この記事は Google Play プロダクト マーケティング マネージャー、Lloyd Hightowerによる Google for Developers の記事 " Announcing the Winners of the Gemini API Developer Competition!" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。


5 月の  I/O で、Google は世界中の開発者のみなさんに Gemini API を活用した革新的なアプリの開発を呼びかけました。世界中の何千もの開発者の皆さんがこの呼びかけに応え、既存のアプリに AI を搭載した機能を追加し、可能性の限界を広げる AI のアプリを開発しました。

そして、みなさんが待ち望んでいた瞬間が訪れました:

Gemini API デベロッパー コンテストの受賞者を紹介します!日本からは 2 名の方が選出されました。

総合的なベスト アプリ : Jayu


AI 搭載のパーソナルアシスタント「Jayu」は、Gemini API とクリエイティブな開発の融合による可能性を実証しています。この革新的なアプリは、ウェブブラウザ、コードエディタ、音楽ストリーミング、ゲームなど、さまざまなアプリと統合されています。Jayu は、視覚情報を解釈することによって、アプリのインターフェースと直接対話してリアルタイムで翻訳する能力を持ち、Gemini API の力とその能力を最大限に引き出すクリエイターの卓越したスキルを同時に示します。Google にとって、Jayu は単なる受賞アプリではなく、AI が生活に統合され、働く未来の一端を垣間見ることができます。

影響力の大きいアプリ & ユーザー評価の高いアプリ : Vite Vere (Real Lives)


Vite Vere は、認知障害を持つ人びとが日常的なタスクをこなすためのパーソナライズされたガイダンスを提供することで、より自立することを支援します。このアプリが Gemini の視覚的理解と巧みなプロンプトを使用して、ユーザーがタスクを完了できるよう段階的な指示を提供することで、自立とスキル開発を促進している点に感銘を受けました。

最もクリエイティブなアプリ : Outdraw AI (日本) 


Outdraw は、創造性と AI のユニークな融合により、AI ならではのゲーム体験を可能にしました。このゲームは、ユーザーは人間には認識できて、AI の視覚理解では認識できない画像を描くという挑戦をユーザーに与えるゲームです。このアプリは、AI をコラボレーションパートナーから挑戦的な対戦相手に変えることで、クリエイティブな取り組みにおける AI の役割を再定義します。これは、AI の最も創造的な使用例の 1 つでした。

最も役立つアプリ & Flutter の最適な用途 : Prospera

Prospera は、革新的な Flutter アプリで、Gemini API を活用してリアルタイムの AI セールスコーチを構築しています。セールス会話の分析と即時のフィードバックやパフォーマンス レポートを提供することで、Prospera は 営業担当者がスキルを向上させることを可能にします。このアプリは、実用的なビジネス課題に対処し、プロとしての成長を促進する Gemini モデルの汎用性を示しています。Prospera の詳細と、アプリの選出理由については、Flutter ブログ (英語) をご覧ください。

ベスト Android アプリ : Gaze Link



Gaze Link は、重度の運動障害と言語障害を発症した筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者の力を引き出す可能性を秘めており、私たちに感銘を与えました。この Android アプリは、眼球追跡技術とGemini API を使用して、介護者の質問を理解し、患者から生成された単一単語に基づいて完全な文章の応答を正確に予測および生成します。Gaze Link の詳細については、Android Developer ブログ (英語) をご覧ください。

Firebase のベスト ユース : Trippy



Trippy は、Firebase と Gemini API を巧みに活用して、パーソナライズされた旅行計画体験を作り出すことで注目を集めました。このアプリは、Gemini の自然言語理解とレコメンド機能を活用して、ユーザーの好みをもとに目的地、アクティビティ、旅程を提案します。Trippy は、AI がどのように旅行計画を強化し、世界を探検するのをよりアクセスしやすく楽しいものにするかを示しています。Trippy の詳細については、Firebase ブログ (英語) をご覧ください。

