になっており、最後にはクイズをご用意しています。クイズに合格した方には、もれなくバーチャル バッジが贈られます。このバッジは、Google Developer プロフィールに保存されます。ぜひ Android 11 互換性の限定バッジを手に入れてください。


#11WeeksOfAndroid 第 4 週 Android 11 の互換性のまとめ


私たちは Android をリリースするたびに、アプリの互換性テストの影響を少なくするための作業を行っています。Android 11 では、互換性テストを簡単にするために、新しいプロセスやデベロッパー ツール、リリース マイルストーンを追加しました。今週提供したリソースが互換性テストを始めるうえで役立つことを期待しています。デベロッパーの皆さんのために、ポイントをまとめます。


  1. Android 11 は Platform Stability に到達し、アプリに面するすべての API と動作が確定しました。
  2. アプリやゲームのデベロッパーの方は、すぐに互換性テストを始め、今年の Android 11 最終リリースまでにアップデートをリリースする必要があります。
  3. SDK・ライブラリやツールの開発者は、それらを利用する開発者の作業を止めないように、できるだけ早くテストを完了して互換性を確保したバージョンをリリースする必要があります。
  4. 便利な新しいツールや関連情報・ドキュメントもご用意しています。以下のハイライトをご覧ください。さらに詳しい内容は、developer.android.com/11 で確認できます。


関連情報・ドキュメント



#11WeeksOfAndroid 動画コンテンツの全プレイリストはこちらからご覧いただけます。毎週新しい分野を取り上げますのでご期待くださいTwitter や YouTube のフォローもお願いします。以下は、Android 11 の互換性の週で紹介した関連情報・ドキュメントへのリンクです。

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  • Android プラットフォーム チーム AMA


関連ドキュメント



編集部注:日本で 8 月 4 日 に Android Studio 4.0 と Jetpack のオンラインイベントを行います



8 月 4 日(火)16 時から、2020 å¹´ 6 月に リリースした Android Studio の安定版 4.0 に関するノウハウや、新しいデバッガーの利用、ならびに Jetpack の最新情報をスペシャリストがオンラインでお伝えする Android 11 Meetups 第 4 回目を日本(日本語)で開催します。Android 11 Meetups は、6 月 23 日  から 9 月 29 日にかけて、計 8 回に渡って開催されている、アプリ開発企業のエンジニアやプロダクト担当の皆さまを主な対象としたオンラインセミナーシリーズです。ぜひこちらのウェブサイトで登録・参加(視聴)ください。


Reviewed by Yuichi Araki - Developer Relations Team and Hidenori Fujii - Google Play Developer Marketing APAC

モバイル セキュリティのイラスト


プライバシーとセキュリティは Android の設計の中核であり、リリースを重ねる度にこの分野に注力してきました。Android 11 でも、重要な取り組みを進めています。 今回は、Android のプライバシーとセキュリティに関するさまざまなアップデートやリソースについて解説します。Android 11 では、ユーザーのプライバシーを守り、プラットフォームの安全性を高めるために、いくつかの重要な変更を行いました。まずはその内容を簡単に紹介します。

All things privacy in Android 11 の動画でもお話しているように、ユーザーが機密性の高いアクセス許可を制御できる範囲を増やしています。今回のリリースの開発期間を通して、デベロッパー コミュニティと何度も深い議論を行いました。それぞれの機能は、ユーザーのプライバシーを強化しつつデベロッパーへの影響を最小限に抑えられるように、バランスを考慮して設計しています。では、いくつかの機能を見ていきましょう。

  • 1 回だけのアクセス許可: Android 10 で、細かい位置情報のアクセス許可を導入しました。これにより、ユーザーはアプリが使用中(フォアグラウンド)の場合にのみ、位置情報への限定的なアクセスを許可できます。

