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吉村昭~乾くるみのお薦め本を読む






関東大震災 (文春文庫)関東大震災 (文春文庫)
(2004/08)
吉村 昭

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まず、私にトンでもない記憶違いがありました。いちファン様へのレスで「私は吉村昭の本は読んだことがありません」と書きましたが、実は「白い航跡」という軍医としての森鴎外をテーマにした作品を読んでいましたし、しかも、「森鴎外のもう一つの顔を辿る」の記事でこの本に触れてもいたのです!私もいよいよ中年ボケが深刻化しているようです(ーー;)。

「白い航跡」は医学を扱っているので、医者でもあった渡辺淳一の本であると、私の脳内で変換が行われた模様。

で、「関東大震災」ですが、首都圏に住んでいる方には心臓に悪い本です(⌒-⌒; )。吉村氏の迫真の筆による凄惨な描写が恐ろしい。これは小説ではなくノンフィクションです。名著と思います。

関東大震災では東京、神奈川、埼玉を中心におよそ二十万人の犠牲者が出たようですが、もしも今の首都圏で巨大地震が起きたらそんなものでは済まないでしょうね。

この本から得た教訓ですが、もしも被災した場合はリュックを背負って逃げてはいけない、手ブラが良い、ということです。大震災で一番怖いのは津波と火事ですが、背中のリュックに火がついて焼死した例が多かったそうです。逆に手ブラの方が身動きも容易で火から逃れられる場合があったとか。。。ナルホドな。。。震災グッズとかを買う人が多いみたいだけど、それがかえって足でまといになり、命を失う誘引になりかねないのか。。。

それと、吉村氏の著作では「風評被害による朝鮮人虐殺」の記述が多かったのが印象的です。つまり、朝鮮人が徒党を組んで井戸に毒を入れたり、爆弾を仕掛けたり、道具を持って日本人を襲っているとの流言蜚語により、日本人自警団が組織され、数百~数千人の朝鮮人が虐殺されたのです。

それはナチスが「ユダヤ人が井戸に毒を入れた」とのデマを飛ばしてドイツ住民に恐怖とユダヤ人憎悪を煽った例を思い出します。少数民族を虐待、排除する側というのは東西を問わず似た発想をするのでしょうか?

朝鮮人虐殺について吉村氏は「日本が朝鮮を植民化して来たことの『負い目』が逆に虐殺へと走らせた」としています。これについては「昭和史発掘」でも松本清張が同じような見解を示しています。


関東大震災「朝鮮人虐殺」の真実関東大震災「朝鮮人虐殺」の真実
(2009/12/02)
工藤美代子

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この本はいわゆる「南京事件(大虐殺)は無かった。まぼろしだ」の類です。すなわち、朝鮮人による暴動は流言蜚語ではなく事実であったこと、日本人自警団により朝鮮人が殺されたり怪我させられたりした例はあってもそれは「正当防衛」であったこと、そもそも数千人もの朝鮮人が虐殺された証拠は無く、数字自体が誇張されている疑いがあること、こうした背景には日本人の「自虐的態度」があるというのだ。ネットウヨが狂喜しそうな本ですね。

出版社は産経新聞です。あ、なるほどね。産経新聞なら…さもありなん。

で、私は工藤氏の本はトンデモ本の類と見ています。ネット上にもこの本を徹底的に批判したサイトがありますので、興味のある方はセルフサービスでお調べ下さい。この本は歴史の専門家からは無視されているようです。

関東大震災以後に地震の研究に没頭した寺田寅彦に「流言蜚語」というエッセーがあります。震災時に果たして都合良く毒薬や爆弾を用意出来るだろうか?少しの科学的な省察があれば、こうした話が全く有り得ないとまでは言わずとも、オカシな話だと分かると。工藤美代子氏には寺田寅彦の主張はお呼びではなかったようだ。
(寺田寅彦の「流言蜚語」は角川文庫「天災と日本人」・山折哲雄編にあります)



イニシエーション・ラブ (文春文庫)イニシエーション・ラブ (文春文庫)
(2007/04/10)
乾 くるみ

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こちらは、はぴらき様のお薦めにより読んでみました。

いわゆる「叙述トリック」ものです。もっとも、叙述トリックです、と言った時点で盛大なネタバレをやっているようなものですが、出版社の宣伝文句にも謳っているのだから仕方無いですね。

