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一知半解なれども一筆言上

山本七平マンセーブログ。不定期更新。

鬱屈する反米感情をコントロールしないと危ない。

前回の記事『昔から「機能&経済」至上主義だった日本人』では、日本人がその時代の環境に自らを適応させ、その環境下で経済性を最大限に発揮することができる民族であること。そして、そのことを当たり前のこととし、自らの特徴としてなんら自覚していないこと。日本のそうした特長が前提となる環境を破壊しかねない危険性を孕んでいること等について山本七平の記述を紹介したわけですが、今回はその続きです。

危機の日本人 (角川oneテーマ21)危機の日本人 (角川oneテーマ21)
(2006/04)
山本 七平

商品詳細を見る

(~前回からの続き)

前にある外国人との会合で私は次のような要旨の話をした。

「過去に於て日本人は、少々不思議な経験をした。というのはある時期まで日本の軍事力は欧米の賞讃の的であった。

セオドア・ルーズベルト大統領は東郷元帥に会って最大の賞讃をしたし、また私は、所用があって、かつてマッカーサー司令部のあった第一生命を訪れたとき、不思議な経験をした。

第一生命の会長室がマッカーサーの執務室であり、その部屋は今は使われず、記念のため当時のままに保存されている。

マッカーサーの椅子に座ってみませんかと言われ、私は面白半分に座って部屋の中を見まわした。
何の装飾もない、実に質素な部屋である。

マッカーサーが執務した時代と全然変わっていませんか、という私の質問に、昔のことに詳しい管理人がいった。

彼は壁の一角を指さしながら、ただ一つ違う点はあそこに乃木大将の写真が掲げられていたことです、と。私は少々驚いていった。

だれがそれを取りはずしたのですか、と。

相手は言った。
その写真は第一生命のものでなく、マッカーサー大元帥がお持ちになったのですから、持ってお帰りになったのでしょう、と。
ことによったら、アメリカ人記者ウオッシュボーンの『乃木大将』で関心をもって調べた結果であろう。

いずれにせよ、ウオッシュボーンの賞讃記事を読めば、だれでも関心をもつ、それが、ある時点から非難と憎悪の対象となった

◆一貫して借全国だった日本

こういう変化があった一方、明治から一貫して、日本の経済は非難の対象ではなかった

もっとも綿業に於ては主としてイギリスからダンピングという非難があったが、イギリスの専門家は逆に、ダンピングでないと日本を弁護している。

確かに輸出攻勢への非難は一部にあったとはいえ、日本の経済政策はおおむね、好感をもって迎えられた。

理由は簡単である。

日本は外債を元利とも常に完全に期日通りに返済した唯一の国だったからである。
日本は大変な資本輸入国であり借金国であったが、カントリー・リスクは皆無の国だったといってよい。

この点では常に欧米の資本輸出国の優等生であった。

だがこれが日本にとって、どれほどの難事業であったか、理解している欧米人は殆どいないであろう。

なるほど今では欧米人は、自分たちは常に公正に振舞っていたかのような額をしている。

だが安政五年(一八五八年)にアメリカが、悪名高い砲艦外交によって日本に押しつけた日米通商航海条約は、少なくともわれわれの目から見れば公正なものではない。

日本は関税自主権を奪われ、一方的に、従量・従価はアメリカが都合のよい方を採用することで、最高五パーセントと定められていた。

これは実質的には関税ゼロに等しい。

当時の日本には何の近代産業もない。
そこへすでに工業化した先進国の製品が無関税でなだれ込めば、日本の伝統産業は潰滅するか、産業の近代化は不可能になる。

後発の国は、保護関税で先進国に対抗して自国の産業を育成しようとする。
現に、アメリカもドイツもこれをやっている。

だが日本はそれを封じられた

その中で日本が近代化するのは、不可能といってよかった。
過去において、こういう仕打ちをしたということは忘れないでほしい

幸いに日本には絹があった。

この外貸手取率百パーセントという屋根裏の牧場の製品の輸出高は、一時は、日本国政府の予算の総額に匹敵したのである。

日本は細い絹の糸にすがって近代化の進を切り開いたと言っても過言ではない。

だが、以上の状況下における急速な近代化は、多額の資本の輸入が必要であった。
簡単に言えば日本は安政五年以来、ほぼ一貫して借金国だったわけである。

もちろん例外的な一時期はあったが、戦後にまた過去の蓄積のすべては壊滅してゼロにもどり、借金で再出発した。
その間、諸外国の日本への基本的な要求は、不良債務国になるなということであった。

