名作でも無い映画に泣いてしまうのは歳のせいか?
映画「黄泉がえり」等、以前にも記事に書いたことがありますが、小説でも映画・ドラマでも、私はタイムスリップもの、タイムパラドックスもの、黄泉がえりもの、等が大好きです。作品の出来栄えがイマイチでも容易に感情移入してしまうくらい好きなんです。
浅田次郎の小説は、あまり好きになれません。人を泣かせる劇的効果について特異な才能を持つ小説家と思いますが、私には少々それが胡散臭くて鼻につくのです。「地下鉄に乗って」「鉄道員(ぽっぽや)」も、上手い、と思いますが、それほど感動しませんでした。しかし、これが映画となりますと、どういうわけか泣いてしまいます。割と単純なんだな、私は(^^;)
黄泉がえり系の映画「椿山課長の七日間」も、どういうわけかボロボロ泣いてしまいました。「フン!泣かせます式のチープな演出にまんまと乗せられる私じゃないわよ!」と構えて見たのですが、アララ、たちまち泣いてしまいました。
この手の映画に「突っ込み」を入れても仕方ないでしょう。随所に「都合のよい展開」がありますが、これはファンタジックコメディなのですから、アレコレとケチをつけるのも野暮でしょう。
そもそも、どこを取っても完璧なまでに対照的な西田敏行さんと伊東美咲さんが重なるところが笑えます。デパートの販売部の椿山課長役、伊東美咲さんはセリフが棒読みで下手、との評判もありますが、私は気になりませんでした。彼女はシリアスなドラマよりコメディに合っているようです。伊東さんのように綺麗でスタイル抜群の女優がコメディを演じるだけで笑えます。
ヤクザの親分の「黄泉がえり」役、成宮寛貴さんも好演。私は成宮君は好きなタイプの俳優です^^。詳細は不明ですが、ノンフィクション「妻と飛んだ特攻兵」(角川文庫)がこの夏にドラマ化され、成宮君がその特攻兵役で出演するとかで、楽しみです。なお、「妻と飛んだ特攻兵」は、「永遠のゼロ」のような「特攻美化系」」ものとは違います。
椿山課長の奥さん役は渡辺典子さん。薬師丸ひろ子さんや原田知世さんと共にカドカワ映画で売り出したアイドルも、すっかり、中年のおばさんになっちゃって。。。この映画に出演していた時の年齢を調べたら、げッ!私と同じ年齢でした(涙)。
映画「スープ・生まれ変わりの物語」は題名の通りのお話。パターンは「椿山課長」と似ています。大きく違うのは、「スープ」では「あの世」でのシーンが長いこと、後半は何やら「青春学園もの」っぽくなり、二段構えになっていること。
娘の結婚式に亡き父親が姿を変えて現れて。。。はベタな演出ですが、それでも泣いてしまう。
一番笑えたのは、松方弘樹さんが広瀬アリスさんに「生まれ変わる」こと(^^)。なんせ、中年オヤジが可愛い女子高生になっちゃうのですから、「西田敏行&伊東美咲」」よりも「有り得ネ~ッ!」です。
結論は…観た人が涙を流す量や回数と、映画の出来とは正比例しない、ということネ。少なくとも、私の場合は。
歳のせいかしら。根が単純だからか。疲れているからか。全部合わせれば100%正解でありんすな。
主役の生瀬勝久さんは、テレビドラマ「隠蔽調査」で杉本哲太さんと共演していましたが、お二人とも「性格俳優系」としての個性がありますね。どちらかと言うと、杉本さんは不器用で、生瀬さんの方が器用で役柄も広そう。お二人とも好きな俳優です。
これは面白かった!!泣かせ映画ではありませんが、何ともロマンティックで不思議な味わいがあります。マジカルミステリーツアーな物語。ウディ・アレン監督の傑作でしょうね。いわゆるタイプスリップものの典型ですが、実にオシャレです。
冒頭の音楽が鳴った瞬間、あッ!と驚きました。これは私の好きなカナダのアイスダンサー、ギレス&ポワリエが昨シーズンのFDに使用していた音楽だったからです!ジャズ的で、どこかラテン系なタッチもある渋い音楽ですね。
Midnight in Paris Intro Scene→動画はここです
パリに滞在して小説家を目指す主人公が夜中にアンチークな乗用車に誘われて、1920年代のシュールレアリズムのパリにタイプスリップします。そこの酒場にはヘミングウェイ(俳優がカッコいい!)がいたり、ピカソが登場します。さらに、ピカソの愛人、アドリアナと一緒に1890年代のベル・エポックの時代にタイムスリップします。そこの酒場にはロートレックが!
