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一知半解なれども一筆言上

山本七平マンセーブログ。不定期更新。

仮に天皇制が廃止されたとしたら、どのような混乱が起こるか?/フランス革命と第一次ユダヤ戦争を振り返る

前回の記事「天皇陛下を、単なる穀潰しの「一公務員」と思っている輩は、日本の歴史を知らぬ馬鹿者である」の続き。

前回、「天皇とは歴史的に二権分立の片方(祭儀・律令権)の役割を果たしてきた」というイザヤ・ベンダサンの意見を紹介してきました。
そこで今日は、ありえないことですが「もし天皇制が廃止されたらどうなるか」という命題についてちょっと考えてみたいと思います。

天皇制廃止というのは、現在の状況を見て全く考えられませんが、それでもちょっと想像してみてください。
仮に天皇制が廃止されてしまったらどうなるかを。

間違いなく、日本は混乱に陥ります。
権威の「軸」が失われ、無秩序状態になるわけですから。
そして仮にその混乱状態が収まったとしても、その代わりに独裁状態が出現するでしょう。

これは過去の世界の歴史を見ても、十分に想像が出来ます。

一例を挙げれば、フランス革命などはその最たるものでしょう。
フランス革命と言えば「自由・博愛・平等」が声高に叫ばれましたがその実態はどうだったか。
岸田秀フランス革命について触れた記述が大変参考になりますので以下ご紹介します。

二十世紀を精神分析する (文春文庫)二十世紀を精神分析する (文春文庫)
(1999/10)
岸田 秀

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◆十二、近代国家の妄想

近代西欧人が理性と呼んだものは、要するにキリスト教の唯一絶対の神の後釜であった。
このことは神と理性の多くの共通点からも明らかである。

神と理性との唯一の違いは、神は個人の外にあり、理性は個人の内にあるという違いで、それ以外の違いがあるとしても、この唯一の違いから派生した違いに過ぎない。

理性とは、いわば外なる神を殺して内在化したものであって、なぜ西欧人がそのようなことをしたかは、すでに述べた。

神と理性の共通点を挙げれば、まず第一に全知全能性である。

もちろん、個人の内にある理性が全知全能であるということは、あまりにも事実に反しているので、あからさまには主張されないが、この誇大妄想は、あれこれの条件つきであれこれの口実のもとにスキがあれば噴き出してくる。

理性はときには誤るかもしれないが、究極的には無謬であって、いつかは真理に到達できるという信仰もこの誇大妄想の一形態である。

そして、全知全能の神が世界を創造したのだから、全知全能の理性だって同じことができないはずはないと考えられ、この誇大妄想にもとづいて世界の創造が試みられた。

その第一回目の試みがフランス革命である
フランス革命は『創世記』に記述されている世界創造のやり直しであった。

まず、時間と空間がつくり直される。
一週間が七日という神の秩序が廃止され、一週間は十日となる。
メートル法が採用されて空間が合理的に組織される。

ルイ十六世をはじめとする王侯貴族、そのほかとにかく旧秩序に属すると見なされた人たちが大量にギロチンで処刑されて世界の住人が新しくなり、パリの街路のほとんどは改名されて世界は新しい名で呼ばれる。

神の秩序の代りに法の秩序が制定される。

「全地は同じ発音、同じ言葉であった」(『創世記』第十一章)原初にならい、少なくともフランスの国家権力が及ぶかぎりフランス語で統一しようとして、アルザス語やブルトン語などの方言が弾圧される(成功しなかったが)。

これらのことからもわかるように、フランス革命は抑圧された民衆が腐敗した支配階級を打倒して権力を握ろうとした運動ではなく、必ずしも抑圧された民衆ではないある種の人々が全知全能の理性にもとづいて新しい世界を創造しようとした誇大妄想的企てであった。

ロシア革命はフランス革命のコピーであるが、コピーはオリジナルより過激になるという一般法則の例に漏れず、理性の誇大妄想性をさらに強める。

たとえば、共産主義の計画経済は、国家と人民にとっての最善の需要と供給のあり方を理性によって計算し、実行できるという前提に立っていたが、この前提は誇大妄想の最たるものであろう。

神と理性の第二の共通点は、その普遍性、絶対性である。

このことは必然的に、普遍的、絶対的である神または理性に従わない人々に対する軽蔑、差別、残忍さを招き、かつそれを正当化する根拠となる

理性信仰は絶対神信仰に優るとも劣らぬ大量殺人をもたらした

この殺人の恐ろしいところは、単に大量に行われるだけでなく、正義の名のもとに平然と行われることである。

◆十四、フランスの狂気

すでに述べたように、個人の場合も集団の場合も、そのようなことは起こらなかったと思いたい苦痛な、不安なあるいは屈辱的な事件が避けがたくときには起こる。

そのとき、誰しもそのような事件の経験を否認し、その記憶を抑圧し、その意味を歪曲しがちである。

そうすれば、一時の気休めにはなるが、その結果必然的に狂気に陥る。
狂気とは現実からの離脱であり、個人も民族も国家も都合の悪い現実から眼を起らせば、眼を逸らした程度に正確に比例して狂うことになる。