    新しいランタイム アクセス許可オプションを提示されたとき、ユーザーの 50% 以上がフォアグラウンドのみの位置情報を選択しました。この結果から、ユーザーはアクセス許可の細かい制御を望んでいたことがわかりました。そこで Android 11 に1 回だけのアクセス許可を導入しました。これにより、アプリが端末のマイクやカメラ、位置情報に 1 回だけアクセスすることを許可できるようになります。

    アプリのデベロッパーは、ワンタイム アクセス許可に対応するために何かを変更する必要はありません。アプリは、次回使われたときに再度アクセス許可をリクエストできます。新しい変更点を組み込み、プライバシーを尊重するアプリを構築する方法については、こちらの動画をご覧ください。
  • バックグラウンド位置情報: Android 10 では、アプリがバックグラウンド位置情報を定期的に利用している場合、ユーザーがこの機密データの利用方法を把握できるように、リマインダーを追加しました。このリマインダーが表示されたユーザーの 75% 以上は、位置情報のアクセス許可をダウングレードまたは拒否しました。さらに、広範なリサーチの結果、バックグラウンドで位置情報へのアクセスを要求するアプリには、正当なユースケースはとても少ないことがわかりました。

    Android 11 のバックグラウンド位置情報は、ユーザーが実行時に手っ取り早く付与できるアクセス許可ではなくなり、さらに慎重なアクションを要するものとなっています。バックグラウンド位置情報を必要とするアプリでは、システムはまずアプリがフォアグラウンド位置情報を要求することを確認します。その後、アプリは個別のアクセス許可リクエストによってアクセス範囲を広げることで、バックグラウンド位置情報を利用できるようにします。この操作では、アクセス許可を付与するために [Settings] が開きます。

    不正利用を防ぐため、アプリがバックグラウンドで位置情報にアクセスする場合は承認を得なければならなくなるようポリシーの変更を行うと、2 月にお知らせしました。しかし、ポリシーを遵守するために相当な作業が必要になるデベロッパーの方がいらっしゃることをふまえ、2021 年まで既存アプリへのポリシーの強制を行わないこととしました。コードでバックグラウンド位置情報を利用できるケースについては、こちらの動画をご覧ください。
  • アクセス許可の自動リセット: ほとんどのユーザーは、端末に 60 以上のアプリをダウンロードしてインストールしていますが、定期的に使うのはそのうちわずか 3 分の 1 程度です。Android 11 をターゲットにしたアプリでは、ユーザーが長期間アプリを使わなかった場合、システムがユーザーがアプリに付与した機密情報に関わる権限を自動的にリセットし、ユーザーに通知します。アプリは、次に使われたときに再度アクセス許可をリクエストできます。アクセス許可を維持する正当なニーズがあるアプリでは、[Settings] からこの機能を OFF にするようにユーザーに案内することができます。
  • データアクセス監査 API: Android では、機密データへのアクセスを制限することをデベロッパーに推奨しています。この点は、アクセス許可が与えられていたとしても変わりません。Android 11 のデベロッパーは、保護された個人データをアプリがどのように利用しているかを透過的に把握できる新しい API にアクセスできます。この API を使うと、アプリによるプライベートなユーザーデータへのアクセス記録をアプリからトラッキングできます。
  • 対象範囲別ストレージ: Android 10 で対象範囲別ストレージを導入し、外部ストレージをフィルタしたビューを提供できるようにしました。アプリは、これを通してアプリ固有のファイルやメディア コレクションにアクセスできます。この変更により、さまざまな方法で共有ストレージへの幅広いアクセスを制限し、ユーザーのプライバシーを保護できるようになりました。たとえば、ストレージのアクセス許可を変更して写真や動画、音楽への読み込みアクセスのみを許可する、アプリのストレージ属性を改善する、などが想定されます。

