ウェブ全体の平均で、イメージはページの
全データ量の 64% を占めています。つまり、効果的に最適化するには、イメージを対象にするとよいということになります。
イメージの最適化は、通信に必要なデータ量を削減する効果的な方法です。Google AMP Cache は、
PageSpeed モジュールと
Chrome データ圧縮で利用されているイメージ最適化スタックを使っています(この変換を行うために、Google AMP Cache は「Cache-Control: no-transform」ヘッダーを無視している点に注意してください)。サーバーに
PageSpeed をインストールすると、サイトは元のイメージに対して同じ最適化を行うことができます。
以下に、私たちが行った最適化の概要を示します。
1)見えない、または見えにくいデータを削除する
サムネイルや位置情報メタデータなど、ユーザーに見えないイメージデータを削除します。画質とカラーサンプルが必要以上に高い JPEG イメージでは、そのレベルを下げます。厳密に言えば、JPEG 画質を 85、カラーサンプルを 4:2:0(4 ピクセルごとに 1 つのカラーサンプル)に減らします。JPEG 圧縮イメージでは、これより画質が高い、またはカラーサンプルが多い場合、データ量は増えますが目視ではほとんど違いがわかりません。
データ量を減らしたイメージデータは大幅に圧縮されます。以上の最適化によって、ユーザーの見た目には影響を与えずに 40% 以上のデータ量を削減できることがわかりました。
2)イメージを WebP 形式に変換する
特定の画像形式では、モバイルと親和性が高まります。
WebP がサポートされているブラウザの場合、JPEG を WebP に変換します。この変換によって、画質を変えずにさらに 25% 以上のデータ量を削減できます。
3)srcset を追加する
「srcset」が含まれていない場合は追加します。これは、「src」属性が存在し、「srcset」属性が存在しない「amp-img」タグに適用されます。この操作では、「amp-img」タグを拡張するとともに、イメージを複数のサイズに変更しています。これによって、画面が小さい端末でさらにデータ量が削減されます。
4)状況によって画質の低いイメージを利用する
ユーザーが望む場合や、ネットワークが非常に遅い場合には、(後述の AMP Lite の一環として)JPEG イメージの画質を下げます。たとえば、
データセーバーをオンにしている Chrome ユーザーに対して、JPEG イメージの画質を 50 に下げます。この変換によって、さらに JPEG イメージのデータ量を 40% 以上削減できます。
次の例は、
最適化前(左)と
最適化後(右)のイメージを示しています。元のイメージは 241,260 バイトでしたが、1、2、4 の最適化を行った後は、25,760 バイトになっています。最適化後もイメージはほとんど同じに見えますが、データ量の 89% が削減されています。
低速ネットワーク向けの AMP Lite
世界では、多くのユーザーが低速な接続や RAM の少ない端末でインターネットにアクセスしています。しかし、AMP ページの中には、このように帯域幅が厳しく制限されたユーザー向けに最適化されていないものもありました。そのため、Google は AMP Lite を立ち上げ、このようなユーザーのためにさらに AMP ページのデータ量を削減することにしました。
AMP Lite では、イメージに対して前述のすべての最適化を行います。特に、画質レベルは常に低いものを使用します(上記の 4 つ目の項目を参照)。
さらに、
amp-font タグを使って外部フォントを最適化し、外部フォントがキャッシュ済みかどうかにかかわらずページが即座に表示されるように、フォント読み込みタイムアウトを 0 秒に設定します。
AMP Lite は、ベトナムやマレーシアなど、いくつかの国の帯域幅が限られたユーザーや、全世界の RAM が少ない端末所有者のために提供されています。イメージによっては、これらの最適化によって細部が変わってしまう場合もある点に注意してください。ただし、広告など、ページの他の部分には影響しません。
* * *
上記のすべての最適化を組み合わせると、
合計 45% のデータ量を削減できます。
私たちは、今まで以上に高速な AMP を提供するために、ユーザーがさらにデータを効率的に利用できるようにしたいと考えています。
Posted by
Yoshifumi Yamaguchi - Developer Relations Team