どのような個人も集団も都合の悪い現実から多かれ少なかれ眼を逸らしており、したがって多かれ少なかれ狂っているが、フランスという国家に関して言えば、近代においてこの国が狂いはじめ、いまだに狂いつづけている端緒となった事件はフランス革命である。

大革命は誇大妄想に駆られたあげくの一大愚行であった。

一七八九年のバスティーユ襲撃から一八一四年の王政復古までの二十五年間に、外国人の被害は別としてフランス人だけで二百万人が死んで(殺されて)おり、経済的、社会的、文化的損害は測り知れない

それだけ大きな犠牲を払って実質的に得たものはほとんど何もない

得たのは「自由、平等、兄弟愛」というむなしいスローガンだけであった。

(後略~)

【引用元:二十世紀を精神分析する/P39~】
まぁ、日本ではフランス革命のように天皇をギロチンにかけるといった事は起こらないだろうとは思いますが、万一仮にそのような事態が起きたとしたら、間違いなく上記のような混乱状態に陥るでしょう。

山本七平も著書「一つの教訓・ユダヤの興亡」の中で、第一次ユダヤ戦争(註1)時における似たような事例を挙げています。

(註1)…帝政ローマ期の66年から73年まで、ローマ帝国とローマのユダヤ属州に住むユダヤ人との間で行われた戦争(wiki参照

この第一次ユダヤ戦争は、ローマの支配下において、親ローマ派の上層階級と、国粋・排外主義的な下層階級との内乱がキッカケとなって拡大した戦争ですが、下記引用は、上層階級のトップである大祭司が殺害された箇所からご紹介していきます。

一つの教訓・ユダヤの興亡一つの教訓・ユダヤの興亡
(1987/11)
山本 七平

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◆伝統的秩序を破壊すれば自己の安全も失う

(~前略)

大祭司(註2)を殺したことは、一種の”歯止め”がはずされたことを意味する。
(註2)…ユダヤ教の最高位の祭司。第1次ユダヤ戦争当時の大祭司は、アナニアス。

メナヘム(註3)が暴君になれば、大祭司を殺した者は彼を殺すぐらい何とも思わなくなる。
(註3)…大祭司アナニアスを殺害した過激派の指導者

これは多くの革命的集団が、大はボルシェヴイキより小は新左翼まで、必ず内ゲバヘと進んでいく道である
いわば伝統的文化的秩序を破壊してしまえば、それによって保護されていた自己の安全をも失う結果になる。

(~中略~)

◆始末が悪い己が心情の絶対化

叛徒側が誓約したので、ローマ兵は塔を出、全員が何の疑念もなく剣と盾を置き、立ち去ろうとした。
そのときエレアザロス(註4)とその部下は彼らに襲いかかり全員を殺してしまった。
(註4)…メナヘムを内ゲバで殺害した過激派のリーダー。後にマサダ要塞で自決する。

ただ1人助かったのは隊長のメテリオスで、彼は命乞いをし、割礼をうけてユダヤ教徒になると誓約してやっと命が助けられた。

全エルサレムはこれを聞いて悲嘆にくれた。
ローマの復讐はもう避けられない

そしてそれだけでなく、これで一切の秩序が失われたことを感じた

というのはその日は安息日であり、たとえ誓約があろうとなかろうと、そのような行為は絶対に許されなかったからである。

いわば殺されても戦わなかったポンペイオスのエルサレム攻略のときのユダヤ人から見れば、彼らの行為は、ローマの怒りだけでなく神の怒りをも招く行為だったからである。

ローマの支配から独立して神政制(テオクラティア)を目指すはずの者が、大祭司を殺し、律法に違犯する。
それでいながら、彼らは自分たちが最も神に忠実な神政制の信奉者だと信じて疑わない。

奇妙なようだが、これは歴史においてしばしば起った現象である。

共産圈にもこの例があるが、もちろん日本にもあり、典型的なのが.ニ・ニ六事件の将校である。

外国人がしばしば不思議がり、また『天皇陛下の経済学』の著書ベン=アミ・シロニー教授が『日本の叛乱』を記す動機の1つとなったのが、彼らが主観的には最も天皇に忠誠であったという事実である。

ちょうど過激派(ゼロータイ)が自らが神の意志を体していると信じたように、彼らも「大御心」すなわち天皇の意志を体していると信じきっていたことであった。

そして、過激派が大祭司を殺し神の律法を平然と蹂躙したように、彼らも天皇が任命した総理大臣以下を殺しまた殺そうとし、さらに、天皇が定めた欽定憲法も「御名御璽」が記されている『作戦要務令』も『陸軍刑法』も平然と無視し蹂躙した

そして、そうしながら最後の最後まで自分たちこそ天皇に忠誠なのだと信じて疑わなかった。
結局、これは「天皇絶対」という自己の心情の絶対化である。

(後略~)

