村野瀬玲奈の秘書課広報室

　　

東京電力の社内事故調査委員会が福島第一原子力発電所の事故についてまとめた中間報告書。

福島民報と新潟日報の社説で触れられていたので読みましたが、事故から9カ月近くたった今でも内容が不十分で自己弁護と正当化と責任逃れの姿勢が目立つようです。記録。

●福島民報福島県の新聞社ニュース
論説・あぶくま抄
【東電の中間報告】「想定外」の「正当化」だ
http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4127&mode=0&classId=1&blockId=9913019&newsMode=article
2011年12月6日

　東京電力の社内事故調査委員会が福島第一原子力発電所の事故に関する中間報告書を公表した。同社のこれまでの説明から大きく踏み込む事実は無く、「結果として」という文言が繰り返される文章は、想定外の事故だったと正当化する自己弁護が多いと感じる。古里を追われた被災者、放射線の恐怖にさらされ続ける県民を納得させるには程遠い内容だ。
　地震の影響については、原子炉のデータなどから安全上重要な主要装備に損傷は無かったと評価したが「揺れの大きかった５号機で無事だった。１～４号機も大丈夫」という推定部分も多い。放射性物質を大量放出したとされる２号機は、地震で早期に圧力抑制プールが損傷していた可能性を指摘する専門家もいる。地震が直接原因なら、積み重ねてきた地震対策が不足していたことになり、他原発の再稼働の判断にも影響する。地震の影響を突き詰めない姿勢の後ろに、そうした意思が働いていないか疑問だ。
　津波対策については平成２０年、従来想定の５・７メートルを超える１０・２メートルの可能性を社内で試算しながら「具体的根拠のない仮定に基づくもの」という評価にとどめ、土木学会に審議を預けていた。社内の指摘の自己否定にどんな経過があったのか。
　東電が依頼した第三者の事故調査検証委員会は報告書を受け「事故の発生と拡大は、事前の安全対策が十分でなかったことによる」と批判した。しかし、検証対象となったのは報告書本編内の事実であり、事故の全体像から独自に探る視点は乏しかった。「直接的な原因は未曽有の津波」と東電の結論を追認し、「誰が指揮、作業していようがほぼ同じ状況になっていたに違いないとの強い感触を得たことも事実」と擁護するような記述に、東電が設置した検証委の限界も感じさせた。
　何が原因で放射性物質の大量放出に至ったのか。事故を免れた他の原発のような津波対策がなぜ考慮されなかったのか。事故直後の混乱の中、政府、東電内に具体的にどんなやりとりがあったのか。報告書は一般が抱く多くの疑問に答えていない。事故前に見ようとしなかった危険を、事故後もなお視野の外に置こうとしているのではないか。
　東電は今後も原子力事業に関わっていくだろう。事故を自ら総括できない企業に、国民がそれを認めるとは思えない。政府や国会も今後、調査報告書を公表する。それを受け、東電がどう最終報告書をまとめるのか、しっかり見極めるべきだ。（佐久間　順）

（転載ここまで）

●新潟日報社 netpark
東電中間報告　責任逃れにもほどがある
http://www.niigata-nippo.co.jp/editorial/20111206.html
2011年12月6日