    Android 10 以降も、デベロッパーの皆さんに対象範囲別ストレージを採用していただけるよう、フィードバックや多くの改善を取り入れてきました。たとえば、アクセス許可 UI のアップデートによるユーザー エクスペリエンスの改善、既存ライブラリとの互換性を向上させるためのファイルパスによる直接メディア アクセス、メディアの変更を可能にする API のアップデート、ファイルに幅広くアクセスする必要があるユースケースでの Manage External Storage アクセス許可、外部アプリ ディレクトリの保護などです。Android 11 では、API レベル 30 をターゲットとするすべてのアプリで、対象範囲別ストレージが必須となります。詳細については、こちらの動画またはデベロッパー ドキュメントをご覧ください。
  • Google Play システム アップデート: Google Play システム アップデートは、Project Mainline の一環として Android 10 で導入されました。主なメリットとして、Android 内のプラットフォーム サブシステムのモジュール性と粒度の向上があげられます。そのため、スマートフォン メーカーの完全な OTA アップデートを行わなくても、コア OS コンポーネントをアップデートできます。

    今年は Project Mainline のおかげで、メディア デコード サブシステムの重大な脆弱性をすばやく修正することができました。Android 11 には新しいモジュールを追加して、既存モジュールのセキュリティ特性も維持しています。たとえば、暗号プリミティブを提供する Conscrypt は、Android 11 の FIPS 検証も維持しています。
  • BiometricPrompt API: BiometricPrompt API を使うと、アプリがロック解除や機密部分へのアクセスを行う際に必要とするバイオメトリック認証強度を指定できます。下位互換性を持たせるために、これを Jetpack Biometric ライブラリに追加する予定です。この件については、作業の進捗に応じて最新情報をお知らせします。
  • Identity Credential API: この API によって、モバイル運転免許証、国民識別番号、デジタル ID などの新しいユースケースが実現できます。この機能は Google のセキュリティ チームが開発しており、セキュリティ ハードウェアを使ってデータへのアクセスを保護および制御し、情報を安全に格納します。この方法では、従来の物理的な文書よりもユーザーのプライバシーが強化されます。Android 11 でデジタルファーストな身分証明を提供できるように、さまざまな政府機関や業界パートナーと連携して作業を進めています。

プライバシーを重視した安全なプラットフォームを構築するにあたり、皆さんの柔軟な対応とフィードバックに感謝いたします。その他の機能は、Android 11 Beta デベロッパー サイトで確認できます。プライバシーやセキュリティに関する一般的なベスト プラクティスについても学ぶことができます。

Twitter や Youtube で Android Developers をフォローし、この分野に役立つコンテンツや資料を見逃さないようにしましょう。

関連情報


#11WeeksOfAndroid 動画コンテンツの全プレイリストはこちらから、それぞれの週の詳しい内容はこちらからご覧いただけます。毎週新しい分野を取り上げますのでご期待ください。Twitter や YouTube のフォローもお願いします。ご覧いただき、ありがとうございました!


Reviewed by Yuichi Araki - Developer Relations Team and Nori Fujii - Google Play Developer Marketing APAC



数週間前、人、管理、安全性にフォーカスした Android 11 Beta 1 をリリースしました#Android11Beta Launch でも取り上げましたが、この OS の開発では、スマートフォンで会話する方法を新たな発想で見直し、皆さんの生活に最も重要な「人」を優先しています。Beta 1 ではより人間中心になり、表現力が豊かになりました。スマート端末は操作しやすくなり、機密性の高いアクセス許可も細かく制御できるようになりました。また、会話通知バブルクイック アクセス デバイス コントロールメディア コントロールなどの API を使用して、「人」を優先したエクスペリエンスをアプリに組み込むことができるようになりました。

そして 2020 å¹´ 7 月 8 日(日本時間 7 月 9 日)、Android 11 Beta 2 をリリースしました。今回のリリースで Platform Stability に到達し、Android 11 の API と動作がこれで確定しました。デベロッパーの皆さんは早急にご自分のアプリの互換性アップデートに着手し、2020 年第 3 四半期に予定している Android 11 公式リリースまでに完了、公開していただけるようお願いします。

