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一知半解なれども一筆言上

山本七平マンセーブログ。不定期更新。

日の丸・君が代を問題にする人々と、かつての元号廃止論者の類似性

私は、過去の記事「”内心の自由”を「手段」として利用する人たち」「”当たり屋”してまで表現の自由を守る教師の皆さんへ」でも日の丸・君が代「強制」問題に関して、反対行動を取っているバカ教師とそれを支持する人たちについて書いてきたけど、今回は、彼らの行動が卑怯なことについて書いていきますね。

なぜ、卑怯だと思うのか?……それは「本音」を隠しているから

付け加えると、隠すのに必ず錦の御旗的スローガンを利用し、反対論者をさも加害者に加担しているような立場に置くことも非常に不愉快です。

彼らの主張を、私なりに整理すると、だいたい次のとおりになると思う。

1)別に日の丸・君が代を好きでも嫌いでもないが、強制される事を問題視しているから反対。

2)なぜ強制されてまで歌わなければいけないのか?海外の自由民主国家では強制してまでやっている例などないから反対。

3)歌わない自由、起立しない自由だってあるはずだから反対。

4)強制=戦前の軍国主義だから反対。

5)法制化→強制化→戦前回帰となるから反対。

6)日の丸・君が代は、過去の侵略のシンボルであり否定すべきものだから反対。


1)・2)・3)については重複するような気もするが、彼らの主張のほとんどはこのパターン。
4)・5)・6)については、あまり最近ではお目にかからないけど、これが彼らの本音だと私は思う。

それでは、なぜ彼らは4)・5)・6)のような本音を語らないのでしょうか。
それは、その本音に、合理的な理由とか根拠が欠けているからでしょう。

4)については、強制といっても、強制されるのは指導する義務を負うはずの教師だけであるから、戦前回帰になるわけでないことが明白だし、それは5)にもいえることです。

6)については、日の丸・君が代の歴史の一部に過ぎず、そのイメージだけを持っている国民はごく少数にとどまるから、反対論としては非常に脆弱です。

つまり、彼らの本音がベースでは、論拠が非常に乏しいのです。
これでは到底、ウヨどもに勝てん、世間に主張できん、というわけで、本音を隠さざるを得ないのでしょう。

そこで彼らが自らの主張を通すためにとった作戦が、「問題のすり替え」「”錦の御旗的”スローガンの掲揚」なんですね。

まず、この問題を、「内心や表現の自由の侵害」とか「強制」という問題にすり替える。
そのために”あえて”教育委員会の方針に逆らうような行動をとり、当局の処分を引き出す。
(そういえば、広島県立世羅高等学校で卒業式当日に、君が代斉唱や日章旗掲揚に反対する公務員である教職員と文部省の通達との板挟みになっていた校長が自殺するという痛ましい事件もありましたね。)

そして、その処分を「強制」だと断じて、自らを「内心や表現の自由を守ったがために処分された被害者」と規定する。つまりは「当たり屋」なんですね。

そうして、この問題を「内心・表現の自由」にすり替え、そうした耳ざわりの良い「スローガン」をぶち上げる。

そうすると、前述の1)・2)・3)のような理由を展開できるようになるわけです。

ここで、一応これらの理由についても、反論しておきましょう。

1)については、単なる強制ではなく、当然の職務を怠ったが故の強制であり、そうした職務を負わない立場においてまで強制されるものではないので問題とはならない事。

これは、その立場に立った者が当然行わなければいけない義務を放棄したに過ぎない問題なのです。バカ教師の行動を支持する人達は、この点を必ずと言っていいほど曖昧にしたがりますが。

2)の理由などは、白々しくてお話になりません。なぜこういう問題が起こったかの経緯を全く無視しているから。原因となった教師らの行動を無視し、「強制」の部分だけを問題にして、諸外国と比較するなんて全くのナンセンスでしかないと私は思う。

3)については、もちろん、そうした自由はあることは認めるが、それは時と場合によっては制限されるケースもありうると考えるのが常識でしょう。彼らの言い分では、こうした常識を無視してまで守られるべきとの主張になってしまっているのではないでしょうか。

まあ、彼らの中では、意識してやっている故意犯もいれば、無意識のうちに自分が被害者の立場に立たされたと思い込んでいる者もいるのでしょうけれど、その行動は結局のところ、「当たり屋」的になっていると判断されても仕方がないのではないでしょうか。

こうして分析してみると、やっぱり彼らは、卑怯であると思わざるを得ません。

話は変りますが、昔読んだ山本七平「常識」の落とし穴 (文春文庫)には、元号廃止論者について書かれたコラムがあります。
今回の問題と構図が良く似ていると思うので以下紹介しようと思います。

「常識」の落とし穴 (文春文庫)「常識」の落とし穴 (文春文庫)
(1994/07)
山本 七平

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◆「元号廃止論」の虚構

大分前のことだが、「元号問題に関する座談会」なるものに出席したことがある。

私はこういうとき、どのようなメンバーによる座談会か、などということには全く無関心な方なので、何気なく出席して驚いた。

いわばそれは、「元号廃止論者」の座談会に等しく、それでは座談会にならないので、存続論者の私が「つるし上げられ役」として招かれたということらしい。

座談会が進行して行くうちに、私は少々バカらしくなった。

というのは「元号廃止」に結論を持って行こうと、みなが一心に論じているのだが、なぜ廃止が必要なのかの論拠が皆無なのである

いわば「元号法制化は戦前の軍国主義につながる」という形で論議を進めていくので、私が思わず、「まさか、元号は軍国主義よりはるか以前からありますよ」といったところが、感情的な総反発をくった。

そのときつくづく感じたことは、まず第一に、この人たちの意図は本音は天皇制廃止であること
ただそれを言うとあまりに抵抗が強いし、憲法上の問題が出てくる。

この人たちは一面では、「平和憲法絶対護持」を主張しているから、その矛盾を突かれると困る。
そこで戦術的にまず”外濠”を埋めるような形で、「元号廃止」に持って行こうとしているのだと感じた。

第二に、この人たちは元号について何も知らない、ということである。
知らない者が、勝手に熱をあげているというだけの感じである。

私はこのとき、この人たちの行き方を、少々卑怯だと思った
というのは、自らの主張が「憲法を改正して天皇制を廃止せよ」なら、堂々とそう主張すればよい、と私は思った。

ところが相手は、そういったことはおくびにも出さないから、こちらは何とも言えない。
ただ珍妙な「元号存続=軍国主義復活論」という、騒音に等しい議論の進行を見守っているだけである。

少々耐えられなくなり、ちょっと説明させていただくと言って、定期改元と不定期改元、さらに一世一元制への移行、簡単にいえば、「元号の歴史」の要約を話した。

定期改元は、康保元年(西暦=以下同じ。九六四年)にはじまり、以後、万寿、応徳、天養、元久、文永、正中、元中、文安、永正と六十年ごとにつづき、戦国期のために一五六四年には行なわれず、一回だけが抜けて、ついで寛永、貞享、延享、文化、元治(一八六四年)とつづき、ついで明治の一世一元制になる。

つまりこれは甲子の年、そして原則としてその三年前の辛酉にも行なわれている。
そしてこの間に不定期改元が入る。

これは西暦でいえば九六四年から一貫して継続している日本の伝統であり、なぜこういう伝統が生じたかの説明は一応除くが、一千年以上つづいている伝統を、何でわれわれの時代に廃止する必要があるのか

本当にその必要があるというなら、納得できる説明をして欲しいと言った。

彼らにはもちろん説明できない

第一、定期改元、不定期改元という歴史的事実さえ知らない彼らに、合理的な説明ができるわけがない

返って来たのは結局罵言に等しい大声だけであったが、その中に、宗教学者として、何かあると進歩的新聞にコメントの載る人がいたので少々驚いた。

お粗末すぎて話にならない、という以外に、言うべき言葉がない。

そのときの結論は、「元号を法制化すれば、やがて軍国主義が復活する」ということ。

私はうんざりして、もう何も言う気がなくなった。

何やらそれが本になったらしく、私にも一冊送られてきた。読む気にもならなかったが、一応、目を通して見ると、私の反論」というより「説明」は巧みに処理されており、「元号法制化=存続=軍国主義復活」がその結論となっていた。

この結論が正しいか否か、いずれ時が解答を出してくれるだろうと私は思った。

その本は、進歩的新聞で取り上げられたが、私は、どうでもいいという気分になっていた。
つける薬がないからである。

その新聞が、陛下の御不例とともに、新元号のことを、さも当然のことのように報じている
時の経過はすでに正解を出していると言ってよいであろう。

戦後の進歩的文化人の凋落は何によって招来されたのか。
私は、すでに過去のことになり、みながもう忘れてしまったあの時の「元号論争」のことを思い出す。

オオカミ少年のような、言い放し、しかも本心は天皇制廃止なのに、それを隠して別の手段をとり、その主張には何の論拠もない、といったことを繰り返していれば、いつしか人びとは、その人の言葉に耳を傾けなくなるであろう。それはそうなって当然だという気がする。

【引用元:「常識」の落とし穴/民主主義の運命/「元号廃止論」の虚構/P126~】

このコラムを読むと、未だ彼らの行動パターンは酷似しているようですねぇ。

山本先生の最後の一文は、私のことを「奴隷根性の持ち主」と評された村野瀬さんに捧げます。
(まあ、彼女が読んでくれたとしても、蛙の面に小便でしょうけど

蛇足ですが、山本七平って、当時から「つるし上げられ役」だったのですね。左翼の連中から目の敵にされた山本七平らしいエピソードではないでしょうか。


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ふと、ラジオから流れてきた曲~「始まりの詩(うた)、あなたへ」~