◆諸外国の「強制」から生まれた国の「体質」

この点で日本人は、先進国の優等生だったといえる。

実に安政五年以来、日本は内需を抑制して輸出にはげみ、ひたすら借金を返しつづけたわけである。

現在、先進国が、後発の債務国に要求していることは、内需を抑制して輸出にはげみ、債務を返済せよということである。

日本はそんな要求はされなくとも、内需を抑制して輸出にはげみ、とどこおることなく、債務を元利とも返済しつづけてきた。

この間の日本の内需抑制・輸出先行型の経済体制は、どこの国も基本的には非難しなかったし、非難しなかったことは別に不思議ではない。

これは諸外国の要請、また諸外国が日本に強制したことによって発生した体質で、実に一二〇年以上つづいた体質である。

欧米先進国の都合でこの体質を変えよというのはまことに勝手な要求だと私は思うが、日本は、大勢に順応しても自己主張をしない国だから、変えるであろう。

だが一二〇年以上つづいた体制を一気に変えろというのは少々無理である。
私に言わせれば、十年かかっても不思議ではない。

以上に述べた現象は簡単にいえば、日本がその順境に順応することによって、逆にその環境を破壊しそうになっているという状態であり、日本の伝統的な行き方は常にこの自己矛盾をはらんでいる

私がこういったとき、著名なイギリスの日本学者が、「過去のことはともかくとして、将来のことを検討しましょう」といった。

私はそれに対していった。

「その主張は少々おかしい。
過去のことを忘れないのはあなた方であって、われわれではない。

殆どすべての日本人は、いま私が述べたような過去のことは、とうの昔に忘れている。

そして、以上のような主張もせず、いかに現在の壮況に適応すべきかに腐心している。

欧米が現在の態勢をたてなおすのに時を貸せというなら、同じように日本も、一二〇年もつづけざるを得なかった態勢を変えるのに時を貸せと言ってよいはずである」

◆成功しすぎた異端-日本人と日本経済

残念ながら日本は「自由圈の御威光」ではないし、自らが「御威光」になる気もなく、もっと呑気で責任を負う義務がなくかつ高収入を得られるナンバー2、いわば「副社長」の位置に安住したいなら、「崔家門の知恵(註)」に学ぶべきである。

(註)…拙記事『昔から「機能&経済」至上主義だった日本人』参照

だが、その場合、きわめて不合理な要求をされることは覚悟せねばなるまい

ヘブル大学の日本学者ペン=アミ・シロニー教授は、『誤訳される日本』(光文社)の中で次のような面白い指摘をしている。

「貿易不均衡を生じた場合、赤字を出している側がその不均衡を立て直すというのが慣例になっていた」と。

これは今でも慣例であって、債務国でありかつ貿易赤字国である国に対しては、先進国・債権国は、その不均衡を立て直せと、厳しく要求している。

だが日本はこの点で奇妙な地位に置かれていると氏は指摘している。

「一九七三年のオイル・ショックに伴い、日本の対米赤字は一〇〇億ドルに膨れ上がった。
しかし、誰一人としてアメリカを非難する者はいなかった。

それは、日本のように資源のない国は、貿易不均衡のあおりを受けても仕方がないのだと考えられたからである。

つまり、日本自身の問題であって、他の誰の責任でもないということなのだ。

時は移って一九八三年、日本の対米黒字は二〇〇億ドルにも上った。
すると、突然にアメリカがわめき始めた。

購買力では、一九八三年の二〇〇億ドルと一九七三年の一〇〇億ドルは全く同じにもかかわらず……」

大変に面白い指摘である。
シロニー教授は、ここから、先進資本主義国における、成功しすぎた異端である日本人とユダヤ人の対比という問題に進む。

それは確かに一つの捉え方であり、その点に関心のある方は前掲書を読んでいただくとして、私は別の面からこの問題を捉えてみたいと思う。

◆一貫性のないアメリカの主張

確かに、アメリカはアメリカの債務国で赤字国である国に対しては「お前の責任だから何とかしろ」と要求しつつ、一方、アメリカの債権国で黒字国である日本に対して、「お前の方でこの黒字を何とか解消しろ」という。

