決済処理を行う際に、ユーザーの操作や一定のリスクシグナルに基づいて追加の認証手段を義務づける手法をステップアップ認証(略して「ステップアップ」)と言います。例として、ユーザーを 3D セキュアにリダイレクトして取引の認証を行うことが挙げられます。これにより、詐欺や支払拒否の可能性を下げることができます。次の図は、取引にステップアップが必要な場合に処理内容を決定するおおまかなフローを示しています。
図 1: ステップアップが必要な場合は、取引を認可に送る前にリスクエンジンを起動する
状況により、取引の際に Google Pay API は次のどちらかの応答を返します。
追加でステップアップや認証を行うことなく処理できる承認済みのペイロード。たとえば、ユーザーが決済用のカードを Google Wallet に追加する場合。この場合、発行銀行によるユーザーの本人確認が完了している。
3D セキュアなどの追加の認証手段が必要なクレジットカード番号(PAN)。たとえば、Chrome の自動入力に保存してある決済カードで購入する場合。
サイトでパスキーを動作させるには、デベロッパーが WebAuthn API を使ってサイトにパスキーのサポートを組み込む必要があります。私たちは、Apple や Microsoft をはじめとする同じ業界の企業、FIDO Alliance のメンバー、W3C と協力し、何年もかけて安全な認証標準の検討を進めています。
私たちの目的は、ウェブで可能な限りユーザーの安全を守ることです。そのため、パスキーがもたらす未来に期待を寄せています。Chrome がパスキーに対応したのは大きな節目ではありますが、これで作業が終わるわけではありません。このテクノロジーがさまざまなサイトで広く採用されるには、まだ時間が必要です。iOS と Chrome OS でパスキーを利用できるようにするための作業も進行中です。移行が進む今後も、パスワードは私たちの生活の一部であり続けるので、Google パスワード マネージャーを通じて通常のログインの安全性と利便性を強化する作業も続けてまいります。
Rose さんは、GDSC リードとして、メンバーが GDSC Solution Challenge に参加することを積極的に促しました。彼女は Solution Challenge への提出を最終目標ではなく、出発点として見ていました。この積極的な姿勢が功を奏し、GDSC Waseda から 4 チームがプロジェクトを提出しました。そして、機械学習を使ったモバイル安全アプリ mimi4me チームが、日本で初めて世界トップ 50 入りを果たすことになりました。受賞後、mimi4me チームはこのソリューションをさらに拡大し続け、アプリを Google Play で近日公開する予定です。
Mini Solution Challenge の受賞チームに証書を手渡す Rose Niousha さん(日本、東京)
また、GDSC Waseda は Solution Challenge 後に Mini Solution Challenge というイベントを開催しました。すべてのチームが提出したソリューションについてプレゼンし、イベント参加者が気に入ったプロジェクトに投票しました。
そして、GDSC Waseda の別の学生チームは、GDSC の経験を活かし、GDSC Keio(慶應義塾大学)の学生と合同で e コマースのスタートアップ企業を設立しました。
これまでの成果を振り返る
Rose さんは、Google 関係のネットワークや LinkedIn などのツールを通して IT 業界で活躍しているたくさんの女性たちと交流するようになりました。国際女性デー(IWD)月間には、何週間も前からイベントの企画をし、何度も講演者と打ち合わせをしながら準備を進めました。IT 業界で活躍している現役女性エンジニアによる有益なセッションを通して、GDSC Waseda に参加し、IT 分野に興味を持つ女子学生が増加しました。現在、GDSC Waseda は、メンバーの男女比が同等の多様なコミュニティを持つことを誇りに思っています。
Rose さんは次のように語っています。「GDSC リードという役割に就くことで、信じられないようなチャンスが生まれました。私の活動の大きな目標の 1 つは、この GDSC コミュニティを通して IT 業界でのジェンダーの壁を打ち破ることでした。そこで、国際女性デー(IWD)月間に積極的にイベントを開催しました」
Rose Niousha さんと、Google デベロッパー コミュニティ プログラムのグローバル責任者を務める Erica Hanson(米国、ニューヨーク州ニューヨーク シティ)
WTM アンバサダーとしてインクルーシブな未来を築く
Rose さんは、Google ジャパンでコミュニティ マネージャーを務める Reisa Matsuda と協力し、多様で包括的なコミュニティを構築するという彼女の情熱を育みました。その過程で、Women Techmakers(WTM)プログラムについての話を聞き、このプログラムが提供するさまざまなメリットを活用することを勧められました。助言や指導を受けた Rose さんは、GDSC リードになって間もなく、アンバサダーとして Women Techmakers(WTM)にも参加しました。
Google の Women Techmakers プログラムは、テクノロジー業界の女性たちに就業サポートやコミュニティ、学習資金を提供しています。Women Techmakers アンバサダーは、コミュニティに影響を与え、すべての女性がテック業界で活躍できる世界を作ることに情熱を燃やすグローバル リーダーです。
Xtrinsic は、メンタルヘルスの研究と治療のためのアプリで、個人の習慣やニーズに合わせて周囲の環境を調整します。このアプリで目指したのは、ウェアラブル デバイスと TensorFlow を活用して日中や夜中のストレスを検出し、乗り切れるように行動を提案することです。Android、アシスタント / Actions on Google、Firebase、Flutter、Google Cloud Platform、TensorFlow、WearOS、DialogFlow、Google Health Services を利用しており、Alexander Monneret さん、Chikordili Fabian Okeke さん、Emma Rein さん、Vandysh Kateryna さんが構築しました。
「これを思いついたのは、私たち自身がメンタルヘルスの問題を経験したからです。チームのメンバーのうち 2 人が、最近起こったシリアとウクライナの戦争によって直接的な影響を受けました。そして、私たち全員がパンデミックの際にメンタル ヘルス不調を経験し、その困難を通じて難しい状況を克服し、前向きであり続ける方法を学びました。そのノウハウと Google のテクノロジーがあれば、状況を変え、世界をより良くできると信じています」
Zero-zone - 韓国、淑明女子大学校
国連の対応する持続可能な目標 : #4: 公正な教育、#10: 不平等の是正
Zero-zone は、耳が不自由な人々の積極的なコミュニケーションや、読唇術を練習するサポートを行います。活用しているツールは、Android、アシスタント / Actions on Google、Flutter、Google Cloud Platform、TensorFlow です。この仕組みを構築したのは、DoEun Kim さん、Hwi Min さん、Hyemin Song さん、Hyomin Kim さんです。
Google for Startups Accelerator Class 5 では、Google の社員や外部のアドバイザーが、メンタリング セッション、ワークショップなどを通じてスタートアップの成長を支援します。 このプログラムは、デジタルを通じて日本経済・社会の活性化に貢献し、今後スケールする将来性があるスタートアップを対象にしています。
Google 社員と外部によるメンター制度 : Google Cloud、Google Ads チームをはじめとする、さまざまなチームのエキスパートからのアドバイスや Google のテクノロジーや製品、サービス、さらに人的ネットワークを活用する機会を提供します。ベスト プラクティスの共有に加え、企業や製品に関する大枠の戦略策定サポートも提供しています。