　東京電力の社内調査委員会が、福島第１原発事故の原因などについてまとめた中間報告を公表した。
　自己弁護に終始した内容と言わざるを得ない。これでは、事故への備えや事故後の対応を正当化するための社内調査委ではないかと疑いたくなる。
　東電自らによる検証の限界が露呈した形だ。来年６月に最終報告を取りまとめる予定だが、今回の報告書に示された姿勢を改めない限り、失われた国民の信頼を取り戻すことは極めて難しいといえよう。
　報告書では、事故原因を「津波の浸水による長時間の電源喪失と除熱機能の喪失」とした上で、最新の知見に基づく想定を上回ったための事故だったと強調している。
　果たしてそうだろうか。東電は２００８年に、明治三陸地震が福島沖で起きた場合を試算し、最大で水位１０・２メートル、浸水高１５・７メートルの津波が襲う可能性を示す評価結果を得ていたのである。専門家からの指摘もあった。
　東日本大震災で福島第１原発を襲った津波の浸水高は、最大で１５・５メートルと推定されている。
　評価結果をきちんと受け止め、建屋と重要機器の水密性強化や、高所への移設などの対応策を講じていれば、被害を低減させることは十分に可能だったのではないか。
　東電は試算を「根拠のない仮定」としているが、茨城県の日本原子力発電東海第２原発は、従来より高い津波を想定した防水壁建設工事を自主的な判断で行い、大震災による重大事故を瀬戸際で防いだのである。
　東電の対策が甘かったとの批判は免れまい。外部電源強化や浸水対策など、中越沖地震で明らかになっていた教訓も生かしてこなかった。
　原発内部の状況が判明していない段階で事故原因を想定外の津波とし、地震の揺れによる損壊を否定したのも「結局、事故を防ぐことは不可能だった」との本音に導かれたためだろう。
　報告書の過酷事故対策では「国と一体となって整備してきた」とさえ言及している。そこから浮かび上がってくるのは、保身以外の何物でもない。責任逃れにもほどがあろう。
　放射能汚染によって避難生活を余儀なくされたり、生活の糧を失ったりしている人たちの苦しみを、どこまで真剣に受け止めているのか。
　原発事故をめぐっては、政府の調査・検証委や国政調査権を持つ国会の調査委など、第三者による検証作業が進められている。
　東電がやるべきことは、機器のデータや証言など、あらゆる情報の公開である。そうでなければ事故に至る背景や核心に迫ることは困難である。
新潟日報2011年12月6日

（転載ここまで）


確かに、こんな中間報告書ですむと思っているなら、東京電力には会社を経営する資格も原子力発電を続ける正当性もないということになります。

「誰が指揮、作業していようがほぼ同じ状況になっていたに違いないとの強い感触を得たことも事実」と報告書に書いてあるのなら、今後も原発事故が起こったら東京電力には手の施しようがないということを東京電力が実質的に認めたということでしょう。そうであるなら、ひとたび事故が起こったら長期にわたって健康に産業に環境に生活に、つまり広い範囲に重い被害をもたらす核発電を続ける資格は東京電力、というか、広い意味で「原子力ムラ」には一切ないというのが自然な結論です。

このように責任を逃れながらツケは住民や消費者にしっかりと回し、自分たちの経済的利益だけは確保するという東京電力と原子力ムラの姿勢はとても認めることができません。被災地の人はこの原発被害や東京電力の事後の態度のひどさを忘れることはありませんが、直接の被災地でない場所に住む人たちも、このことを忘れないこと、折に触れて話題にし続けることが必要です。この場合、忘却は敗北を意味しますから。

そんな時にもこんな報道が。

●Twitter - @masaru_kaneko
http://twitter.com/#!/masaru_kaneko/status/143529045475340288

福島第一原発の汚染水の処理装置から汚染水４５トンが漏れ出し、一部が建物外に流出していることが判明。ストロンチウムが１立方センチ当たり１３万ベクレルほど含まれているらしい。こんなこと何十年も続けるのでしょうか。それでも東電は生き残るつもり？ goo.gl/yvhJ8
12月5日

（転載ここまで）

●NHKニュース
放射性物質含む水 一部建物外に
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111205/t10014402061000.html
2011年12月5日 5時57分

