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市長さんの「奮闘記」・二題

①河村市長「南京大虐殺なかった」…中国訪問団に
読売新聞 2月20日(月)20時8分配信

名古屋市の河村たかし市長は20日、中国・南京市の共産党市委員会常務委員ら8人に対し、南京大虐殺について、「戦闘行為があって多くの方は亡くなったが、いわゆる虐殺はなかった」と持論を展開した。

同日の記者会見で明らかにした。

一行は友好都市である名古屋市の河村市長を表敬訪問。劉志偉常務委員らに対し、河村市長は「亡くなった父が1945年の終戦時に南京にいた時、地元住人にやさしくしてもらった。虐殺のようなことがあれば、対応が違っていたはず」などとして、南京市で討論会を開くことを提案した。

河村市長は2009年9月の市議会で、中国が南京大虐殺の被害者を30万人としていることに対し「深い疑問がある。誤解されて伝わっているのではないか」と一般質問に答えた。名古屋市市長室国際交流課によると、河村市長は昨年12月5日、名古屋市役所を訪れた南京市の李(リ)副市長に対しても、大虐殺はなかったとする趣旨のことを発言している。


あのさ、南京大虐殺、あるいは南京事件について一人の市長さんがどんな意見を持つも発言するも自由かもしれないけど、このやり方はどうなの?
「亡き父が南京市の住民からやさしくしてもらった」って、国家レベルの大きな歴史的問題を否定するには、事例があまりに個人的過ぎてショボくないか?
私が聞いても全然、説得力がないんですけど。

それと、市長さんが南京市に出向いた時にこの発言をするならまだ「勇気があるなあ」と思うけど、わざわざ名古屋市にまで河村市長を表敬訪問しに来た中国側の委員に対し、抜き打ち的にこのようなことを言うのは、どうかしらね?
随分と稚拙なやり方と思うけど。

まあ、市長さんが意図的に相手を怒らせるべく、確信犯的にやったのであればこれ以上、何も言うことはありませんが。その後に起こるであろう日本政府の反応や中国側の反発も覚悟の上で、予想の上でおやりになったのでしょうから。




②橋下市長が謝罪…「維新議員、程度悪い」職員直訴(2012年2月24日読売新聞)

「常識がない。担当でない場合でも、議員の力を借りて詰問してくる。特に若い議員の社会人としてのマナーを再教育すべきだ」。
「大阪維新の会」代表の橋下徹・大阪市長に23日、市職員から送り付けられたメールには、維新市議団についての苦言が事細かにつづられていた。橋下市長はすぐに謝罪のメールを返し、維新も24日に全所属議員を緊急招集、注意喚起する方針を決めた。

橋下市長は就任後、自らのメールアドレスを全職員に公開。内部告発や職務上の課題などを受け付け、独自に情報収集している。

問題のメールは、橋下市長就任で与党となった維新市議団の振る舞いについて「一番程度が悪く、(要求などが)露骨になっている。無理強いが多くなった」と指摘。「内容を言わず呼びつけ、支持者を連れてきて我々を詰問するなど、民間では、ありえるんでしょうか?」と疑問を投げかけた。
さらに「与党だから、むげに断れない」と苦しい心境を吐露し、「市長のお考えを理解されているのか、甚だ疑問を感じることが多いです。この実態を国民が知ったら、あきれるでしょう。与党の議員から改めてもらわないと、昔ながらの議会のままで何も変わらない」と訴えている。

これに対し、橋下市長は「議員の態度振る舞いについては申し訳ない。代表として維新の会に伝えます」と返信。関係部局にも早速、改善策を指示したという。


維新議員さん達の振る舞い。これまさに、虎の威を借りる狐、ですね。橋下市長さんは「改善策を指示した」ということですが、朱に交われば赤くなる、の格言があるように、維新議員さん達の振る舞いは、もしかすると橋下市長ご自身の振る舞いにも原因があるんじゃなくって?

今や「日の出の勢い」にある橋下市長ですが、天下取りも睨んでいるご様子。最近では小中学生の義務教育過程における「留年」の検討を市の教育委員会に提案したとか。これはちょっと危なっかしいなあ。

大切なのは如何にして「落ちこぼれ」「留年」を出さないかであって、留年させることが大切とは思えないけどね。例えばフィンランドでは必要に応じて2クラス共同で、グループ内でレベル分けして、二人もしくは三人の教師で手分けして指導し「落ちこぼれ」を出さないようにしているそうですね。それに「留年」は前科じゃないけど、一生、その子供の履歴に残るのですから、精神的にも社会的にも重大な影響を及ぼすでしょう。これが私立校ならまだ分かりますが。

逆の意味で、義務教育過程で「優秀な子供」を「飛び級」させることにも私は懐疑的です。「ボクはオマエらとはモノが違う。人の上に立つ偉い人間なんだぞ」と勘違いする、本質的アホを大量生産する危険が大きいからです。

それで私が思い出すのは、

「信長之代、五年、三年は持たるべく候。明年辺は公家などに成さるべく候かと見及び申候。左候て後、高ころびに、あおのけに転ばれ候ずると見え申候。」
by 安国寺恵瓊

※私訳
「織田信長の勢いはあと3年から5年ぐらいは続くと予想致します。来年あたりは、朝廷から公家の身分を頂くほど勢いがあるかと見えます。しかし、その後は、仰向けにひっくり返り、没落してしまうように見えます。」


安国寺恵瓊の予言は当たったわけです。

多くの大阪市民の支持と期待を背負っての市長職。張り切るのは当然でしょう。
ただ、少し有頂天になっているような様子に危惧を感じます。
油断大敵。好事魔多し。転ばぬ先の杖。御身大切に。

維新議員さん達は、虎の威を借りることのないように。

市長さんは、虎の尾を踏むことのないように。

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2012.02.25 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 政治・社会



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片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、神仏を尊び、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者熟女(四十路半ばを過ぎた)ですが、よろしくお願いします。

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