やはり、パリは魅力的な街みたい。芸術の都か。ジェット機に乗れるようになったら、絶対に行くわ。
アドリアナ役のフランス女優、マリオン・コティヤールさんが魅力的です。コケティッシュで、小悪魔的で、気まぐれで、教養豊かな女性をを見事に演じています。映画「オーケストラ」でバイオリニスト役を演じていたフランスの女優も素敵でしたが、こちらも個性の際立ったお方です。私の好みですが、フランスやドイツには一目見ただけで、憧れてしまうような女優を発見する場合があります。この映画でも登場する脇役のパリジェンヌたちはどなたも魅力的な女優です。
なお、アドリアナという女性は実在の人物ではなく、ピカソの愛人やら何かをヒントに創造した架空の人物のようです。
☆おまけ
伊東美咲さんの当り役はテレビドラマ「電車男」のエルメス役と知り、ちょっと見てみました。
どうせ、他愛も無いお話だろうと予想していましたが、やはり、凡庸な純愛ストーリーでした。しかし、私のようにブログを持ち、ネットを楽しむ人間にとっては、意外と臨場感があって、あほくさ!と思いつつもつい見てしまう。
ある事件をきっかけに、秋葉原系のおチビなオタク青年と、年上で高身長の美人令嬢が恋愛関係になるなんて、有り得ネ~ッ、と誰だって思うでしょう。これはネット特有のネタで事実ではないだろうと誰でも思うでしょう。
これは「101回目のプロポーズ」に似た、有り得ない男女の組み合わせと純愛根性物語のネット版とも言えようか。
電車内で酔っ払いに絡まれたのを助けてくれたからと言って、赤の他人の男性に若い女性がエルメスの皿を贈ったりしないし、ましてや、オタク丸出しの冴えないおチビ男には、たいていの女の子はドン引きするでしょう。恋愛感情が湧くなど有り得ない…こう考えるのが普通です。
ところが、人生は不可思議なこともありますから、あながちネタとも言い切れないかもしれない。リアルと妄想の狭間にあるのが、ネット空間でもあります。掲示板で電車男の書き込みを見ていたネット住人たちは、出来過ぎた話に、事実か創作か不審に思いつつも、面白がったり、皮肉ったり、まじめになったりして…やがて、これが一つのコミュニティになったのでしょう。
純愛ものといっても、私は「冬ソナ」だとか、「世界の中心で、愛をさけぶ」などは、アホくさッ、と思う方です。しかし、「電車男」のように徹底したアホくささまで来ると、案外と心に引っかかるものがありました。もしかすると、私の好みとしては、自分よりも背が低く、オタクっぽい男性であったとしても、ドン引きはしない方だからかも。要は、性格や趣味やものの考え方等でフィーリングが合えば恋愛感情が湧く可能性はありますから。
で、エルメス役の伊東美咲さんは、実に綺麗ですね。完敗です(^^;)←はじめから、勝負になるわけ無いだろ。
そんなに演技もセリフも下手とは思わないけどね。むしろ、相手のオタク男性役の方がイマイチかな。
こんな美人から「萌え~?」などとつぶやかれたら、大抵の男性はトロけてしまうでしょうね。
私は秋葉原にはもう、何年も行っていません。わざわざ行く用事も無いし、興味も無い。お隣の御徒町にはたまに立ち寄ることがあります。何故かって?御徒町にある喫茶店「ルノワール」のサンドイッチと珈琲が安くて美味しいからです。
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2015.07.10 | | コメント(8) | トラックバック(0) | 戯けたライフ