ベスト ウェブ アプリ : Viddyscribe



ViddyScribe は、視覚障害者の方々がよりアクセスしやすくなるよう、動画に自動的に音声説明を追加するウェブ アプリです。このアプリは、Gemini モデルを使用して文脈的に正確な説明を生成し、視聴体験を妨げることなく動画にシームレスに統合します。ViddyScribe の詳細については、Chrome Developers ブログをご覧ください。

ベスト ゲームアプリ : Pen Apple



Pen Apple は、Gemini Flash モデル を巧みに活用して、ゲームプレイのインタラクションを迅速に解釈して実行するオンライン デッキ構築ゲームです。このゲームは、Gemini の自然言語処理能力を使用して、カードの効果を直接カード名から解釈します。これにより、最小限の開発努力で複雑で創造的なカードが可能になります。私たちは特に、Gemini API がゲームの背景設定、敵、ステージ、さらにはゲームの仕組みに統合される新しいカードの作成にも使用されている点にも感銘を受けました。

ARCore のベスト ユース: Everies (日本)

Everies は、Gemini API と ARCore を活用して、身の周りの物に命を吹き込みます。Gemini の視覚理解と高度なプロンプトを使用して、Everies は物ごとにユニークなスクリプトを作成し、ARCore を使用して顔の特徴を重ね合わせることで、革新的で楽しい方法で物に命を吹き込みます。

Gemini API で未来を構築する

これらのアプリは、さまざまな分野で画期的な問題を解決するための Gemini API の計り知れないな可能性を示しています。Google は、開発者の皆さんが Gemini の能力を活用して、今後さらにインパクトのある革新的なアプリを開発することを期待しています。Gemini を活用した開発を始めるには、Google AI Studio をご覧ください。

Reviewed by Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Google Play













最適化案の種類を CAMPAIGN_BUDGET ã¨ã—て GenerateRecommendations メソッドを使うときには、最終ページ URL や入札戦略などの入力を指定できます。Google の機械学習モデルは、これを使って予算の最適化案を生成します。キャンペーン作成インターフェースを提供している Google Ads API ユーザーは、キャンペーン作成ワークフローに適合する予算を事前設定できます。キャンペーンの予算の最適化では、多くの最適化案の種類と同じく、予測影響指標が提供されます。これは、最適化案に従った場合に、アカウントのパフォーマンスに生じる影響を理解するうえで役立ちます。

その他の最適化案関連の API 機能を確認する

Google Ads API の最適化案は、キャンペーンのパフォーマンスを向上させる方法を提示してくれる機能です。新しいキーワードの追加や入札戦略の更新など、状況に応じた提案を行ってくれます。RecommendationSubscriptionService ã‚’使うと、アカウントで選択した特定の最適化案の種類を自動的に適用することができます。最適化案を直接取得して処理したい場合は、recommendation ãƒ¬ãƒãƒ¼ãƒˆ リソースをお使いください。

最適化案の詳細については、実装ガイドをご覧ください。

本日は、Google Ads API ã® v18 リリースをお知らせします。v18 の機能を使うには、クライアント ライブラリとクライアントのコードをアップグレードする必要があります。更新版のクライアント ライブラリとコードサンプルも公開されました。



