この記事は Solutions Engineer, Google Maps Platform の Sarthak Ganguly と Solutions Engineer, Google Maps Platform の Ken Nevarez による Google Cloud Blog の記事 "Introducing the Google Maps Platform Architecture Center" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
編集者注 : この投稿は、Google の年次デベロッパー カンファレンスでの Google Maps Platform に関する最新ニュースをお伝えする、Google I/O 2023 シリーズの一部です。臨場感あふれるエクスペリエンスを提供する Google の新しいプロダクトの詳細は、I/O セッションをご覧ください。
このたび、Map Tiles API 経由でご利用いただける Photorealistic 3D Tiles の試験運用版をリリースしました。この新しい地理データ プロダクトには Google Earth と同じ 3D 地図ソースが使われており、Google の高解像度 RGB 光学画像をテクスチャに使った、実際の街並みさながらのシームレスな 3D メッシュモデルを実現します。Photorealistic 3D Tiles は街区から街全体までを可視化できるよう特別に設計されており、49 か国、2,500 以上の都市を立体的に表現して、アプリ内に直接 3D 可視化エクスペリエンスを作り出すことができます
Photorealistic 3D Tiles で建物、ランドマーク、地形を表現
3D エクスペリエンスの設計がより簡単に
実世界の 3D モデルを構築するためには多大な労力とリソースが必要です。まず画像を大量にキャプチャし、数週間から数か月かけて画像処理とテクスチャ付き 3D モデルへの結合を行ったうえで、それをホストして可視化エクスペリエンスを実現するというプロセスを辿る必要があります。世の中にある 3D 地理データセットの中でも最も包括的な Photorealistic 3D Tiles を使うことで、もっと簡単に、お好みのレンダラを使って独自のデータをオーバーレイすることができます。3D タイルと 2D 地図の位置を合致させているため、独自のデータや Google Maps Platform のデータを正確に重ねて、可視化したデータをカスタマイズすることが可能です。また、Photorealistic 3D Tiles では、広く導入されている Open Geospatial Consortium(OGC)の 3D タイル規格(Cesium 社作成)を採用しています。このことにより、独自のレンダラや他の互換性のあるレンダラ、可視化用ライブラリ(CesiumJS や deck.gl など)を使って、Google の 3D 地図タイルをレンダリングできるようになっています。
グランドキャニオンを 3D で可視化(CesiumJS のレンダラを使用)
3D コンテキストを利用した大規模なデータセットの可視化
3D タイルの上に他の地理空間データセット(交通量、可視域モデル、陸地の温度など)を表示して、よりリアルにわかりやすく表現することもできます。CARTO 社から提供されているこちらの例をご覧いただくとわかるように、BigQuery の大規模なデータセットを、世界中のより豊富な 3D コンテキストを使用して可視化できるようになっています。
「Google Maps Platform に加わった Photorealistic 3D Tiles は実に刺激的な機能です。優れた 3D データを利用して、ブラウザ上で臨場感あふれる 3D 可視化データを作成できるようになりました。OGC の 3D タイル仕様に準拠しているので、deck.gl や CARTO のエコシステムとの連携もとても簡単です。これで弊社のお客様は、都市や地形を忠実に表現し、LOS やデジタルツインなどのユースケースに対応できるようになります。」
CARTO 創業者・最高戦略責任者、Javier de la Torre 氏
CARTO の 3D タイルのデモの動画
さまざまなユースケースに対応した次世代のエクスペリエンスを作り出す
Photorealistic 3D Tiles を使うことで、世界を 3D 地図でよりリアルに可視化できます。旅行者は、初めて訪れる街でも、2D 地図ではわからない建物の配置やランドマークを確認しながら自信を持って移動できます。また、都市計画を担当する機関は、土地利用の変更案を有権者により効果的に伝えられます。建設会社はカスタマイズ可能な 3D 地図を通じて、開発のステージング計画をより的確に評価できます。そして報道機関は、過去や未来の出来事についての臨場感のある 3D ストーリーテリングで視聴者を再び引き込み、状況を空間的により詳しく理解してもらうことができます。