今日は軽く音楽ネタでも。

九州旅行中、レンタカーを借りてドライブしていたら、ラジオ(といってもNHKののど自慢だったのでテレビ音声でしたが)から流れてきた曲がとても良くて聞きほれてしまった。

あいにく、誰が歌っていたのか聞き取れなかったので、ネットで調べてみたら下記のとおり↓一発で見つかりました



「始まりの詩(うた)、あなたへ」
歌:岩崎宏美
作詞・作曲:大江千里
編曲:野見祐二




いかがですか?なかなかしんみりとしていい曲でしょ(でも、昔聴いたある曲に似ているような気がするのだよな~、何の曲だか思い出せないけど)。
昔から「聖母たちのララバイ」「ロマンス」とか好きでしたが、この曲を聴いて岩崎宏美の素晴らしさを再認識しました。

しかし、何気に、ふと素晴らしい音楽に出会えた瞬間っていいもんですよね。宝くじとまではいかないけれど、景品でも当たった気分になれると言うか…

これで曲名とか、誰が歌っているのかわからないとモンモンとしてしまうのですが、ネットで調べればわかるどころか曲を聴けてしまうとは…。
こういうとき、改めてネットの有難味を感じてしまいますネ。


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言霊③祝詞化している”外国製”日本国憲法

随分と間が空いてしまいましたが、言霊①言霊②の続き。
前回、日本人がなぜ契約下手なのか、言霊コトダマ)の影響もあることを紹介しましたが、今回はその続きです。

日本ではなぜ有事立法がなかなか成立しなかったのか?その理由をわかりやすく解説してくれています。以下、井沢元彦逆説の日本史〈3 古代言霊編〉平安建都と万葉集の謎より引用していきましょう。

■「祝詞」化している。”外国製”日本国憲法

有事立法――簡単に言えば、国家的変事の際に敏速に対処できるよう法律を制定することだろう。
しかし、この有事立法、いわゆる進歩的文化人やマスコミには、極めて評判が悪い。

かつて「平和憲法」を批判すると「軍国主義者」「右翼」と言われたように、今は有事立法に賛成すると同じような非難を浴びせられる。

そういう非難を浴びせる人々は、有事立法を推進しようとする人々に対して、「まず有事立法ありき、だ。それはおかしい」と言う。

ところが、この表現、実は近代国家の常識としては変なのである。
なぜか。「まず有事立法ありき、だ」という非難の内容をわかりやすく述べれば「有事立法を制定すること自体が既に決まっているかのように言うのはおかしい。まず、それが必要なのかどうかを決めるべきだ」ということだろう。

だが、そもそも広い意味での「有事」に対する備えとして「政府」や「国家」はあるのだ。
たとえば、国家は他国の侵略から国民の生命財産を守る責任がある。だからこそ国民の税金で軍隊を維持しており、いざという時つまり「有事」にはそれを動かして国民を守らねばならない。

それゆえに、「有事」の際にそれをどのように動かすかは当然事前に決めておかねばならない。
もちろん軍隊というものは、一面では「飼主」である国家を滅ぼすほどの力を持つものであるから、その「軍隊の動かし方」については極めて慎重に対処しなければならない。

つまり「有事立法」の内容について、様々な議論があるのは当然だ。しかし、そもそも「有事立法」の制定自体許せない、という意見はおかしいのである。

 (中略)

なぜ、そんなことになるのか。
言うまでもない、コトダマである。
戦前「アメリカと戦争すれば負ける」という「事実」を口にすると、「非国民」と罵られ社会的に抹殺された。なぜなら、コトダマの世界では「言えば実現する」から、「不吉」なことを言う人間は非難される。軍国主義者だろうが平和主義者だろうが「アメリカに負ける」と言えば、「アイツはアメリカに負けることを望んでいるんだ」ということになった。

同じことだ。
 「奇襲攻撃を受けたら自衛隊は起法規的に行動せざるを得ない」と言えば、コトダマの世界では「日本が外国の奇襲攻撃を受けること」「自衛隊が法律を無視して(超法規的に)行動すること」を「望んでいるヤツだ」ということにされてしまうのである。

だから非難される。
しかし、理性的に考えれば、これは非難する方がおかしい。栗栖(wiki参照)発言は「現状の問題点」を述べただけだ。公務員が自分の仕事に問題点があると気付けば、発表するのがむしろ義務で非難されるいわれはない。

仮に、栗栖氏が内心「これをきっかけに日本の軍国主義化を進めてやろう」と思っていたとしても、発言自体は事実なのだから非難してはならない。あとはその問題提起を受けて、それこそ民主的に「有事における法」の内容を決めていけばいい。

だが、コトダマの生きている国では、そもそも、「有事」という「不吉な事態」の想定すら拒否するのである。それも、そういう事態を「想定」すれば、それが実際に「起こる」と信じているからだ。

これが小松左京氏の言う「弥生時代ぐらいからの判断の形式や心情というのが、つぶされずにいままで残っていて、今の社会的選択に影響を与えている」ということであり、もっと端的に言えば「コトダマに振り回されている」ということなのだ。
【逆説の日本史3古代言霊編より引用】


ちなみにこの記事を井沢元彦が書いたのが1995年頃です。この時点ではまだ有事立法は作られていませんでした。
実際には、栗栖氏が、超法規発言をして統幕議長を解任されてから、25年後の2003年にようやっと有事立法が成立しています。実に四半世紀も掛かったわけですね。

続いて、言霊に左右される日本と、そうでない外国との違いについて、井沢元彦は、「結婚」を例に挙げわかりやすく説明していきます。

栗栖氏を非難した人々、特にジャーナリストは猛反省をすべきだろう。
しかし、そうは言っても、なかなか納得はしまい。では、コトダマの無い世界、つまり外国では、有事つまり「不吉な事態」を想定することが、いかにあたり前のことかを実例をもって示そう。

 「不吉な事態」の想定が最も嫌われるのは、どんな場合か。
すぐに考えつくのは「おめでたい席」だろう。人生の最大の慶事といえば、その一つに結婚式があることは誰しも異論がないのではないか。
その結婚式に際して、キリスト教徒は次のような誓約を交わす。

Do you,新郎(新婦)の名, accept in Holy Matrimony this woman(man)for better orfor worse, in sickness or in health until death do you part?

汝は、この女性(男性)をよきにつけ悪しきにつけ、病の時も健やかなる時も、死が二人を分かつまで、聖なる結婚により妻(夫)とするや。

死が二人を分かつまで――名文句である。もっとも、私は確かにこう習ったのだが、最近の教会で使われている誓約ではここが「命のある限り」と変わっている。ひょっとしたら――、いや、その前に聞こう。この誓約はロマンティックな言葉だと思いますか?

日本人は十人が十人ともイエスと答える。特に女性は百パーセントそうだ。

では、私が結婚式に招かれて新郎・新婦を前に次のようにスピーチしたらどうか。

 「本日はおめでとうございます。しかし、結婚生活というのは必ずしも順風満帆とは限りません。新郎がすぐに事故にあって半身不随になるかもしれない。新婦は子宮ガンにかかって子供が産めなくなるかもしれない。そんな時にも決して互いに捨てたりしないということを、ここでどうか誓って下さい」

これなら、まだ許されるかもしれない。だが、さらに次のように述べればどうか?

「夫婦というものは、まず十中八九同時に死ぬことはあり得ません。同時に死ぬとしたら、心中か事故かロスで強盗に撃たれるか伝染病にかかるぐらいしかないのですから確率は数パーセントです。残りはすべて『相手に先立たれる』のですから、その時はただちに再婚の権利が生ずることを、確認しておくべきだと存じます」

まず、新郎・新婦も親戚もカンカンになって怒るだろう。式場から叩き出されるかもしれない。
しかし、ここでもう一度先程の結婚式の誓約を見て頂きたい。私の「スピーチ」は誓約の内容を具体的に述べただけなのである。

 「病の時も健やかなる時も」これは「相手が病気になり、たとえ半身不随になっても捨ててはいけない」ということであり、「死が二人を分かつまで」とは「この婚姻(契約)は夫婦どちらか一方の死をもって終了する」ということだ。そして「契約が終了する」のだから、新しい契約つまり再婚は自由にできることでもある。

つまり、これも「有事立法」なのだ。

人間はいずれ死ぬ。だから「相手に先立たれる」可能性はかなり高い。前述したように、夫婦が同時に死ぬケースは稀だからだ。だからこそ、その高い確率で予想される事態については、「死」といういかに「不吉」なことであっても、きちんと想定し対策を考えておく――これがコトダマに振り回されない民族の考え方である。

日本人はそれができない。

ではコトダマの世界では、結婚式にはどんな誓いを立てればいいのか。
それは「祝詞」である。

祝詞とは、めでたい言葉のみ書き連ね「死」や「病」という不吉な言葉は一切排除した文章だ。

申し上げますのも恐れ多い○○神社の大前に、つつしんで申しあげます。
(中略)
今より将来、この夫婦の契は永久に変わることなく移りゆくことなく、今日を生き生きとした満ち足りた日とつつしんで定めて、御礼のしるしの幣帛及び御米、御酒、種々の食物を奉ってこのことを告げまつり拝み言つりますさまを、平らけく安らけく聞こし召し、また演奏いたします歌舞のわざをもいとしい喜ばしいと御覧になりまして、いついつまでも相睦み、助け合って、家門をいよいよ高くいよいよ広く起こさしめ給い、また世のため人の為に尽くさしめ給い、共々に寿命長久に、子孫代々、盛んに繁茂する本草のように立ち栄えしめ給えと、つつしんで申し上げます。
(『祝詞入門』小野迫大著 日本文芸社刊)