主な機能は以下のとおりです。
  • キャンペーン作成時に、GenerateRecommendations ã‚’使って P-MAX と検索キャンペーンの予算の最適化案を取得できるようにしました。
  • 新しい performance_max_placement_view ãƒ¬ãƒãƒ¼ãƒˆã§、P-MAX の広告が配信された特定のプレースメントのパフォーマンス データを照会できます。
  • SearchGoogleAdsRequest ã® summary_row_setting ãƒ•ã‚£ãƒ¼ãƒ«ãƒ‰ã¨ return_total_results_count ãƒ•ã‚£ãƒ¼ãƒ«ãƒ‰ã‚’、search_settings ãƒ•ã‚£ãƒ¼ãƒ«ãƒ‰ã«ç½®ãæ›ãˆã¾ã—た。これにより、SearchGoogleAdsResponse ã§ summary_rowtotal_results_countresults ã‚’返すかどうかをデベロッパーが自由に指定できるようになります。
  • ホテルおよび検索キャンペーンで、campaign ã¨ ad_group ã®ãƒ¬ãƒãƒ¼ãƒˆã«æ–°ã—いセグメントを追加し、都市や国などの特定の目的地に基づいてパフォーマンス データを分割できるようにしました。
  • 検索広告の旅行フィードのサポートを追加しました。これは、新しいクリック タイプ(ClickType.TRAVEL_ASSETS)と新しいアセット タイプ(AssetSetType.TRAVEL_FEED)によって実現しています。
  • DataLinkService.CreateDataLink ã‚’追加しました。これにより、Google 広告アカウントをクリエイター動画にリンクし、パートナーシップ広告を掲載できるようになります。
  • content_criterion_view ã‚’追加しました。ディスプレイ、デマンド ジェネレーション、動画キャンペーンで、キーワード、プレースメント、トピックといったターゲット コンテンツのパフォーマンス指標を返します。
  • AssetType.DISCOVERY_CAROUSEL_CARD ã®åå‰ã‚’変更し、AssetType.DEMAND_GEN_CAROUSEL_CARD ã«ã—ました。
  • AdGroup.exclude_demographic_expansion ã‚’追加しました。これにより、optimized_targeting_enabled ãŒ true の場合に、ユーザー属性の拡張を行わないようにすることができます。以前、この機能はデマンド ジェネレーションでのみサポートされていました。
  • 指定されたローカル サービスのリード会話に通話録音が存在しない場合、PhoneCallDetails.call_recording_url ãŒç©ºã«ãªã‚Š、無効な URL を返さなくなります。
  • 無効なクリックに関連する新しい指標を追加しました。campaign ãƒ¬ãƒãƒ¼ãƒˆã§ç…§ä¼šã§ãã¾ã™。
さらに詳しく知りたい方へ
以下のリソースが役立ちます。ご質問やさらにサポートが必要なことがありましたら、フォーラムからご連絡ください。

すべての新しい Google Ads API ブログ投稿を受信トレイで直接受け取りたい皆さんに朗報です。このブログには、お気に入りの RSS サービスで購読できるカスタマイズ可能な RSS フィードが含まれています。上の URL を RSS サービスに貼り付けるだけで、好きな方法でブログのコンテンツを受け取ることができます。初めて RSS を使う方は、こちらの GitHub コミュニティ リソースを確認しましょう。RSS の仕組みが説明されており、十分なサポートを提供しているサービスの一覧が掲載されています。

興味のある特定のプロダクトだけに絞り込むこともできます。以下は、このブログでサポートするプロダクトの RSS フィードへのクイックリンクです。

Posted by Thanet Knack Praneenararat - Ads Developer Relations Team

2024 å¹´ 10 月 16 日より、検索とディスプレイのレポートに関する変更のロールアウトを開始します。この変更により、キャンペーンを対象とした Google Ads Query Language(GAQL)のクエリで、advertising_channel_type ãŒ DISPLAY ã¾ãŸã¯ SEARCH ã§ã‚ã‚Š、そのクエリにフィールド segments.asset_interaction_target.assetまたは segments.asset_interaction_target.interaction_on_this_asset  ãŒå«ã¾ã‚Œã‚‹å ´åˆ、GAQL クエリのすべての指標で値 0 が返されるようになります。


今この変更を行う理由は、今後のリリースでのレポートデータの正確性を保証するためです。ご質問やサポートが必要なことがありましたら、Google Ads API ã‚µãƒãƒ¼ãƒˆãƒšãƒ¼ã‚¸ã§ã”連絡ください。


