Janine Roberta Ferreira さんは、サンパウロの職場から車で帰宅する途中、信号の前で停止しました。すると突然男が現れ、ロックされていなかった車の窓を割り、スマートフォンを奪おうとしました。Janine さんは男としばらく争いましたが、最終的に男はスマートフォンを奪って逃げていきました。この出来事は、Janine さんにとって大きなショックでした。甥の写真など、貴重なデータが奪われた悲しみだけではありません。盗まれたばかりのスマートフォンには、銀行の情報が保存されていたので、大変な不安を感じました。
このような状況を考えれば、プラットフォームに関わらず、既存のツールを上回る包括的なスマートフォン盗難対策が必要であることは明らかです。スマートフォンの盗難は、多くの国で広く懸念されています。
ブラジルでは、1 時間あたり 97 台のスマートフォンが盗難に遭っています 。GSM 協会は、毎年数百万台というデバイスが盗まれていると
報告 しており、その数は今も増え続けています。
決済情報や個人情報など、ますます多くの機密データがスマートフォンに保存されるようになっているため、スマートフォンをを紛失すれば、誰でも不安に感じるはずです。そこで、一連の機能を開発して徹底的な
ベータ版テスト を行い、デバイスの盗難前、盗難中、盗難後のあらゆる段階で、皆さんのデバイスとデータを保護できるようにしました。
この高度な盗難防止機能は、Android 15 と Google Play 開発者サービスのアップデート(Android 10 以上のデバイス)を通じて、世界中のユーザーが利用できます。
VIDEO
盗難に遭った瞬間に AI がデバイスを保護
盗難検知ロック は、強力な AI を活用することで、スマートフォンが盗まれかけているときに、先回りして保護を行います。具体的には、オンデバイス機械学習でさまざまなデバイス シグナルを分析し、盗難に遭った可能性があることを検知します。ロックされていないデバイスで盗難に遭った可能性が検知されると、盗んだ人による操作を防ぐため、画面がロックされます。 スマートフォンが盗まれた場合に機密データを保護するため、デバイスのセンサーを使って、スマートフォンが盗まれかけているかどうかを識別します。私たちは、この機能をできるだけ多くのデバイスに導入できるように、懸命に作業を進めています。さまざまなデバイスとの互換性を確保するため、世界のアクティブ ユーザーの 90% をカバーする Android デバイスに対して、本日(元記事公開当時)より徐々にロールアウトします。現在お使いのデバイスがサポートされているかどうかは、盗難防止設定ページを定期的にチェックすることで確認できます。
盗難検知ロックのほかに、オフライン デバイスロック も搭載されます。この機能は、盗んだ人がデータを抽出したり、Android の「デバイスを探す 」によるリモートワイプを回避したりするため、デバイスをオフラインにする場合への対策となります。ロック解除されたデバイスが長期間オフラインになると、この機能によって画面がロックされるので、盗んだ人はスマートフォンを使えなくなります。
Android デバイスを紛失したり、デバイスが盗まれたりした場合は、リモートロック を使ってすばやく保護できます。盗まれたときに Google アカウントの認証情報を覚えていなくても、任意のデバイスで Android.com/lock にアクセスすれば、認証済みの電話番号だけでスマートフォンをロックできます。リモートロックは、Android の「デバイスを探す」からデバイスにアクセスできるようになるまでの間、そのデバイスを保護します。この機能を使うと、デバイスの保護、検索、リモートワイプが可能です。デバイスのリモートワイプが問題にならないように、セキュリティのベスト プラクティスとして、継続的にデバイスをバックアップ することをお勧めします。以上の機能は、Android 10 以上のほとんどのデバイス1 で利用できます。Google Play 開発者サービスをアップデートし、設定から機能を有効にする必要があります。
盗難を未然に防ぐ高度なセキュリティ Android 15 には、盗難を未然に防ぐための新しいセキュリティ機能が導入されています。これは、盗んだ人が機密設定やアプリにアクセスしたり、再販のためにデバイスをリセットしたりすることを難しくすることによって実現します。
「デバイスを探す」などの機密設定を変更するには、PIN、パスワード、または生体認証が必要になります。 複数回ログインに失敗すると、盗んだ人がパスワードを推測しようとしている可能性があると判断し、不正アクセスを防ぐためにデバイスがロックダウンされます。 出荷時設定へのリセット保護機能も強化されます。再販価値を大幅に下げてデータを守るため、Google アカウントの認証情報を使わずにデバイスをリセットする操作は、さらに難しくなっています。 今年中には、オプトイン機能として
本人確認 を導入し、新たな保護レイヤーを追加します。これにより、PIN の変更、盗難防止の無効化、信頼できない場所からのパスキーへのアクセスなど、重要な Google アカウントやデバイスの設定にアクセスする際に、生体認証が必須となります。そのため、デバイスの PIN が侵害された場合でも、不正アクセスを防ぐことができます。
現実世界で数十億人の Android ユーザーを保護する AI や生体認証などの高度な技術を組み込み、Android デバイスが盗難の対象となりにくくすることによって、皆さんの安心を高めます。このような盗難防止機能は、現実世界のすべての人を保護しようとする Android の取り組みの一例に過ぎません。私たちは、世界中のパートナーと協力し、Android のセキュリティを継続的に改善することで、皆さんと皆さんのデータの安全を確保しようとしています。
サポートされている Android デバイスでこちら をクリックすると、新しい Android の盗難保護機能をオンにすることができます。盗難防止機能の詳細については、ヘルプセンター をご覧ください。
注
Posted by
Eiji Kitamura - Developer Relations Team