で、見事にダマサレました。くやしいなヽ(`Д´)ノ。これは一読の価値があります。

まあ、読んでいる途中で不自然な箇所はあったのですが、おぼろげな疑惑でしかなく、トリックを見抜けなかった事に違いがありません。この本の陳腐な恋愛ストーリーに私の集中力は低下。文章や表現への注意力も低下。これも、もしかすると、作者の周到な計算の一つだったかもしれません。

それどころか、私なんか本筋とは外れた箇所が気になったりしました。例えば若い女性が自分が便秘であることを恋人に話す箇所があります。私は「有り得ない。女性が、ましてや若い女性が恋人に便秘の話をするワケねえだろ!やっぱり、男性の作家らしい作り物だな」と突っ込みを入れている始末ですから、トリックなど見抜けるハズもありません。

この本を読み終わった時、同じく叙述トリックものである筒井康隆著「ロートレック荘事件」(これも一読の価値あり)を思い出しました。こちらの話は…お金持ちの別荘だか邸宅に人が集まり、そこで事件が起きる…というイギリスのミステリー以来ゴマンと書かれた陳腐なシチュエーションです。

で、読者は見事に騙されるわけです。やはり、陳腐なストーリー、陳腐なシチュエーションというのもミソかな。

そもそも、日本語の文章は主語をボカすには都合の良い性質があります。古典では「源氏物語」はその典型ですね。読み手はここで悩まされます。主語を当てる鍵は尊敬語の有る無しや、二重敬語でした。受験勉強でも悩まされたでしょう。

それゆえ、現代文では男性→実は女性だった、子供→実は親だった、などいう「騙し」は容易に出来るわけですね。あるいは3人による会話を2人の会話であるかのように「騙す」ことも出来ます。言葉使いを「私は、です、ます」調で統一していれば主語が誰であるかは簡単には見抜けません。

まあ、その代わり、こうした叙述トリックはテレビドラマや映画には難しいでしょうね。

上記以外で、私が読んだミステリーで「叙述トリック」として記憶しているミステリーはアガサ・クリスティの「アクロイド殺し」「そして誰もいなくなった」や横溝正史の「本陣殺人事件」くらいです。この中では「本陣殺人事件」が一番面白かったですね。横溝正史はストーリーテラーとしても一流ですので、トリックとは別に物語そのものが楽しめます。

ただ、叙述トリックは後味が少し悪い。さわやかな読後感が無い。フェアじゃない!という印象を残すなあ。後で作者から「私は『殺した』とは書いていない。『切り刻んだ』と書いたのだ」と言われてもねェ。「ケッ!」と思う。


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2014.05.14 | | コメント(20) | トラックバック(0) | 文学



コメント

叙述トリック大好き(はあと)

 片割月さま、こんにちは。
 ミステリファンとして、何となくうれしくなってしまいました。
 「イニシエーションラヴ」読まれましたか…。あれは、恋愛もの苦手な人にはきっついです。私、あれがそういう小説だったと知らなければ途中で馬鹿馬鹿しくなって読むの止めてる。知らずに最後まで読破した人こそ、この作品の真のサプライズを味わった事でしょうね。

 「アクロイド殺し」はその当時でも石を投げられかねない様な大論争を呼んだみたいですよ。私はこの作品は中学生の頃に読んだのでサプライズが半端じゃなかった。ミステリファンの方にうらやましいといわれました。知ってて読んでるケースが多いから。クリスティは文体や類型化した登場人物とか偏見などあげつらう向きもありますが、英国ミステリの金字塔でしょ。ルース・レンデルやP・D・ジェイムズが束になってもやっぱり敵わないと思いますよ。あと、クリスチアナ・ブランドはお読みになった事ありますか? ちょっとハイブラウでツイストの利いた作品が多いので。短編が面白いです。
 日本のここ何年かで叙述トリックがらみで凄いなと思ったのは東野圭吾の「容疑者Xの献身」。叙述トリックというのはちょっと性質の悪い嘘つきみたいなもので「嘘は言ってない、でも本当の事も言わない」というものなんですが…。一人称でなくしかも倒叙方式(既に犯人は判っている視点)でこれ程のトリックを仕掛けられるのは伏線の張り方の上手さとその収斂のテクニックなんだと思うのです。
 伏線の面白さを味わう為には読み返す事も必要。再読に耐える興味深い小説でなければいけませんよね。つまり、作者の技量が判る訳で。やっぱり堪えられないという感じです。