Posted by Thanet Knack Praneenararat - Ads Developer Relations Team

この度、Google Ads API ã® v17_1 リリースをお知らせします。v17_1 の一部の機能を使用するには、クライアント ライブラリとクライアントのコードをアップグレードする必要があります。更新版のクライアント ライブラリとコードサンプルも公開されました。このバージョンには、互換性のない変更はありません。

主な機能は以下のとおりです。
さらに詳しく知りたい方へ
以下のリソースが役立ちます。
ご質問やさらにサポートが必要なことがありましたら、フォーラムからご連絡ください。


Posted by Thanet Knack Praneenararat - Ads Developer Relations Team



これは、Gemma が言語や文化の違いを乗り越えて、さまざまな状況に対応できる可能性を示しています。このプロジェクトを含めて、Gemma の言語機能をさらに強化し、世界中の開発者のみなさんに提供できるよう取り組んでいます。


Gemma for Japan

本日、東京で開催された Gemma Developer Day で、日本語版  Gemma 2 2B を公開しました。Gemma 2 と比較して、優れた文章力と、指示内容を的確に理解し反映する能力など、全体的な品質が向上しています。本モデルと併せて、トレーニングガイドも公開し、世界中の開発者が Gemma を他言語に適応させるための実践的な例として支援をしてまいります。

日本語版 Gemma 2 2Bは、自社評価において、 GPT-3.5 を上回るパフォーマンスを発揮し、モバイル端末での高速でスムーズな処理能力や日英両言語における高い品質を維持しています。この優れた結果は、モデルのサイズを考慮すると、Gemma モデルが英語以外の言語でも高い性能を発揮できることを示すものと考えています。


AI リサーチへの支援

オープンモデルの世界は、私たちだけの力で成り立っているわけではありません。継続的な進歩と革新を推進するのは、コミュニティの力です。そのため Google は、 TPU Research Cloud プログラムや Google Cloud クレジットなどのプログラムを通じて、研究者の皆さんにコンピューティング リソースを提供できることを嬉しく思います。

また東京科学大学 情報理工学院 情報工学系の岡崎直観教授らの研究チームと協力し、日本におけるオープンモデルの開発支援、および、新しい技術の開拓への取り組みも進めます。


“Google の Gemma シリーズはコンパクトな大規模言語モデルであるにも関わらず、日本語と英語の能力をバランスよく備えています。多言語に強い Gemma の能力を活かしながら、日本の文化や知識に関する能力を引き上げる方法について、Google と一緒に取り組めることを楽しみにしています。”

岡崎直観 教授 - 東京科学大学


開発者コミュニティに参加できることを光栄に思い、研究機関の皆様とこの先も取り組みを続けていくことを楽しみにしています。


Kaggle でグローバル コミュニケーションを解き放つ

私たちの目標は、言語に関係なく、すべての人が Gemma にアクセスし、AI による革新的なサービスを享受できるようにすることです。その目標を達成するひとつの取り組みとして、 Kaggle コンペティションを開催しています。ぜひ日本の開発者の皆様にもご参加いただき、多言語向けの Gemma モデルの構築にご参加ください。


開発者のみなさまの力が、言語間の障壁を取り払い、世界中の人々をつなぎます。 私たちは、開発者 コミュニティとの密な連携を継続し、ともに、日本の AI の未来を形作っていきたいと考えています。

Posted by Tris Warkentin - Director, Google DeepMind and Tamao Imura - Google Developer Marketing Manager, Japan


Google Cloud は、10 月 24 日 (木) にインフラエンジニアのためのイベント、「 Generative AI Summit Tokyo '24 Fall」を 開催します。

生成 AI はいよいよ「社会実装」へ移行しつつあります。

企業はますます生成 AI 技術を活用し、顧客体験の向上やプロセスの自動化、新しい製品やサービスの開発など、さまざまな分野での活動に取り組んでいます。生成 AI の技術革新は、競争力の向上やイノベーションの促進に貢献し、ビジネスの成長に寄与しています。