ゲーム会社は 3D Tiles を使って、ブランドやテーマにふさわしい AR エクスペリエンスを提供するための現実世界のモデルを開発できます。あるいは、Geospatial Creator のようなツールを使って、現実世界の AR エクスペリエンスのアイデアに取り組むことも可能です。Geospatial Creator は ARCore と Google Maps Platform から構築されたツールで、Unity と Adobe Aero Geospatial Pre-release に組み込まれています。好きな場所に Photorealistic 3D Tiles を読み込んで、現実世界に AR オブジェクトを固定することができます。
Unity で Geospatial Creator を使用して、カリフォルニア州マウンテン ビューにある Googleplex に AR の虎を固定
Photorealistic 3D Tiles を使ってみる
Map Tiles API 経由での Photorealistic 3D Tiles のご利用は、試験運用フェーズの間は無料です。詳しくは、ドキュメントとデモをご覧ください。また、Map Tiles API をご利用のデベロッパーの皆様に Google Maps Platform の 2D Roadmap、Satellite and Terrain Map Tiles、Street View Tiles を限定でお試しいただけます(JavaScript 以外のアプリケーション向け)。
臨場感あふれる 3D 可視化エクスペリエンスを低レイテンシでより簡単に実現したいデベロッパーの皆様には、Google の新しい Aerial View API を使って映画のような空撮映像をご利用いただけるようになりました。
Photorealistic 3D Tiles と Aerial View を使って臨場感あふれる地図エクスペリエンスを作り出す方法についての詳細は、I/O セッションでご確認いただけます。ぜひこれらの新しい 3D 機能をご活用ください。
Google Maps Platform に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。ご質問やフィードバックはページ右上の「お問い合わせ」より承っております。
この記事は Software Engineer, Google Maps Platform の Andrew Mackowski と Tech Lead, Maps JavaScript API の Chris J. Shull による Google Cloud Blog の記事 "Build maps faster with Web Components" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
このたび、開発者が Google Maps Platform を利用するための新しい方法として、Web Components のプレビュー版を提供いたします。まずは、Google マップの機能と高度なマーカーの機能の Web Components にアクセスいただけるようになりますが、今後より多くの機能を追加していく予定です。さらに、オープンソースの Extended Component Library を立ち上げ、そこでプレイスデータの視覚的な表現など、より高度なコンポーネントを提供します。このライブラリでは、Maps JavaScript API がそのまま提供するものをさらに上回るベスト プラクティス、共通 UI / UX パターン、応答性、ユーザー補助機能がカプセル化されます。
Web Components はよく利用されている W3C 標準であり、開発者が HTML、CSS、JS を再利用可能なカスタムの HTML 要素にカプセル化できます。この再利用可能コンポーネントには、ある場所の評価を表示するような個々の機能から、より複雑なビジネス ロジックまで、さまざまなものがあります。Web Components は、あらゆる JS フレームワークと簡単に相互運用できるため、従来より習得時間が短く、コードがシンプルで、可読性が向上しており、開発者がより迅速に作業しやすくなっています。
Maps JavaScript API の Web Components
開発者は、Maps JavaScript API から直接 Google マップと高度なマーカーの Web Components にアクセスできるので、JavaScript をほとんど、またはまったく使用せずこれらの UI 機能を簡単、迅速に統合できます。Google Maps Platform API キーを取得し(高度なマーカーを使用するには、マップ ID を持つマップも必要です)、ドキュメントをご確認ください。
Map コンポーネントは、ウェブページ上に地図を表示し、HTML で Map コンポーネントの内部にマップ関連の追加要素(高度なマーカーなど)を表示できます。また、マップ ID を適用することで、Cloud ベースのマップのスタイル設定を使用してマップのデザインを変更できます。
カリフォルニア州マウンテンビューに赤いマーカーを表示している Google マップ
Maps JavaScript API の Web Components はプレビュー版ですが、Beta チャンネルからお試しいただけます。