 実は男だった(逆も)トリックは一番有名で古いのは鮎川哲也さんの某短編だと思います。これらの多くは「犯人当て」というジャンルに属していて、今の本格推理作家の多くはミステリ研究会でこの試みを経験してると思う。高尚かつアホらしい趣味ですよね。私、ある作家の色紙貰った事あります。犯人当て小説で正解出して。(ちょっとだけ自慢…ごめんなさい)
(マ〇〇の人はこの遊びは出来ません。絶対自分の回答が正しいって大騒ぎするから)

 長々と失礼いたしました。
 また、お元気にブログが復活して良かったです。

2014/05/14 (水) 09:18:06 | URL | shige #X91rLkcY [ 編集 ]

ミステリー大好き

片割月様、お久しぶりです。
乾くるみ氏の「イニシエーション・ラブ」…懐かしい (記事にしてくれたのも嬉しい(^-^))
しかし、ミステリー好きな私は、絶対にしてはいけない事を必ずする癖があるのです→最後から読み始める。つまり結末を(推理小説ならば犯人が誰か)と解ってから、それに至るまでの動機を吟味しながらトリック解明をするタイプですので「コロンボ刑事」や古畑シリーズは大好物!派です(苦笑)

この小説の裏表紙に最後から2行目は絶対に読まないでと謳ってありますが、私は勿論、読むに決まってるじゃない(~_~;)
時系列、人物トリック、完敗でした。そして、絶対に2度読みするというのは確かですよね。じゃないと解らないもの⤵︎

>例えば若い女性が自分が便秘で…
えェ!私言ってました(~_~;) だから最近、おっちゃんみたいなオバちゃんって言われるのかしら(汗)

学生レベルのミステリー小説、歌野昌午さんの「葉桜の季節に君を想うということ」この小説も別の意味で騙されました。

2014/05/14 (水) 21:14:41 | URL | ikumi #- [ 編集 ]

さすが感想も面白い\(^ー^)/

片割月さま、こんばんは。
興味深い読後の感想をお聞かせくださってありがとうございます(^ー^)

私が読んですぐに思ったことは、純情な大学生だった青年が、社会に揉まれてひねくれていく話じゃなくて良かったわ~ほっとした~でした。
そして程なくして、同時進行だったことに気がついて、ヤラレタ!(」゜□゜)」がきました。

確かに私も途中、大学の専攻の話が出たとき、あれ?と疑問に思ったんですよね。
そこと、アインシュタインの箇所が、私が気づけたチャンスだったかな…
でも流して読んでしまったのは、おっしゃるとおり文体や甘ったるい恋愛話にあてられて、読み進めるしかなかったのかもしれません。

まあ、話題作を乗り遅れずに読んでおけた満足感もあります(これって大事)(^w^)

2014/05/14 (水) 21:49:33 | URL | はぴらき #- [ 編集 ]

片割月様、こんばんは。

吉村昭は大好きな作家ですが、「関東大震災」は未読でした。今回片割月様が記事にしてくださったので、ぜひ読んでみようと思います。
手ぶらで逃げるのがよい、というのもなるほどですね!
吉村氏は史実を扱った著書も多いですが、事実に忠実であるという絶対的な信念のもと、下調べを入念に行うことでも有名なので、風評被害による朝鮮人虐殺のくだりも、出処が確かでなければ記述してないと思います。その意味で工藤美代子氏の本は、ハナから読んでみる気にもなりませんね。

吉村昭といえば、「三陸海岸大津波」が震災後に話題になりましたよね。震災後かなりの部数が増刷されたそうです。初版は1970年ですが、明治~昭和の過去3回大津波に襲われた三陸地方を、氏自身が何度も訪れて入念に取材した上、大津波の前兆、被害、救援の様子が体験者の貴重な証言をもとに構成されていて、震災の後に読み返してみると、改めて氏の筆力に圧倒され、三陸地方で繰り返されてきた悲劇に震撼とさせられる思いでした。