【引用元:一つの教訓・ユダヤの興亡/ユダヤを破滅させた”ひとりよがり”の教訓/P245~】

伝統的文化的秩序を破壊することが、どれほど国民に被害を及ぼすか。
上記の第一次ユダヤ戦争の歴史でも語られているように「自らの安全も失ってしまう」のです。

まぁ、このような事は決して起こりえないと思いますので、この点については全く安心しているのですが、皇室を廃止しようと考えている人達には、皇室を廃止した場合に起こりうるこうした「リスク」について一度考慮に入れて欲しいと思います。

国民主権の世の中だから…とか、平等な世の中だから…とか、時代遅れの制度だから…とか、一千年の歴史からみれば”流行り”程度に過ぎない近代の「西欧的価値観」で、有史以来連綿と続いてきた皇室を否定するのは、余りに浅慮であると言って差し支えないのではないでしょうか。

私は前に、皇室という存在は、権威の「軸」だと言いましたが、日本の伝統的文化的秩序を背景にしているが故に、「軸」でいられるのであって、皇室のあり方を変容させてしまえば、権威の「軸」たり得なくなる可能性もあるわけです。

そこで、私が心配している日本の皇室の危機は、上記のような暴力的革命ではなく、お世継ぎ問題にあります。
現在の皇室典範のままであれば、間違いなく血統が途絶えてしまうでしょう。

これこそが日本の危機です。

今のところ、悠仁親王殿下がいらっしゃるので、この問題は沈静化していますが、いずれまた解決しなければならない問題として浮上してくるのは間違いありません。

そのときには、皇室を維持するために女系天皇を容認すべきだという意見が再び必ず出てくるはずです。

しかしながら、私は女系天皇は絶対容認できません。
なぜ男系維持に拘るのかといえば、やはり皇室の持つ正統性や権威というものを重視しているからです。

日本が建国されて以来、天皇家は常に歴史の中心に在って、少なくとも権威(祭儀権)はズーッと保持されてきました。
そして、過去女性天皇がいたとしても、女系天皇であったことはないとされています。

そうした歴史が積み重なって、万世一系という世界でも稀な”幻想”が信じられてきました。

そうした歴史的重みを鑑みれば、女系天皇というのは、万世一系という”幻想”を突き崩し、皇室の存在の正統性を脅かしかねない恐れがあると思います。

すなわち、女系天皇容認論とは、皇室のあり方を一変させ、一千年以上にわたる伝統を断絶させることになり、ひいては天皇のレーゾンデートル(存在理由)を貶めようとするものに他ならないと私は考えます。

女系天皇容認論は、ホンネでは皇室を無くしたい者の策動であるとさえ思います。

それはさておき、かといって、現状の男系のみでは将来的に継承が上手くいかないという非常に大きな問題がありますね。
個人的にはやはり、旧宮家の復活と、宮家の男子を養子にとることができるようにするのが一番望ましいとおもうのですけれど。

いまどき、旧宮家の復活など時代錯誤であると、世論から相手にされていませんが、これは日本にとって皇室が如何なる存在であるか、そして皇室の伝統を維持することが如何に大切かを、今後、粘り強く訴えて変えていくしかないでしょう。

次回は、天皇の政治利用に関して、山本七平の記述を紹介していく予定です。
ではまた。

【関連記事】
・天皇陛下を、単なる穀潰しの「一公務員」と思っている輩は、日本の歴史を知らぬ馬鹿者である
・日の丸君が代を問題にする人々と、かつての元号廃止論者の類似性



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テーマ:天皇陛下・皇室 - ジャンル:政治・経済

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コメント

天皇制

 四月三十日平成天皇が退位し、翌日令和天皇が即位した。私は六十八年の人生で天皇制とか天皇家について、折に触れて調べそして考え、調べそして考えてきたが、私自身の中で綺麗に折り合いが付く結論は未だに出ていない。一千年以上続いてきた歴史を前にして、長くても百年の人生で結論を出せる訳も無いのだろう。
 だから私の中にあるのは、天皇制と天皇家に対する答えの出せない幾つかの自問だけなのだが、それらについて書いてみようと思う。

 平成天皇は1933年12月生まれだから現在85歳、あまりにも重い役割をこんな高齢になるまで良くぞ続けて下さったものだ。退位後は皇后と共にゆったりと後の半生を生きて頂きたいと心から思う。それと同時に、この年齢になるまで「法」の定めによって一人のあるいは少なくとも二人の人間を、これほど重い役割に縛り続けることが許されるのかと考え続けている。あるいはそんなことを「法」で定めることが許されるものなのかと。
 天皇制・天皇家に関する「法」は私の知る限りだが「憲法」と「皇室典範」の二つがある。ここまで書いて調べてみたが、この二つだけのようだし、珍しいことだが「皇室典範」は憲法とのみ関係し、他の法律とは一切関係していない。そしてこの2つの「法」特に「憲法」によって、天皇家は日本人の中で最も極端に差別された存在となっている。彼等には一般の戸籍も無い、選挙権も被選挙権も無い、職業選択の自由も無い、住居の自由も無い、そして言動の自由も無い。「憲法」の定め、
 第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
 この条文にそれなりの理由があるとは言え、一般に言われる人権は完全に無視されている、・・・それで良いのだろうか?
 第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
 この条文で天皇の言動の自由はすべて奪われる。だからその責任が天皇に無いことは明らかだが、・・・それで良いのだろうか?
 平成天皇がその退位の意志を示されたのは2016年8月、82歳の時だが、これも内閣の承認を得てされたものだ。100%の確信を持って言うが、天皇がこのことへの承認を内閣に打診し始めたのは天皇が80歳になる以前からだった。しかし内閣はそれを承認せず、天皇は歳を重ね高齢化して行くばかりだった、・・・それで良いのだろうか?