#11 Weeks of Android の第 4 週目のテーマは、Android 11 の互換性です。この週を通して、役立つコンテンツや資料を公開します。#11 Weeks of Android のページにアクセスするか、Twitter や Youtube で Android Developers をフォローしてください。

Pixel 2、3、3a、4 の各端末は、こちらから登録してすぐに無線(OTA)アップデートで Beta 2 を入手でき、ダウンロードも可能です。既に Beta 1 をインストールしている端末は、自動的に無線アップデートが行われます。ぜひ感想をお聞かせください。これまでにフィードバックをお寄せくださった皆様、ありがとうございました!

Platform Stability


今回公開した Beta 2 で、Android 11 は Platform Stability となりました。このマイルストーンは、フィードバックに基づいて、デベロッパーの皆さんのために今年新たに追加されました。

Platform Stability は、Android 11 のアプリに関わる部分とその動作がすべて確定版になったことを意味します。SDK と NDK API が確定するだけでなく、アプリに影響する可能性がある非 SDK インターフェースについてのシステム動作や制限も確定します。Beta 2 以降はプラットフォームが変わることはないので、安心して互換性アップデートを公開できます。スケジュールの詳細はこちらをご覧ください。




プラットフォームが安定版になったのですべてのアプリやゲームのデベロッパーの皆さんは、最終の互換性テストを開始し、最終リリース前にアップデート版のアプリを公開することをおすすめします。

すべての SDK、ライブラリ、ツール、ゲームエンジン デベロッパーの皆さんは、今すぐテストを開始し、できる限り早く互換性アップデートを公開することが非常に重要です。皆さんのライブラリなどを利用しているデベロッパーの方は、皆さんからのアップデートを受け取るまで作業できないかもしれません。互換性アップデートを公開したら、関係するデベロッパーに向けてアナウンスをお願いします。




アプリの互換性が重要である理由


Android におけるアプリの互換性 とは、特定のバージョンのプラットフォーム(通常は最新版)でアプリが問題なく動作することを意味します。互換性は、Android 11 を実行している端末またはエミュレータに本番向けのアプリをインストールすれば、すぐにチェックできます。すべてのユーザーフローや機能をテストして、アプリの見栄えと動作が問題ないことを確認できれば、互換性を確保できたことになります。

こう聞くと簡単そうですが、それだけでは不十分かもしれません。リリースのたびにプライバシーとセキュリティの改善に必要な変更が行われ、OS 全体のユーザー エクスペリエンスを進化させる変更も実装されています。場合によっては、アプリに影響が生じる可能性もあります。そのため、動作の変更点を確認してテストし、ユーザーに互換性アップデートを公開することが必要です。これは基本的なことですが、品質基準としてなくてはならない工程です。

アプリの互換性は、ユーザーが最新バージョンの Android にアップデートする際に重要になります。この点は、新しい端末を購入した場合でも現在の端末にアップデートをインストールした場合でも変わりません。ユーザーは最新バージョンの Android OS を使うことを楽しみにしており、そこでお気に入りのアプリを使いたいと考えています。アプリがきちんと動作しなければ、ユーザーにとっても、私たち全員にとっても大問題になります。

Android 11 Beta 2 で利用できる新しい API や機能はたくさんあり、アプリのターゲットを変更する際に考慮すべき変更点も多くありますが、まずは現在のアプリをテストし、互換性アップデートをリリースするところから始めましょう。

Pixel などの端末では、Android 11 が Android オープンソース プロジェクト(AOSP)に最終リリースされ次第、アップデートが始まります。このタイミングは、2020年第 3 四半期を予定しています。複数のパートナーの端末でも、互換性テストをサポートするために積極的なパブリック プレビューを実施中です。


