フィギュアスケート:3人の日本選手に、あえて、モノ申します(^_^;)
私はフィギュアスケートの選手達の演技や言動について批判めいたことを書くのはずっと控えて来ました。
①必死に努力している選手達に私が偉そうにモノ申すのも、ちょっと。中傷・誹謗と受け取られるのも業腹。
②一部の政治家や知識人や商売人への批判だけで精一杯だった。
【羽生結弦選手の「負けは死も同然」発言について】
きっと、羽生選手の本心であり、そのくらい必死に戦っている証拠なのでしょう。悔しさもあった。
自ら逃げ道を塞ぐ覚悟をハッキリと示したのかもしれません。
なかなか言えない言葉です。
しかし、世に日本代表になれないレベルの選手はゴマンといます。彼等・彼女等とて人生の多くをフィギュアスケートにささげ、一生懸命に戦っているのだと思います。才能の差か練習環境の差か、何かしらの理由でトップにまでは至らないレベルで頑張っている選手達のことを考えますと、羽生選手のこの言葉はどうなるのでしょうか。
私が最も気になったのは、
①羽生選手がこの言葉を発したのは、聞かれて咄嗟に自然に出たものではなく、「用意していた言葉」「計算された言葉」に聞こえることです。これが私が違和感を覚える理由の一つです。少なくとも、羽生選手は口から出まかせの軽口や冗談でこの言葉が出たのでは決してありますまい。
②そして、羽生選手が誇張したとは言いませんが、この言葉がどんな影響を人に与えるか彼は良く知っていたと思います。つまり、「五輪を2連覇した羽生結弦は、さすが、他の人とは言うセリフが違うだろ?別次元だろ?」みたいな雰囲気。これが私が違和感を覚える第二の理由です。
③観客もファンも、羽生選手が2位に終わったからと言って、勝てなかったからと言って…残念には思えど…誰も批判はしませんし、それどころか彼の演技に味わいが増していることを称賛するでしょう。特に、あの気迫に満ちたフリーの演技には私も感動しましたし、羽生ファンの多くが涙したと思います。
負け惜しみではなく、フィギュアスケートの演技には…それが点数に反映されなくとも…選手個々の魅力というものがあります。滑りだすだけで放射されて来るオーラや色気や輝きや優美さ等。羽生選手にはそれがあります。少なくとも、優勝した選手よりもずっとそうした魅力を感じます。もちろん、年齢から来る熟成度もあります。ある意味、それは勝った負けたよりも大切なものかもしれません。特にフィギュアスケートでは。私と同じように思うフィギュアファンは多いのではないでしょうか?
マスコミは優勝を盛んに煽りますが、ファンは必ずしもそうではないでしょう。
それよりも、羽生選手自身が納得出来る演技、全ての力を出し切った演技を期待しているのではないでしょうか。結果、優勝したらそれにこしたことはありませんが。ネイサン・チェン選手が完璧に演技をしたら、たぶん、羽生選手を上回る得点と順位になるでしょう。これは仕方のないことです。負けが死も同然なんてことは全くありません。
ソチ五輪では期待された浅田真央選手は表彰台に上がれませんでしたが、あれは「負けは死も同然」でしょうか?とんでもない。多くの観客を感動させたではありませんか。確かに、試合には負けました。しかし、一人のフィギュアスケーターとしては「大勝利」だったのではないでしょうか。
それゆえ、羽生選手の口から、「負けは死も同然」というセリフは聞きたくなかったです。
【宮原知子選手がトリプルアクセルを習得すると宣言したそうですが】
遅いですよ。今頃になって。
私は4年も前から宮原選手は4回転かトリプルアクセルを見に付けないとロシア選手には勝てない!と強調して参りました。が、宮原陣営にはそのような気配はありませんでした。事実、平昌五輪では宮原選手は最高の演技をしましたが、表彰台にも届きませんでした。日本のエース宮原選手にとっては辛い結果だったでしょうね。