これはまことに得手勝手な話であって、その態度には論理的な一貫性はない。

だが、この矛盾を徹底的に追究したらどうなるであろうか

もちろん双方にさまざまな言い分があるであろうが、要約すればそのときの相手の言い分は、「そう主張するなら、お前は自由主義世界の安全と秩序に全責任を負う『御威光国』になれ」ということ、簡単にいえばアメリカの肩がわりをせよということである。

だが日本はその責任を負う気はないし、負うことも不可能である。

まことに残念なことだが、「今の掟」では、経済力だけでは御威光国にはなれず、軍事力を持つことを要請される。

では日本はアメリカの軍事力を肩がわりする気はあるのか。

全然ないし、第一それは不可能であり、そんなことをすれば経済的に破綻して、元も子もなくしてしまう。

ということは、自らの責任において秩序を保持し、それをあたかも自然的環境のように自分の責任で守る意志は日本にないということである。

その場合は「御無理、御もっとも」として、御威光国の秩序維持に協力すること以外に、方法がない

日本は決して過去の失敗を繰り返してはならない

「御威光国」は経済力と軍事力のみならず科学技術をも含めた総合的国力を要請される。
過去の日本は経済力なしに、軍事力だけで「御威光国」になれると夢想した。

否、妄想をしたと言ってよい。

現在もしその逆、すなわち軍事力なく経済力だけで「御威光国」になれると妄想したら、同じ失敗をくりかえすであろう。

もちろん、そんな妄想は今の日本人には毛頭ない、という人もあろうし、事実、ないのかも知れない。

しかし、経済力は持っても政治には一切無関係といいうるのは個人のみであって、国家はそうはいかない。

というのは、自らにその意志がなくても、日本の経済力がアメリカの御威光を損ずる結果になれば、日本がまるで自然的環境のように依存している現在の体制を崩壊させる恐れがあるからである。

もちろん、崩壊させて、自らの意志に基づく新しい体制を樹立する意志と計画があるなら別だが、そうでないなら、自らも発展しつつ同時に、その発展を可能にしている政治的・経済的環境を維持していくにはどうすべきかを考えるべきで、そのためには、実に矛盾した相手の要求を受け入れる覚悟をしておくことが必要であろう。

というのはその矛盾は、実は日本に内在しているからである。

だがこういっただけで反発を生ずるかも知れぬ。
というのはこういう考え方は、日本人の伝統的な機能至上主義的発想とは相容れない。

というのは、機能すること自体に価値を置くから、最大限に機能を発揮してきたことを一転して否定され、その成果も努力も無にされることに日本人は耐えられない

それまで高く評価されていたことが、一転して罪悪視されるという結果を招くことを、日本人は理解しないし、しようともしない

また、相手のきわめて非論理的な態度に、強者の圧力を感じて釈然としないが、それに変る自らの提案もしない。

確かにベン=アミ・シロニー教授の指摘するように、アメリカの態度はまことに論理的に一貫しないのである。

ではそれに応ずるのはなぜか。

過去において似たような問題はしばしば出て来ているが、その間、戦前・戦後を通じて一貫しているのが、次の言葉であろう。

政府の弱腰、アメリカベったり、対米媚態外交、等々々

だがそういいながら多くの場合、日本は屈伏する。
すると屈伏の連続が屈辱感となり、それがある程度たまって来ると、どこかで爆発する

これは簡単にいえば、そのとき自分がなぜそれをしなければならないかを明確に意識せずに、「無理難題に屈伏させられた」「外圧に敗れた」と受けとっても「自分がそれによって発展して来た環境を、その発展のゆえに破壊することがあってはならない」と考えないからである。

ではそう考えずに、屈伏・屈伏の屈辱感から、あくまでも屈伏せず、外圧をはねのけたらどうなるか。

自らがそれに即応することによって維持・発展してきた環境を自ら破壊して、自らも崩壊する結果になってしまうことになる。

◆論争をしない日本

もっとも現代の日本にはまだその徴候は現われていない。
現われていないから安心だと言えるであろうか。

実はそれが言えないのである。

ベン=アミ・シロニー教授の言う通りアメリカの主張は理不尽である。

こういう場合ユダヤ人なら徹底して相手に論争を挑むであろう。
そして一つでも譲歩すれば、別の面で相手に何かを譲歩さす。

だが日本人はそれをしない。
またはっきり言って出来ない。

シロニー教授のように、相手の理不尽を相手の論理でつかむという術にたけていないからである。
彼らはこれを反射的に行いうるが、それは伝統の違いであって、日本人にこのまねはできない。