アプリの互換性を確保しやすくなった Android 11


私たちはリリースのたびに、アプリの準備に必要な作業を減らすよう努めています。Android 11 では、プラットフォームのアップデートによる影響を最低限にとどめ、簡単にアプリの互換性を維持できるようにするため、新しいプロセスやデベロッパー ツール、リリース マイルストーンを追加しました。






Android 11 リリースに向けたアプリの準備



Android 11 が安定版になったので、できるだけ早くアプリの互換性を確保してください。そのための方法を以下に示します。






現在のアプリのテストは、すべてのアプリが対象となる動作の変更点から始めましょう。ここから、影響がありそうな変更点を確認できます。次に示すのは、特に重要な変更点です(これらはアプリの targetSdkVersion に関係なく適用されます)。





アプリのライブラリや SDK の互換性テストも忘れずに行ってください。問題を見つけた場合は、最新バージョンの SDK にアップデートするか、デベロッパーに連絡してサポートを求めます。


互換性を確認したアプリを公開した後は、アプリの targetSdkVersion をアップデートする作業に着手します。Android 11 アプリに関する動作の変更点を確認し、互換性フレームワークを試して影響を確認します。次に示すのは、テストする際に特に重要な変更点です(targetSdkVersion 30 以上にのみ適用されます)。






テストでは、制限されている非 SDK インターフェースが使用されていないかを確認し、存在する場合は同等のパブリック SDK に移行します。制限されている API については、こちらをご覧ください。


新しい機能と API を試してみる



準備ができたら、早速 Android 11 を試して、構築できる新しいエクスペリエンスについて学びましょう。#Android11 ベータ版についてのブログ記事に、デベロッパー向けの新機能がまとめられています。また、Beta Launch ページにアクセスして、Android チームのトークや各分野の新機能を確認することもできます。


Android Studio にも Android 11 向けに、大きな APK のインストールを高速化する ADB Incremental(adb 増分 APK インストール)、プラットフォーム API への追加の NULL 可能性アノテーションなど、生産性やワークフローを改善するための新機能が搭載されました。最新の Android Studio ベータ版または Canary 版をダウンロードすると、これらの機能を試してみることができます。Android Studio を Android 11 用に設定する手順はこちらです。

Android 11 向けの機能や API の詳細については、Android 11 デベロッパー サイトをご覧ください。


Android 11 Beta 2 の入手方法



簡単です!こちらから登録すると、Pixel 2、3、3a、4 の各端末で Android 11 ベータ版の無線アップデートを受け取ることができます。または、簡単にオンデマンドでアップデートしたい方は、Android Flash Tool をお試しください。ダウンロード可能なシステム イメージも公開されています。Pixel 端末をお持ちでない方は、Android Studio で Android Emulator を使うか、サポートされている Treble 対応端末で GSI イメージを使うと、Android 11 を実行できます。

皆さんからのフィードバックを活用して、さらに改善を続けていきます。ぜひお気づきの点はぜひこちらからフィードバックをお寄せくださいプラットフォームの問題(プライバシーや動作の変更点も含む)、アプリの互換性の問題サードパーティ SDK の問題の送信には、ホットリストを使うことができます。これまですばらしいフィードバックを共有してくださった皆さん、どうもありがとうございました。


Android 11 互換性の関連情報



#11 Weeks of Android の第 4 週のテーマは、Android 11 の互換性です。プラットフォームが安定版になった今、すべてのデベロッパーにとって重要な内容が含まれています。

互換性テストに便利な情報をこちらで共有しています。また、Twitter や Youtube で Android Developers をフォローすると、この 1 週間を通してこの分野に役立つコンテンツや資料を入手できます。

太平洋夏時間の 7 月 9 日午後 12 時(日本時間 7 月 10 日午前 4 時)に、Android エンジニアチームが r/androiddev で Reddit AMA を開催し、Android 11 についての技術的な質問にお答えしました。詳細は Reddit のスレッドをご覧ください。