 そもそも人は生まれながらに平等ではない。「憲法」で「平等」という語は2ヶ所で使われているが、その一つは次のようなものだ。
 第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、・・・以下略
すなわち、「法」によって人は差別し得るのであって、その一例が天皇家に対するものであり、その差別の仕方は言わば凄まじいものがある。
 「法」は色々と眺めてみると、人を差別することを合法化しているものが多数あり、「法」はその為にあるのではないかとさえ思うが、その一つとして1966まで続いた「優生保護法」が有る。だがこの「法」に依って平等を奪われた人々は多数居て、彼らはその不当に対して声を上げ戦うことが出来るが、天皇家はそれさえも出来ないのだ、・・・それで良いのだろうか?

 これらは私自身への自問であり、ではどうすべきなのかについては何も答えを見いだせずにいる。これらのことの今後は私には分からないが、天皇家も含めて、日本の未来が幸多かれと祈っている。

   以上

初めまして。天皇を廃止すべきと考えている者です。
真面目に議論されていらっしゃるようなので、注意深く
拝見させて頂きました。しかし、天皇を処刑したら
混乱が起こる過程もよく分からないですし、独裁者が出るというのも首を傾げます。過去、天皇の写真を掲げ、神と崇め、写真の前で敬礼を強要し、従わないものを処刑するありさまは北朝鮮とどう違うのでしょうか?
天皇が独裁者だったのではありませんか?
なにやらフランス革命やら北条氏など色々引き合いに出されていますが、(言葉が強くて申し訳ないのですが)、こじつけにしか思えず、これっぽっちも心に響かないです。都合のいい所で外国の歴史を掻い摘み、ご自身に言いように噛み砕かれて吐き出されても、苦笑しかできません。
私も天皇が日本の歴史にどのように深く関わってきたか、知った上で廃止すべきと考えています。天皇廃止を叫ぶ人も色々いるでしょうが、歴史を学んで考えた上で廃止すべきと結論に至る人もいますし、軽々しく馬鹿とか、知らないとか言わないほうがよろしいかと存じますが。

  • 2015/04/12(日) 18:02:53 |
  • URL |
  • 正論 #gB.NFJFc
  • [編集]

腰痛さん、ヤレヤレです

>> 腰痛さん

これ以上の意見交換は、時間の浪費ですね。
コメントを拝見しましたが、Apemanさんとの応酬以上に(論点はちがいましたが)、空しさだけがのこります。

>佐藤生さん

>「あまりにも支離滅裂」なのは、お互い様のように思います。

残念ながら、あなたが基本的なことをまるで理解していないからそう思えるだけです。
お互い様ではありません。

>「天皇の条件」だと発言した記憶はありませんが。

天皇(制)の話をしていたと思ったら、そんな話はしていないと返されてしまいました。
意味不明ですねぇ。

佐藤生さんは、伝統を変えることを容認する例として牛車の話を出しました。
話の経緯からいって、ここで指す伝統は男系継承以外にあり得ません。
男系(父方を遡ると神武天皇に辿り着く)は皇位を継承するための必要条件ですから、男系継承の伝統を変えるということは、皇位継承の条件を変えることになるので、当然のことながら天皇の条件も変わります。
牛車を例に出すのであれば、少なくとも牛車が天皇の条件でなければ、例として適切ではありません。
なので、「たとえば、牛車に乗ることが天皇の条件だったのですか?」とレスしました。
佐藤生さんがそのような発言をされるのは、基本を理解していないからです。

>私が、「根幹を変えよう」とどこで発言したのでしょうか?

上に説明したとおりです。

>そして、その「根幹」なるものを明示して頂きたいものです。

これまでのコメントで既に説明済みのことですし、他の方も説明されております。
そのような発言が出ること自体、佐藤生さんが基本を理解していない証拠です。

>この論点については、全面的に賛同致します。特に、「男系であることは重要ではない」とのご指摘は注目すべきかと思いました。

意図的に読み違えるのはやめてもらいたいものですね。
わかりやすく説明するために極端な表現を用いただけです。
前回のコメントでもしっかりと書かれているはずですが、それを敢えて無視するとは失礼ですよ。

>腰痛さんが提起された訳ですから、「2600年継承」の妥当性を論証して頂きたいものです。

残念ながらその必要はありません。
仮にそれが1000年や1500年だったとして、何か問題でしょうか。
伝統や文化は科学ではないのですよ。
いつか科学的に証明されたとしても、それはそれで受け入れるだけですが。
いずれにしても、他に類を見ない万世一系の天皇が日本の文化として存在することを誇りに思い、尊重するだけですよ。
しかし、そういうことにこだわってるということは、本当に否定したくて仕方がないのですね。

