2024年 12月 16日
三度目の正直 |
2週間前に途中で中止になってしまった公演、劇場側が別な公演を手配してくれたのでこの土曜日に行ってきた。
割り振られたのは前回買った席よりも4列ほど舞台に近い、けれど5席ほど脇にずれた席だった。前回は真正面に見えた舞台が、今回はちょっとだけ斜になった。でも悪くない。開演時間になると新たな客が入ってくることはなくなったが、劇場側の係員が補助席に座っている人を空いている席に移動させたりして、実際に場内の照明が落ちたのは予定時間を10分ほど回った頃だったと思う。
割り振られたのは前回買った席よりも4列ほど舞台に近い、けれど5席ほど脇にずれた席だった。前回は真正面に見えた舞台が、今回はちょっとだけ斜になった。でも悪くない。開演時間になると新たな客が入ってくることはなくなったが、劇場側の係員が補助席に座っている人を空いている席に移動させたりして、実際に場内の照明が落ちたのは予定時間を10分ほど回った頃だったと思う。
前回も2回聞いたのですっかり耳に馴染んでしまった音楽が流れる中、幕が開くと、舞台中央には右手の甲を額に当てて嘆きのミューズのごとき格好のカトリーヌ・フロがいる。そこから始まる娘との対話シーン。同じ、まったく同じだ。でも気のせいだろうか、観客の反応が前回よりも良い。しょっぱなの数フレーズで、すでにクスクス笑いがあちこちで起こる。
そうしてクスクス笑いが巻き起こる中、1回目に止まったところは無事に過ぎた。登場人物が増えて話がさらに続く。これも気のせいだろうか?なんだか前回よりも役者のノリがいいような気がする。台詞回しのテンポがいい。笑いはどんどん増え、ときには拍手が、時には「う〜」というような静かなショックの表明があり、そうこうしているうちに2回目に止まったところも過ぎた。
さて、今回は最後まで行くか?不安がなかったわけじゃない。二度ある事は三度ある、というし。けれど今回はなんとなく大丈夫そうな雰囲気ではあった。役者は落ち着いて好調だし、観客席とのいい感じの一体感もある。これは最後まで行くのじゃないか?三度目の正直、ともいうし。そうしてついに最後のシーンまで行って、一旦下りた幕が再び上がって舞台に役者が全員揃って現れた時には、もう心からホッとした。あぁようやく最後まで見られた、最後まで続けてくれてありがとう、これで心残りなく年が越せる!である。
最後まで見られたことも満足だったし、話がおもしろくて大いに笑えたのもよかった。すっかり気分が良くなって劇場を出れば、少し地面が濡れていて、開演前はキンキンに張り詰めて寒かった空気がじんわりと和らいでいた。傘をさすほどじゃない、けれど雨とも呼べないような細かい粒がすこし当たる気がする、そんな天気の中をシャンゼリゼを横目で見てからグラン・パレ、プティ・パレの間を抜け、アレクサンドル3世橋を渡ってメトロのアンヴァリット駅まで歩いたのだった。
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by poirier_AAA
| 2024-12-16 18:53
| 観る・鑑賞する
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Comments(3)