Reviewed by Yuichi Araki - Developer Relations Team and Nori Fujii - Google Play Developer Marketing APAC
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このブログ投稿は、これから毎週更新される #11WeeksOfAndroid シリーズの記事です。 Android の重要な内容を取り上げていきますので、お見逃しなく。今週は、人と ID に注目します。ぜひ知っておいていただきたいことを以下にまとめています。



「人」と「ID」



Android 11 は、皆さんの生活に最も重要な「人」を認識して優先できる OS にするよう務めました。愛する人とつながることが、なによりも大切だからです。人間には、そのようなつながりに対する根源的な欲求があります。現在の状況のように人と物理的な距離を取らなくてはならず、直接会えないといった制約が生じている中ではなおさら、つながりを重視したいというニーズがあります。Android 11 は、スマートフォンで会話する方法を新たな発想で見直し、複数の端末間で ID を維持できる新機能が追加されています。

Android 11 の新機能を活用すると、大切な人や友人、会社の同僚と簡単につながることができます。今回のリリースの中心となるのは、Android Conversation Shortcut API と Identity Services Library です。このような新しいツールを使うと、すぐに親友とつながって犬の面白い写真を共有したり、見つけたおいしいシーフードのレシピをおばさんに伝えたり、会社の同僚の昇進を祝うこともできます。また、ユーザーが簡単にサインアップおよびログインできるようになる新しいレベルのパスワード管理も提供されます。

まず初めにご紹介するのは、最も重要な人との会話をスマートフォンのロック画面に表示する機能です。アバターで簡単に判別できるので、家族や友人、同僚にすぐに返信できます。この機能は便利だろうと思っていましたが、ベータ版テスターの反応によってさらに確信してリリースしました。Conversation Shortcut API を使い、ユーザーの生活の改善を実現します。


着信した通知からバブルを作成し、バブルから会話にアクセスできます



ショートカットを使う新しい機能の 1 つが、通知エリアの上にある新しい会話スペースです。この機能は、皆さんにとって一番重要なこと、つまり会話にフォーカスしています。ユーザーは、この通知から Android 11 のもう 1 つの新機能であるバブルを呼び出すことができます。バブルは会話をコンパクトに表現したもので、画面横で他のコンテンツの上に表示されます。これを広げることで、端末で作業中の内容を維持したまま、すばやく会話にアクセスできます。端末で別のタスクを処理しながら会話を続けたい場合にとても便利です。


新しい会話スペースで会話を優先とマークすると、ロック画面に表示されます



会話の通知を長押しすると優先マークをつけることができ、一番重要な人を目立たせることができます。優先される会話は、アバターと一緒にロック画面に表示され、通知の上部に移動します。「サイレント モード(Do-Not-Disturb)」の時でも通知されるように設定することも可能です。また、会話ショートカットのもう 1 つの使用法として、Android 10 でリリースしたシステム共有シートの共有ターゲットとして使うこともできます。

次にご紹介するのが「ID」です。ユーザーやデベロッパーは ID の複雑さに悩まされており、それがデベロッパーにとっての課題になっています。この課題に対応するため、新しい Google Identity Services Library の一部として、One Tap と Block Store に取り組んでいます。One Tap ã¯、ウェブと Android でクロスプラットフォームにログインするための新しい仕組みで、複数の種類の認証情報を効率よく管理します。Block Store は、バックアップと復元の機能を利用して構築されたトークンベースの新しいログインの仕組みです。これを使うと、複数の Android 端末でユーザーのログイン状態を維持できます。

私たちは、今回ご紹介した 2 つの新しい機能をリリースできたことをとても嬉しく思っています。私たち全員がつながってコミュニケーションをとり、大切な人や使っているアプリに対して自分を表現できるようになるからです。このような表現力の向上はさらに重要な要素になっています。