しかし日本人は、言葉にはならなくてもカンは鋭いから、何となく、納得できないという気持は抱いている。
だが、それがしだいに蓄積して来ると、いつかは爆発する。

日本人がよく口にする「今度という今度はがまんならない」が出てくるのである。

これが出てくるのは非常に危険だから、以上のように整理して、日本が何が故に理不尽な要求に従わねばならぬかを、はっきり納得しておく必要があるであろう。

だがそれだけでなく、過去の失敗を振り返っておくことも無駄ではあるまい。


(次回へ続く)

【引用元:危機の日本人/P219~】

上記の引用を念頭に置きながら、最近話題の普天間基地移設問題を巡る鳩山内閣の対応についてちょっと考えてみます。

この問題に対する鳩山政権の対応を見ていると、アメリカの(理不尽な)要求に何とか逆らいたいという気持ちが伺えます。

確かに、その感情を抱くのは、極めて自然でしょう。

しかしながら、鳩山政権やそれを支持する人達には、「日本が何が故に理不尽な要求に従わねばならないか」という理由を、ハッキリと把握せず、全然納得できていないようなのですね。

要は、日本自らの立場を、鳩山首相は自己把握できていないのです。

それだから、対応がブレまくる。
一般庶民ならそれでも構いませんが、一国の首相がそんな状態では正直危なっかしくて見ていられません。

どうしてもアメリカに逆らいたいのなら、アメリカへの依存を減らす対策なり方針なりをしっかりと国民に示すべきでしょう。
(彼は彼なりに東アジア共同体という対策を示しているつもりなのかも知れませんが、全く現実的ではありません。これでは対策が無いも同然です。)

ノーを言うにも、責任が必要なはずです。
無責任なノーを突きつけることは、決して「対等な関係」を意味しません。

それとも、鳩山首相は、ただ単に「対等の日米関係」と唱えていれば、対等になるとでも思っているのでしょうか?
仮にそうだとしたら、とんでもないアホを首相にしてしまったものです。

彼の言動を見ている限りでは、口では日米同盟の強化・対等な日米関係を謳いながら、実際の言動では、アメリカに逆らう行動を取りたがっています。

なぜ、そのような行動を取りたがるのか。
それは、「なぜそれをしなければならないかを明確に意識していない」故の反発心が原因なのでしょうが、その他にも、彼の人に嫌われたくないという八方美人の性格にも帰することが出来そうです。

先だってアメリカの雑誌に、「歌舞伎の真似をやめるべきだ」と指摘されていましたが、まさに「見栄を切りたい」だけなのです。

そして、鬱屈した反米感情を抱いている日本人から、拍手喝さいを浴びたいのです。

そう考えてみると、鳩山首相は、おそらく自ら進んで決断をしようとしないでしょう。
言を左右にし、名護市長選の民意という「言い訳」が出来るまで時間を稼ぎ、普天間基地を辺野古に移設することは駄目になったと開き直るつもりでしょう。

そうさせないためには、周囲の説得如何に掛かっているわけですが、果たして鳩山首相が説得に応じるかどうか…。

この問題を、鳩山首相が年内解決をしなければ、泥沼化することは避けられないでしょうね。

結局のところ、この問題を、鳩山首相のような民意の迎合というレベルで政治利用することは決して日米両国にとって、いい結果をもたらさないでしょう。

両国の不信と反発を増幅させ、いずれ日本人をして「今度という今度は我慢ならない」という臨界点に到達させかねない恐れがあります。

再び”真珠湾攻撃を望む”という状況に日本を陥れてはならないのです。

たとえ庶民がそれを望んだとしても、それを止めるのが、本来政治家に課せられた役割なのではないでしょうか。

ましてや、一国の首相がそう誘導してどうするんだ!と私は言いたいですね。

そう考えると、鳩山首相は、政治家として余りにも不適格なのではないか…と思わざるを得ません。

何だか話が矮小になってしまいましたが、次回は過去の日本の失敗について山本七平が述べた箇所を紹介していく予定です。
ではまた。

【関連記事】
・昔から「機能&経済」至上主義だった日本人
・八百長のある国、日本。八百長の無い国、アメリカ。【追記あり】
・「普天間の辺野古移設に反対/2万1000人が結集」報道一考


