世界フィギュアスケート国別対抗戦2021:完
・強過ぎるアスリートは得てして不人気になる場合がある。それはライバルに人気アスリートがいる場合だ。世界フィギュアスケート選手権で3連覇していた時のパトリック・チャン選手がそうだった。不幸?なことに、ライバルが人気絶大の高橋大輔選手だった。2010年の世界選手権を最後に高橋選手はチャン選手に勝てなくなってしまった。表現技術・スケート技術を評価する演技構成点でもチャン選手が上回るようになり、一部のファンから嫌われた。
不思議なことに強いアスリートは「ふてぶてしく」「傲岸」に思われることが珍しくない。大相撲ではかつて、横綱北の湖がそう見られていたそうだ。不幸?なことは、当時、絶大な人気を博していた大関貴ノ花がいたことだ。判官びいきもあって、貴乃花ファンからは嫌われたらしい。
・世界選手権で3連覇を成し遂げたネイサン・チェン選手はどうなのだろうか?ライバルは羽生選手だ。しかし、チャンvs大輔のような感じは無いように見える。ファンの質も変わったからか?
・ところが、強過ぎるアスリートが世界のトップから少し下がり、年齢を重ねベテランと言われるようになると、何故か急に人気が上がって来る。ソチ五輪で金メダルを逃した頃からチャン選手の人気が上がった。ライバルの高橋選手が引退したことだけが人気上昇の理由ではなかった。
・女子のトゥクタミシェワ選手の人気が上昇している。彼女はソチ五輪で金メダルを獲ったソトニコワ選手と同期だ。浅田真央さんのファンだと公言していたソトニコワ選手の日本での人気は高かったが、トゥクタミシェワ選手の方はあまり人気はなかった。特に愛嬌を振りまくタイプではなく、クールな印象もあいまって不人気だった。
2014~2015年度はグランプリファイナルや世界選手権で優勝し、非常に強かった。トリプルアクセルも跳べるようになった。で、人気は高く無かった。よせばいいのに、コーチのミーシンさんが、「浅田真央のジャンプは回転不足」と言ったものだから、もう、ダメでした。
それが、同じロシアの若手の後塵を拝するようになり勝てなくなると、あら不思議、彼女の人気が上がり始めた。十代の選手達が世界を席巻する時代、20歳を過ぎたスケーターにはファンは暖かい目を向ける。
そこへ、トゥクタミシェワ選手が「日本が好き」と言ったものだから人気は急上昇。海外の選手達の中には、「日本で演技するのが好きだ。日本のファンは暖かい」と、異口同音に語る例が少なくない。
その点、必ずしも愛想が良いとは見えないトゥタミシェワ選手からはそれまでそうした発言はあまり聞かなかった。それが最近、何故か言うようになった。
日本人特有の、判官びいきの変形なんだろうか?