「人」と「ID」に関する機能を動画で解説



人間を認識して優先する機能については「What's new in Android」(日本語字幕あり)をご覧ください。また、Artur が会話ショートカットやバブルの実装方法についてご説明している「会話の通知」に関する新しい動画も公開しました。会話に関する追加機能やその他のシステム UI については、Dan が「What's new in System UI」(日本語字幕あり)で概要をご説明しています。さらに、私たちが人とバブルについてインタビューを受けている Chet のポッドキャストもお聴きください。

ID についてもっと詳しく知りたい方のために、「In Identity on Android: What’s new in sign-in」も公開しました。この動画では、Vishal が Google Identity System の新しいライブラリである One Tap と Block Store についてご説明しています。

このような会話機能に特化した機能について、早い時期から私たちと一緒に作業を続けてきたチームがあります。そのうちの 2 つが、Facebook の Messenger チームと Twitter のダイレクト メッセージング チームです。それぞれの実装についてのストーリーは、こちらとこちらからお読みいただけます。


今週の機能をチュートリアルで確認する



今週ご紹介した「人」と「ID」の機能に関して、チュートリアル形式で動画や関連ブログ記事・コードラボをまとめて確認できる人と ID の Pathway をご覧ください。Pathway は、モジュールを順番に完了する形式になっており、最後にはクイズをご用意しています。クイズに合格した方には、もれなくバーチャル バッジが贈られます。人と ID について重要な知識を確認して、限定バッジを獲得しましょう。


今週のまとめ



Android 11 は、ユーザーにとって最も重要な「人」と「会話」に焦点をあわせる起点となります。Android のエコシステムを作り上げている多くのパートナーの皆さんがすばらしいアプリやサービスへ新しくリリースした機能を導入し、人とのつながりや会話を実現しています。私たち Android チームは、引き続きパートナーの皆さんが新機能を使いさらにアプリやゲームの新規開発や機能拡張ができるようにサポートしたいと考えています。そのため、

  • API 30 をターゲットに人とのリアルタイム コミュニケーションを行うアプリを作っているデベロッパーの方は、通知やバブル、共有といった機能が利用できる会話ショートカットベースの API を採用することを強くおすすめします。そうすれば、ユーザーの会話を一番目立つ場所に配置し、皆さんのアプリにユーザーがすばやくアクセスできるようになります。

  • ユーザーのアカウントを扱うアプリでは、ユーザーが厄介なパスワード探しや認証情報を忘れた場合に煩雑な操作をしなくてもいいように、One Tap を組み込んで認証情報の管理を効率化し、Block Store で端末のアップデートを扱えるようにすることをおすすめします。これらの機能は、Android M までの端末と互換性があります。

オンラインイベント Android 11 Meetups で最新情報を入手する




Android 11 Meetups は、6 月 23 日  から 9 月 29 日にかけて、計 8 回に渡って開催される、アプリ開発企業のエンジニアやプロダクト担当の皆さまを主な対象としたオンラインセミナーシリーズです。初回の 6 月 23 日には、「Android 11 の概要」をテーマにスペシャリストがお話しました。アーカイブを公開していますので、参加登録していただき、ウェブサイトよりご覧ください。

次回 7 月 7 日のセミナーでは、TensorFlowやML Kit 等、端末上で実行可能な機械学習についてのセッションを行いますので、興味のある方はぜひこちらのウェブサイトで登録・参加(視聴)ください。

最後になりますが、今回ご紹介した新機能で、ユーザーが大切な人と意味のある楽しいつながりが実現し、お気に入りのアプリをシームレスに使えるようになれば大変うれしく思います。この目的を実現するためにお役に立てれば幸いです。


関連情報



#11WeeksOfAndroid の動画の全プレイリストはこちらから、それぞれの週の詳しい内容は 11 Weeks of Android の Web サイトからご覧いただけます。毎週新しい分野を取り上げますのでご期待ください。Twitter や YouTube チャンネル のフォローもお忘れなく。


Reviewed by Yuichi Araki - Developer Relations Team and Hidenori Fujii - Google Play Developer Marketing APAC

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