他に吉村昭の著書では、実弟の末期がん闘病を綴った「冷い夏、熱い夏」が、痛切な闘病と死の様を目を逸らすことなく見つめていて、私には衝撃的な一冊でした。

2014/05/14 (水) 21:58:50 | URL | いちファン #- [ 編集 ]

Re: 叙述トリック大好き(はあと)

shige様、こんばんは。

お言葉ありがとうございます。

オオッ、ミステリーファンでしたか(o^^o)。

それもかなりのベテランみたいですね^^

若い頃よりは読まなくなりましたが、今でも私にとってはミステリーは一服の清涼剤です。

はい。アガサ・クリスティはこの世界では海内無双ですね。全ては読んではいませんが、沢山の作品がありながらどれも読ませますし、トリックも凄いです。

クリスチアナ・ブランドは読んだことがありません。何か手頃なのがありましたら教えて!(^_^)ノ

ミステリーファンのベテランともなりますと、トリックの不合理や無理まで指摘しちゃうそうですね。

例えば「アクロイド殺し」では当時の蓄音機は大き過ぎてカバンに入らないハズだ、とかね(^O^)。

私は子供の頃に江戸川乱歩を読んだ影響か、横溝正史のおどろおどろした世界とトリックが面白かったです。
特に「蝶々殺人事件」には唸らせられましたっけ(*^。^*)。クロフツの「樽」とちょっと似ているけどね。

2014/05/15 (木) 02:18:33 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

Re: ミステリー大好き

ikumi様、こんばんは。

おや?ikumi様もミステリーファンでしたか(o^^o)。

>最後から読み始める。つまり結末を(推理小説ならば犯人が誰か)と解ってから、それに至るまでの動機を吟味しながらトリック解明をするタイプ

これは偏執狂的なファンであらせられる(*^◯^*)

「コロンボ刑事」は…コロンボ刑事が犯人の仕掛けたトリックを如何に解明し、真相に迫るか、…本来のミステリーとは逆を行くアイデアが面白いですね!

>私言ってました(~_~;) だから最近、おっちゃんみたいなオバちゃんって言われるのかしら(汗)

ガッハッハ。そりゃ、当然よ!(-^〇^-)。例外はどこにもいるな(^O^)。

2014/05/15 (木) 02:30:08 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

Re: さすが感想も面白い\(^ー^)/

はぴらき様、こんばんは。

>純情な大学生だった青年が、社会に揉まれてひねくれていく話

私はあの青年が世間ずれして行くのを少し不自然には感じていたんだけどね。。騙されたわ^^;

苗字が同じって、ずるくない?

>話題作を乗り遅れずに読んでおけた満足感

って、この本が出たのは7年前でしょう?何を言うとるか(*^◯^*)。

2014/05/15 (木) 02:37:21 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

Re: タイトルなし

いちファン様、こんばんは。

明治~昭和史がマイブームな私にとって、これからも吉村昭の本は読みたくなりますね^^

「三陸海岸大津波」も読んでみよう。

おっしゃる通り、吉村氏の冷静で科学的な取材力と確かな目を「関東大震災」からも感じ取れます。

できれば、あまり悲惨で暗過ぎない作品の方が良いけどなあ^^:

幕末の「桜田門外の変」を題材にした著作もありますね。これが手頃かな?

2014/05/15 (木) 02:47:38 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

ここへきて増刷

『イニシエーションラブ』は最近火がついて話題沸騰になって(テレビでタレントが言った)、増刷につぐ増刷で百万部突破したんですよ~(‘o‘)ノ


私もクリスティーは10代の頃に読破しました。

>清涼剤

おっしゃる通りですね(^w^)

『そして誰もいなくなった』『オリエンタル急行』『アクロイド殺し』はもちろん、『秘密機関』や『ゼロ時間へ』も好きでした。
『ねじれた家』という、んんん?もありましたが。(クイーンのYはずーっとミステリーの一位ですもんね)


私がテレビドラマでサスペンス物を全く見ないのは(退屈で間が持たないのと犯人がわかってしまう)、クリスティーのせいだと思ってます(笑)

2014/05/15 (木) 04:37:46 | URL | はぴらき #- [ 編集 ]