この記事は Jianing Sandra Guo, Nataliya Stanetsky による Google Security Blog の記事 "Bringing new theft protection features to Android users around the world " を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。 Janine Roberta Ferreira さんは、サンパウロの職場から車で帰宅する途中、信号の前で停止しました。すると突然男が現れ、ロックされていなかった車の窓を割り、スマートフォンを奪おうとしました。Janine さんは男としばらく争いましたが、最終的に男はスマートフォンを奪って逃げていきました。この出来事は、Janine さんにとって大きなショックでした。甥の写真など、貴重なデータが奪われた悲しみだけではありません。盗まれたばかりのスマートフォンには、銀行の情報が保存されていたので、大変な不安を感じました。
このような状況を考えれば、プラットフォームに関わらず、既存のツールを上回る包括的なスマートフォン盗難対策が必要であることは明らかです。スマートフォンの盗難は、多くの国で広く懸念されています。
ブラジルでは、1 時間あたり 97 台のスマートフォンが盗難に遭っています 。GSM 協会は、毎年数百万台というデバイスが盗まれていると
報告 しており、その数は今も増え続けています。
決済情報や個人情報など、ますます多くの機密データがスマートフォンに保存されるようになっているため、スマートフォンをを紛失すれば、誰でも不安に感じるはずです。そこで、一連の機能を開発して徹底的な
ベータ版テスト を行い、デバイスの盗難前、盗難中、盗難後のあらゆる段階で、皆さんのデバイスとデータを保護できるようにしました。
この高度な盗難防止機能は、Android 15 と Google Play 開発者サービスのアップデート(Android 10 以上のデバイス)を通じて、世界中のユーザーが利用できます。
VIDEO
盗難に遭った瞬間に AI がデバイスを保護 盗難検知ロック は、強力な AI を活用することで、スマートフォンが盗まれかけているときに、先回りして保護を行います。具体的には、オンデバイス機械学習でさまざまなデバイス シグナルを分析し、盗難に遭った可能性があることを検知します。ロックされていないデバイスで盗難に遭った可能性が検知されると、盗んだ人による操作を防ぐため、画面がロックされます。 スマートフォンが盗まれた場合に機密データを保護するため、デバイスのセンサーを使って、スマートフォンが盗まれかけているかどうかを識別します。私たちは、この機能をできるだけ多くのデバイスに導入できるように、懸命に作業を進めています。さまざまなデバイスとの互換性を確保するため、世界のアクティブ ユーザーの 90% をカバーする Android デバイスに対して、本日(元記事公開当時)より徐々にロールアウトします。現在お使いのデバイスがサポートされているかどうかは、盗難防止設定ページを定期的にチェックすることで確認できます。
盗難検知ロックのほかに、オフライン デバイスロック も搭載されます。この機能は、盗んだ人がデータを抽出したり、Android の「デバイスを探す 」によるリモートワイプを回避したりするため、デバイスをオフラインにする場合への対策となります。ロック解除されたデバイスが長期間オフラインになると、この機能によって画面がロックされるので、盗んだ人はスマートフォンを使えなくなります。
Android デバイスを紛失したり、デバイスが盗まれたりした場合は、リモートロック を使ってすばやく保護できます。盗まれたときに Google アカウントの認証情報を覚えていなくても、任意のデバイスで Android.com/lock にアクセスすれば、認証済みの電話番号だけでスマートフォンをロックできます。リモートロックは、Android の「デバイスを探す」からデバイスにアクセスできるようになるまでの間、そのデバイスを保護します。この機能を使うと、デバイスの保護、検索、リモートワイプが可能です。デバイスのリモートワイプが問題にならないように、セキュリティのベスト プラクティスとして、継続的にデバイスをバックアップ することをお勧めします。以上の機能は、Android 10 以上のほとんどのデバイス1 で利用できます。Google Play 開発者サービスをアップデートし、設定から機能を有効にする必要があります。
盗難を未然に防ぐ高度なセキュリティ Android 15 には、盗難を未然に防ぐための新しいセキュリティ機能が導入されています。これは、盗んだ人が機密設定やアプリにアクセスしたり、再販のためにデバイスをリセットしたりすることを難しくすることによって実現します。
「デバイスを探す」などの機密設定を変更するには、PIN、パスワード、または生体認証が必要になります。 複数回ログインに失敗すると、盗んだ人がパスワードを推測しようとしている可能性があると判断し、不正アクセスを防ぐためにデバイスがロックダウンされます。 出荷時設定へのリセット保護機能も強化されます。再販価値を大幅に下げてデータを守るため、Google アカウントの認証情報を使わずにデバイスをリセットする操作は、さらに難しくなっています。 今年中には、オプトイン機能として
本人確認 を導入し、新たな保護レイヤーを追加します。これにより、PIN の変更、盗難防止の無効化、信頼できない場所からのパスキーへのアクセスなど、重要な Google アカウントやデバイスの設定にアクセスする際に、生体認証が必須となります。そのため、デバイスの PIN が侵害された場合でも、不正アクセスを防ぐことができます。
現実世界で数十億人の Android ユーザーを保護する AI や生体認証などの高度な技術を組み込み、Android デバイスが盗難の対象となりにくくすることによって、皆さんの安心を高めます。このような盗難防止機能は、現実世界のすべての人を保護しようとする Android の取り組みの一例に過ぎません。私たちは、世界中のパートナーと協力し、Android のセキュリティを継続的に改善することで、皆さんと皆さんのデータの安全を確保しようとしています。
サポートされている Android デバイスでこちら をクリックすると、新しい Android の盗難保護機能をオンにすることができます。盗難防止機能の詳細については、ヘルプセンター をご覧ください。
注
Posted by
Eiji Kitamura - Developer Relations Team