私ももちろん、トゥクタミシェワ選手びいきである。
彼女のトリプルアクセルの特長は、力みが無く軽くスッと跳ぶんですよね。女子は脚力で劣るので、トリプルアクセルを跳ぶには、「ヨイショッ」ってな感じになる所、彼女にはそれが無い。紀平選手のトリプルアクセルのような大きさや流れは無いけど、自然体でスッと跳ぶので評価は高いでしょう。
シェルバコワ選手。やはり、滑りや演技がメドベージェワ選手に似ている。
それにしても、女子では欧米の選手達と比べて日本人選手のスピン技術がイマイチということが明瞭だ。同じノーミスでも坂本選手のスピンはシェルバコワ選手やアメリカのテネル選手等と比べると落ちる。しかし、坂本選手だって日本人選手のレベルではスピンは上手い方なんですよね。
やはり、スピン技術というのは手足が長い方が得だね。見栄えが違う。
・紀平選手、腰痛がヒドイみたい。無理しないでフリーは棄権するのもありかな。
・羽生選手。ウウ。。。最初の二つの4回転ジャンプは素晴らしく決まったのに、まさか、得意のトリプルアクセルでバランスを崩すとは。。。しかし、それ以外は素晴らしかった。
・フランスのエイモズ君とアメリカのブラウン君。もう、表現力が素晴らし過ぎて、スポーツをやっているんだか、踊っているのか、分からなくなって来たぞ(^o^)
この二人の男子選手の表現で、上半身や腕の使い方、顔の表情を見ると、日本人選手には無いものなんだよね。やはり、文化の違い、民族の違いのようなものを感じる。
・解説の荒川静香さん。
つまらん。年々、退屈な解説をする傾向にある。こういう「無難」な解説者が関係者の間では重宝がられるんでしょうかね。特に、日本人女子選手の場合、「誉める」ことだけ言って、「ミスや課題の指摘」は言わない。この見え透いたやり方、私は嫌いだな。まあ、彼女の立場からすれば、下手に「指摘」をして、該当選手かコーチからクレームが入ったり、一部のファンからクレームが入るのを避けたい、との防衛策の意味もあるかもしれませんが。
いかにも「日本的」で、退屈だ。
安藤美姫さんなら聞き応えのある解説をすると思うが。本人も言っていたようですが、「お呼びがかからない」そうだ。安藤さん自身は解説したい気持ちはあるようですね。
・三浦璃来/木原龍一ペアは素敵だ!!
今回、テレビでじっくり見ることが出来ました。良かった!
木原選手はシングルからペアに転じて8年ですか。高橋成美選手と組んでいた頃と比べ、何という逞しい前進!技術の進歩!表現力の向上!
一人の選手の成長を見ることもスポーツを見る醍醐味の一つですね。
演技冒頭のトリプルツイストの高さ!リフトにおける難度の高さとスムーズさ!ステップシークエンスでのターンのエグさ!どれを取っても8年前とは別人のよう。
時折見せる木原選手の笑顔が素敵です。
三浦選手ですが、なかなか「気の強そう?」な風貌。スケート技術の方はなかなかのレベルなんではないでしょうか?ステップを見ているとそう思いました。
二人の相性もきっと良いのでしょう。このまま二人で長く続けて欲しいです。
世界選手権や五輪で入賞圏内に入る力が十分にありそうです。
これから先が楽しみです。
ショート・フリーの合計点が196点台!
国別対抗戦は概して点数が高めに出る傾向があるにせよ、ミスが複数あっての点数であれば、200点越えは射程圏内ですね。世界選手権では200点越えしたペアは5組でしたので、世界のトップクラスの仲間入りは近いぞ。
点数が上がれば、二人のモチベーションもどんどん上がる。私の血圧も上がる。
・坂本選手の素晴らしい演技を再び見る事が出来て嬉しかった!
トリプルアクセルや4回転ジャンプの練習をしているそうですが、どうでしょうか?北京五輪にはちょっと間に合わないのではないでしょうか。実戦で試す機会も少ないでしょうし。
それよりも、ノーミスを目指す、フリーではコンビネーションジャンプは全て演技後半に入れる等の作戦が良いのではないでしょうか。もちろん、本人とコーチが考え決めるることですが。
・宇野選手。
うーん。。。以前にも書きましたが、悪戦苦闘していますね。この数年ずっと。ジャンプがなかなか揃わない。高さが足りないのか、あの変な癖?のあるランディングが問題なのか分かりませんが。
五輪ではやらないであろう3A-4Tなんか跳んでる場合ですか?案の定、失敗しました。
フリーで4回転ジャンプを4本入れてどうせ2本はミスるんなら、3本にして確実性をアップさせる方がベターじゃないかなあ。宇野選手ならこれでも表彰台に上がれるだけの地力があると思うのですが。。。
☆ところで、北京五輪ですが…日本はボイコットするのかな?
ま、全てはご主君のアメリカ様のご意向次第ってところでしょうか。
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2021.04.16 | | コメント(22) | トラックバック(0) | フィギュアスケート・大会