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一知半解なれども一筆言上

山本七平マンセーブログ。不定期更新。

イージス艦の事故と「危険予測力の欠如」

イージス艦の事故も、どうやら大臣の去就にまで発展しそうな勢いですね。
なにやらマスコミの報道や護憲派のブログなど見ていると、自衛隊に対する憎しみの様なモノを感じてしまうのは私だけではないのではないでしょうか。

私もネットサーフィンしていて初めて知ったのだが、過去にこうした事故↓が起こっていたことを知っている人がどれだけいるだろうか?

玄界灘漁船「第18光洋丸」沈没事件と水産庁取締船「からしま」衝突事件とは?

この事故の報道と、今回のイージス艦の事故報道との間にはすごい落差がありすぎる。「日本人の身内に厳しい姿勢」を考慮しても、こうしたマスコミの姿勢には不信感を抱かざるを得ないし、マスコミ報道を鵜呑みにしてはならないと思う。

ところで、「逆説の日本史井沢元彦著)」シリーズをご存知の人も多いと思いますが、今回のマスコミの報道姿勢や護憲派の態度を見ていると、昔読んだ井沢氏の主張を想起せざるを得ませんね。

井沢氏の主張を簡単に要約すると以下のとおり。

1.日本人は、ケガレ(穢れ)信仰を持っている。
2.ケガレ信仰は、「差別」を生む。
3.死のケガレ(死穢)に触れる職業(皮革職人から兵士まで)は、差別される。

つまり、「護憲派」の人々が、自衛隊をまともな存在として認めようとしないのも、この「ケガレ信仰」に基づくものであり、自らの”ケガレ信仰に無自覚なまま”自衛隊を差別していると、井沢氏は指摘しているわけなのですが、激しさを増すばかりの自衛隊バッシング報道等を見ていると、改めてこうした「差別」が底にあるんだろうなぁと感じてしまうわけです。

まあ、今日の本題はそのことではないので、これ以上、ケガレ信仰については書きませんが、興味のある人はぜひ「逆説の日本史4/ケガレ思想と差別の謎」を読んでみましょう。

今日は、イージス艦の事故に絡めて「危険予測力の欠如」について考えてみたい。

今回の事故は、イージス艦と漁船の双方が、予想される危険をきちんと予測していればまず起きなかったはずですなんですね。ところが、実際にはこうした悲劇が起こってしまった。

もちろん、海自側は国防を担うプロなのですから、仮に漁船側に過失があったとしても避けることのできる危険回避がとれる状態でいるべきでした。

ところが、実際には、前回の記事で引用した西村氏の指摘にもありますが、


この度のイージス艦も、自艦の損失は即我が国防衛体制の破綻であると認識し、自艦へのあらゆるものの接近に神経を研ぎ澄まし、接触など断じてありえないという体制

この体制が整えられていなかったことを事故により見事に露呈してしまいました。この点において海自は一点の弁明も出来ないのは明らかで、非難されてもしようがないでしょう。

一方漁船の方も、適切な回避行動がとれるはずなのに取らなかったのはなぜなのか?操船していた2人とも行方不明となっているので真相はわかりませんが、他の漁船が回避できたのですからこちらにも当然いくばくかの過失はあったはずです。(もちろん、漁船側に過失があったということで海自の責任が軽くなるわけではありませんヨ)

そこで、今日の主題に入りますが、そうした海自の”たるみ”の原因を、西村氏は、危機管理体制を整備しない「政治の不作為」に求めていますが、果たして原因はそれだけなのでしょうか?
それよりもっと、海自側・漁船側に共通する根源的な原因があるのではないかと私は思うのです。

基本に忠実であれば起きないはずのミス。そうしたミスによって起きる信じられない事故。
最近、そうした事故のニュースが増えていると感じませんか?

今回の事故に接して、思いだしたのが過去に読んだカムイスペースワークスブログのこの記事。
(このブログは、北海道でカムイロケットを開発している植松先生や永田先生が書いているのですが、示唆に富んでいて考えさせられるブログです。)
私には到底書けないような素晴らしい文章なので、以下長くなりますが引用させていただきます。

だんだん危険が増していく

深くて狭い配管の中で、ガソリンエンジンを使って作業をして、作業者が亡くなってしまう事故が発生しました。
しかし、これは、ありえない事故です。
どう考えたって、作業をする人たちにとって、それは死以外の何者でもないからです。
そんなところでエンジンを使うなんて・・・。
持って入るのも大変だったろうに、苦労して持ち込んだと思います。
それとも、間違いなく死ぬようなことを命令されて、逆らえないのでしょうか?
戦争末期の日本状態?
だって死んじゃうんだよ?嫌だって言えないの?
過労や、長時間勤務とは別次元の話です。
間違いなく、死ぬ選択ですから。
あくまでも憶測でしかありませんが、作業した人たちが、危険性を理解していなかったのかも・・・。

以前、東海村で臨界事故が起きたことがあります。
でも、この場合も、作業をしていた人たちが、危険性をそんなに認識していなかったという報告を読んだことがあります。

東京ディズニーランドでは、年末から立て続けにインシデントが発生しています。
3回インシデントが発生しているから、そろそろけが人が出るかも・・・。

実は、これらのニュースを見ていて心配になるのは、人間の問題です。
社会は基本的に人間の良心や常識に依存しています。
しかし、そういう社会は、人間の良心や常識が欠けると、維持できなくなります。「そんなことするわけないしょ?」ということをする人が増えると、当然、あり得ないような事故が生じます。

最近、軽自動車に軽油を給油してエンジンをダメにしてしまうというトラブルも増えているようですが、これも、従来のドライバーからすれば、ありえない事故です。

以前、工作教室かなにかに、学生さん達が手伝いに来てくれたことがありました。
そのとき、「生まれて初めてカッターを使う。」と言っていた男の子がいました。
正直、見ていて明らかに危険です。
でも相手は20歳を越えています。あんまりとやかくいうのもどうかな・・・と思っているうちに、開始して5分で指を切りました。
まあ、ちょっと刺しちゃった程度なので、安心したのもつかの間、たちまち顔面が蒼白になり、ふらふらしています。しょうがないから、長いすに寝かせました。

カッターを使ったことがない。
怪我をしたことがない。
血を見たことがない。
ないないづくしです。

でも、そういうことは、履歴書に書かれていません。
じゃあ、履歴書には、カッター使用経験の有無や、はさみの使用経験の有無、なんてのも記入してもらうべきなんでしょうか・・・。それも不毛です。

いま、社会で、教育システムや、法律を考えて制定している人たちは、ほとんどみんな、年配です。
そういう人たちは、いまの子ども達とちがう経験を積んでいます。
だから、そういう人たちの常識と、いまの子ども達の常識はちがいます。
だから、年配の人が作るきまりは、いまの子達にとっては、ずれていると思います。