もちろん祝詞は言霊信仰によって生まれたものだ。この『祝詞入門』の著者小野迪夫氏も次のように述べている。

古代では『万葉集』に「言霊の幸ふ国」とか「日本国は言言の祐くる国」とあるように、言葉には霊力があって、一種霊妙な働きをなすものとされていた。これがいわゆる言霊の信仰で、それは祝福の言葉を述べれば幸福が招来され、呪詛の言葉を述べれば不幸に至るという信仰である。
祝詞はこの言霊信仰の上に成立したもので、盛んにほめたたえる言葉を使い、悪い言葉は使わなくなり、善言美辞を尽くした形となったのである。(引用前掲書)

コトダマは今も生きている。

たとえば日本国憲法も、もともとは外国製だが、今は祝詞と化している

憲法とは国民と政府の間に結ばれた「契約」である。契約である以上は「不吉な事態」も想定して、それに対処できるようになっていなければならない。

しかし、今の憲法では、クウェートのように海外から侵攻を受けた場合、国民の生命財産をどうやって具体的に守るかについて、何の規定もない。だからこれは前節で述べた「ペナルティの付け忘れ」と同じで、欠陥契約である。

欠陥契約なら、その部分をなおすべきなのだが、日本はそれ(憲法9条改正)を言うだけで「平和の敵」と非難される。その理由についてはもう説明するまでもないだろう。

「祝詞」が読み上げられている最中に、「夫婦の契りは永久にと言ったって、どっちかは先に死ぬじゃない。だから、その時のことを決めておこうよ」などと「本当のこと」を言えば、非難されるのと同じことだ。

こういう人々の中には、最高学府を出た学者や弁護士やジャーナリストが大勢いる。
こういう人たちは、自分たちの「改憲論者」への非難が、コトダマ信仰によるものだということに、まったく気が付いていない。なぜ、気が付かないかといえば、日本の歴史教育がこういうことを一切教えてくれないからだ。

これはやはり歴史教育の、そして歴史学の大欠陥だろう。
【逆説の日本史3古代言霊編より引用】


実にわかりやすい解説ですね。
私も結婚式などおめでたい席では、忌み言葉を発しないよう注意していますが、そういう意識付けの慣習が当人の意識下に深く浸透した結果、行動を自主規制するようになるのかも知れません。

話は変りますが、山本七平は、「判断の自主規制」をさせる一因として、私の中の日本軍 (下) (文春文庫 (306‐2))の中で、日本人の民族性に言及しています。

これは、徹底したリアリストになり切れず、自己および他の「情緒的満足感」を知らず知らずに尊重し、それに触れることと触れられることを、極度に嫌いかつ避ける民族性も作用しているように私は思う。


なんかこの記述も、言霊と関係があるように私には思えるのですが。

言霊も、この「判断の自主規制」に一役買っているのかも知れませんね。


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第285回日本のスイッチ結果発表~!

我輩、ようやく九州旅行から帰宅したであります。いや~、疲れたバイ。
準備ができたら、旅行記を順次UPしようと思っております。

それはさておき、今週の日本のスイッチ投票結果を公開します。

●実施期間: 5/19(月)~5/21(水)
●参加者: 30142人↓あなたの答えは■で示されています

1.四川大地震、日々増える死者数に感じるのは
□揺れの激しさ…44%(13174人)■備えの不足…56%(16884人)

2.発生4日目に援助隊受け入れた中国政府の対応は
■判断遅かった…85%(25529人)□仕方ない状況…15%(4547人)

3.ガソリン税の一般財源化、環境税への衣替えなら
□賛成できる…29%(8615人)■変だと思う…71%(21352人)

4.環境団体が鯨肉持ち出しを告発。気になったのは
□捕鯨船の慣習…33%(9966人)■告発側の手法…66%(19786人)

5.専業主婦の仕事、外注なら1200万円相当って
□納得の価格…33%(9860人)■ちょっと疑問…67%(20201人)

6.小林多喜二の「蟹工船」が最近、妙に売れてるとか
□面白い現象…46%(13954人)■違和感あり…52%(15711人)

7.かけっこで速く走れる運動靴が小学生に大人気
■気持ちわかる…69%(20701人)□何かずるい…31%(9338人)

8.コーヒーの味がうまいかまずいか、自分の舌に
□自信あります…39%(11794人)■自信ないです …61%(18293人)

日本全国にあなたと全問同じ回答の方が……1149人いました。
第285回日本のスイッチ


設問5の専業主婦の仕事を外注すると1200万円って…。一体どういう積算しているんだろ。
自分もこんなにもらえるなら、転職して専業主夫になりたいヨ!


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ケロロアイランド購入であります!

最近はまっているのが、ケロロ軍曹(いまさらですが)。
子供と一緒に見ています。
そこで、思わず買ってしまったのが、次のキャラクター商品↓

合体する食玩:
ケロン軍の前線基地を建設するであります


ケロロアイランドであります


ITmediaの上記記事を読んで衝動買いしてしまったであります。

ケーロ、ケロケロケロ、これから組み立てるのが愉しみであります!

【緊急告知】
突然でありますが、我輩、明日より九州旅行であります。
愚かなペコポン人諸君!更新は期待するなであります。ケロケーロ!
ケロロ軍曹のイラスト



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第284回日本のスイッチ結果発表~!

今週の日本のスイッチ投票結果を公開します。

●実施期間: 5/12(月)~5/14(水)
●参加者: 30406人↓あなたの答えは■で示されています

1.日中首脳会談、友好ムード強調して終わりました
□大きな成果…12%(3506人)■形だけの印象 …88%(26821人)

2.日本に5日間滞在の胡錦濤主席、あなたの印象は
□親しみやすい…12%(3647人)■油断できない …88%(26612人)

3.関東の地震、緊急地震速報はまたも間に合わず
□期待はずれ…44%(13303人)■無いよりまし …56%(16998人)

4.サイクロン被害のミャンマーについて感じるのは
□自然の驚異…29%(8925人)■軍政府の無策 …70%(21391人)

5.ゴキブリレストランって名前の殺虫剤が新登場
□面白い名前…32%(9636人)■食欲なくなる…68%(20603人)

6.トヨタ自動車が9年ぶり減収減益と聞くと
□日本経済不安…40%(12290人)■特に悲観せず …59%(18039人)

7.競泳の世界記録、特定メーカーの水着に集中って
□知ってた…61%(18636人)■知らなかった …39%(11731人)

8.「潮干狩り」ってやったことありますか
■はい…67%(20354人)□いいえ…33%(10021人)

日本全国にあなたと全問同じ回答の方が……1005人いました。
第284回日本のスイッチ


設問1で、大きな成果があると答えた人たちは、パンダ好きだと思うアルヨ。

閑話休題。
私は、ここ数年毎年のように潮干狩りに子供を連れて行きますが、いいもんであります。
あれは子供より大人が夢中になってしまいますネ。

今年は、もう潮干狩り行ってきたデス。
GWに行くのは、止めたほうがいいです。行くなら有給休暇とって平日に行くのがお勧め。
晴れの日より、雨か曇りの日の方がベストですね。

今年は雨の日に行ったのですが、人もまばらで大漁でした。
取ってきたアサリを、アサリご飯にしたり、味噌汁に入れたり、アサリの酒蒸しにしたり。
プリプリで最高にウマカッタ~

行ってきたのは木更津の江川海岸。ここは、近隣の牛込海岸より良かったヨ。
今シーズンもう一度行きたいなぁ~。

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ミャンマーのサイクロン被害とイギリスの分割統治

最近の大惨事といえば、ミャンマーサイクロン被害と、中国四川省の大地震でしょうか。
(いずれも本当に悲惨ですね。自然災害の多い日本ですから、とても他人事には思えません。一人でも助かって欲しいと思います。また、犠牲者の方々のご冥福をお祈りいたします。)

そんなニュースの中で考えさせられたのがこのニュース↓

ミャンマー 「上着」を脱ごうとしない軍事政権 サイクロン禍で極端な対外不信の体質露呈

確かに、我々日本人の常識からいったら考えられない事態ですよね。
福田首相も理解できない↓と言っていますし。

首相「理解できない」 サイクロン被害でミャンマー政府に

ただ、この問題はミャンマーをただ非難するのではなく、彼らの悲惨な歴史を知る必要があると思うんですよね。ちょっとでもミャンマーの歴史を知れば、彼らがなぜ頑なな態度を取るのか少しはわかるはずじゃないかと。

私が、今現在そう思うのは、この本↓を読んだのがきっかけでした。

世界は腹黒い―異見自在世界は腹黒い―異見自在
(2004/11)
高山 正之

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長くなりますが、以下、そのコラムを引用してみます。

ミャンマーの悲劇 どこかの国が「いい子」のせいで……(2001・1・20)

(前略)
この国は元英国植民地では異例の非英国的右側通行になる。というのもビルマ人は「英国」が大嫌いだからだ。
英国人はさまざまな手口でビルマ人のアイデンティティーを奪った。十九世紀末には国王以下の王族をインドの果てに島流しにして、国民の求心力を奪った。

国王の娘、美貌のファヤ王女の消息をほぼ一世紀ぶりにヒンドスタン・タイムズ紙が報じた。王女は英植民地軍兵士の愛人にされて貧困の中で死に、その娘、つまり国王の孫娘ツツは「最貧困層に身を落とし、造花を売って生計を立てている」という。
おとなしいビルマ市民がこの王家の悲劇を語るとき、本当に怒りで唇を震わせる。