今後も、HTML だけで地理空間ウェブ エクスペリエンスを作成するための新しい Web Components をお届けしていきます。Maps JavaScript API の Web Components を使用するための最新情報とその他のサンプルについては、こちらのドキュメントをご覧ください。皆様が Web Components を使用して何を作成されるかを楽しみにしております。
Google Maps Platform に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。ご質問やフィードバックはページ右上の「お問い合わせ」より承っております。
この記事は Engineering Lead, Google Maps Platform の Travis McPhail と Product Manager, Google Maps Platform の Alicia Sullivan による Google Cloud Blog の記事 "The latest on maps customization" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
編集者注 : この投稿は、Google が毎年開催しているデベロッパー カンファレンスでの Google Maps Platform に関する最新のニュースをお伝えする、Google I/O 2023 シリーズの一部です。臨場感あふれるエクスペリエンスを提供する Google の新しいサービスについて詳しくは、I/O セッションをご覧ください。
この記事では、Aerial View API のプレビュー リリースについてお知らせします。この API を使用すると、地図上の特定の場所を捉えた、Google Earth で使用されているのと同じ 3D 地図ソースで構築された映画のような動画にプログラム経由でアクセスできます。Aerial View を使用すると、デベロッパーはホテル、観光スポット、ショップなどの場所を簡単に目立たせることができるので、人々が場所に関する十分な情報に基づいてバーチャルに意思決定をするのに役立ちます。
Aerial View の動画では、近隣地域レベルで上から見下ろした様子が Google の衛星画像を使い 3 次元的に提供されるので、ユーザーは実際にそこを訪れているような感覚で周辺地域を把握できます。Aerial View の動画を使用した新しい魅力的な方法で場所を表示することにより、ユーザーの興味を引き、好奇心を刺激することができます。空からの圧巻の景色を捉えることで、スケール感や遠近感を演出できます。また、その場所についてもっと知りたい、その地域について調べたい、世界をもっと探検したいなど、ユーザーの行動を喚起することにも繋がります。
簡単にスケールし、市場投入までの時間を短縮
カメラ搭載のドローンで撮影した空撮映像を手動で作成、管理するには、時間も費用もかかります。Aerial View では、高解像度の映画のような動画をプログラムにより API ベースで作成することができるので、企業は YouTube 動画を埋め込むのと同じように、それらの動画を自社のウェブサイトやアプリケーションに簡単に埋め込むことができます。処理、保存、配信といった面倒な作業はすべて API が行います。
Cloud コンソールにアクセスして、Aerial View の使用を開始し、映画のような 3D 動画をアプリケーションに組み込みましょう。現時点では米国の住所に対応しており、今後さらに多くの国に対応する予定です。
よりカスタマイズ性の高いインタラクティブで臨場感のあるエクスペリエンスを求める場合や、より広い地域をカバーしたい場合は、Photorealistic 3D Tiles をご覧ください。Photorealistic 3D Tiles と Aerial View を使用して臨場感のある地図可視化エクスペリエンスを作成する方法について詳しくは、I/O セッションをご覧ください。ぜひこれらの新しい 3D 機能をご活用ください。
Google Maps Platform に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。ご質問やフィードバックはページ右上の「お問い合わせ」より承っております。
昨年 9 月、Google は Routes API のプレビュー リリースを発表いたしました。Routes API は、Directions API と Distance Matrix API の拡張 API で、より有益で柔軟なルートをユーザーに提供することができます。
このたび、Routes API の一般提供を開始しました。Routes API は、Directions API と Distance Matrix API の基本機能に基づいて構築され、たとえば、リアルタイムの交通量を包括的に反映する最新のルート選択や、複数の出発地と目的地を組み合わせた距離行列から計算される到着予定時刻の提供など、ビジネスにおいて重要な役割を果たしています。さらに、従来より有益で柔軟なルートを提供し、到着予想時刻の精度を向上させるために、次のような高度な新機能も備えています。