東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の処理装置で、放射性物質を含む水およそ４５トンが漏れ出し、一部が建物の外に流れ出ているのが見つかりました。この水には特に内部被ばくが問題になる放射性ストロンチウムが高い濃度で含まれているとみられ、東京電力は海に漏れ出していないか確認しています。
東京電力によりますと、４日午前１１時半すぎ、福島第一原発で、建物の地下などにたまった汚染水から放射性物質を取り除いたあとに塩分を除去する装置から、水漏れが起きているのを作業員が見つけました。装置を停止したところ、水漏れは止まったとしていますが、放射性物質を含む水、少なくともおよそ４５トンが装置から漏れ出し、一部が建物の外の側溝に流れ出ているとみられることが分かりました。この水の放射性物質は、処理装置によってセシウムは１立方センチ当たり４５ベクレルまで減っていますが、特に内部被ばくが問題になるストロンチウムは１立方センチ当たり１３万ベクレルほど含まれているとみられるということです。この建物近くにある側溝は６００メートルほど離れた海につながっていて、東京電力は水が海に漏れ出していないか確認するとともに、側溝の下流側に土のうを積むなどの対応を取っています。この装置の水は原子炉の冷却に使われていますが、東京電力は「冷却に影響はない」としています。

（転載ここまで）


こういうことがこの先ずっと続くのに、自分たちに責任はないと東京電力が言い張り続けるのなら、東京電力の一定程度以上の責任のある役職（管理職）の者は給与を受け取るべきではないと言いたくなります。

築地市場の豊洲移転に反対して食の安全を守りたい。
●Like a rolling bean (new) 出来事録
■2011-11-17
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-11080908283.html
【昨日の報告と予算資料】築地市場桟橋撤去工事、抗議にも関わらずパネルが貼られました！

↑『がけっぷち社長』さん作。また、税制についての当秘書課の記事は、「カテゴリ : 税制、税金、財政」から。

---

　　
虹とモンスーンの下の弱い文明では身近な一歩が社会を変えるのだからと、イルコモンズのふたの下のフォーラム自由幻想と市民社会フォーラムのそこに存在する良き人生と生活への切実な望みを民主党にわからせるために、低気温のエクスタシーの中のアブナイ日本が壊れる前に、生まれてきて良かったと感じられる社会にしたいけどとりあえずどうすべきかkimeraれない情報の海の漂流者さんとニュース・ワーカーさんと農家の婿さんと一緒に、イル・サンジェルマンの散歩道のくろすろーどにあるアダージォな午後のカフェの窓辺でお茶にクリーム入れて福島老朽原発を考える会（フクロウの会）でみんななかよく鍋パーティーして、世界の片隅で税制についてのニュースやガン闘病記やフリスキーの日記や夏天故事やルンペン放浪記やペガサス・ブログ版や転成仁語やイラク・ホープ・ダイアリーや広島瀬戸内新聞やおこじょの日記や虹の日記やvanacoralの日記や黙然日記やフランス語の練習帳や「ユニオン」と「労働ニュース」のアーカイブや社会科学者の時評やフランスメディアニュースや琉球新報や沖縄タイムスや辺野古浜通信や高江の現状や月刊イオや日刊イオを読んで、沖縄問題と北アイルランド問題を同じように考えてみようと思って、消費税と社会保障と国家予算についてのマスコミに載らない海外記事を1947年教育基本法の理念の今日行く審議会とスーパー小論文ハイスクールとアジア連帯講座と内田樹の研究室で超左翼おじさんと見て、大脇道場と内田樹の研究室とアフガン・イラク・北朝鮮と日本と山口県上関町の祝島と地元紙で識るオキナワと海鳴りの島と知られざる晴天のカナダで虹のカヤック隊も一緒に沖縄・辺野古海上基地の問題を中心にはげしく学び、はげしく遊んだところで、「どこへ行く、日本。」とか、労働組合ってなにするところだろうとか、どうしたら小出裕章先生や京野きみこさんやさとうしゅういち（佐藤周一）さんや湯浅誠さんや戸倉多香子さんや保坂展人さんやテルヤ寛徳（照屋寛徳）さんやすぐろ奈緒さんや小坂和輝さんや西山千嘉子さんのためにレイバーネットの団結は力ですくらむ組んで多世代交流のブログ広場の多文化・多民族・多国籍社会で「人として」日本ジャーナリスト会議で転がるひよこ豆のように情報流通を促進できるかとか思いながら、明日も晴れの空と風と、月と、星のもとで白砂青松の雪裏の梅花やブーゲンビリアや梨の木やフランスねこや薔薇、または陽だまりの猫や古い寺を多く見て日常で思った事、感じた事をつらつら好き勝手に書きながら国会議員定数削減・比例削減に反対するInternet Zoneのサイバー政治団体秘書がシジフォスにも負けずにウェブにはびこるネトウヨどもを滅多切りして「Apes! Not Monkeys! 　本館」と「Apes! Not Monkeys! はてな別館」に行った後、原発の「今」を考えるために、「フランス西部放射能検査協会」と「放射能研究広報独立委員会」と「フランス放射線防護原子力安全研究所」と「フランス・原子力安全局」と「フランス・脱原発ネットワーク」と「フランス・脱原発ネットワーク・パリ」と「原子力資料情報室」とEX-SKFとEX-SKF-JPと「ピース・フィロソフィー・センター」とたんぽぽ舎に立ち寄って、fukushima 福島第一でonaironaironairされているBeltix Talkを聞きながら金子勝先生のツイッターを復唱して詩空間の中の迎春閣之風波での言ノ葉攻防を眺めながら、「ざまあみやがれい！」と言われてもなお「Everyone says I love you !」、「人々に力を!!」、「民主主義を今！」、「なんくるないさぁ～やってみれ～♪」とエヴァ・ジョリーのEELVとみどりの未来をドイツから学び、CLick for Anti War 最新メモを読む・考える・書くきまぐれな日々のおしごと日誌。
国会議員やマスメディアに意見を届けるために下記を自由にご活用ください。引用、転載、転送、歓迎。
■各種国会議員名簿のポータルページ　http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-86.html
■官庁への意見送付先について　http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-51.html
■新聞、雑誌　読者の意見を伝える窓口（未整理）　http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-49.html
■テレビ報道番組のご意見窓口（「わんばらんす」から）　http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-50.html
●News for the people in Japan　マスメディア問い合わせ用リンク集　http://www.news-pj.net/link/media.html