>再度ご確認ください、私めのコメントは以下の通りです。

それがどうかしましたか?
女系を正当化する理由にはなりませんよ。

>余計なお世話ですが、本来の主張と矛盾しませんか。

しませんが。
最初から一字一句丁寧に読み直してください。
『万策尽きて』『自然に』
何故このような語句を入れたのかわかりませんか。

>改めて、「男系原理主義」の主張をお願い致します。

そんな主義は持っておりませんので、お願いされても答えられません。
他の人に聞いてください。

>不正確な「 URL 」で時間を浪費するのは、御免です。

直リンを避けただけですが、それがどうかしましたか?

>「腰痛」さんは、どの様に「心血を注がれている」のでしょうか、ご参考までに。

アホですか?
そんなの比喩でしょうに。
少なくとも、佐藤生さんのように、天皇制を誇るべき文化と口にしながら女系を容認して皇統断絶を願うようなことはしておりません。

>未来永劫、いわゆる「男系による継承」が可能かどうか多少の不安を持っています。(少なくとも、現行の制度のままでは)

現行制度を変える必要があるのはその通りですが、それと女系容認は話が別です。

>詳しい事は殆ど知らないのです

詳しい事どころか、基本中の基本すら知らないですよね。


いずれにしても、佐藤生さんの無知を十分晒すことができたので、こちらとしてはこれ以上話を続ける理由がなくなりました。
佐藤生さんには申し訳ないですけど、仮に何か質問されたとしてもお答えするつもりはありませんので。
それでは、さようなら。

  • 2010/01/16(土) 23:19:32 |
  • URL |
  • 腰痛 #-
  • [編集]

コメントありがとうございます

>> 一知半解さん

ブログ主さんへ一言お断りをしておくべきでしょうか、ブログ主が発言された趣旨から外れて思わぬ方向へと話が転がっていく様で、ご迷惑をお掛けしているのではと危惧しております。


>> 腰痛さんへ

コメントありがとうございます。


> 横レスですが、あまりにも支離滅裂なので。

「あまりにも支離滅裂」なのは、お互い様のように思います。 私も、「天皇制」について詳しいことは存じません。
ただ、いわゆる「男系原理主義者」の主張(例えば、八木秀次教授など)を拝聴しても、極めて説得力が乏しいと感じております。


> たとえば、牛車に乗ることが天皇の条件だったのですか?

「天皇の条件」だと発言した記憶はありませんが。


> 女系を正当化するために「根幹を変えよう」と主張しているわけです。

私が、「根幹を変えよう」とどこで発言したのでしょうか?
そして、その「根幹」なるものを明示して頂きたいものです。


> 世界に誇るべき文化と口にしながら、それを尊重する姿勢が見られません。

「見る」とか「見ない」とかは、個人個人の自由でしょうから、ご勝手に。



> 伝統を継承するという点では、万世一系であることが重要で、男系であることは重要ではないのです。

この論点については、全面的に賛同致します。 特に、「男系であることは重要ではない」とのご指摘は注目すべきかと思いました。


> 女系(具体的な継承方法は省略)のみで2600年継承されてきたのであれば、

「2600年継承」とありますが、これについてお尋ねします。
日本の天皇制は非常に長い長い歴史を有しているとは確信しておりますが、「2600年継承」という確信はありません。
腰痛さんが提起された訳ですから、「2600年継承」の妥当性を論証して頂きたいものです。


> 従って、万世一系(ここでは男系)を存続させる手段が残っている段階でそれ以外の継承方法
> (ここでは女系)を主張するというのは、「伝統を破壊してやる」と宣言することと同じこと

再度ご確認ください、私めのコメントは以下の通りです。
>> 「悠仁さま」がご生誕あらせられて、従来通りに皇位継承が実現できそうとなったことは、
>> 大変喜ばしく存じております。


> まずこのことを自覚しないと話になりませんよ。

仰せの通り、お互い様ですが。


> 女系が受け入れられる可能性があるとすれば、皇統が『自然に』途絶えた後の話でしょう。

そうなんですか、その様な畏れおおい事態がないことを願っています。
それで、「腰痛さん」が重要と主張されている「天皇制の伝統」は継承される訳ですね。
腰痛さんが指摘される「皇統」を継承するという観点からは、それじゃ宜しくないのでは。
余計なお世話ですが、本来の主張と矛盾しませんか。
「男系であることは重要ではない」と言ってみたり、「鳩ポッポ首相」並みのズレを感じてしまいます。
改めて、「男系原理主義」の主張をお願い致します。


> それを根拠に女系を容認するということは、「いつか途絶えるかもしれないから『今すぐ』途絶えさせてしまえ」といっているのと同じです。

私は、「同じ」とは思いません。 全く、「違う」と思っています。


> 佐藤生さんは、誇るべき文化を自らの手で破壊したい願望でも持っているのですか?

