Daydream Labs では、VR を使ったソーシャル インタラクションの実験を行っています。実際の現実世界と同様に、VR の中でも、人は本質的に誰かと何かを共有したり、つながりを感じたいものです。Daydream Labs のデベロッパーやデザイナーは、楽しく簡単に使えるソーシャル エクスペリエンスを構築できることを楽しく思っています。しかし、関わるすべての方にとって安全で快適であることも同じくらい重要です。昨年を通して、人々を好意的なソーシャル エクスペリエンスに向かわせるいくつかの方法がわかってきました。

明確なソーシャル ルールがなければどうなるか

人々は VR エクスペリエンスの限界に興味を持っており、それを試したくなるでしょう。たとえば、マルチプレイヤー型のアプリやゲームに参加した人は、手が他人の頭を通り抜けるかどうか、別のアバターの体の中に立つことができるかどうか、といったことに疑問を抱くかもしれません。たとえ悪意がなかったとしても、こういった行動によって他の人々は危険を感じたり、不快な思いをするかもしれません。
たとえば、HTC Vive 向けに作った買い物の実験があります。この実験では、2 人の人がバーチャル店舗に入り、いろいろな帽子、サングラス、アクセサリーを試着することができました。仮想アクセサリーの配置方法や配置場所には何の制限もなかったため、友人の目のすぐ前など、帽子がくっつくことができるあらゆる場所にくっつけようとする人がいました。これでは、視界が妨げられて不快な思いをすることになってしまいます。コントローラを使って目から帽子を取り除くことができなければ、ヘッドセットを外して VR 体験を終了するしかなくなります。



ユーザーの安全性の確保

VR では、すべての人が安全で快適であるべきです。他人のアクションが予想できれば、否定的なソーシャル活動が始まる前にそれを思いとどまらせることができるかもしれません。たとえば、それぞれのユーザーのまわりに個人スペースを作成することによって、他人が個人スペースに侵入してくることを防ぐことができます。

実験で、ポーカーゲームをする場所を作成し、荒らし行為を思いとどまらせる新しい方法を試しました。誰かがポーカー卓を離れた場合、その人の環境は白黒になり、アバターは他のプレイヤーの視界から消えます。個人スペースを青く光るバブルによって示すことで、席に戻る方法がわかるようにしました。これによって、プレイヤーが相手に近づいてチップを盗んだり、個人スペースに侵入することを十分防げることがわかりました。




好意的な行動に対する報酬

たとえば、ハイタッチ 🙌 のような好意的な行動をとってもらうには、インセンティブを与えてみるとよいでしょう。ある実験で、2 つの別のアバターがお互いの手にすばやく「触れる」ことを検知しようと試みました。その際に大きな音を出し、花火のアニメーションを表示しました。これはシンプルなものですが、とても好評でした。一方で、アバターの体を殴るなど、これより攻撃的なことをしても、何も起こらないようになっています。どちらの動作が人々に好まれるかは想像できるでしょう。




Posted by Takeshi Hagikura - Developer Relations Team



はじめは、ドラムスティックが手による直接操作より効率的であるかどうか懐疑的でしたが、結果は驚くべきものでした。ドラムスティックによるタイピングはレーザー ポインターによるタイピングより速いだけではなく、実に楽しいものでした。1 分あたりの単語数を記録するゲームも作成しました(私は 1 分に 50 個でした)。

Daydream Labs は、まだ始動したばかりです。この投稿は、私たちが実験から得た知見を公開するシリーズの第一弾です。私たちが VR のインタラクション、没入感、およびソーシャル デザインについて得た知見の詳細は、Google I/O の動画でご覧いただけます。


Posted by Eiji Kitamura - Developer Relations Team