
私が考える2011年からの税制

これが実現できる可能性は、おろらくゼロでしょう。
少子高齢化で人口減が不可避で、かつ、経済が安定成長にしかならないこれからの日本では、おそらく消費支出の、特に生計費への間接税を15%~25%程度にして、これを財源に社会保障や教育費に充当すべきでしょう。
税制は、出し入れ双方から検討すべきことなのであって、共産党の主張する「民主的税制」なる美名の下の「嫉妬心克服税制」みたいなものは論外です。
ただ、こんなバカ丸出し税制を支持しない健全な国民が95%以上いるのは、救いと言ってもいいかと思います。
生計費を含めた消費税25%で62.5兆円の財源が捻出できますが、生計費は国民の経常支出ですので、国家も経常支出に充当するのが筋です。
なので、医療、教育、福祉、警察、消防などの国民にとって最低限必要な経常的支出の財源にする。
そして、生活保護や児童手当の増額はもちろん、義務教育段階での副教材無償化、公立高校の無償化、通学費の全額補填、国民健康保険証の全世帯無償供与などを実現する。
さらに所得税や住民税の課税最低金額を引き上げ、年金保険料を廃止して、老齢年金を廃止して「低所得・無産高齢者への生活保証」に性格を変更することが必要となります。
おそらく、これだけやっても62.5兆円以内に収まるんじゃないかと思っています。
これにより、高所得者層や大資産家は事実上の増税となり、それも「経済活動の中で増税」が図られるので、自由競争と所得の再分配の両立が可能となるのみならず、前述のようにプライマリーバランスが維持できる。
所得税や住民税は、課税最低限の引き上げを行いますが、これはいわば「余剰」になるので、「成長戦略」「防衛」「国債償還」などはこれを財源にして行うべきだと考えます。
最後に法人税ですが、これは基本的に地方重視の税制にし、50%は地方交付税交付金の財源として、50%は地方が直接もらう税制に。
その上で、「東京から本店所在地を移転した企業は、国税分の法人税を免除」という形にしたい。本当に地方に移転しなくてもいいのです。事業所自体は東京にあってもいい。狙いはずばり「東京と地方の税収の格差を解消すること」です。人口が少ないままに税収が増えれば、それも「東京のカネが地方に流れる」状態になれば、地方財政が助かるだけでなく、それを原資にして、地方の社会資本整備を「借金なしに」進めることができます。
こうやって、広義の福祉が地方で充実するようになれば、地方への企業の移転が、物理的にも行われ、東京の一極集中は是正されることになるでしょう。
今の問題は、東京に集まり過ぎていること。
住宅政策で東京に莫大なカネを投下しながら、地方では空き室が増えているという非効率が、ミクロ経済における「選択と集中」の理論で起こっているマクロ経済の状態だということに、国も財界も気付かないといけないと思いますね。
効率性を追求するはずの経済原則が、逆に非効率を招くという皮肉な現象。
まさに、『過ぎたるは、及ばざるがごとし』ですね。