英国は国王を追放したとき、ついでに黄金の玉座も失敬した。戦後、国連を通じて返還を求めたが、戻ってきた玉座は穴だらけ。はめ込まれたルビー、ダイヤなどの宝石がすべて英国人に盗られていた。

そういう過去があるからビルマは独立するとすぐに英国のにおいのするものはすべて排斥した。ヤンゴンの外語大も、英語を教科から外し、日本語を入れた。交通ルールもそのときに英国流の左側通行から右側通行に変えた。

国父アウンサンの暗殺後、英国に渡ったきりの一人娘スー・チーが三十年もたって英国人の妻になって戻ってきたとき、ビルマ人は正直、戸惑った。彼女は英国人になりきっていたからだ。

 「政治集会やデモの場合、どこの国もそうだが、ここも届け出制にしている。しかし、彼女は故意にそれを無視する。政府がたまりかねて規制すると『民主主義を弾圧した』と騒ぎ立てる」(山口洋一前ミャンマー大使)。
彼女は骨の髄まで嫌みな英国人なのである。

英国に次いでビルマの人々は中国を嫌う。中国人は植民地時代に入り込み、英国人のよき手先となってビルマ人を搾取した。英国人が引き揚げたあとも彼らは居座って経済実権を握り続けた。
ネ・ウィンが鎖国政策をとったのも、ビルマ経済を停滞させて商売のうまみを消し、彼らが愛想を尽かして出ていくのを待つ、という意味があった。

だから生活は貧しく不便だったが、国民は我慢した。それが自分の国を取り戻すためだと知っていたし、同じような状況のベトナムが華僑追放という強制手段を選んで、戦争(中越紛争)に巻き込まれたのよりは、ましな方法だと認識していたからだ。

しかし、中国人はビルマ乗っ取りにもう一つ、手段を講じた。共産ゲリラの侵入だ。彼らは社会不安をあおりながら南下し、七〇年代にはヤンゴンのすぐ北のペグーにまで進出した。
これを掃討したのが今の政権を担当するタンシュエである。

中国人といえば、タイの華僑もしたたかだ。モン、カチンなど山岳民族をけしかけてビルマ大政府と対立させ、武器弾薬を売ってはチーク材を手に入れていた。「中国」というだけでビルマ人は顔をしかめたものである。

ところが九七年に当時のD・エーブル計画経済相に会ったとき、側近から会見の場で「中国の批判は避けてほしい」といわれた。
スー・チー問題を□実に欧米がミャンマーに経済制裁を科し、日本が右にならえをしていたころである。この国の経済はそれでほぼ破綻しようとしていた。

その窮状に援助の手を差し仲べたのがほかならない中国だった。
 ”英国人スー・チー”に屈するのか、嫌いな中国の援助を受けるのか、究極の選択を強いられたビルマ人は結局、中国を選んだ

今、ヤンゴンの表玄関、イラワジ川にかかる鉄橋が中国の支援で建造された。
ネ・ウィンと国民が死ぬ思いで耐え、そして出ていってもらった中国人がそれを渡ってわんさと戻ってきた。
王都マンダレーの街中には漢字の広告が大威張りで立ち並んだ。中国の経済植民地化にもがくミャンマーの姿である。

だから、中国の批判をこっちが言えば、政府首脳は何とも答えられない。「その辺のところを察して欲しい」というわけだ。

そのミャンマーに、もっと苦しいはずのユーゴが三千万ドルもの経済援助を約束した。
妙な話には裏があって「実は日本から巨額のODAを引き出している中国が背景にいて」(産経新聞バンコク特派員電)、ユーゴを迂回して援助しているという。中国政府は強い調子でこの説を否定するが、日本のカネが回り回ってミャンマーのクビを締め上げているのは間違いない。

腹に一物も二物もある国々の言いなりになっていれば、日本はいい子でいられる。
でも、そのおかげでミャンマーが今、中国の植民地になろうとしている
【異見自在/世界は腹黒い P345より引用】


このコラムはもう7年前に書かれたものですが、本当に悲惨の一言ですね。今ではもっと中国の植民地になっているのではないでしょうか(しかし、スーチー女史の行動など、どこかわが国の左翼と行動が似てますねぇ)。

ただ、軍事政権だから…とか、欧米が非難しているから…とかの基準で非難するだけでは済まない問題ですよね。(だからといって、どうすればいいのか私も答えを持っていないですけど)

少なくとも、欧米の視点を排して自らの視点を持たないといけないと思うのですが、骨の髄まで洗脳されている日本人が多いからなぁ…

こうした現実を見てしまうと、日本で平和を唱えている人たちというのは、実にのんきな連中ですね。

日本の侵略についていろいろほじくり返すのも結構ですが、イギリスの悪辣な分割統治について勉強したほうがよっぽど平和について考えることになるのではないかと思うんですが。

そんな分割統治の一端を、またまた高山正之氏のコラムから引用します。

植民地支配の後始末
紳士ではなかった英国人
  (2000・6・17)

自分たちの手を汚さずに植民地を統治したり、戦争したりするのに、適当な代理人を使う、という手法は実は英国の発明になる。

何億もの民がいるインドをわずか二千人の英国人が統治できたのも、宗教や人種対立を利用した分割統治に加え、シーク教徒を巧みに使いこなせたからだ。

ミャンマーでも仏教徒のビルマ人国家に、インド人や華僑を入れて複合民族国家に改造し、さらに山岳民族のカチンやモン族を山から下ろして警官や軍人に仕立ててコントロールした。

チャーチルは「ウイスキー、たばこ、ソーセージ、新聞があるだけでわれわれは不便を感じることなく世界を征服した」という。

それは謙遜で、ほとんど芸術的なまでの味覚音痴、つまりどんな食事にも不満がないことと、分割統治みたいなずる賢さがあったからこそ、あの偉業は成し遂げられた。

ただ、そのあとがいけない。あの米国やオランダでさえ手先に使った人々を切り捨てていないというのに、英国はそれさえしなかった。さっさと逃げて、後は知らんぷりを決め込んできた。

おかげでミャンマーは華僑、インド人の追い出しと、山を下りた山岳民族との抗争で半世紀もの混乱を続けてきた。

インドではシーク教徒の確執で黄金寺院の大虐殺が起き、その報復で首相が暗殺され、その報復の報復で多くのシーク教徒が生きながら焼き殺された。(以下略)
【異見自在/世界は腹黒い P282より引用】


イギリスってほんとずる賢いですねぇ。ミャンマーはともかく、世界各地で収奪を繰り広げながら、自分の手を汚さなかったおかげで、そんなに旧植民地から恨まれていないのですから。

その点、バカ正直に、朝鮮を併合して資本投下してやった日本は、感謝されるどころか逆に恨まれる始末。イギリス人なら朝鮮支配するのにきっと華僑とか使って、恨みを買う事なく搾取していたことでしょう。きっと。
(でも日本のそういうお間抜けな点は、誇ってもいいのではないかな。韓国人は絶対認めないとは思いますが…)

余談ですが、高山氏は上記のコラムでイギリスの後始末を非難していますけど、残念ながらその日本もイギリスの行為を非難できるような立場ではないようです。

そのことは、山本七平の書いた日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)に、次のように指摘があります。

(前略)
というのは、この日本軍の養成した警察隊の、比島潰乱期における日本軍への反乱は、さまざまなゲリラより恐るべき諸事件を発生させているからである。

そしてそれらの事件の背後には、現地における対日協力者への、あらゆる面における日本側の無責任が表われており、この問題の方が、私は、戦後の反日感情の基になっているのではないか、とすら思われるからである。

前述の本多勝一氏の『中国の旅』における「治安維持会」(対日協力者)への定義などを読むと、戦後そのために苦難の道を歩んだ中国人やその一族がこれを読んだら、日本人なるものをどう見るであろうと、少々、慄然とせざるを得ない。

悪名高きベトナムのアメリカ軍さえ、対米協力者の生命の安全とその保障および現地の混血児に対しては、少なくとも最後の最後まで責任をとった。そしてこれを批判した者に対する、台湾人からの痛烈な再批判があった――事実、台湾出身の評論家林景明氏なども、この点における日本人の倫理感を鋭く批判する、アメリカのあの態度を批判するなら、戦争中徴兵した台湾人への軍隊内における強制貯金ぐらいは補償したらどうなのだと。

日本人は、一切の対日協力者を、その生命をも保障せず放り出し、あげくの果ては本多氏のように、その人たちに罵言雑言を加えている、と。
【日本はなぜ敗れるのか/第五章 自己の絶対化と反日感情より引用】


日本もイギリスを責める様な立場ではないようで…。
高山氏の言い分ももっともだけど、ここはイギリスを責めるより、日本の行為について反省するべきなんでしょうね。ただ、いまだそうした反省があるのか疑問ですけど…。

【追記】
山本七平日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)の他の章にも、上記の引用と関連する記述があったので追加引用します。

日本人と現地人の混血児

比島(フィリピンのこと)占領当時から日本人と現地人との結婚問題、いや混血児の問題が取りあげられていた。比島人は米人、スペイン、支那人等、自分達より優れた者と混血することを喜び、混血児はミステーサァー、ミステーソー等といって一般比人の上位に位していた。事実、混血児達は美しく、教育もあり土人より優れていた。

こんな国柄のところへ犬東亜共栄圏理念をかざして戦勝国民が来たのだから当然この問題が起ってくるわけだ。当時は混血奨励とまではいかぬが、成り行きまかせ、いやむしろ賛成者も多かったが、段々に混血不可論が多くなってきた。南方総軍の、その方面の係の人にこの問題につき一晩話を聞いた事を書いてみる。