子ども達になにもさせないと、何もできなくなります。
まだはやいから。まだ子どもだから。と言っていると、永久に子どもです。
1発目からうまく行く事なんてこの世にありません。
自分だってそうだったでしょ?1発目でうまく行ってる?
そしてまた、過去の失敗は汚点ではありません。
それは、経験です。
その過去がなければ、いまの自分はいません。
過去に嫌な思いをしたり、辛い思いをしたり、人に迷惑をかけたり、いろんなことをして、いろんな目にあって、そして、いまの自分がいます。
だから、過去の失敗をとやかくいってもしょうがありません。
だいたい、数年で人間の細胞なんて全て入れ替わるんだから、数年前の話をされても、当事者はすでにこの世にいませんね。

おそらくこれから、「ありえない」事故が急増すると思います。
そして、保証や責任の概念が、今以上にゆがむでしょう。
それは偏に、人的資質の問題です。教育の問題です。

昔は、中学校には職人肌の技術の先生がいました。
(いまもわずかにいますけど・・・)
そういう先生は、厳しかったです。
でも、技術に興味のある子は、そういう先生になつきました。
また、家庭科の先生もいました。料理のプロでした。
学校の中に、社会につながるプロがいました。
でもいまはほとんどいません。(私立学校はそういう先生を大事にしているところも多いですけど。)
いまは、「受験対策のプロ(プロでもないか・・)」が、沢山います。
子ども達は、「受験」という価値観の中で生きています。
それ以外を、知りようがありません。関わりようがありません。
せいぜい、コンビニか飲食店、レンタル店でのバイトしかないのです。
職場体験もありますが、すでにかなり不器用で、興味を持たない子達に、させられる仕事はほとんどありません。
「掃除しておいて」と言ったとしても、掃除の仕方まで教えなければいけませんから・・・。ぞうきんさえ絞れないし、洗剤も使えないし、あげくは、手が荒れるだの、水が冷たいだの、汚いだの・・・。

でもね、それは、彼らに経験がないからだけです。
経験さえすれば、みんな能力が高まります。大丈夫なんです。

ムシキングというアニメの中で、本が好きな男の子を亡くしたお父さんが、いつまでもその子の幻影を追う、というような話があります。
お父さんの頭の中のその子は、図書室から一歩も出ずに、毎日本を読んでいることになっています。
ふと思いました。
図書室から一歩も出ずに、図書室にある本の内容をすべて暗記したとしても、それは、自身が本になってしまうのと同じでは・・・?
本に書かれた文字を、心と体を使って現実にするのが、人間の役目では・・・?
ネットで検索した知識しか持たない人間は、ただのネット端末でしかなく、本の知識しか知らない人間は、本でしかありません。
人間は、知識しかない場合には、物体になってしまいます。
人間は、動けるのです。だからこそ、動かないといけません。

知る。だけではダメです。
やる。を伴わないと。


知識とデーターの量だけしか評価されないいまの子ども社会。
スポーツだってあるじゃん!という人もいるかも知れないけど、あれはCPUの演算速度や、液晶画面の解像度、程度のスペックのような気がします。
大事なのは、その知識や運動能力を使って、何をするのか?です。

アポロ計画で使用されたコンピューターよりも、遙かに遙かに高性能なコンピューターを有する僕らは、何をしているのでしょう・・・。
ネットサーフィン? 掲示板への罵詈雑言の書き込み?

世の中がどんどん悪くなっていくと、とても悲しいけど、少しうれしい。
なぜなら、頑張れば頑張るほど、きっと、自分たちが有利になるから。
自分が上がる以上に、まわりが下がると楽です。とても悲しいけど。

子ども達が持つ能力を、ただ押しつぶしてしまうような社会を変えたいです。
有能な人の能力を、ただ押しつぶしてしまうような企業を変えたいです。
日本国は、日本人の能力をいかにして発揮させるかを考えるべきです。
いかに考えさせず、判断させず、ではいけません。

考えることは価値です。
工夫することは価値です。
それを実証していかないといけません。
頑張らなくちゃ。

これからは、遊園地のスリルは、よりリアルになると思いますよ。
くわばらくわばら。

読んでみていかがですか?植松先生の憂国の情が伝わってきませんか?私は彼のブログを読んでいると、「これからの子供たちのために日本を何とかしたい、変えたい」という思いをひしひしと感じます。(余談ですが、こうした先生が活躍すれば日本の未来もきっと明るくなると思うのですがね)

植松先生は、この問題は、最終的に「教育の問題」に帰結すると指摘されましたが、私もそのとおりだと思います。

当然予測できるはずの危険を予測できない。想像力の欠如した人間が増えてしまっている。どうしてそうした人間が増えてしまったのか?植松先生と重なるところもありますが、私も自分なりに理由を考えてみました。

・詰め込み主義の勉強一辺倒で育っているから?
・余りにも過保護だから?
・生活が便利になりすぎて適応能力が衰えているから?
・自分さえよければという風潮が蔓延しているから?
・経験が足りないから?
・技術がブラックボックス化してしまったから?
・システムを作った人たちが続々リタイヤしているから?

う~ん。なかなか思いつかない。難しい(汗)。

やはり、この際、今までの教育のどこに欠陥があったのか見直し、この問題をフォローしていく必要があるのではないでしょうか。この事故をきっかけに、こうした問題も考えてみるべきなのではないでしょうか。

自衛隊の今回の事故は、この問題の現象の一つの表出に過ぎません。

「報告が遅れた」とか
「隠ぺい工作があった」とか
「自衛隊が悪い」など。

これらの追及も大切なことかもしれませんが、「危険予測力の欠如」。これは我々が考えていかなければならない、意外に重要な問題なのではないでしょうかねぇ。


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第272回日本のスイッチ結果発表!

先週の日本のスイッチ投票結果が発表されたので、私の投票結果を公表いたしませう。

●実施期間: 2/18(月)~2/20(水)
●参加者: 31420人↓あなたの答えは■で示されています

1.もし自分が米民主党員なら、1票を入れたいのは□クリントン氏…22%(6922人)■オバマ氏…77%(24260人)

2.また米兵が少女暴行。綱紀粛正繰り返す米軍に□具体策示せ…55%(17424人)■むなしい標語…44%(13896人)

3.自分が18歳の時、選挙権があったらよかったと□思う…20%(6236人)■思わない…80%(25131人)

4.道路財源5億円で何とミュージカルやってたって■言語道断だ…59%(18592人)□もはや笑える…41%(12732人)

5.韓国の南大門の全焼、より責められるべきなのは□放火した個人…59%(18429人)■甘い防火対策…41%(12917人)

6.岩手の蘇民祭、胸毛ポスター騒動で逆に盛況って■結果オーライ…64%(20111人)□喜べない話…36%(11157人)