関連記事

• 「放射能防御プロジェクト　木下黄太のブログ」の紹介 (2011/08/12)
• 東電福島第一原発事故を経験した後での原発推進広告の厚顔無恥の一例 (2014/05/31)
• 世論の反対にかかわらず、無責任・無準備のまま進む大飯原発再稼働に強く反対です。 (2012/05/31)
• 「美しかった国・日本」　ヴィム・ヴェンダースが写した福島　（メモ） (2015/08/29)
• 川内原発再稼働のためのパブコメ（意見公募）での但し書きは、原発推進思想の科学性と技術性の空虚さと不実さそのものである。 (2014/08/05)
• 東電福島第一原発事故由来の汚染水の測定核種を大幅削減するというのは、汚染水に危険な核種が多いことを隠したいという欲望でなければ何なのか。 (2023/02/25)
• 核発電に反対するなら核発電推進政党の候補を落選させるのが筋。 (2015/04/12)
• 発電・送電を地域一社だけの電力会社だけに独占させてはいけない。 (2011/06/08)
• 原発被害復興財源を財界が負担すべき理由の一つ (2011/05/04)
• 南フランスでまた放射性排水漏れ（2008年7月17日） (2008/07/31)
• 原発検査が無意味であることが証明された。 (2011/11/04)
• 使える工程表を作るにはどうしたらいいか考えてみた。 (2011/04/22)
• 電気についての不思議なブランド偏愛 (2011/05/27)
• 2017年6月6日に日本原子力研究開発機構（JAEA）大洗研究開発センターで起こったプルトニウム飛散・作業員被曝事故について　（メモ） (2017/06/12)
• 風評と現実　（「弱い文明」から） (2011/07/19)