「比島に根をおろしてここに生活する人が比人と結婚して子供をつくるのは何も問題はないが、軍人、軍属、会社員等のように、一時的に比島にいる者が落す種も馬鹿にならぬ程の数量だという。混血児をつくることの好きな比人との間のこと故、放っておいてもよいようなものだが、一歩深く考えてみると、スペイン、比人の混血児が比島で優位を占めているのは、その本質も優れているが、彼らは植民地にいる間は莫大な月給が支払われている。それで一時的慰みの種でも、帰国時は相当額の手切金というか、子供の養育費を置いていく。それで彼女等は中流の生活をし、子供達にも中等以上の教育を受けさせるので、この混血児は社会的にも相当の地位を得ることができた。

しかるに日本人の場合はどうか? 一年か二年の任期が済み、帰国の時彼女等に残す金はいか程のものであるか?俸給全部を与えたとしても知れた額。米国人が彼女らに与えた千分の一の事もしてやれぬことは明白だ。

その結果は彼女らの生活は少しも保証されず、感情は悪くなる一方であり、生れた子供達は何の教育もされず貪民窟を彷徨う人種となるのが落ちだ。あれは日本人の種だと言われて恥ずかしくない者が何人できるか? 現状では良い結果を得られる見込みは全くないから、種はまいても子供をつくる事だけはやめてもらいたい」との論だった。    ベビューホテル七階にて

【※以上は、「虜人日記 (ちくま学芸文庫)小松真一著」から山本七平が引用した記述】

この問題は、実は、戦後三十年たった現在でもまだ未解決で、尾をひいている問題である。確かに、出張先で子供をつくり、放置してくることは、たとえその相手と子供の生活を保障したところで、立派な行為とはいえまい。とはいえわれわれに、こういう問題を、民族の問題として、いかに処置すべきかについて、思想的基盤に基づく確固たる方針がないことも否定できない。

ベトナムから戦争孤児を輸送する飛行機が墜落したことがあった。孤児の多くは米兵との問に生れた子供であるという。この孤児輸送に対して、日本の新聞は筆を揃えて非難した。これに対して台湾人林景明氏は、次のような意味の反論をした。

 日本人は、多くの戦争孤児と現地妻を捨てて南方からひきあげた。日本政府は、この気の毒な人びとに対して何一つしようともしない。それどころか、台湾人をはじめ現地で徴兵・徴集した人びとやその戦死者・戦傷者、遺族に対して、恩給はむろんのこと、何らかの補償さえしようとしない

否それどころか、これらの人びとのわずかな月給から差しひいて強制的に貯金させた郵便貯金さえ、払いもどそうとしない自分はなすべきことは何一つせず、一切を放置したままにしておいて、アメリカが水兵との問に生れた戦争孤児だけでも引きとろうとするのを非難することは、厚顔無恥としか言いようがない、と。

この所説の一部は新聞への投書としても掲載された。そして、こういわれると、明確な思想的根拠に立ってこれに反論できる者はいない。そのため黙ってひっこんでしまうという形で、反論と同時に、アメリカヘの非難の論調は、急速に紙面から消えていった。

批判らしきものも、その奥に、何ら思想的基盤がないからであろう。三十年前の行為と同じように、その行為への批判においても、われわれは、行きあたりばったりで思いつき、その場その場の印象に前後の脈絡なく情緒的に引きずられているだけで、一つの思想的基盤に立つ筋の通った一貫性に欠けていることを示している。

以上は、小さいことのように見えて、決して小さい問題ではない。というのは、太平洋戦争におけるすべての行動が、同じように思想的な基盤の欠如と精神的な弱さを示す、一貫性なき場当り的な行き方だからである。それは戦略思想の不徹底さにも示されている。

 日本は生産力が低い、従って日本軍は火力か弱い、だがそれを補って優位に立つための兵器に対する明確な系統的な考え方はなく、そのくせその弱点を逆用しそれを基にした戦略・戦術への徹底的な追究、いわばゲリラ戦で対抗すべきだ、という思想もなかった。(以下略)
【日本はなぜ敗れるのか/第十章 思想的不徹底から引用】


かなりミャンマーの話から逸れてしまいましたが、こういう記述を読むと、反日感情の本当の原因は、ただ侵略したからというのではなく、戦後の後始末にも起因していたんじゃないかと思えますね。

最近、ネット上では、日本軍は悪くなかった的な記述をよく見かけますが、上記のような行為をしていたことにも忘れてはいけないと思います。
左翼の人たちは、従軍慰安婦の問題は熱心に取り上げますが、この混血児の問題ってあまり取り上げられませんね。本当はこちらのほうが深刻な問題だと思うのですけど…。


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鯨保護のため犯罪行為も辞さないのは、グリーンピースの仕様です。デフォです。

捕鯨問題って、ものすごく根の深い問題ですよね。今日は、そんな問題にちょこっと触れてみます。

実は大学時代、ゼミのディベートで捕鯨の是非について勉強したこともあって、昔から興味のある話題なんだけど、この問題について考えれば考えるほど、相互理解の難しさとか他者に対する非寛容さとかを痛感しちゃいます。

ちなみに私は、バリバリの捕鯨賛成派です。現在の南氷洋での調査捕鯨は、今後も継続すべきだと考えています。

その主な理由としては、やはり食糧確保の手段として捕鯨技術の維持は必要だと思うので。

中には南氷洋でとるのはどうかと思われる方もいるようですが、全然気にする必要はないと思いますよ。大体、日本で流通している海産物って、世界のあちこちから来ていますし。日本から近い・遠いなんて気にするのはナンセンスだと思います。


そこで本題に入りますが、今日のお前が言うな!というニュースはこれで決まりでしょうか!?





・グリーンピース、“鯨肉横領疑惑の証拠品”として運送会社倉庫から鯨肉を無断で持ち出し、食べる

・宅配荷物紛失で被害届=環境団体持ち出しの鯨肉か-西濃運輸



昔から、目的のためには手段は選ばないグリーンピースでしたが、今回も見事本領を発揮してくれましたね。「正義のためには、些細な犯罪など恐るるに足らず」といったところでしょうか。

グリーンピースとしては、これで捕鯨問題に痛烈な打撃を与えたつもりでいるのだろうけど、却って自らの偏狭な本質を、また世間に暴露してしまったんじゃないかな。

これでますます、普通の日本人からは嫌われるようになることでしょう。いい傾向かも…(笑)。

私は、たまにグリーンピースのHPチェックしたりしているんだけど、彼らのHPには、外部からの意見を載せたり、それを自由に閲覧できるコーナーと言うのが、全く無いんですよね。

日本の捕鯨船を追跡したグリーンピースの船に乗っている日本人のブログとかもあったけど、コメント欄はもとより、TB欄すらありません。

あるのは、自らの主張をPRすることだけ。宣伝の具でしかないんです。要はプロパガンダです。
対話の姿勢なんかないんだよね、彼らには。

そういう連中が掲げる「環境保護」なんて、私にはいかがわしいモノとしか思えんのですがねぇ。


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そこのあなた、モッフルいかが?

そういえば、以前の記事モッフルのこと取り上げたけど、これ↓ついに買ってしまいました。

Moffle(モッフル) モッフルメーカー 【新しい“ニッポン食” モチ+ワッフル=モッフル!】 MME-200Moffle(モッフル) モッフルメーカー 【新しい“ニッポン食” モチ+ワッフル=モッフル!】 MME-200
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不明

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で、感想はというと、結構いける
確かに、食感が従来の焼き餅とぜんぜんちがう。
親や子どもにも評判いいです。

もっと知りたいそこのあなた!以下HP↓参考にしてちょ。

石井さんの奥さんがナゾに挑む! 家電の“それ”ホント?より

お餅が新食感に!アイデア次第で食べ方イロイロ「モッフルメーカー」を試す<前編>
お餅が新食感に!アイデア次第で食べ方イロイロ「モッフルメーカー」を試す<中編>
お餅が新食感に!アイデア次第で食べ方イロイロ「モッフルメーカー」を試す<後編>


オサーンも、石井の奥さんに負けず、いろいろ工夫研究して、美味しいモッフルの食べ方を極めるゾ


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第283回日本のスイッチ結果発表~!