7.東京マラソン、TV局アナが12人出走して中継は□面白い試み…25%(7968人)■やりすぎの感…74%(23326人)

8.厚着の時に背中かゆくて、柱や椅子の背使うこと□よくやります…25%(7778人)■やりません…75%(23600人)

日本全国にあなたと全問同じ回答の方が……619人いました。
第272回日本のスイッチ

今回はかなり迷う設問だった。自分の答えがない場合が結構多いんだよね~。それはさておき、オバマ氏は日本でも人気があるのがよくわかった。ヒラリー女史ももう風前のともし火って感じだね。
どうでもいいけど、小浜市ってちゃっかりオバマ旋風に乗って、すっかり全国区の知名度になってしまったな。


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イージス艦の事故から思う憲法問題

今日は午後から、風が強くて黄砂もたくさん舞っていましたネ。春一番と言えばなんとなく風情があるが、実態は中国の汚染物質まみれの黄砂か…と考えるとそんな風情も吹き飛んでしまいますな。

最近の話題と言えば、やはりイージス艦と漁船の衝突事故ですね。親子二人を突然亡くしてしまった遺族の悲しみは察するに余りある。ましてや自国の軍隊によって殺されたのだから。ご冥福をお祈りいたします。

さて、今回の事故はどう考えても、海自の過失が大きかったのは間違いないでしょう。昔に比べればようやく自衛隊も日陰者扱いから抜けつつあったけど、こうした事件があるとまた印象を悪くなってしまうのは、残念だが自業自得か。
護衛艦の火災事故といい、今回の事故といい、ちょっとたるんでいるので猛省してもらいたいですね。

ところで、今回のイージス艦の事故を巡る議論で、私が一番考えさせられたのは、衆議院議員西村慎吾氏の主張でした。以下↓転載させていただく。

一隻の漁船に撃沈されるイージス艦

 イージス艦と漁船との衝突で、マスコミ報道が沸騰している。それに応じて、政治の世界でも議論が起こっている。それを観ていて私が感じたことを次に述べておきたい。

 はっきり言って、議論が矮小化されてきている。首相も防衛大臣も、自分への「事故の報告が遅れた」といっている。
 では、午前4時5分、即刻、官邸で寝ている福田さんや自宅で寝ている石破氏をたたき起こして報告すればよかったのか。
そうではないだろう。この二人をたたき起こして何ができたのか。現場海域に変化はない。
 問題は、このような事態に対処できる体制があったのか。その体制に基づいて対処されていたのかということである。
 つまり、海上自衛隊にいざというときの「ROE」(ルール・オブ・エンゲイジメント)、交戦規定とも訳されるルールがあったのかということではないのか。
 
 つまり、イージス艦という世界最新鋭の軍艦を運用する体制を我が国は保有しているのかが問われねばならない。
 突き詰めれば、我が国は「海軍」そして「軍隊」を運用する体制を保持しているのかということである。しかも、この体制を創設する責務は、政治つまり総理や防衛大臣が担っているのだ。
 よって、はっきり言って、軍隊を運用する体制を整えることなくイージス艦を運用していながら、事故が起これば、報告が遅れたと部下を非難しても始まらないではないか。
 午前4時過ぎに、この「おっさん方」が叩き起こされれば、漁民が助かったとでも言うのか。事故直後から起きていましたという言い訳ができたということくらいであろう。
 
 何故、こういう思いを持ったのかと言えば、この二人は、自衛隊は軍隊かと尋ねられれば、「軍隊ではありません」と答える閣僚だからである。石破氏には、かつて安全保障委員会で確認済みである。
 正真正銘軍隊でしか運用できない船を運用する組織の長でありながら、「軍隊だ」と答えることは回避する。しかし、事故が起これば報告が遅いと組織をなじる。まるで、平安朝の公家が、武士に守られながら昇殿は許さず、細かい落ち度だけはなじっているようではないか。
 では、あらゆる不祥事を即座に報告されたら、福田、石破両氏はどうなる。寝られなくなるだろう。アメリカ大統領が夜に寝られるのは、対処する体制があるからである。我が国も同様でなければならない。

 かつて、高校生の演習船「えひめ丸」がハワイ沖でアメリカの原子力潜水艦に沈められた。その時、当時の森総理はゴルフをしていた。そして、国会の委員会での質問は、いつゴルフを辞めて首相官邸に入ったのかということに集中していた。
 私が質問にたったとき、「総理が何時官邸に入ったかなどは、矮小化された議論である。問題は、この事態に対処する体制があったのかということである。」と官房長官に言った。その時の官房長官は今の福田総理であり、ホッとしたように肯いていた。私は、我が国に体制があれば、総理はそれから9番でも18番でもゴルフを続けてよいと思っていた。

う~ん、ごもっとも。確かに指摘されているように、「運用体制に不備」があるのは確かでしょう。ただ、交戦規定というより、直接的には以前の基本技術である「操艦」の問題であるような気もしますが…。まあ、事故の原因というのは「たるみ」なんだろうけど、その「たるみ」が起きた背景には、危機に直面したときにどうするかはっきり決めず曖昧なままにしている事が影響しているような気がします。
どうも、マスコミを始め日本人というのは、不祥事が起きたときに責任者はどう過ごしていたのかを気にしすぎるような気がしますね。そればかりこだわるあまり、肝心の対策がおろそかになってしまう。西村氏の言うように、「矮小化」しないよう一人一人が考えていく必要があるのではないかと思います。

 さらに、もう一つの観点を述べたい。
 イージス艦に漁船が衝突した。イージス艦が漁船を回避できなかったからだ。その結果、漁民の行方がわからなくなった。けしからん。これだけで済ませて良いのであろうか。
 
 この船が、実は漁船ではなく爆薬を満載した漁船に偽装した工作船だったらどうなったのか。
 我が国のイージス艦は、偽装漁船一隻によって撃沈されるということではないのか。
 最高指揮官たるもの、部下を叱るなら、こういう観点からも叱責して欲しいものだ。
 「お前たちは、7トン半の漁船に撃沈されかねないような気の弛んだ状態で国家にとって貴重なイージス艦を操船していたのか」と。
 とは言っても、この場合においても、軍隊であることを否定して、イージス艦を運用させている政治の総責任者には、部下を叱責する資格はないだろう。イージス艦の弛みというより戦後国家の弛み、戦後政治の弛みだ

