【火曜特集】(816) 石破茂首相が習近平主席と本格会談へ…中国側が積極姿勢の理由とは?
今月中旬にペルーで行なわれる『アジア太平洋経済協力首脳会議(APEC)』で日中首脳会談が行なわれることが固まり、中国側の積極姿勢が日本政府を驚かせている。
日本側は習近平国家主席が石破茂首相と挨拶程度の会談になら応じると見ていたが、中国側は長時間の実務者会談を提案した。折しも日本では衆院選の最終盤、与党の過半数割れの見通しが強まり、首相の基盤が揺らぐとみられていた頃だ。外務省幹部は、「石破首相の政治力が弱くなると見越して、優位に会談を進められると判断したのではないか」と見る。
投開票日翌日の先月28日の株価は予想に反して上昇した。金融関係者は、「金融引き締めに理解のある石破首相の敗北と、減税を唱える野党の伸長で、日銀は当面利上げできないと投資家が考えたからだ」と分析する。停滞していた外交を動かし、株価を上げた与党惨敗。「日本の政治は“一強”よりも“全弱”くらいがいいのか」という自嘲めいた声も出ている。
2024年11月号掲載