今週の日本のスイッチ投票結果を公開します。

●実施期間: 5/5(月)~5/7(水)
●参加者: 28934人↓あなたの答えは■で示されています

1.福田内閣の支持率、かなり危険水域だと聞くと
□巻き返し期待…18%(5229人)■そろそろ潮時 …82%(23615人)

2.上野のパンダ、リンリンが最後の一頭だったのを
□一応知ってた…13%(3717人)■意識なかった …87%(25185人)

3.胡錦濤主席来日でパンダが外交の道具になったら
■いやな感じ…77%(22378人)□でも欲しい…22%(6434人)

4.母の日のカーネーション、花屋さんで買ったこと
□ある…58%(16812人)■ない…42%(12089人)

5.バターの品薄が続いてますが私の食生活に影響は
□かなりある…10%(2979人)■それほどでも …90%(25908人)

6.テニスの伊達公子選手、37歳で復帰して大活躍は
■すごい実力…57%(16523人)□若手も奮起を …43%(12354人)

7.来客に出したごちそうの残り物、後で食べること
■結構あります…60%(17436人)□絶対しない …39%(11354人)

8.電話の時だけ「よそ行きの声」になる人、身近に
■います…89%(25613人)□いません …11%(3297人)

日本全国にあなたと全問同じ回答の方が……1918人いました。
第283回日本のスイッチ

設問1の福田内閣に期待する人が、また18%もいるんですね。
意外に、日本人って忍耐強いのかも…。


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赤旗や朝日新聞の宇宙基本法案についての主張を読んで

宇宙基本法案について書きかけた記事を放っておいたら、あっというまに成立してた…
せっかく書いたものですので、ちょいと手直し加えてUPします。



なんでこう、赤旗の記事というのは突っ込み甲斐があるのだろう(笑)
5月6日(火)の「潮流(ネット上のソースなし)」というコラムについて取り上げてみます。

潮流

天文雑誌に、破壊された軍事衛星の破片が地球を回っているとありました

▼米国が二月、制御不能となった自国の軍事衛星を、太平洋上のイージス艦からミサイルで撃墜したものです。撃墜によって破片は三千個以上ばらまかれ、ほとんどは大気圏に突入して燃え尽きたものの、まだ本体と数十の破片が地球を回っているそうです(『天文ガイド』五、六月号)

▼科学雑誌『日経サイエンス』六月号にもこの話題が載っていました。「愚かな宇宙軍拡競争」と題して、米ワシントンの防衛情報センター理事がリポートしています。破片がたとえ小さくても秒速数キロメートルの速度なので、衛星や有人宇宙船に損害を与えるのだと

▼さらに、同誌は、米国の宇宙政策などで宇宙軍拡の動きが加速しそうで、軍拡競争が始まれば世界的紛争の危険が高まり、「宇宙開発国にとって唯一の思慮深い行動とは、宇宙軍拡競争を防ぐ道を摸索することだろう」と指摘しています

▼リポートは日本の宇宙基本法案の動向にも注目しています。日本では一九六九年に衆院で全会一致により採択された「宇宙の平和利用決議」で宇宙開発を「非軍事」に限定してきました。これを覆そうと自民、公両両党が昨年、国会に提出したのがそれ。今度民主党も加わって修正案を出そうとしています。財界も国会決議のために最先端の宇宙技術を軍事目的に使えないと盛んにいっています

▼「非軍事」に限定しない宇宙開発が何をもたらすのか。世代を超えた悪影響を考えざるをえません。


この記事を全く宇宙開発の知識を持たずに読んだとしたら、ほとんどの人がコラムの主張に同意するか、又は同意しないまでも、その主張に多少妥当性があると判断するのではないでしょうか?

確かに赤旗の主張もわからないではありません。「宇宙開発非軍事に限るべきだ」というのは素晴らしい理想だと私も思う。
しかし、今回のコラムの主張の内容には次の二点で卑怯だと私は思う。

赤旗が問題視しているのは、主にアメリカと日本の宇宙政策であり、中国・ロシア等を取り上げていないこと。
・さも、アメリカの衛星撃墜が、スペースデブリの主因であるかのごとく書いていること。


まず、衛星の破壊で生じた破片(スペースデブリ)の問題ですが、このコラムには中国の衛星破壊実験が全く出てきていません。
そもそも、アメリカの衛星撃墜と中国の衛星破壊実験のどちらが、より問題なのか次の引用を見比べてみましょう。

松浦晋也の「宇宙開発を読む」(2007年2月2日)

世界に無神経さを示した中国の衛星破壊

中国は2007年1月11日に、自国の気象衛星を標的に衛星破壊の実験を実施した。実験は成功し、衛星は多数の破片となって軌道上に広がりつつある。

31日になって安倍晋三内閣総理大臣は、国会答弁で「中国による説明は懸念を払しょくするものではなく、引き続き透明性のある説明を求める」と発言した。

実際問題として、安倍総理の認識はまだまだ甘い。この問題は、遠い未来に渡って人類の宇宙利用、宇宙進出を根本から脅かしかねない重大問題である。人類の未来を考えれば、安倍総理から中国の温家宝総理に直接抗議文を出してもおかしくはないほどの暴挙なのだ。

中国首脳部が、この実験を事前にどこまで把握していたかは不明だ。しかし、結果として中国は国際社会に対して「中国は人類全体の未来よりも、地球上における自国の権益を優先する」というシグナルを送ってしまったと言っていいだろう。

極めて重大なデブリ問題

1957年に最初の人工衛星スプートニク1号が打ち上げられて以降、軌道上の使用済み人工物体(スペース・デブリ:Space debris)の数は増加の一途を辿っており、衛星や有人宇宙機の安全を脅かすまでになっている。

スペース・デブリはたとえ1g以下の小さな破片でも、衝突時の相対速度が最大で10km/秒以上と極めて高速なので致命的なダメージを生じる可能性がある。

軌道上のデブリは、北米防空司令部(NORAD)がレーダーで監視している。レーダー観測可能な差し渡し約10cm以上のデブリが、現在約1万1000個確認されており、その数は増加傾向にある。またレーダーでは見えないが宇宙機に損害を与える可能性のある1mm以上のものになると、数百万個のオーダーで地球を回っていると見積もられている。

1996年7月24日に、フランスの軍事技術試験衛星「セリース」が、欧州のアリアン・ロケットの破片と相対速度14km/秒で衝突した。これが、NORADが軌道を監視している人工物体同士による初の衝突となった。使用中の衛星にデブリが衝突して被害が発生する可能性は急速に増大しつつある。もしも有人宇宙機や船外活動中の宇宙飛行士にぶつかれば人的被害が出るだろう。

スペース・デブリの脅威は単なる衝突だけに留まらない。「ケスラー・シンドローム」の可能性だ。

デブリ同士の衝突が起きると新たなデブリがまき散らされる。このためデブリの分布密度がある限界を超えると、衝突で発生した破片がさらに衝突して新たな破片が発生するという連鎖反応が起きる。これを「ケスラー・シンドローム」と言う。

ひとたびケスラー・シンドロームが大々的に発生すると、地球周辺の宇宙空間を利用できなくなる可能性が指摘されている。あまりにデブリが増えすぎると打ち上げた衛星が、すぐにデブリと衝突してしまい、自らデブリとなって機能を喪失してしまうわけだ。

つまりスペース・デブリをまき散らすということは、軍事、民生を問わず人類が宇宙利用する可能性を、自らの手で物理的に閉ざしてしまうことを意味する。最悪のケースとしては、人類は増えすぎたデブリのために宇宙利用どころか、長期的には宇宙進出すら断念せざるを得ないケースも考え得る。

スペース・デブリの増加は、人類全体の未来に影響する重大問題なのだ。

表通りの爆弾テロに等しい

特に高度700〜1000km付近はスペース・デブリが集中している。この高度は、地球を南北に周回する極軌道に使用される。このため多数の地球観測衛星が打ち上げられている。

これよりも低い高度では、わずかに存在する空気の抵抗でデブリが地表に落下するが、700km以上のデブリは地表に落下することがない。衛星打ち上げのたびにデブリが増える一方なのだ。高度800km付近では、すでにケスラー・シンドロームが進行しつつあるという試算すら存在する。

中国の衛星破壊実験の標的となった気象衛星「風雲1号C」は、1999年打ち上げ。高度約850kmのまさにもっともデブリが稠密な高度の極軌道を周回していた。破壊実験の結果、風雲1号Cはレーダー観測可能な400個以上の破片に分解した。レーダー観測不可能な微細な破片は数万個以上発生したと推定される。

発生したデブリは、元の軌道に留まるわけではない。与えられた初速によって軌道傾斜角も、軌道高度も変化する。さらに、地球が完全な球ではないことから発生する摂動によって地球全体を覆うように拡散していく。実際、風雲1号Cの破片の一部は、国際宇宙ステーションが利用している高度400km程度まで地球に近づく軌道に入ったことが確認されている。

中国は地球観測衛星が多用する、しかもデブリが滞留しやすい高度・軌道で衛星破壊実験を実施し、多数のデブリを軌道上に振りまいた。これは、誰もが利用する宇宙の表通りで爆弾テロを実行したことに等しい

中国の国際的イメージは大きくダウン

衛星破壊実験は、冷戦時代にアメリカと旧ソ連がそれぞれ実施したことがある。しかしスペース・デブリをまき散らすことの問題点が明らかになったため、1985年を最後に米ソ共に実験を中断していた。

今、このタイミングで中国が実験を実施した理由は、明らかにアメリカが進めるミサイル防衛構想(MD)への対抗措置だろう。MDでは、衛星軌道上に赤外線センサーを搭載した早期警戒衛星を配備し、大陸間弾道ミサイルの発射を宇宙から検知する。実験を行うことによって、中国はアメリカに対して「いざとなれば衛星破壊も辞さないし、そのための手段も持っている」というサインを送ったわけだ。それは同時に、中国が将来的にアメリカに対抗する超大国を目指すという意思表示であり「だから我々の意志を尊重せよ」という無言の要求でもあったわけだ。

しかし、どうやら中国首脳部はスペース・デブリに関する認識が甘かったようだ。国際社会は「中国は、自国の利益のためにはスペース・デブリの放出のような、人類全体の未来に有害なことであっても行う、無神経な国である」と受け取ったのである。

(中略)

今回の実験では、中国が衛星破壊能力を保有することがアメリカに伝わった。中国としては、第一の目的が達成されたので、今後しばらくは実験を行うことはないだろう。しかし、同時に実験は全世界に対して「中国は何をするか分からない、無神経な国だ」というチャイナ・リスクを強く印象付けることとなった。今後、来年の北京オリンピックに向けて、中国が負ったダメージは、決して小さくないと考えるべきである。(松浦晋也)


もう一方のアメリカの偵察衛星撃墜については、週刊オブイェクトさん↓を参考にしてみましょう。

偵察衛星をMDシステムで撃破成功(2008年02月22日)
SM-3は高度247kmで目標に命中、任務を達成しました。衛星のヒドラジン燃料タンクは破壊されています。