私には、 「自らの手で破壊したい願望」などありませんし、その様なパワーもありません(小沢一郎とは違います)。


> ttp://ameblo.jp/kooks-chelica/entry-10398416321.html
> ttp://ameblo.jp/myaimistrue/archive-200911.html
> これらを読んでみてはどうでしょうか。

もしかして、
> http://ameblo.jp/kooks-chelica/entry-10398416321.html
> http://ameblo.jp/myaimistrue/archive-200911.html

不正確な「 URL 」で時間を浪費するのは、御免です。


> 如何にして万世一系を存続させるかに心血を注がず、

私の様なちっぽけな市井の徒が「心血を注ぐ」には余りにも大きな課題だと思っております。 「腰痛」さんは、どの様に「心血を注がれている」のでしょうか、ご参考までに。


> 定義が不明瞭な女系なんぞを持ち出して騒ぐものだから、話が無駄にこじれているだけなんですよね。
> そんなことに惑わされず基本に立ち返れば、それほど難しい問題でもないと思うのですが。

そうですか、私はなかなか難しい問題だと思っております。
未来永劫、いわゆる「男系による継承」が可能かどうか多少の不安を持っています。(少なくとも、現行の制度のままでは)



行きがかり上「揚げ足取り」の文言もありますが、ご容赦ください。
( 天皇制は「世界に誇るべき文化」だと確信し、畏れ多くも昭和天皇を深く敬愛申し上げておりますが、詳しい事は殆ど知らないのです)

>佐藤生さん

横レスですが、あまりにも支離滅裂なので。

>「伝統」を継承するのは当然ですが、「墨守」だけでは如何なものかと思ってしまうのです。

たとえば、牛車に乗ることが天皇の条件だったのですか?
それら時代とともに変化したものは、それが根幹に関わらないものだったからでしょう。
しかし佐藤生さんは、女系を正当化するために「根幹を変えよう」と主張しているわけです。
明らかな論理のすり替えですね。
世界に誇るべき文化と口にしながら、それを尊重する姿勢が見られません。
結局のところ、伝統を否定する理由を必死で探しているだけなのでしょう。

わかりやすく説明するために極端なことを書きますが、伝統を継承するという点では、万世一系であることが重要で、男系であることは重要ではないのです。
この違いがわかりますか?
例えば、女系(具体的な継承方法は省略)のみで2600年継承されてきたのであれば、女系による継承が正統で万世一系を意味することになり、ここでは男系で継承することが伝統を破壊することになります。
しかし、現実には男系のみで継承されてきたとされているわけです。
万世一系とは一つの系統がずっと続くことを指しますので、現実に男系のみで継承されてきた以上は男系以外の継承を選択することは例外なく伝統を破壊するものとなるのです。

従って、万世一系(ここでは男系)を存続させる手段が残っている段階でそれ以外の継承方法(ここでは女系)を主張するというのは、「伝統を破壊してやる」と宣言することと同じことになります。
本当に天皇制を誇るべき文化だと考えているのであれば、まずこのことを自覚しないと話になりませんよ。

最初のコメントにも書かせていただきましたが、女系が受け入れられる可能性があるとすれば、皇統が『自然に』途絶えた後の話でしょう。
『自然に』途絶えた後で女系(例えば男系女子の天皇からその子へ)に移るのであれば、そもそも他に男系の候補者が存在しないのだから仕方のない話ですし、自然に途絶えてしまった天皇家から皇位を正統に受け継いだ新たな天皇家として、一定の正統性が得られると考えられます。
しかし、皇統が存続可能な状態で女系に移るとなると、皇統を継承し得る人物を残したまま新たな天皇家を誕生させてしまうことになります。
新たな天皇家が誕生するといっても、前者と後者ではまるで意味合いが違いますよね。

>何らの事故等により「男系の皇位継承」が不可能という事態も

それを根拠に女系を容認するということは、「いつか途絶えるかもしれないから『今すぐ』途絶えさせてしまえ」といっているのと同じです。
佐藤生さんは、誇るべき文化を自らの手で破壊したい願望でも持っているのですか?

>小林よしのり氏・高森明勅氏などの主張に妥当性を感じております

どこに妥当性を感じているのかわかりませんが
ttp://ameblo.jp/kooks-chelica/entry-10398416321.html
ttp://ameblo.jp/myaimistrue/archive-200911.html
これらを読んでみてはどうでしょうか。


いずれにしても、この問題は、如何にして万世一系を存続させるかに心血を注がず、定義が不明瞭な女系なんぞを持ち出して騒ぐものだから、話が無駄にこじれているだけなんですよね。
そんなことに惑わされず基本に立ち返れば、それほど難しい問題でもないと思うのですが。

  • 2010/01/15(金) 01:54:31 |
  • URL |
  • 腰痛 #-
  • [編集]

一読者さんへ

コメントありがとうございます。
前回の投稿の後、反省することころがありまして、ここへのアクセスも控えておりました。
コメントを頂いてから申し上げるのもナンですが、ご解説頂いたレベルの話しは一般常識として私も大体存じております。

