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経済なんでも研究会
野村証券が大損した事件のイミ
2021-04-01-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ バブル崩壊の兆しなのか? = 野村ホールディングスは29日「アメリカ子会社による顧客取り引きを巡り、多額の損失を生じる可能性がある」と発表した。損失額は約20億ドル(約2200億円)にのぼると推定されている。取り引きの内容や経緯については発表していないが、時間が経つにつれて事件の実態が明らかになってきた。いまのところ事件が大きく発展する可能性は小さいが、バブル崩壊の兆しという見方も捨て切れない。

問題を起こしたのはニューヨークのファンドで、アルケゴス・キャピタル・マネジメントという投資会社。倍率の高いレバレッジ取り引きで株式を売買していたが、保有株の急落で保証金が払えなくなり倒産した。野村はアメリカの子会社を通じてこのファンドに融資しており、資金の回収が出来なくなった。ほかに三菱UFJ証券とスイスの金融機関クレディ・スイスが同様の損失が出たことを発表している。

野村ホールディングスは、昨年4-12月期に3095億円の純利益を計上している。それと比べても、今回の損失はかなり大きい。このため野村の株価は急落した。問題はこれ以上、事件が拡大しないかどうか。損失を受けた金融機関が続出したり、他のファンドが倒産したりすると、リーマン・ショックのような金融不安に発展しかねない。

現在までのところ、野村と三菱UFJ、クレディ・スイス以外に損失の発表はない。他のファンドが行き詰まったという報道もない。したがって事件がさらに発展する可能性は小さい。しかし市場では「バブル崩壊の兆し」という受け止め方が、静かに潜航している。というのも、こうした事件は、バブル崩壊に先駆けて起こることが多いからだ。ファンドに対する投資も抑えられるだろう。市場の心配は、もう少し続きそうだ。

       ≪31日の日経平均 = 下げ -253.90円≫

       ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ

           
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