米軍、偵察衛星の撃墜に成功と発表2008年02月21日 15:30【2月21日 AFP】(2月21日 一部更新、写真追加)
米国防総省は20日夜、制御不能で落下が懸念されていた偵察衛星の撃墜に成功したと発表した。
 

今回の迎撃作戦は、軌道を外れかかった衛星を撃破するものですので、発生したデブリは直ぐに大気圏に再突入して燃え尽きます。一方、中国の衛星破壊実験のように高い高度で行われた場合、何十年と宇宙に留まり続けるスペースデブリとなりますから、今回の件と同列視する事は出来ません

アメリカはこの「デブリの問題は発生しない」という点と、「衛星が人口密集地帯に落ちないよう無力化する」という二点の大義名分を手に、副次効果として「偵察衛星の部品を他国の手に渡さない」「MDシステムのデモンストレーション」「一年前に衛星破壊実験を行った中国への牽制」という結果を得ることが出来ます。(以下略)


要するに、上記の引用記事からわかることは、

【アメリカのスペースデブリ
・ほとんどが大気圏で燃え尽き、残っているのは、本体及び数十の破片のみ。

【中国のスペースデブリ
・400個(追跡可能なサイズ)+数万個(追跡不可能なサイズ)の破片で、そのほとんどが軌道に残り続ける。

というわけで、どう考えても、アメリカの衛星撃墜より中国の衛星破壊実験のほうがはるかに迷惑だということはお分かりいただけるかと思います。

しかし、赤旗の記事をいくら読んでも、こういった事実は出てきません(所詮コラムですから、説明している訳にも行かないでしょうけど。でもそれにしても中国を出さないのはヒドイ)。

まあ、赤旗の場合は、こういった事実をわかって書いているのか非常に疑問ですが、もしわからないままコラムにしていたなら、素人にも劣るダメ記者ですし、わかっていながら、あえて無視しているなら特定の意図を隠しつつ正論を吐いている振りをした悪質な記事だと思います。

そもそも、宇宙開発に限らず、技術全般に言えることですが、軍事・非軍事の線引きをどこでするのかという難しい問題があります。

それに、「攻撃」の概念が、単に火器を使うものから、社会のインフラを狙うもの(サイバーテロ等)にまで当てはまる現在、線引き自体が無意味になりつつあるような気もします。

そんな時代に、「宇宙開発は非軍事」でという政策を墨守することが果たして、意味があるのか?
そういう視点からこの法案を吟味する態度が、赤旗をはじめとする左翼論壇には欠けているのではないでしょうか。




しかし、法案成立後の朝日新聞の社説↓もひどいですね。

宇宙基本法―あまりに安易な大転換

安易なのは、朝日新聞のほうです。

>情報収集衛星の解像能力も、民間で一般的な水準に抑えられてきた。
>今回の基本法は、現状を追認するばかりでなく、そうした制約も取り除いてしまおうというものだ。

あほか民間で一般的な水準なら、情報収集衛星として失格だと思うのだが…。
そんな制約があるほうがおかしい。
それに、日本の技術力では、一般的な水準の解像能力の衛星しか開発できなかったと聞いていますけど…。非軍事の制約で出来なかったという主張はちょっと疑問が残りますねぇ。

朝日新聞も赤旗と同じレベルに堕ちているようです。合掌。


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安倍前首相のGJ行為&その前首相を罵倒する記事を読んで

はぁ…、せっかく書いた記事を上げようとしたらなぜか消えてしまった。ショック
でも、気を取り直してもう一度チャレンジするか。はぁ~


「無事釈放を…」安倍前首相発言で緊張走る

この件については、結構ネット上では評判がいいようですね。
ただ、こんな記事も↓見かけたのでちょっと取り上げてみたい。

胡錦涛訪日と産経新聞の報道振りに思う

何から何まで中国を目の敵にして報道する産経新聞。チベット問題に関する中国批判が見られない日はない。

だから今回の胡錦涛訪日について、産経新聞がどのように激しい批判的な記事を書こうと、驚くに値しない。

中国には確かに批判されるべきところはある。それが正しい批判であれば中国にとっても有益であろう。そう思って私は産経新聞の対中批判記事を熱心に読んできた。

しかし、9日の産経新聞の報道振りについては、心の底から苦笑せざるを得なかった。

胡錦涛主席と創価学会名誉会長の池田大作氏との「うれしい再会」を、大きな写真入で詳しく報じている。そこには一切の批判的な言辞はない。

その同じ紙面で、中曽根大勲位が、胡錦涛主席の来日と福田首相との日中首脳会談は、「歴史的意義がある」と評価した事を、これも何の批判もすることなく、そのまま載せている。

さすがは中曽根大勲位である。いい事を言っていた。私もまったく同感である。

それは産経新聞の言説とはまったく正反対であるが、その正反対の意見を掲載する産経新聞も、立派である。

ところが、苦笑せざるを得なかったのは胡錦涛主席と歴代4首脳の朝食会で、安倍前首相が中国側にチベットやウイグルの人権問題を指摘した事を大きく取り上げ、それをグッドジョッブであるといわんばかりに誉めそやしていることだ。

池田大作氏や中曽根大勲位の記事よりもはるかに大きく、詳しく書いている。

冗談はよしてくれ。安倍前首相がどんな辞め方をした男か、忘れたのか。国民を失望させ、世界中に日本の恥をさらした、前代未聞の首相ではなかったか。

まともな政治家であれば、あのような形で総理を辞めた時点で、議員さえも辞めるべきであった人物なのだ。あのような情けない体たらくを一番嫌うのは産経新聞ではなかったか。

いくら中国批判をしてくれたからといって、そんな人物を誉めそやすようでは、私のこれまでの産経新聞に対する評価は、見事に失墜せざるをえない。産経新聞の志は一体何なんだ。

それにしても安倍晋三という男、何を勘違いしているのだろう。これ以上晩節を汚してくれるな。その程度の政治家は、この国にははいて捨てるほどいる。
天木直人のブログより引用】

元外務省キャリアの天木直人さんが吠えていますね。

要するに、安倍前首相を持ち上げる産経新聞は許せん!ということだと思いますが。それではなぜ安倍前首相を持ち上げるのがいけないのでしょうか?

どうやらその理由は、

「国民を失望させ、世界中に日本の恥をさらした、前代未聞の首相」
「まともな政治家であれば、あのような形で総理を辞めた時点で、議員さえも辞めるべきであった人物なのだ。あのような情けない体たらく…」


といったところに伺えますね。
そういう人物を誉めそやすことは許せん!ということなのでしょう。

しかしながら、この天木さんの意見って、果たして的を得ているのでしょうか?
私は的を得ていないと思います。

産経新聞の元記事をみると、確かに安倍前首相の意見は、他の元首相の意見より大きく取り上げていますが、別に誉めそやしているわけではありません。「緊張が走る…」という表現だけで産経新聞は特に何の論評もしていませんし。それをどうして誉めそやすと受け取るのか?
(別に産経新聞の肩を持つわけではありませんよ。)

そもそも、中国の人権問題がホットトピックとして扱われる状況なのだから、その問題にずばり言及した安倍前首相の発言を大きく取り上げるのは、むしろ当然だし、自然なことだと私は思います。

それに天木さんの記事を読む限り、彼の人権問題に対するスタンスというのがイマイチわかりません。

「そんな人物」が人権問題について言及するのはイカンということなんでしょうか?
「そんな人物」でなく、立派な人物なら「人権問題」に言及する資格があるということでしょうか?

この記事を読んでの判断に過ぎませんが、天木さんの基準では、どうやら大勲位の中曽根元首相は、「立派な人物」にあたるようです。しかしながら、その中曽根元首相は、何ら人権問題について言及しませんでした。

なぜ、その立派な人が犯した「不作為」行為を、天木さんは追及しないのか?人権問題について、真剣に受け止めているならそのことについても非難すべきではないでしょうか?

でも実際には、非難するどころか、それに触れなかった中曽根元首相の発言を褒めているだけ…。

結局のところ、天木さんは、安倍前首相のことを罵倒したいだけなのでしょう。そうでないとすれば、中国様に非礼な行為を働いたことが許せなかったのかも知れませんね。

この記事を読む限り、天木さんは人権問題のことなんか、全く眼中にないというのが、実情なのではないでしょうか。それとも、安倍憎しのあまり人権問題のことなんか忘れてしまったのかな…?