直観的な(要するに論理的でない)私

 片割月さま、お元気なご様子、何だかうれしいし、本の読みたくなる解説をありがとうございます。

 まず、クリスチアナ・ブランドなんですが、手に入りそうな所で紹介しておきます。

 「招かれざる客たちのビュッフェ」短編集 東京創元社
 「はなれわざ」 長編 早川書房
 「五十一番目の密室」(アンソロジー ここに「ジェレミー・クリケット事件」が収録されています。私の敬愛する北村薫先生が最も推しの短編です)

 私は直観で生きている人間なので全然論理的ではないけど、たまーに、凄い直観が働く事があります。(笑)
 ただ、アクロイド殺しに関しては他に犯人が居てもおかしくない。よりどころにすべき記述に書かれてない事が多過ぎてどんなにでも想像を広げられる…最後に第三者の客観的な記述が欲しかったかも。
 録音機が鞄に入らない?! 
 考えもしなかった、ともう一度原作を読み返してみたら、ディタクフォン。口述筆記用のレコーダーだったんです。秘書などが後でタイプしたりする為の物なので鞄などで運べないと逆に不便です。
 確かめて見ると1920年代のものは小型のミシンみたいなもの。縦に長いから置くと目立つ様です。マチの大きい深い鞄ならば入る代物。安楽椅子で隠すというのも納得です。
 それにしてもお見事なご指摘に感服しました。
 私、「Yの悲劇」で「三週間も隠し場所に置いといて〇〇〇は腐らないのかしら?」なんて下らない疑問を感じたり、雪の上を足跡を付ける為に後ろ向きに歩いてもし転んだらどうするのかと心配した事はありますが、ちゃんとした指摘はした事ないです。(笑)

 横溝正史…。誰かが「カーの怨念が列島を席巻した」と言ったのですよね。旧家などの因縁が絡む日本的情念に凄さを感じています。由利先生物の「蝶々殺人事件」がお好きとは渋いですね。横溝先生は日本的なディクスン・カーを体現して下さいました。
 
 また、長々と詰まらぬ事を書いてしまいました。
 またの更新楽しみにしています。

2014/05/15 (木) 12:04:11 | URL | shige #X91rLkcY [ 編集 ]

補足です、すみません

 少し、補足させていただきます。
 このトリックで使われた録音機は「蝋管」というものを用いた原始的なものだそうです。私がネットで確認したのも同じ物でした。(充分持ち運びできる大きさに思えましたが)これが鞄にしまえる大きさなのか、録音機の音の精度が果たしてトリックに耐えうるかというのは三十年前にも日本で指摘されていた様です。カーも叙述トリックの作品を書いていましたが「客観的な視点も入れた」作品でしたね。(これはネタバレなので作品名は伏せます)
 まあ、「小さな瑕疵」という見解で落ち着いている様ですけど。
 片割月さまのご指摘のお蔭で違った観点からクリスティ作品を見る事が出来て感謝しております。

2014/05/15 (木) 17:46:28 | URL | shige #X91rLkcY [ 編集 ]

震災グッズ

記事で触れられているような部分を持つものは、ほとんどないとおもいます。
基本的には、戦時中の防災対策がベースですから耐火性の強い素材しかないはずです。
普通の綿素材でも、厚手のものなら、十分に濡らすだけでも耐熱効果があります。
防災関係の知識は、素材の発展によって、それまでの知識と相反することになるのが多いです。

化学工場の火災でも、マグネシウムが扱われていますが、マグネシウムからアルミニウムへと燃え移ると、事態はさらに深刻になります。

2014/05/15 (木) 22:03:23 | URL | バルタントモゾウ #- [ 編集 ]

Re: ここへきて増刷

はぴらき様、こんばんは。

話題沸騰?増刷?ふーむ。そういう事情があったのね。
もしかして、十代の若い人達に凄く受けているのかもしれませんね。

いや、火曜サスペンスとか土曜ワイドとか…つまらないですよ^^;