本イベントでは、「Gemini」、そして「Vertex AI」について、お客様の事例を中心に具体的な活用方法をご紹介します。これらのサービスは、ビジネスの成長やイノベーションを加速させるための非常に強力なツールです。実際の導入事例や成功事例を通じて、参加者の皆様に生成AIをどのように活用するか、その可能性を理解いただければと思います。

今回は現地会場参加者に抽選でオリジナル T シャツをプレゼントいたします。
(※ T シャツのプレゼントには諸条件がございます。詳細は Webサ イトをご覧ください)

ぜひ、 Generative AI Summit Tokyo '24 Fall にご参加ください。


■ 開催概要

日時 : 10 月 24 日(木)11:00 - 18:30

開催方法 : ハイブリッド(ベルサール渋谷ファースト / オンライン配信)

会場 : ベルサール渋谷ファースト

詳細・お申し込みはこちら 

※ プログラムは変更になる可能性がございます。最新の情報は上記 Web ページにてご確認ください。


【お問い合わせ】

Google Cloud イベント事務局

Email :  [email protected]

#gc_genai

米国国立標準技術研究所(NIST)が、ポスト量子暗号(PQC)の 3 つの最終標準を公開しました。これは、公開鍵のカプセル化と 2 種類のデジタル署名を扱うものです。2016 年から続いてきたこの取り組みの成果は、標準の開発に向けた重要なマイルストーンであり、今後長年にわたってインターネットの情報の安全性と機密性を保つことになるものです。

ここでは、PQC とは何か、Google が PQC をどのように利用しているか、そして他の組織はこの新しい標準をどのように採用できるのかについて簡単に説明します。PQC と標準化プロセスにおける Google の役割の詳細については、Cloud の CISO である Phil Venables が 2022 年に投稿した内容もご覧ください。

PQC とは何か?

暗号化は、インターネットで情報の機密性と安全性を維持するうえで、中心的な役割を果たします。現在、最新のブラウザでは、ほとんどのインターネット セッションが暗号化されているので、転送中のデータを盗聴したり改ざんしたりすることはできません。デジタル署名もオンラインの信頼性にとって重要な要素であり、プログラムが改ざんされていないことを証明するコード署名や、オンライン ID を確認する信頼できるシグナルなどに使われています。

現在の暗号化技術が安全なのは、「暗号を解読する」ために莫大な計算能力が必要になり、現在や近未来のコンピュータではとても対応できないからです。残念ながら、この状況が永遠に続くわけではありません。実用的な大規模量子コンピュータが登場するのはまだ何年も先のことですが、コンピュータ サイエンティストたちは、暗号解読可能量子コンピュータ(CRQC)が既存の非対称鍵暗号を破れることを何十年も前から知っていました

PQC では、そのリスクを防ぐために、標準を定義し、従来のコンピュータと量子コンピュータの両方による攻撃に対抗できる新しいアルゴリズムを共同実装する取り組みが行われています。

ポスト量子暗号の利用や準備に、量子コンピュータは必要ありません。本日 NIST が公開したすべての標準は、現在利用されている従来のコンピュータで動作します。

暗号化はどのようなリスクにさらされているのか?

CRQC はまだ存在しませんが、現在使われているデバイスやデータは、今後影響を受ける可能性があります。すでに存在するリスクとして、以下のようなものが挙げられます。

  • 保存データStore Now, Decrypt Later ã¨å‘¼ã°ã‚Œã‚‹æ”»æ’ƒã§ã¯、攻撃者は取得した暗号データを保管しておき、まだ構築されていない量子コンピュータの助けを借りて、後ほど復号化を行います。
  • ハードウェア プロダクト: 将来の攻撃者は、デジタル署名を偽造することで、使われ続けている量子以前のデバイスに危険なファームウェアやソフトウェア アップデートを埋め込もうとする可能性があります。それを防ぐ防御策を講じる必要があります。

CRQC 関連のリスクについて詳しく知りたい方は、PQC 脅威モデルについての投稿をご覧ください。

組織は PQC への移行に備えるために何ができるか?

