昨日、福岡高裁で言い渡しを受けた判決のご報告です。担当は久保井、小林。
国立病院機構九州医療センターで不整脈の手術を受けたあと寝たきりの状態になった60代の男性が、医療ミスがあったと賠償を求めた裁判で、2審の福岡高等裁判所は病院側の過失を認めおよそ2億円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
福岡県内の60代の男性は10年前、福岡市の「国立病院機構九州医療センター」でカテーテルと呼ばれる医療器具を血管に通して行う不整脈の手術を受けた際、心停止を起こしました。
このときに発症した低酸素脳症の後遺症で意識が戻らず、寝たきりの状態が続いているということです。
7年前男性と妻は病院側に賠償を求める訴えを起こしましたが、1審は医療ミスと認めず訴えを退けたため、控訴していました。
22日の2審の判決で福岡高等裁判所の久保田浩史裁判長は、「担当した医師には胸骨圧迫による心肺蘇生の開始が遅れた過失が認められ、男性に残った意識障害は心停止から胸骨圧迫の開始までの間に脳への血流が停止したことが原因だ」と指摘しました。
その上で「胸骨圧迫の開始が遅れていなければ脳への血流が維持されていた。過失と意識障害の間には因果関係が認められる」として1審とは逆に男性側の訴えを認め病院側におよそ2億円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
判決について男性の妻は「病院は過失を認めず、誠実さが感じられない。重篤な後遺症が残った理由を説明してほしい。二度とこんなことは起きてほしくないので、再発防止につなげてほしい」と話していました。
一方、国立病院機構九州医療センターは「今後の対応は判決内容をよく見た上で病院として検討していく」としています。
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NHK 福岡NEWSWEB 3月22日 19時41分
国立病院機構九州医療センターで不整脈の手術を受けたあと寝たきりの状態になった60代の男性が、医療ミスがあったと賠償を求めた裁判で、2審の福岡高等裁判所は病院側の過失を認めおよそ2億円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
福岡県内の60代の男性は10年前、福岡市の「国立病院機構九州医療センター」でカテーテルと呼ばれる医療器具を血管に通して行う不整脈の手術を受けた際、心停止を起こしました。
このときに発症した低酸素脳症の後遺症で意識が戻らず、寝たきりの状態が続いているということです。
7年前男性と妻は病院側に賠償を求める訴えを起こしましたが、1審は医療ミスと認めず訴えを退けたため、控訴していました。
22日の2審の判決で福岡高等裁判所の久保田浩史裁判長は、「担当した医師には胸骨圧迫による心肺蘇生の開始が遅れた過失が認められ、男性に残った意識障害は心停止から胸骨圧迫の開始までの間に脳への血流が停止したことが原因だ」と指摘しました。
その上で「胸骨圧迫の開始が遅れていなければ脳への血流が維持されていた。過失と意識障害の間には因果関係が認められる」として1審とは逆に男性側の訴えを認め病院側におよそ2億円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
判決について男性の妻は「病院は過失を認めず、誠実さが感じられない。重篤な後遺症が残った理由を説明してほしい。二度とこんなことは起きてほしくないので、再発防止につなげてほしい」と話していました。
一方、国立病院機構九州医療センターは「今後の対応は判決内容をよく見た上で病院として検討していく」としています。
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