ただし、今野敏原作のテレビドラマ「隠蔽捜査」のシブさとか、
筒井康隆原作の「富豪刑事」のマンガというか、おバカっぷりは楽しめましたが(^O^)。

2014/05/16 (金) 00:54:04 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

Re: 直観的な(要するに論理的でない)私

shige様、さっそくレス頂き、ありがとうございます^^

クリスチアナ・ブランドの紹介本で手に入り次第、読んで見ますね(*^。^*)。

オオッ、北川薫!リセットだかターンとか、
私はタイムスリップ系も大好きなので、堪能いたしましたよ。

shige様は直感系ですか。私は山カン系です。

学生時代はテストの山を当てるのが上手かった方です(^_^)ノ。

2014/05/16 (金) 01:03:13 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

Re: 震災グッズ

バルタン様、こんばんは。

なるほど!さすが、理系脳ですね。

しかし、実験するわけにも行かないし。。

私はたぶん、お金だけ持って逃げるだろうな^^;

2014/05/16 (金) 01:07:10 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

片割月さんの言説のとおりである。
日本語のもつ主語の不明確さは時としてトリックとなる。
これは小説はもとより詩の世界においても同様である。
例えば詩人の城戸朱理は、よくこの手法を用いる。これを詩の世界では「ダブルイメージ」と言う。
ダブルイメージを用いた小説や詩は興味深い。

2014/05/16 (金) 12:40:27 | URL | ファントム #- [ 編集 ]

ファントムさま

叙述トリックは海外で生まれたものでその代表作「アクロイド殺し」は英国の作品です。
 これは論理的な騙しのトリックにほかなりません。曖昧な日本語がいくつもの解釈を生むのではなくて、意図的にミスリードするものだと考えます。
 事実ではない事を断定的に言われるのは少し、…。
 片割月さまのおススメの本をまず、お読みください。そうすれば判ると思いますので。
 

2014/05/16 (金) 15:30:58 | URL | shige #X91rLkcY [ 編集 ]

蝋管

片割月さま、皆さま、こんばんはm(_ _)m

しばらく記事の更新がなかったので、体調でも崩されたのかと心配しておりましたが、お元気そうでよかったです!

私はミステリーはあまり詳しくないのですが、shigeさまが仰っていた「蝋管」、音声学の授業で音を聞いたことがあります!
(勿論録音したものですが…)

内容は100年前のアイヌ語の歌?だったかな?
音質はともかく、とても原始的な仕組みなのに、本当に音が保存されていることに感動しました。

最近では、昔通りの物理的接触による再生ではなくて、レーザーで表面を走査して再生できるようになったため、貴重な資料を非侵襲的に研究できるようになったそうです。

話題が横滑り、失礼致しましたm(_ _)m

2014/05/16 (金) 23:13:11 | URL | ののんた #- [ 編集 ]

Re: 蝋管

ののんた様、こんばんは。

お言葉ありがとうございます。
ブログの更新する時間と題材が無くて、しばらく中断していました。
フィギュアシーズン、それも五輪シーズンが終わって、私も少しフィギュア熱がトーンダウンしたことも。
シーズンが始まり出すとまたヒートアップしますが(^O^)。

で、当面はフィギュアネタ以外のネタの割合が増えると思います。

2014/05/19 (月) 00:23:16 | URL | 片割月 #- [ 編集 ]

カーテンコール・・・

 片割月さま、お蔭さまでご無沙汰だったクリスティを読み返しております。(三十年以上振り)
 「カーテン」はクリスティが全盛期の頃に書かれた「最後の事件」なんですよね。多分、第二次大戦の頃に書かれて三十年近くしまいこまれていたものです。
 
 クリスティも突然失踪したり、二十歳以上年下の男性と結婚したり、お騒がせ女性でしたが、世界中から愛される作家でしたし。そう考えると子供を産んだ美姫ちゃんも、アガサから見れば「まだまだ、お子ちゃまよ!」と言われてしまいそう。
 社会規範ばかり気にして小さくまとまる必要はない、とタブーを打ち壊し続けたミステリの女王なら言いそうな気がする。

 休養宣言した真央さん。彼女がこれから幸せに生きられる様に自由にしてあげる(勝手に作り上げた彼女のイメージなども含めて)のが一番、必要な事だと思えるのだけど。

2014/05/22 (木) 18:04:37 | URL | shige #X91rLkcY [ 編集 ]

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片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、神仏を尊び、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者熟女(四十路半ばを過ぎた)ですが、よろしくお願いします。

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