私めも、「男系天皇制」が今後ともスムーズに継続されていくのが「ベスト」だと思っております。
「悠仁さま」がご生誕あらせられて、従来通りに皇位継承が実現できそうとなったことは、大変喜ばしく存じております。

しかしながら、現行のままで「男系天皇制」が将来とも存続できるのかどうかとなると、かなりの不安を持っています。
 ・中には、「側室制度」を復活させるべきだとの論者もおります
 ・「男系天皇制」が伝統であるということはその通りですが、「伝統」というものも
   時代の変化・趨勢に対応して、変わってきたのではないかと思うのです。
  「伝統」を継承するのは当然ですが、「墨守」だけでは如何なものかと
   思ってしまうのです。( アンシャン・レジーム:何事も忘れず、何事も学ばず )
   例えば、歴代天皇の中で海外訪問されたは、古代からでしょうか。
   国内でもご巡幸される場合、今でも「牛車」でなされるのでしょうか
 ・畏れ多い事ですが、何らの事故等により「男系の皇位継承」が不可能という事態も
 ・小林よしのり氏・高森明勅氏などの主張に妥当性を感じております


以上、「足あげとり」との謗りを承知して、コメント(反論ではありません)をお送りしました。
 ・「天皇制」は、世界に誇るべき日本固有の文化である
 ・「天皇制」は、今後とも滞りなく継続されるべきである
 ・そして、昨今の小沢一郎氏による「天皇」関連の言動は糾弾されて然るべき
  (小沢一郎氏の、ソウルにおける講演内容は、ご存じの通りです)
という最低限の論点については、認識が共通しているのでないかなぁと思いました。


私めは「せっかち」で「表現が下手」ときておりますので、真意が十分に届けられていないのではとの不安を自覚しております。

  • 2010/01/14(木) 04:40:03 |
  • URL |
  • 佐藤生 #-
  • [編集]

南溟さんへ

南溟さん、コメントありがとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

ご指摘のように村野瀬女史の考え方と言うものは、身の程知らずの傲慢な思い上がりが根底にあると言ってよいと思います。
歴史を振り返れば、人間と言うものはそれほど賢くないものだと気付きそうなものですが、どうやら彼女らには無理なようです。

しかし、この記事で引用した岸田秀の文章は、一度フランスかぶれの村野瀬女史に読んでもらいたいものだと私も思います。
岸田氏もフランスに留学していましたが、彼女のような単なるフランスかぶれと違ってフランス革命が如何なるものだったのかをしっかり見抜いている。
フランスに対する理解度が雲泥の差ですね。
岸田秀のように把握することこそ、歴史を知るということなのではないでしょうか。

>なぜそれでもチェックせずにはいられないんだろうね。

私の場合は、トンデモ主張見たさ…でしょうか?
憶測でしかありませんが、そういう対象として愛読している人がある程度存在するような気がしますが…。

私としちゃ、どのような反論コメントがあるのかが気になってます。
ま、都合の悪いコメントは抹殺していそうなのでなかなかそのようなコメントにはお眼に掛かれないのですが。

余談になりますが、最近、ヤフーの記事にコメントが付けられるじゃないですか。そのコメントに対して第三者が評価を下せるようになってますが、ブログのコメントにもそうした評価が下せるようになれば面白いんじゃないかと思うのですがねぇ。

  • 2010/01/10(日) 23:34:03 |
  • URL |
  • 一知半解 #f2BEFQoE
  • [編集]

追記。

そもそも、何をもって人間や社会の「進歩」とみなすべきかは、見方や基準しだいで何とでもなるものですからね。人間はたしかにさまざまな道具や機械を使いこなし、病気や飢餓、災害などの脅威や、危険な重労働から逃れる術を得たかもしれませんが、石器時代の人間のように厳しい自然の中でも生き抜いていく能力を失ったという意味では、人間は退化したという見方もできるかもしれませんね。

  • 2010/01/10(日) 20:14:45 |
  • URL |
  • 南溟 #-
  • [編集]

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます…といっても、もう元日から10日も過ぎてますね(笑)。
今年は世の中がどのように動くか不透明な部分がありますが、いずれにせよ政治の動きが悪い方にいかないか注視する必要がありますね。

ところでこのエントリー、ぜひ村野瀬女史やそのお仲間たちに読ませてみたいですね。
村野瀬女史の信奉する、「人間の社会は進歩するものだから、民主主義を成熟させることによって、いつの日か人権の尊重されるユートピアを建設できる」という史観は、「科学が進歩すると人間にできないことは何もない」というのと同種の、「人間ってこんなにエラいんだぞ」という思い上がった考え方なのですね。たしかに科学技術の発達は人間の生活を便利で快適にしましたが、一方で核兵器で何万人もの人命を一瞬で奪ったり、大規模な環境破壊を起したりしているという現実にも目を向けるべきでしょう。
しかし彼女らは、自分たちにとって都合の悪い言説には一切耳を貸そうとしませんね。そしてますます依怙地に自分だけの世界に閉じこもっているように感じます。自分が本当に民主的なすばらしい日本をつくれるような立派な人間か、もっと身の程を知れと言いたいですが、そう言ってもやはり無視されるだろうね。