 かつて、アメリカの空母が、ペルシャ湾で自艦の上空を通過しようとする民間の旅客機を撃墜したことがあった。これに対して、アメリカを非難する国はなかった。空母の上を無断で通過しようとする航空機の方に落ち度があると国際社会が観たからである。ソビエトも、自国領空に無断で侵入しようとする航空機を無警告で撃墜することを常とした。その航空機に核が搭載されているかも知れないからである。
 つまり、このアメリカもソビエトも、最悪の事態を想定してそれを防ぐための措置を躊躇うことなく実行したのである。
 ここに、国家国民を守る国防を担う組織の厳しさ非情さがある
 この度のイージス艦も、自艦の損失は即我が国防衛体制の破綻であると認識し、自艦へのあらゆるものの接近に神経を研ぎ澄まし、接触など断じてありえないという体制で東京湾に向かっていたら、二人の漁師の親子は今頃家で夕餉を食べられたであろうに。
 夫と息子の二人が冷たい海から未だ帰らないご家族の心中を思えば言葉がない。

なぜ西村氏の指摘する「戦後国家の弛み、戦後政治の弛み」という事態が、起きているのだろうか?やはり「戦後冷戦構造のなかで、日本が都合の良いポジションに甘え、自国の防衛について徹底して議論し尽くしてこなかったこと」のツケがたまっているとしか思えない。

なぜ議論を尽くしてこなかったのか?日本人の馴れ合う体質というのも作用している気がするが、やはり、憲法自体がこうした議論を妨げていることは間違いないだろう。問題点を議論していても、いつの間にか「合憲か・違憲か」に焦点が移ってしまい思考がストップしてしまう。

こうした状態に陥らないためには、一度故意に憲法から離れ、現実を直視し、自由に議論してみる必要があるのではないだろうか?護憲派の皆さんには、ぜひ検討してもらいたいと思う。

最後に、イージス艦の事故に関して私があきれた赤旗の記事を一部抜粋して引用しておきましょうか。

漁船を”自爆テロ”扱い 渡辺行革相
渡辺喜美行政改革担当相は19日の記者会見で、海上自衛隊のイージス艦と漁船の衝突事故について、「素人的に考えると、(漁船が)レーダーに映らなかったのか(と思う)。映らない場合もあるそうだが、万が一これが自爆テロの船ならどうするのか」などと、被害者をテロリストよばわりする暴言をはきました。赤旗新聞2月20日(水)2面記事より抜粋

おいおい、なぜそうした解釈にたどり着く??うーん、斜め上の反応だなぁ(笑)レベルの違いがありすぎて…。話にならん。

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黄砂情報は国家機密アル。という国の公正と信義に期待するなんて真っ平ごめんだね。

今日の取り上げるネタはこれ↓

【地球随感】「気象は国家機密」という中国とは 矢島誠司
2月16日付読売新聞夕刊の1面トップ記事には改めて驚いた。「気象は国家機密」「中国、データ提供拒否」という縦見出しと、「黄砂予報、精度かすむ」「運用目前」の横見出しがついた大きな記事だった。
 日本の環境省がホームページ上で今月下旬にもスタートさせる予定だった中国からの黄砂の詳しい飛来予報が、中国側が「気象は国家機密」としてデータ提供を拒否してきたため、精度が確保できない見通しになっている-という内容だった。
 記事によれば、データ提供を拒否してきたのは、中国が「気象観測データは国の安全と利益にかかわる機密情報として、あらゆる気象観測データを国外に持ち出すことを禁じた法律『気象局13号令』を施行した」ためだという。
 中国はさらに、日本の政府開発援助(ODA)の無償資金協力で黄砂観測網を充実させる計画も中止し、日本が提供することになっていた無償資金協力2億5000万円(2006年度)もキャンセルした-という。どうやら本気らしい。
 それにしても、周辺国に迷惑をかけている黄砂に関する情報を、平時においてさえ拒否してくる中国とは、いったいどんな国なのだろうか。
 確かに、気象情報は時と場合によっては重要な軍事機密になりうる。
 筆者は1991年1~3月の湾岸戦争のとき、開戦前から停戦後までの2カ月半ほどイスラエルに滞在し、現地取材にあたったが、日々のテレビニュースで興味深いことを体験した。
 開戦と同時に、イスラエル側が国内の天気予報を一斉に停止したのである。それは停戦が成立する3月初めまで続いた。当時、イスラエルは、フセイン大統領率いるイラクから連日のようにスカッドミサイルを撃ち込まれ、まさに戦時の真っただ中にあった。
 停戦成立後、2カ月半ぶりにニュース番組に戻ってきた気象予報士は、ニュースキャスターから「休養十分でしょう」などとからかわれていたが、「戦時には気象情報は軍事機密になるので放送できなかっただけで、遊んでいたわけではありませんぞ」と反論していた。
 気象情報はこのように、戦時においては大事な機密情報となりうる。軍事行動の判断材料となるからだ。
 日本の例もある。1943(昭和18)年7月に敢行された西アリューシャン列島のキスカ島からの日本軍守備隊の撤収作戦だ。2カ月前のアッツ島玉砕の直後だったが、実に6000人もの将兵の全員無事撤収に成功したのであった。その裏には、作戦当日の濃霧の予報を見事に的中させた気象予報チームの貢献があったとされる。濃霧という気象情報がなければ、連合軍艦隊に囲まれていた日本軍守備隊将兵の全員無事撤収という奇跡は起こらなかった。
 しかし、これらはいずれも戦時においての話である。今回、中国は平時において気象情報の提供を拒否してきた。ということはつまり、中国には「平時」という意識はなく、あるのは「戦時」のみ、常に臨戦態勢ということなのだろうか。中国はいまも、外国人が無許可で中国国内の気象観測をすることを禁じているという。
 だとすれば、国の安全保障にかけるその厳しい姿勢には、学ぶべき点があるというべきかもしれないが、日本はこのような国を相手にしているのだという厳しい認識を持つことも必要だろう。(論説委員)

こういうニュースを聞くたびに、日本国憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」という言葉が、いかに空虚で絵空事に過ぎないか痛感するネ。

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人権擁護法案、その実態は、人権「屋」擁護法案デアル

最近、人権擁護法案を巡る動きがきな臭くなってきてますね。
幾つかネットを漁ってみただけでも、次のとおりありました。それぞれリンク貼りと引用(一部抜粋)&一言ツッコミをしてみました。私が拙い文章を書くよりわかりやすいでしょ。

人権擁護法案 公権力抑止という原点に戻れ(2月18日付・読売社説)
まず、人権侵害の定義があやふやである。「不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」としているが、判断基準が不明確だ。
 その分かりにくい基準で人権侵害の有無を判断するのが、新設する人権委員会だ。差別や虐待の疑いがあると判断しさえすれば、裁判所の令状なしで立ち入り調査などができる強い権限を持つ。こんな“危険”な組織が必要だろうか

読売さんの仰るとおり、全く必要ありません。

【主張】人権擁護法案 再提出の必要があるのか
人権委員会が設置されれば、政治家や学者を含め、一般国民の言論活動が制限される恐れがある。例えば、拉致問題解決のために「北朝鮮への経済制裁」を訴えることが人権侵害とされかねない危険性が指摘されている。【産経新聞】