で、紀平選手が3Aを、ロシアのジュニア女子選手が4回転ジャンプを決めているのを見て、大いに刺激されたのでしょう。宮原選手もアスリートである以上、優勝したいという気持ちは強い。
しかし、宮原選手は21才です。長洲未来選手の例がありますので3A習得は不可能ではないかもしれませんが、かなり厳しいんじゃないですかね。何故なら、豪快なジャンプを持つ樋口新葉選手ですら、18才の今もなかなか3Aが試合に使えるレベルになっていないのです。
年齢的には、同じく3Aの習得の宣言をした坂本花織選手の19才が限度じゃないでしょうか。彼女の大きなジャンプを見る限り、十分に可能でしょう。
宮原選手の弱点はジャンプに向かう際に「思い切りが足りない」ことでしょう。いつも本人自らが「思い切りが足りなかった。慎重になり過ぎた」と言っています。これで難しい3Aを試合で決められるでしょうか。
宮原選手はここまで来たら、ミスを頻発させているトリプルルッツやトリプルサルコウの改善と、今取り組んでいるジャンプの全面的な改良(もっと高さと美しさを目指す)に専念した方が良いと思います。彼女の長所である音楽表現もまだまだ進化出来ると思います。あえて言わせてもらいますと、優勝よりも宮原選手の個性を伸ばす方向が良いと思います。私は3Aよりも、宮原選手の個性がより発揮された美しい演技が見たいです。
【紀平梨花選手が同じミスを繰り返すのが気がかり】
ショートプログラムの冒頭の3Aのミス。何回同じ場面を見たことでしょうか。「ああん、もう、しっかりしてくれッ!」と叫びたくもなります。もちろん、嘗ての浅田真央さんやトゥクタミシェワ選手も苦労しているのを見れば分かりますように、女子選手にとって3Aは非常に難しいジャンプなのでしょう。素人が想像するよりずっと難しいのでしょう。
しかし、紀平選手の場合は公式練習でも6分間練習でも3Aをバンバン決めているのです。それも、「何とか降りた」「やっと決めた」レベルではなく、高い確率で完璧に決めているです。
つまり、3Aのミスは技術的問題ではなく明らかにメンタルの問題でしょう。
昔から、「(海外の選手と比べ)日本人選手は本番に弱い。プレッシャーに弱い。萎縮する。緊張し過ぎて失敗する」とよく聞かされて来ました。これがどこまで科学的根拠があるのか怪しいですが、結果としては当たっているケースが少なくないようです。すると、紀平選手にも同じ弱点があるということでしょうか。
トラウマにならなければ良いのですが。。。
まだ16才だから、そこまで大袈裟に考えなくても良いのかもしれませんが。
さて、来る国別対抗戦での紀平選手のショートプログラムに注目ですね。この大会は割とお祭り気分で行われる雰囲気もありますのでプレッシャーは少ないのではないでしょうか?
ここでまたしても3Aで同じミスを繰り返すようであれば、事態は深刻です。
現行のルールでは、ショートプログラムでのジャンプの規定違反は0点になります。3Aは綺麗に決まれば基礎点と加点の合計で10点は稼げますので、成功と失敗では天と地の差になります。
素人考えですが、深刻な場合の対策としては、
①専門家の指導によるメンタルトレーニング・イメージトレーニングの実施
②ショートでは3Aをしばらく封印する。
③3Aを冒頭に跳ばず、2番目に跳ぶ。
紀平選手の完成度でしたらほとんど問題無く跳べると思うのです。むしろ、最初に単独の3ルッツか、3F-3Tのコンボを持って来て、身体が暖まり始めた所で3Aを跳ぶ方が決まり易いのではないかと。
どうでしょうか。。。ダメかなあ。。。
以上、3人の選手について偉そうに言いたい事を書きましたが、あくまで応援したい気持ちで言わせてもらいました。そもそも、応援する気の無い選手であれば私は何もコメントは致しません。
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2019.04.09 | | コメント(22) | トラックバック(0) | 日本人選手達