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コメント

ejnewsさんへ

ejnewsさん、レスありがとうございます。

>貴方が庶民か支配階級的思考をしているかによって態度が違うのでしょう。

そうした捉え方をされるのは、ちょっと心外です。
沖縄の地政学上の条件・立場等を考えて、軍事基地があるのもやむをえないとしているのであって、決して沖縄の人々を見下しているわけではありません。

中国の脅威というものを考えれば、沖縄の基地を無くすということは、どうぞ侵略してくださいと誘っているようなものです(フィリピンの例を見てもわかるように)。

実際、ソースは失念しましたが、国境の与那国島?だったか自衛隊の駐屯を誘致している自治体があったはずです。そうした動きが起こるほど、国境の島では中国の脅威を感じている事実も考えてみてください。

私は軍事基地のメリット・デメリットを比較考量して、沖縄の為にも県内移設でやむをえないと考えているにすぎません。
それを利己主義といわれるのは心外ですが、ejnewsさんがそう思われるのはご自由です。

>日本人は本土基地移転運動をするべきでしょうね。米政府は全くその気は無いと言っているのですから不可能でしょうけれど、その代りに他の交渉で日本の利益を引き出すようにするのが外交交渉と言う物で、自民公明政権は全く其れが出来ず(若しくはその気が無く)アメリカの政治家から不思議がられていました。

なかなか県外移設で話をまとめるのは、至難の業でしょう。自公政権が出来なかったとejnewsさんは批難されますが、民主党政権でそれができると思いますか?
私に言わせれば、まだ自公政権の方が責任を果たしていたと思いますが。

日本の利益を引き出すとまでは行きませんでしたが、自公政権では、インド洋上給油活動で、人的貢献を行なっているというポーズを取ることで、安い経費でアメリカを納得させました。

それに比べて、民主党政権のお粗末な対応には呆れてモノが言えません。
人的貢献を引っ込めて、自公政権の時に比べて約4倍もの費用負担を負う始末になるとは…。
これでは、ますますアメリカの政治家から不思議がられていることでしょうね。

小泉首相の件について。
彼は対米的にはべったりでしたが、それは日本の立場というものをしっかり把握していたからだと思いますよ。
彼はアメリカのポチだったのかもしれませんが、私はまるで他人事のように彼をあざけろうという気にはとてもなれません。

アメリカ人にとって、好印象だったのか悪印象だったのかわかりませんが、小泉首相ほど、一般のアメリカ人に印象を残した日本の首相はいなかったでしょう。
顔の無い日本人というイメージを覆す功績ぐらいは認めてあげてもよろしいのではないでしょうか。

  • 2009/11/26(木) 23:40:04 |
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tikurinさんへ

tikurinさん、コメントありがとうございます。

素晴らしいまとめのコメントをいただき、非常に頭の整理に役立ちます。ありがとうございます。

御威光国が二つになった、というのは確かに難しい時代ですよね。
tikurinさんの仰る対処方法は、誠に理に適ったものだと私も思います。

ただ、どうなんでしょう。
確かに中国は、今後十数年にわたって発展していく可能性が高いとは思いますが、アメリカを凌ぐことは出来ないような気がします。
無理をしている国ですから、いずれ何らかの形で頓挫するのではないでしょうか。

それまで日本がいかに凌いで対抗できるか?それが一番問題ですが。

  • 2009/11/26(木) 23:37:07 |
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  • 一知半解 #f2BEFQoE
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米基地の不平等性