ムフフ、これでチョッパリをやっつけるニダ!との将軍様の高笑いが聞こえてきそうだ。

【正論】百地章 自由社会を否定する危険性
≪目を疑う「憲法違反」≫
この法案は(1)憲法違反、(2)人権擁護推進審議会答申からの逸脱、それに(3)人権侵害の実態無視、といった重大な問題をはらんでおり、到底これを認めるわけにはいかない。
 まず、この法案が憲法違反であることは、以前(平成17・4・8)本欄でも指摘したとおりである。法案では「人権」や「人権侵害」の定義を明確にしないまま、いわば「一切の人権侵害」を禁止しており、規制の対象は「侮辱、嫌がらせその他の不当な差別的言動」で「相手方を畏怖(いふ)させ、困惑させ、又は著しく不快にさせるもの」から、その「おそれのある者」にまで及ぶ。
 そして人権侵害の告発があれば直ちに、なくても職権で必要な調査が開始される。これでは言論の自由は保障されない。
 それ故、このように曖昧(あいまい)不明確な基準のもと行政権力が言論活動を規制し事前抑制まで行うのは、表現の自由を保障した憲法21条に違反する。
 しかもこれを取り締まる「人権委員会」は、裁判所の令状なしに出頭要請、質問、文書の提出などを強制し、立ち入り検査まで強行できるのだから、令状主義を保障した憲法35条にも違反する

護憲の皆さん、大変だ。憲法の危機ですよ~!(しかし、なぜこの法案について護憲派のブログは余り取り上げないニカ?特亜の人権が保障されるなら万事おkニカ?)

人権擁護法案の核心「パリ原則」とは
パリ原則が示した人権機関は「政府、議会その他の機関」に対し「人権擁護に関する意見、勧告、提案、報告」を行う機関にすぎず、令状なしの家宅捜索など強制権限は認めていない。機関の「独立性」についても「財政的な独立性」をうたっているに過ぎない。

おいおい、本家本元でもそこまでやってねーのに!権力与えすぎじゃ!

人権擁護法案を粉砕しよう!
解同、創価学会、民潭、朝鮮総連、これらとつながる政治家たち。この「くさい連中」が人権擁護法の成立を画策している。
メディアも前回のときは猛烈に反発したが、「メディア条項」が削除されそうな雰囲気なので、今回はまるで他人事のような反応ぶりである。
おそらく、ネット言論が世論を動かすところにまで成長する前に規制の網をかける、この点において「くさい連中」たちと利害が一致するからだろう。【依存症の独り言より引用】

第四の権力マスゴミから見れば、ネットは既得権益を侵す侵略者。当然の反応デアル。

解同の、解同による、解同のための人権擁護法
「人権擁護法」が成立すれば、あなたが「ババァ発言」をしても、「不当な差別」「差別を助長する行為」として人権委員会に処分される可能性があるのだ。
「日本にいる中国人は犯罪者ばかりだ」「ヤクザは同和や在日が多い」「解同は恐怖と威嚇によって甘い汁を吸っている」「大阪や京都、奈良では同和地区出身者が行政に優遇されている」、こういう発言も確実に「不当な差別」「差別を助長する行為」として挙げられる。
差別や偏見は、啓蒙活動によって無くしていくべきなのであって、法によって取り締まるべきものではない。私人間の関係においては、「私的自治の原則」を真っ向から否定するようなことがあってはならない。ただ、どうしても看過できない人権侵害が私人間であったとすれば、それは司法の判断に委ねるべきである。【依存症の独り言より引用】

ガクガクブルブル、これはまさに人権「屋」擁護法案アル。絶対反対アル。

自民党・人権問題調査会は法案反対派が押していたけれど…
藤、古屋、萩生田の各氏が言及している3条委員会とは、国家行政組織法3条に基づく独立行政委員会で、内閣からの独立性が高く、公正取引委員会などがこれに当たります。人権擁護法案では、人権委員会をこの3条委員会と規定し、だれも手が出せないいわば「聖域」化しようとしているため、当然ながらこの点への警戒心が強く表明されたということでしょう。
【国を憂い、われとわが身を甘やかすの記より引用】

法務省の狙いは天下り先の確保でもある。役人は無駄な仕事を作るのがほんとお上手デツネ。

人権擁護法案と山崎拓氏の選挙をめぐる「密約」
ありていに言えば、部落解放同盟と当時の政府・自民党との取り引き・密約があったということです。【国を憂い、われとわが身を甘やかすの記より引用】

そんなとこだろうと思った。一議員の身の保全のために言論の自由が侵されるかも知れんとは…orz


これらを読んで、ヤバイと思った方は、簡単に出来る抗議があるのでぜひ行ってほしい。この法案を推進している自民党の人権問題調査会の太田誠一会長のブログがあるのだが、そのブログでこの人権擁護法案について書かれている記事がある。
今のところ、コメントが182付いている。内容も見てみたが、炎上させようという悪意のあるものは殆どなく、みな真摯な反対意見ばかりだ。私も早速意見を投稿した(ただなぜか反映されていないが…、ひょっとしたらコメント殺到して受付停止しているのかも知れない)。

一言でもいい。単なるヘイトコメントでない真摯な意見を投稿しようじゃないか。言論の自由を守るために!!


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【“人権擁護法案、その実態は、人権「屋」擁護法案デアル”の続きを読む】

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食糧安保に鈍感すぎないか?

今日ネット漁っていて、気になった記事はこれ↓

中国産は意外に危なくない 毒ギョーザ騒動と危険妄想のウソ

(2008/02/15)

中国産ギョーザが引き起こした食中毒事件。世の中は中国たたき一色だが、中国産以外にも危険な食品はある。中国食品を悪者に決めつけるのは、消費者にとって得策なのか。
(週刊東洋経済2月16日号より)

 どうやら“事件”の様相が強まってきた。

 JTの子会社が販売していた中国製商品によって各地で食中毒が引き起こされた毒入りギョーザ問題。当初から「何者かが悪意を持って行った可能性がある」(厚生労働省)と、事件性が指摘されてきた。食品などに潜む化学物質の毒性検査を独自に行ってきたNPO法人「食品と暮らしの安全基金」の小若順一代表も「残留農薬が原因で、これだけ大量の被害者が出ることはない。何者かが故意に行った可能性が高く、極めて特殊なケース」と話す。

天洋食品は「優秀」 中国産より危ない食品

 しかし、世の中は今回の事件を「特殊なケース」とはとらえていないようだ。事件後の報道を見ても、中国食品の危険性をあおる見出しであふれている。一部の外食企業は「中国で最終加工している食品のうち加工度の高い一部の使用を見送る」(すかいらーく)対策を取ったが、「暫定措置」であるにもかかわらず、「『中国製加工食品の使用をすべて中止』など、行き過ぎた報道のされ方をした」(同)と困惑する。