何はともあれ、元外務省のキャリアが書いたブログにしては、すこしお粗末な記事ではないかと思いました。


さて、そういう自分はこの件をどう思っているのか、ということについてちょっと述べておきます。

この件に関しては、私は、安倍前首相の行為を高く評価しています。
この行為は、非礼だとか空気読めないとかそういう次元の問題ではありません。
いわば、日本人の人権感覚が問われるリトマス試験紙的状況だったと思います。

そういう状況の中で、ズバリ胡主席に直接、チベットやウイグルの人権問題について言ってのけたのは、数ある政治家の中で唯一、安倍晋三という男だけでした(暗に批判した政治家だったら他にもいたみたいですけどね)。

正直、私は、ある意味救われた気分になりました。
一人しかいませんでしたが、日本の政治家にも、胡主席に面を向かって人権問題について指摘できる人物がいたのですから。
一人でもいいんです、量の問題ではありません。いたのといないのでは天地ほどの差があります。絶対的な違いがあります。

そういう意味で、私は今回の安倍前首相の行為を評価しています。

あんな辞め方をしてしまった安倍前首相なので、なかなか前途は厳しいと思いますが、まだ若いのですから、修行しなおして、日本のため頑張って欲しいと思います。


【余談1】
そういえば、かの田中真紀子さんは、胡主席と会談した後、取材陣にチベット問題について話したか?と問われて、「チベット問題については”あえて”口にしませんでした」と答えていましたね。
記者には、もう一歩踏み込んで質問して欲しかったですね。なぜあえて口にしなかったのか?と。
ま、彼女には、全然期待していないからどうでもいいのですが、もう少し追及して欲しかったなぁ。

【余談2】
【胡錦濤氏訪日】愛ちゃん、胡主席に抱かれる…
胡主席に抱かれる愛ちゃん
この場面ニュースで見たけど、福原愛ちゃん笑顔でしたが、抱かれるの嫌がっていたようなそぶりでした。やはり東洋人はこういうの得意でないのかも。イタリア人のおっさんなら、自然に抱いちゃうんだろうけどね。


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面白画像紹介:純真度がわかるだまし絵

今日は、手抜きでスミマセン。
面白い画像を見つけたので記事ともども引用しちゃいます。



この絵が何に見えますか?

見えたらスクロールして説明を読んでみましょう。

絡み合う男女?




見えるのは二人の男女がとても愛し合っているようなイメージですよね。

興味深いことに研究によると小さな子供たちはそれが見えません。理由は愛し合うカップルの映像というか概念が彼らの中にないからです。

では彼らには何が見えるのかというと、9頭の(小さくて黒い)イルカです。

これによって判明することは、あなたがイルカを見出すような子供の純真な心をもう持っていないということです。

もし6秒経ってもまだイルカが見つけられないときは、あなたの心は相当堕落していて助けが必要かもしれません。

そうですか。まだ見えませんか。女性の右腕と頭の間を見てください。首側が尾です。ヒップにも肩にもあるのですよ。

哀しいかな、純粋な心というのは儚いものなのかもしれません。



らばQ(年齢によって見えるものが変わる「だまし絵」)より丸々引用させていただきました。

ちなみに、私は全部読み終えてから(むろん6秒オーバー)ようやく、イルカを発見しました。(オサーンですから当然です

しかし、こういう絵を書く人ってある意味、天才ですよね。
イルカの尾っぽを、オマタに見せちゃうなんて…、うーん、憎らしいほどの出来じゃないですか。
右の乳首に見えるポッチは、イルカには無いはず…なんてけち付けるのもバカらしくなっちまいやす。

【追加】
もう一度、よく見ると右の乳首のポッチは、イルカの隠れた右ヒレ先に見えなくもない。う~ん、完璧な芸術ですな。

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第282回日本のスイッチ結果発表~!

今週の日本のスイッチ投票結果を公開します。

●実施期間: 4/28(月)~4/30(水)
●参加者: 29445人↓あなたの答えは■で示されています

1.与野党激突の山口衆院補選、野党勝利の結果って 
■予想できてた…79%(23306人)□意外に感じた …20%(5871人)

2.長野の聖火リレー、より印象に残ったのは
□抗議派の妨害…29%(8666人)■中国旗の多さ…70%(20578人)

3.終わってみれば、この日本での聖火リレー
□来て良かった…14%(4005人)■意味なかった…86%(25320人)

4.死刑制度に賛成か反対か問われたら、はっきりと
■答えられる…70%(20568人)□答えられない…30%(8828人)

5.ガソリン税復活で、5月から再値上げ始まったら
□がっかりだ…64%(18894人)■やむを得ない…35%(10448人)

6.山形でバッハの音楽聴かせたみそを発売だって
□一味違うかも…19%(5653人)■なぜバッハ?…80%(23677人)

7.米大統領選、踏みとどまったヒラリー候補に一言 
□早く撤退を…42%(12271人)■最後まで戦え…58%(16962人)

8.いつも生えない所から1本だけ毛が生えてきたら
■すぐに抜く…50%(14666人)□少し見守る…50%(14702人)

日本全国にあなたと全問同じ回答の方が……766人いました。

今回長野の聖火リレー問題について、2問ほど出ていましたけど、やっぱりあのイベントは日本国民には、かなりマイナスイメージでしたね。

あれを見たら、外国人に参政権を認めるなんて恐ろしい…
長野の聖火リレーが、外国人地方参政権推進運動に逆風として作用するなら、開催した意味があった…のかな!?


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B52飛来問題を通して、平和活動の欺瞞を見る

5月2日(金)の赤旗の記事ですが、気になったので取り上げてみましょう。↓

米軍B52 飛来中止
岩国 「核爆撃機拒否」 世論の力


米軍岩国基地(山口県)で五日に実施される航空ショーに参加を予定していたB52戦略核爆撃機の飛来中止が一日、明らかになりました。

 外務省日米地位協定室が同日、本紙の問い合わせに対し、「米軍の運用上の都合」によりB52は飛来しないとの回答が四月三十日に在日米大使館からあったことを明らかにしました。

 同機の飛来予定は、日本共産党の笠井亮議員が四月二十三日の衆院外務委員会で取り上げ、「核攻撃できる戦略爆撃機が被爆地・広島の近くにやってくるのは被爆国民にとって耐え難い」と高村正彦外相を追及しました。

 この問題は地元に大きな衝撃を与え、各市民団体のほか、岩国市に隣接する広島県の藤田雄山知事、秋葉忠利広島市長、眞野勝弘廿日市市長ら自治体首長が相次ぎシーファー駐日米大使、オハローラン岩国基地司令官、高村外相らに飛来中止を要請していました。

被爆地の声が動かす 広島知事・市長が談話
 B52戦略爆撃機の飛来が中止になったことについて一日、広島県の藤田雄山知事と広島市の秋葉忠利市長はそれぞれ外務省に確認のうえ、コメントを発表しました。

 藤田知事は「外務省、駐日米国大使及び米海兵隊航空司令官に対し、参加中止を要請していたところです。本県といたしましては、県民感情に反する行為が行われないよう、引き続き、国をはじめ、米軍等の関係機関に対し強く働きかけて参ります」としています。

 秋葉市長は中止決定について「日米政府間の申し合わせを守るという意味では当然の判断であるが、被爆者をはじめとする広島市民の強い思いが伝わった結果」と指摘。そのうえで、「核兵器廃絶を願う世界の圧倒的多数の市民の声を真摯に受け止め、核兵器廃絶に向けて主導的役割を果たすことを望む」としています。


私は、赤旗の記事なんぞ、疑ってかかる癖(笑)がついているものですから、ネットで調べてみました。そこで参考になったのが、週刊オブイェクトさんのブログ↓。以下一部引用します。

岩国基地祭にB-52爆撃機が登場予定

共産党の笠井亮衆議院議員と藤本博司岩国市議員、秋葉忠利広島市長、藤田雄山広島県知事がB-52飛来への反対の声を上げています。反対理由は「核搭載可能」だからだそうですが、そんなことを言い出したらF/A-18戦闘機やF-16戦闘機にもB61戦術核爆弾やB83戦略核爆弾を搭載可能なわけで、それら戦闘機は毎日飛んでいるわけです。枯葉剤にしてもB-52爆撃機ではなくC-123輸送機で撒いた筈ですし、色々と無茶が有ります。結局、反対理由についてはそういった細かい事が問題なのではなく、「ベトナム戦争のイメージが強烈なB-52が感情的に許せない」という話なのでしょう。

予想通りB-52は岩国に飛んできません


しかし、この問題で反対の声を上げた人たちって、軍事知識のかけらすら持っていないようです。ま、そもそも、軍事そのものを忌避し直視しない人たちだから当たり前と言えば当たり前なのですが…。

軍事知識が無いことは別に恥でもなんでもないと思うのですが、自らの勉強不足(核を搭載できるのは爆撃機だけでないこと等)を棚に上げて、とんちんかんな反対の声を上げ、単に米軍の都合でB52が来なくなっただけなのに、あたかも自分たちの反対活動のおかげだったかのように振舞う。

これって単なる自己満足・自己欺瞞に過ぎないですよね。本当に自分たちの活動で中止に追い込んだと考えているようなら単なる「勘違い野郎」ですし、わかっていてあえてそう表現しているなら自他共に欺く「卑劣な欺瞞者」でしょう。

私が日本の平和運動をイマイチ信用できないのは、こういう低レベルだからです。
本当に平和を求めているのなら、まず、軍事知識をつけて欲しい。これこそ「一知半解知らずに劣れり」です。そう思います。

秋葉忠利広島市長もこのレベルだと思うと、がっかりしました。こうした低レベルの平和勢力に迎合することが、いかに被爆地広島の首長としての発言の信用度を落としているか、いい加減自覚すべきではないでしょうか。

【追記】
たしか、社民党党首福島みずぽたんは、空母からB52が発進すると勘違いしてませんでしたっけ。それに、広島型原爆(ウラン)と長崎型原爆(プルトニウム)の違いもろくに知らなかったと聞いてます。
一市井人ならともかく、公党の党首がそんな程度で平和を語ろうなんて考えが甘すぎですよね。


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一知半解

Author:一知半解
「一知半解知らずに劣れり」な自分ではありますが、「物言わぬは腹ふくるるわざなり」…と、かの兼好法師も仰っておりますので、ワタクシもブログでコソーリとモノ申します。
一知半解なるがゆえに、自らの言葉で恥を晒すのを控え、主に山本七平の言葉を借用しつつ書き綴ってゆきたいと思ふのでアリマス。宜しくメカドック!!
日々のツイートを集めた別館「一知半解なれども一筆言上」~半可通のひとり言~↓もよろしゅう。

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