沖縄では基地に反対の声が高いと聞いていますが?グアムに米軍基地を移す案にもグアムのチャモロ民族が非征服民族と言う認識で沖縄の反米基地運動は日本本土に基地移転をするべきだと言って居る様です。
 ニュースによるとフィリピンでも米兵に乱暴される女性が多く基地付近の住人は喜んで居る様ですが米基地を相手に金儲けしている連中は全く別の意見を持っているようです。貴方が庶民か支配階級的思考をしているかによって態度が違うのでしょう。庶民の感情としては同国民の女性がレイプされるよりも多少小さな島位の方がなくなるほうが良いのでは?それとも--------?
 基地は九州でも問題ないと思いますよ。原発問題と同じで迷惑施設は弱者の近所にとどめておけと言う事なのでしょうね。アメリカに外国の軍事基地があった場合ハワイとかプエルトリコに75%の外国軍事基地が集中している場合はやはり当然問題になると言うニュースが沖縄在住の米政治学者によってかかれていました。やはり日本人は利己主義だと言われる可能性があるようですから、若し頭がよければ日本人は本土基地移転運動をするべきでしょうね。米政府は全くその気は無いと言っているのですから不可能でしょうけれど、その代りに他の交渉で日本の利益を引き出すようにするのが外交交渉と言う物で、自民公明政権は全く其れが出来ず(若しくはその気が無く)アメリカの政治家から不思議がられていました。私にとっては自民党、公明党、民主党等は唯の中道右派から右翼政党と受け取っていますからどの党が政権をとっても良いのですが、今までの所、自民党対米外交は米国から見ると本当に見っとも無いお粗末さでした。何と無く太鼓持ちの様で、特に小泉さんはブッシュとエルビスプレスリーのグレイスランドに言った時ラヴミーテンダーを突然カメラの前で歌い始め、それが全米の色々なネットワークニュースで放送され暫くの間笑い話になっていました。コメディー番組でも取り上げられる等してまあアメリカ人の暇潰しには役に立っていたようでしたが同じ日本人としては恥ずかしい思いをしました。普通の庶民では無く小泉さんは首相の立場で公務中の出来事ですからねえ。流石のブッシュも驚きの顔を隠せないようでした。
 民主党も期待通り腰砕けの様相を呈して居る様ですねえ。

  • 2009/11/26(木) 02:53:05 |
  • URL |
  • ejnews #-
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御威光国が目前に二つ!

 「日本人は”自然化された自然”によって形成され、”御威光”によってそれが保持されている秩序を、イデオロギーと無関係に自然的環境のように受けとり、それを”今の掟”として受容し、柔軟かつ誠実にそれに対応することによって摩擦を避け、その中で現実に社会に機能するもののみに価値を認め、その結果すべてを、経済性と有効性に還元しうる民族である」
 私たちに、このような、日本民族の伝統的生き方についての歴史的・思想的自己把握ができるかどうか、山本七平はこれを問うているのですね。
 日本人の機能主義は、それがイデオロギー抜きの機能主義であるが故に、必然的に御威光国の作る世界秩序と衝突するようになる。戦前、昭和において日本は、アジア王道文明というイデオロギーを掲げ、英米の自由主義世界秩序に挑戦しました。そのため予算の9割を軍事費につぎ込み、軍事力強化のための資源を中国に求めたのです。
 ではなぜこれが破綻したのでしょうか。それは、アジア王道文明が欧米の覇道文明を駆逐するのを歴史的必然と見た、そのイデオロギーが、単なる日本人の思い込みに過ぎず、中国人はこれに同意せず、逆に欧米諸国を味方に引き入れて日本に対抗し、首尾よく日本軍を中国から追い出した、ということなのです。
 この歴史的教訓から、日本人は何を学ぶべきか。
 第一に、日本が適応を迫られている世界秩序とは、日本人が縄文時代以来適応してきた”自然的秩序”ではなく、国際政治秩序であるということ。それは経済力だけでなく、軍事力そしてイデオロギー力によって維持されているということ。
 第二に、日本は、この後者の二つ能力を決定的に欠いているということ、この事実を、日本人はどれだけシビア-に認識できるか、ということです。
 さらに、今日の日本人にとっての困難は、この世界秩序形成力を持った御威光国が目の前に二つも現れたということです。彼らとどうつき合い、民族としての生存を確保していくか、私たちは、この難問に直面しているのです。
 再び、この教訓を戦前に求めるならば、まず、中国に対しては、卑屈にならず、その裏返しとしての傲慢に陥らないように注意し、冷静に、そのイデオロギーと軍事力に対する有効な対応策を練り上げるということです。
 次に、アメリカに対しては、その現世界秩序維持国として彼らが払っている自己犠牲を、バカにするような言動は厳に控えること。そして、日本のできる範囲で最大限協力する姿勢を崩さず、同盟関係を維持するよう努めること。そうすることによって、一党独裁国である中国のアジア戦略の暴走を防き、自由主義国として共存できる日の到来を待つこと、これだと思います。(中国の思想は、蒋介石語録などを読んでいると、結構すごいものがありますが、なにしろ巨大帝国ですからね)
 この点、鳩山首相のアジア共同体構想が、こうした日本の能力の限界をどれだけ踏まえているのか、また、小沢幹事長のキリスト教批判、イスラム教の相対的支持が、はたしてどういうイデオロギーに基づいているのか、いささか不安に思わざるを得ませんね。