 もちろんホウレンソウやウナギなど中国食品の安全性が、たびたび問題になってきたのは事実。冷凍ホウレンソウの農薬残留をいち早く指摘した農民運動全国連合会・食品分析センターの石黒昌孝所長によれば「中国は水事情が悪く、限られた土地で連作するから農薬使用量も多い」。中国食品に不信の目が投げかけられても仕方のない面はある。

 とはいえ、中国からの輸入食品が他国に比べ際立って危ないことを示す日本国内での“証拠”はない。検疫で見つかった輸入食品の食品衛生法違反を見ると、中国の違反件数は530件と絶対量こそ最大だが、これは輸入量が多いことと検査件数自体が多いため。違反が見つかる確率=違反率を見ると、エクアドルやベトナムなどのほうが高い。中国側が大消費地である日本を重要視していることもこうした背景にはある。

 問題のギョーザを受託生産していた河北省食品輸出入集団天洋食品工場(天洋食品)にしても、「HACCP」や「ISO」といった品質管理の国際認証を取得しており、怪しいメーカーではない。同社から加工原料の一部を調達していた味の素によれば、「調達先を決める際に、品質管理や農薬・異物対策をはじめ詳細なチェックを実施しており、一定水準を満たさなければ取引できない社内規則がある。その評価基準に照らしても、天洋食品は上位に位置する優秀な工場だった」という。

騒動の渦中にある日本生活協同組合連合会についても、「かつては国産以外ダメというスタンスだったが、中国の製造現場に対する理解が深まるにつれ、中国産の採用に動くようになった」と取引のある冷食メーカー関係者は証言する。

 そもそも、感染症の上陸を防ぐために、畜肉類を使用した製品は、日本の農林水産省が指定した工場以外からは日本に輸入できないことになっている。天洋食品が多数の日本企業と取引し、中国当局から検疫フリーの特権を認められていたのも、こうした根拠があってのことだ。

 国会などでは、水際での検疫やメーカーの検査体制が“ザル”だったとの批判も出ている。ただし、検疫のモニタリング検査が輸入全体の1割強というのは「確率論によって科学的に設定した数値」(厚労省)。検査した食品は廃棄する以外なく、「検査比率をむやみに高めれば、消費者が払う末端価格に跳ね返る。検査率を5割(二つに一つ)に高めれば、単純計算で商品価格は2倍になる」(食品業界関係者)。

 今回のギョーザ問題は、「誰かがパンに針を仕込んだとか、自販機の飲料に農薬を入れたとか、日本でかつて起きたのと似たような事件の可能性が濃厚」(食品業界関係者)。それに、日本でも雪印による食中毒事件やミートホープによる食肉偽装など、食の安全・安心を脅かす事件はいくらでも起きている。今回の事件をもってして「中国産だから危険」との結論は導き出せないはずだ。

 にもかかわらず、中国産に対する世間の拒否反応は強まる一方なのが現実だ。今回の事件が起きる以前でも、実際に中国からの生鮮野菜輸入は昨年減少に転じた。米国でも似たような動きは確かにある。昨年、中国産原料を使ったペットフードを食べた犬やネコが相次ぎ死亡したことで、中国産原料を使用していないことを宣伝材料に使う「チャイナフリー」が流行になった。

 しかし、日本の食料自給率は4割。「チャイナフリーを言い出したら、何も食べられない。食品の値段だって急騰する」(前出の小若氏)との声も聞かれる。食品メーカーが冷食の海外生産を強化したのは1990年前後、「バブル期以降、工場の人手が確保できなくなったことも大きな要因」(大手冷食メーカー幹部)とされる。「食料自給率を上げる以外に抜本策はない」との意見もあるが、仮に国産食材を増産するとして、それを誰が、どこで加工するというのか。そして、確実に上がるコストは誰が負担するのか。少なくとも今回のギョーザ事件は、中国バッシングだけで済む話ではない
(週刊東洋経済:長谷川高宏)


何かまあ、中国擁護必死で怪しげな記事ではあるけれど、食糧自給率4割切っているというのは本当にヤバイ!!確かに中国をバッシングして済む話ではない。この点について我々日本人は余りにも軽視しているとしか思えない。

我が師匠の山本七平先生も食糧の重要性は著書のあちこちで述べているのだが、「ある異常体験者の偏見」の中から、一部省略しつつ紹介したい。

史上の多くの「敗戦」や「無条件降伏」を探っていくと、その原因が実は「飢え」すなわち食糧であったという冷厳なる事実にわれわれは気づくのである。(~中略~)
世界はすでにこの冷厳な事実をはっきり計算に入れていると私は思っている。軍備とは何か、それは食糧だという事実を。すなわち兵を動かさずとも、食糧を動かすだけ、あるいはとめるだけで、そして必要とあらば燃料をも止めれば、それだけで一国を「無条件降伏」させうることは、すでに現実の計画として立案されていると私は考えている。(~中略~)
われわれは、「食糧・燃料を含めた軍備」という点で、手段方法なき状態におかれているのである。武器を並べ立てても、それは気休めに過ぎない。そしてこの客観的状態は、もちろん憲法を改正したからって変化するわけではない。


かつての日本軍はこの点を非常に軽視した。振り返ってみて現在の我々はかつての軍部と同じ認識ではないのだろうか?これで戦前を反省したと言えるのだろうか?


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グリーンピースは、こういった問題に取り組めばええのに…

今日の気になった記事はこれ↓

サンゴの白化 「日焼け止め成分」一因 伊チーム、観光客増に懸念

FujiSankei Business i. 2008/2/18

 日本を含めた多くの国で日焼け止めに使われている成分が、ごく低濃度でもサンゴに共生する「らん藻」を殺し、サンゴの白化の一因になっているとの実験結果を、イタリア・マルケ工芸大の研究チームがまとめた。日焼け止めとサンゴの白化との関連が実証されたのは初めてという。

 白化が長引くとサンゴが死ぬことがあり、チームのロベルト・ダノバロ博士は「水温上昇や汚染などによって脅かされている世界各地のサンゴに、観光客の増加がさらなる悪影響を与えることが心配される」と警告。「サンゴへの悪影響が少ない物質への転換が必要だ」と指摘した。

 博士は「実際の環境中でも日焼け止めがサンゴに影響を与えている可能性が高い」としている。

 チームは、インドネシア、メキシコ、タイ、エジプトの4カ国の海でサンゴを採取。海水1リットル中に、市販の日焼け止めを100万分の1リットルだけ含む水の中で飼育した。その結果、18~48時間のうちにらん藻が大量にサンゴから抜け落ち、96時間以内にサンゴが完全に白化することを確かめた。