しかし今年はネットで他人の悪口を書くばかりでなく、もっと建設的な発言ができるようになりたいものですが。そもそも村野瀬ブログなんて、読んだって胸糞が悪くなるばかりなのに、なぜそれでもチェックせずにはいられないんだろうね。

  • 2010/01/10(日) 19:51:07 |
  • URL |
  • 南溟 #-
  • [編集]

コメントありがとうございます。

>腰痛さん

初めまして。コメントありがとうございます。
レスが遅れて済みませんでした。

ご意見まことにごもっともです。
女系派は、間違いなく皇統断絶を狙ってますね。本当に卑怯な奴らです。

>佐藤生さん

レスが遅れてすみません。
一読者さんが解説されたとおりだと思います。

本当に万世一系だったかと言われれば疑問ですが、少なくともそうした幻想の上に皇室の権威があると考えています。少なくとも我々の代で断絶させるようなことは、あってはならないと思うのですが。

>一読者さん

コメントありがとうございます。
わかりやすい解説で非常に助かりました。
教えていただいたリンク先のHPは初めて見たのですが、非常に参考になりました。
ありがとうございます。

  • 2010/01/08(金) 21:43:28 |
  • URL |
  • 一知半解 #f2BEFQoE
  • [編集]

>佐藤生 さん

 横レスですが、簡単にお答えします。

 「皇統」というのは、大雑把に言えば、天皇・皇族の血筋のことですが、通常は男系の血統のみを指します。つまり、父方を遡ると天皇(最終的には神武天皇)にたどり着く場合のことです。

 これに対して、女系天皇(本来は天皇ではありませんが、便宜上そう呼んでおきます)とは、母方を遡らなければ天皇に行き着かない場合を言います。

 具体的には、もし愛子様が天皇になるとした場合、愛子様ご自身は男系の女性天皇ですが、問題はその後です。仮に愛子様が一般人と結婚して子供が生まれ、その子が天皇となった場合、男女を問わず、その方が女系天皇ということになります(ただし、旧皇族の方と結婚した場合は、辛うじて男系が維持されるという裏技もありますが)。

 日本の歴史上、女性天皇は10代8人存在していますが、すべて男系の女性天皇であり、女系天皇は1人もいないとされています。一知半解さんも仰っているように、このことを「万世一系」と言います。

 つまり、女系天皇を認めることは、「皇統」の断絶、新しい天皇家の創設を意味することになってしまうわけです。

 また、壬申の乱は、天智天皇の太子・大友皇子と皇弟・大海人皇子との間に起った日本古代最大の内乱ですが、ともに男系の皇統にある有資格者相互間の争いですし、南北朝時代の南朝の後醍醐天皇と北朝の光明天皇との対立も、天皇家自体が分裂したものであって、男系・女系といった皇統の問題とは直接関係がありません(なお、一般に皇統断絶の危機としてよく取り上げられるのは「道鏡事件」ですね)。

 もっとも、私もあまりよく分かりませんが、かつては南朝系と北朝系いずれが正統かという論争もあったようですが、個人的にはこうした朱子学的論争にあまり意味があるとは思っていません(この他にも、歴史上しばしば「○○天皇系の皇統が断絶し△△天皇系の皇統に移行した」などと言われる場合がありますが、ともに男系の皇統が維持されている前提での話しです)。

 なお、詳しくは、以下のサイトをお読みください。
   ↓
 親王家総覧
http://www.eonet.ne.jp/~yanaken/miyasama/index.htm
(「女帝について1~3」をクリック)

  • 2010/01/07(木) 19:08:52 |
  • URL |
  • 一読者 #-
  • [編集]

難しい論点ですね

先ず、私めの立場を明示しておきたいと思います。
 ・天皇制は、世界に誇るべき文化の文化だと思っております
 ・「皇統」というものの定義は、良く理解できていません
 ・「皇統」というのであれば、「壬申の乱」とか「南北朝」とか、それについての疑問はないのでしょうか

不勉強を自覚しております、ご説明を頂けると助かります。

お初です。

女系派の詭弁は、皇統と天皇『制』の違いを曖昧にして、「男系のみでは天皇制を維持できない」ことを女系容認の根拠に挙げているところですよね。
語弊があるかもしれませんが、極端にいえば、皇統が存続するなら天皇『制』がなくなっても構わないわけです。
仮に女系を容認するとしても、万策尽きて皇統が自然に途絶えてしまった後の話でしょう。
皇統を存続させる手だてがいくらでも残っている現時点で女系を容認するというのは、皇統が自然に途絶えるわけではなくて人為的に断ち切るものですからね。
『制度』を残して皇統を途絶えさせたら本末転倒なんですが、その辺は分けて考えて欲しいものです。
もっとも、女系派の殆どはわかっててやってるのでしょうけど。

  • 2010/01/06(水) 00:30:27 |
  • URL |
  • 腰痛 #-
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一知半解なるがゆえに、自らの言葉で恥を晒すのを控え、主に山本七平の言葉を借用しつつ書き綴ってゆきたいと思ふのでアリマス。宜しくメカドック!!
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