  • 2009/11/26(木) 02:14:12 |
  • URL |
  • tikurin #wQAHgryA
  • [編集]

ejnewsさんへ

ejnewsさん、コメントありがとうございます。

確かにejnewsさんの仰りたいこともわからなくもないですが、必ずしも沖縄だけが迷惑施設を引き受けているわけではありません。それに、沖縄の地政学上から言っても、軍事力のプレゼンスは必要でしょう。

そもそも「沖縄人が日本に征服された民族である云々~」は、この問題に関連させるべきことなのでしょうか?
そのような視点を持ち込むことは、議論を混乱させるだけではないかと思います。
人道的という観点を以って批難することはたやすいですが、それに対する補償を政府がしていることを無視するべきではありません。実際、沖縄は基地によって潤っているのは否定できない事実です。
本当に基地がなくなったら、果たして沖縄人は喜ぶでしょうか。いささか疑問に思います。

>フィリピンは米軍基地追い出しに成功したのですがねえ。

その結果、フィリピンは中国に南沙諸島を実効支配されたと伺っています。

確かに歴史的経緯から言って、必ずしも沖縄は日本の領土だと言い切ることは出来ません。
中国にも朝貢していた事実をもってすれば、中国が領有権を主張しだすことも有り得ます。

仮に基地を追い出したとしたら、果たして沖縄が南沙諸島の二の舞にならないと言い切れるでしょうか?
沖縄人がそのような結果を望んでいるでしょうか?

そうした視点にも考慮して考えるべき問題だと私は考えております。

  • 2009/11/26(木) 00:41:02 |
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  • 一知半解 #f2BEFQoE
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米軍基地

米軍基地の75%が沖縄に存在し、然も沖縄人は元々日本に征服された民族ですから対外的には日本人は沖縄人を犠牲にして平和を楽しんでいると見られ、何だか格好悪いですよね。日本人全体が協力し沖縄だけに負担をかけることは避けた方が人道的だと思うのですが。現実的でないと非難する人がいるのかな?フィリピンは米軍基地追い出しに成功したのですがねえ。

  • 2009/11/25(水) 20:17:48 |
  • URL |
  • ejnews #-
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みちくささんへ

みちくささん、コメントありがとうございます。

ご指摘のとおり、鳩山首相の発言というモノは、民衆への迎合という代物に過ぎません。彼ほど、発言が軽い宰相はいなかったのではないでしょうか。

ますます政治不信が増すだけの結果に終わるでしょう。
困ったものですね。

  • 2009/11/23(月) 12:15:09 |
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  • 一知半解 #f2BEFQoE
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普天間基地

v-115 鳩山由紀夫は衆院選で普天間基地は県外に移設すると主張した。沖縄県民の票を狙った発言である。しかし、県外とは具体的にどこなのかは語れなかったし、今も語れない。
具体的な構想があって言ったわけでなく、また移設される県の県民の票が逃げるから語れない。

  • 2009/11/23(月) 10:45:59 |
  • URL |
  • みちくさ #-
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Author:一知半解
「一知半解知らずに劣れり」な自分ではありますが、「物言わぬは腹ふくるるわざなり」…と、かの兼好法師も仰っておりますので、ワタクシもブログでコソーリとモノ申します。
一知半解なるがゆえに、自らの言葉で恥を晒すのを控え、主に山本七平の言葉を借用しつつ書き綴ってゆきたいと思ふのでアリマス。宜しくメカドック!!
日々のツイートを集めた別館「一知半解なれども一筆言上」~半可通のひとり言~↓もよろしゅう。

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