 日焼け止め中の成分ごとに詳しく調べると、パラベン、桂皮酸、ベンゾフェノン、カンファー抽出物という4種類の物質に、使用時に海に溶け出すのと同程度の量で、サンゴを白化させる作用があることが分かった。これらの物質は日本で市販されている日焼け止めにも使われているという。

 実験では、これらの物質がらん藻中で有害なウイルスを活性化させ、ウイルスの量が通常の15倍になることも判明。日焼け止めの成分が引き金になって起こるウイルス感染の拡大で、らん藻が死ぬらしいことが分かった。

【用語解説】サンゴの白化

 サンゴに共生し、光合成によって栄養分を供給しているらん藻がサンゴから脱落し、サンゴが真っ白くなる現象。深刻な場合にはサンゴも死んでしまう。近年、世界各地で拡大しており、地球温暖化による海水温度の上昇が一因とされている。白化発生の詳しい仕組みなど分かっていないことも多く、細菌やウイルス感染との関連も指摘されている。


人間の活動そのものが、環境破壊ナノデアル。日焼け止めがサンゴを殺すなんて想像もせんかったワ。

かといって日焼け止め塗る奴は減らないだろう。グリーンピースなどの環境テロリストNGOは、捕鯨問題なんぞやるよりこういった問題を追求すべきなのだよ。本来なら。
ま、所詮金が集まらない問題には手を出さん奴らなので1%も期待はしてないがね。


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ポッドキャストの愉しみ

私は、いつもipodnano(2GB)でクラッシック音楽をマターリと聴いているのだが、最近はポッドキャストも愉しんでいる。

購読しているポッドキャストは次の二つだ。
・ニフ亭ポッドキャスティング落語
・ききみみ名作文庫

特に、ニフ亭の落語は面白い。毎週木曜日に若手落語家(二つ目)の噺が一話ずつ配信されるのだが、当たりはずれがあるもののタダで落語を味わうことができる。

もう何十話と聞いてきたが、その中でお勧めなのが、次の落語家の噺。皆真打ではないが、聴いて損はしない噺家ばかり。感想も交えてご紹介いたしまひょ。

1.春風亭一之輔
この人は実に噺がうまく、聴衆を引き込むのが上手。マクラも面白いし、本題の噺もうまい。私の一押し。ぜひ聴くべし!
「茶の湯」…御隠居が新たな趣味として茶の湯を始める話。ご隠居のとんでもない茶を客が飲まされるシーンが秀逸。
「鈴ヶ森」…泥棒のお話。親分と間抜けな子分の掛け合いが絶妙。

2.三遊亭きん歌
この人も、なかなか軽快な語り口で安心して愉しめる。
「親子酒」…酒好きな親子が揃って禁酒の約束をしたが。。。酔っ払いの変貌が楽しめる。
「御神酒徳利」…うっかり者の番頭が、女房のアドバイスで活躍する噺。

3.柳家喬之進
軽快な語り口で、江戸っ子風情が味わえる噺家。たまに言い間違えるのが惜しい。
「そば清」…そば食い競争に挑む清さんの噺。これはビデオで見たくなる。
「粗忽の使者」…粗忽者の武士が殿様に使者に行くよう命じられるが。。。笑える。

4.三遊亭好二郎
噺家としては、ちょっと変わった声色を持っていると思う。マクラもうまい。
「一分茶番」…飯炊き下男権助の活躍が楽しめる。権助と番頭の掛け合いは腹話術でも聴いているような錯覚さえ抱くほど。
「看板のピン」…ピンとはさいころの1のこと。賭け事の噺。

5.三遊亭遊馬
声色が非常に低音で渋い感じがする。噺も面白いのだが、たまに滑舌が悪く安心して聴けないのが玉に瑕。
「佐野山」…親思いの相撲取りが大横綱谷風と勝負するが。。。うちの子供お気に入りの噺。
「禁酒番屋」…酒嫌いの殿様が藩士に禁酒を言い渡したが。。。酔っ払いの様が愉しめる。

6.林家たけ平
マクラが面白いが、人によっては好き嫌いが出るタイプの噺家か?私は好きだ。
「紀州」…吉宗と将軍の座を争い、第8代将軍になり損ねた紀州の殿様の話。

7.立川笑志
高尾太夫しか聴いたことがないが、人情噺が得意そうだ。ホロリとさせられるうまさがある。
「紺屋高尾」…染物職人久蔵が、高嶺の吉原芸者を射止める人情噺。

古い噺は、ニフ亭ではなく、ヤフーのポッドキャスティングからダウンロードできるヨ。ぜひ一度聴いてみるべし。


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第271回日本のスイッチ結果発表!

日本のスイッチとは、毎日新聞社が毎週集計しているアンケートみたいなものなのデス。
私は、毎週忘れでもしないかぎり、コソーリ参加しているのだ。二択のため、自分の選びたいものがない場合も多々ありモンモンと悩むことも多い(ウソ)のだが‥。これからはブログでもその結果を公表していこうと思う。

●実施期間: 2/11(月)~2/13(水)
●参加者: 31287人↓あなたの答えは■で示されています

1.米予備選、ヒラリー対オバマの決着は持ち越しに
■楽しみ続く…68%(21253人)□拍子抜けだ…31%(9687人)

2.ギョーザ問題、日本での農薬混入はないらしい
□ほっとした…22%(6945人)■不安は続く…78%(24273人)

3.時津風部屋の暴行死、7カ月後に逮捕した警察は
□よく粘った…13%(4176人)■遅すぎた対応…86%(27054人)

4.今年は世話になった人に贈る「世話チョコ」が出現
□いいアイデア…9%(2918人)■踊らされてる…90%(28306人)

5.NASAがビートルズの歌を北極星に送信って
□夢を感じる…36%(11348人)■なんかムダ…63%(19843人)

6.政府内で検討している「消費者庁」構想は
□役に立ちそう…12%(3892人)■利権増えそう…87%(27202人)

7.岡山に、卵かけご飯300円食べ放題の店が登場
□挑戦したい…24%(7495人)■遠慮します…76%(23721人)

8.雪が積もったばかりの道を歩く時って
■わくわくする…71%(22126人)□ひやひやする…29%(9088人)

日本全国にあなたと全問同じ回答の方が……4162人いました。
第271回日本のスイッチ


今回は、自分で選んだ答えが、何気に総て過半数超えていた。いつもは「全問同じ回答の方」が、3ケタ以下なのにナー。

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沖縄のジュゴンが絶滅するとしたらそれは‥

韓国のゴミ海洋投棄の実態
下水汚泥の70%が海へ

 海洋汚染を防ぐため、1972年に採択された「ロンドン条約1972」は、海にゴミを投棄することを厳しく規制している。これまでに81カ国がこの条約を批准しており、韓国も93年にようやく批准した。