多くの場合、新しい暗号化アルゴリズムに移行するプロセスには時間がかかります。この点は、広く使用されている暗号システムに影響を与える脆弱性がある場合でも同様です。新しいテクノロジーへの移行を完全に終えるには、組織的、物流的な課題を克服する必要があるからです。たとえば NIST は、2011 年に SHA-1 ハッシュ アルゴリズムを非推奨としましたが、段階的廃止は 2030 年までに終えることを推奨しています。

そのため、容易に PQC に移行できるように、PQC と関係のないところも含め、組織の準備態勢を改善する措置を今すぐ講じることが重要です。

この æš—号アジリティ ã®ãƒ™ã‚¹ãƒˆ プラクティスは、すぐにでも実施できます。

  • 暗号の棚卸し: 組織がどこでどのように暗号化を利用しているかを理解しておきます。たとえば、どの暗号化アルゴリズムが使われているかを把握します。また、鍵マテリアルを安全に管理することも重要です。
  • 鍵のローテーション: 新しい暗号システムでは、サービスを停止することなく新しい鍵を生成し、本番環境に移動できる必要があります。バックアップからのリカバリをテストするのと同じく、鍵のローテーションを定期的にテストするようにします。これがなければ、優れたレジリエンス計画とは言えません。
  • 抽象化レイヤTink などのツールを使用することができます。Tink は、Google の多言語クロスプラットフォーム オープンソース ライブラリであり、専門家でなくても簡単かつ安全に暗号を利用したり、大規模なコードのリファクタリングをせずに暗号化アルゴリズムを切り替えたりできるように設計されています。
  • エンドツーエンドのテスト: PQC アルゴリズムには、さまざまな特性があります。公開鍵、暗号テキスト、署名は特に多様です。スタックのすべてのレイヤが期待どおりに動作することを確認する必要があります。

私たちの 2022 年の論文「Transitioning organizations to post-quantum cryptography」(組織のポスト量子暗号への移行)には、組織が移行に向けて準備することに役立つその他の推奨事項が記載されています。また、こちらの Google セキュリティ ブログの最近の投稿では、暗号アジリティと鍵のローテーションについて詳しく説明しています。

PQC に向けた Google の取り組み

Google は以上のリスクを真剣に受け止めており、複数の面で対策を講じています。Google は、2016 年に Chrome で PQC のテストを開始し、2022 年以降は PQC を利用して社内通信を保護しています。2024 å¹´ 5 月には、PC 向けの Chrome で、TLS 1.3 と QUIC 用の ML-KEM をデフォルトで有効化しています。ML-KEM は、Google のサーバー群でも有効化されています。PC 版 Chrome と、Cloud Console や Gmail といった Google プロダクトとの接続は、すでに試験運用的なポスト量子鍵交換で保護されています。

Google のエンジニアは、NIST が公開した標準や ISO が作成した標準に貢献しており、Trust ExpressionsMerkle Tree Certificatesハッシュベースの署名状態管理といったインターネット ドラフトを IETF に提出しています。Tink ã¯、安全で使いやすい暗号 API を提供する Google のオープンソース ライブラリであり、すでに C++ に試験運用的な PQC アルゴリズムを提供しています。私たちのエンジニアは、パートナーと協力しながら、Google などで利用できる正式に検証された PQC 実装の作成にあたっています。

Google は、自社の PQC 移行を進めつつ、Android、Chrome、Cloud などの Google サービスの PQC アップデートを続けていきます。


Posted by Eiji Kitamura - Developer Relations Team