 ところが韓国政府は、地上のゴミ埋立地が不足していることや、生ゴミの埋め立てによって悪臭や地下水の汚染といった公害が発生していることを理由に、88年からゴミの海洋投棄を認めてきた。93年にロンドン条約を批准した後もそれは続いてきた。廃棄物の海洋投棄にかかる費用は、種類によっては陸上処分に比べ90%近くも安くつくため、廃棄物処理業者はゴミを海に捨ててきたのだ。88年に55万トンだった海への投棄量は、2005年には993万トンにまで増え、その後07年には少し減って745万トンとなっている。だが、ロンドン条約を批准した後、ゴミの海洋投棄が減った欧米諸国とは違い、韓国では条約を批准した後、むしろ海洋投棄が増えている。政府関係者は「先進国では実情に合った方法を模索することで、ゴミの海洋投棄をなくすのに成功したが、韓国ではそうした対策がなおざりにされてきた」と話している。


 現在、海に捨てられている廃棄物は、下水汚泥、畜産排水、生ゴミから出た液体、魚介類の食べかすなど多岐にわたっている。このうち、海洋汚染に大きな影響を及ぼす下水汚泥の場合、海洋投棄はロンドン条約批准国のうち、日本・韓国・フィリピンの3カ国のみに認められている。だが、日本では海に捨てているのは下水汚泥全体の0.2%に過ぎないのに対し、韓国では70%に達している。さらに日本は昨年、海洋投棄を全面的に禁止した。


 市民環境研究所は最近、統計に表れていない、海へ不法投棄された廃棄物の量が毎年90万‐180万トンに達している、と主張し、法定基準値を上回る廃棄物を捨てて摘発された翌日に再びこっそり捨てたり、許可された量の廃棄物を捨てて帰る途中、タンクに保管していた残りの廃棄物を捨てるといったケースが横行している、と訴えている。このように国内外からの非難が殺到するようになったのを受け、環境部や海洋水産部などは昨年、「2011年までに毎年100万トンずつ海洋投棄を減らし、12年からは全面的に禁止する」という計画をようやく打ち出した。


李衛裁(イ・ウィジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS


その結果が、次のとおり。

国際研究グループ、最も環境破壊が進んだ海域は日本海と北海



【Technobahn 2008/2/16 01:03】生態系に与える環境変化などの観点から全世界の海域を対象に行った調査・研究の結果、地球上でもっとも環境破壊が進んだ海域は東シナ海から日本海にかけての海域と北海のイギリス・スコットランド東岸の海域であることが14日、全米科学振興協会(American Association for the Advancement of Science)での研究発表により明らかとなった。

 この研究発表を行ったのは米生態学の分析と総合に関するナショナルセンター(National Center for Ecological Analysis and Synthesis)のベンジャミン・ハルパーン博士を中心とする国際研究グループ。

 研究グループは、魚の乱獲、海水面温度の上昇具合など環境破壊に関する17のデータ項目を使って、それらがサンゴ礁、大陸棚など20の異なる環境の生態系にどのような影響を与えているかを、全世界の海洋を対象に細かく分析。その結果、地球上でもっとも環境破壊が進んでいる海域は東シナ海の中国沿岸から日本海の対馬海峡の海域と、北海のイギリス・スコットランド東岸の付近であるということを突き止めた。

 研究グループでは、何百万人もの人類が海洋の生態系の恩恵を受けて生活している、とした上で、今回、環境破壊がもっとも進んでいると判明した海域の近隣諸国は早急に海域の環境破壊を食い止める努力をしなければならないと警鐘を鳴らした。



我が思うに、沖縄のジュゴンが全滅するとしたら、米軍基地のせいじゃなく特亜のせいだと確信するニダ!

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とりあえず山本七平先生のご紹介でも

ブログ始めに、とりあえず私が心酔している山本七平先生の簡単なプロフィールでも紹介しましょうかね。

山本七平
評論家。ベストセラー「日本人とユダヤ人」を始め、「日本人論」に関して大きな影響を読書界に与えている。1921年生まれ。1942年青山学院高商部卒。砲兵少尉としてマニラで戦い捕虜となる。戦後、山本書店を設立し、聖書、ユダヤ系の翻訳出版に携わる。1970年『日本人とユダヤ人」が300万部のベストセラーに。「私の中の日本軍」「日本教の社会学」「帝王学」「昭和天皇の研究」「論語の読み方」など、多数の著書を刊行し、日本文化と社会を批判的に分析していく独自の論考は「山本学」と称され、日本文化論の基本文献としていまなお広く読まれている。1991年没(69歳)。
【引用元:「日本はなぜ敗れるのか」紹介欄より】


私は、この山本七平の本に出会ったのは、高校生の頃。読んだのは日本人とユダヤ人でした。衝撃だったね。
高校生になって政治に興味を示し始めていた私だったが、共産党の主張はなんて素晴らしいんだと素直に信じていたそんな私の幼稚な考えを吹っ飛ばしてくれた本だった。

「日本人は水と平和がタダだと思っている」

この一言が実に印象的だった。この言葉を知っていても、本当に理解している日本人は今でもそう多くなさそうだと私は感じてる。

余談になるが、昔はこの本の著者は、イザヤ・ベンダサンというユダヤ人だった。今では山本七平が書いたということになっている。これについては諸説あるが私は極東ブログ↓のfinalventさんの意見が的を得ているように思われる。

[書評]日本人とユダヤ人(イザヤ・ベンダサン/山本七平) Part 2

高校生の時に読んだのは、「日本人とユダヤ人」だけで、その後社会人になるまで山本七平とは縁がなかったのだが、数年前から政治や歴史関係のブログを読み漁っているうちに、日本軍のことを知らずに判断できないと思うようになった。

そこで手に取ったのが、「私の中の日本軍」だったのだが、この本は今まで自分の中で創り上げられていた日本軍のイメージが、全くの虚像に過ぎないことを気づかせてくれたね。

それから「下級将校の見た日本軍」「ある異常体験者の偏見」「空気の研究」「日本はなぜ敗れるのか」等々読んできましたが、このブログでおいおい紹介していこうと思っている。

なんてったって、自分で駄文を書くより紹介したほうが楽だしネ。


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プロフィール

一知半解

Author:一知半解
「一知半解知らずに劣れり」な自分ではありますが、「物言わぬは腹ふくるるわざなり」…と、かの兼好法師も仰っておりますので、ワタクシもブログでコソーリとモノ申します。
一知半解なるがゆえに、自らの言葉で恥を晒すのを控え、主に山本七平の言葉を借用しつつ書き綴ってゆきたいと思ふのでアリマス。宜しくメカドック!!
日々のツイートを集めた別館「一知半解なれども一筆言上」~半可通のひとり言~↓もよろしゅう。

http://yamamoto7hei.blog.fc2.com/

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・事前承認制ではありませんので、投稿するとすぐ表示されてしまいます。投稿前に、内容の再確認をお願いします。
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