東京放射能の日々『有志による東京都内放射線地表汚染マップ』http://bit.ly/kFN0cY
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日本の誇る自然は奴らに奪われてしまった

もう日本は外国向けの観光のパンフレットから『日本は四季折々の美しい自然が楽しめる』といった文言は外すべきでしょう。チェルノブイリのまわりには多くの自然が残されていますがウクライナの自国民を含め観光を楽しめるなんて思わないしそんなキャンペーンもしないはず。

と前回のブログに書きました。ところが調べてみるとウクライナはチェルノブイリの観光化に乗り出しているのです!


『ウクライナは史上最悪の原発事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所周辺の立ち入り制限を解除し、2011年に観光地として正式に開放する方針を明らかにした。
チェルノブイリ原発は1986年に爆発・炎上事故を起こして作業員や消防士32人が死亡。
国際原子力機関(IAEA)の推計によれば、放射性物質を浴びたことによるがんなどの死者は約4000人に上るとみられる。
ウクライナ政府は周辺の半径30キロ以内を立ち入り禁止区域に指定して一般の立ち入りを制限していたが、この制限の撤廃計画を12月21日に発表する。
バロガ非常事態相が明らかにした。
「チェルノブイリの森 事故後20年の自然誌」の著書があるメアリー・マイシオ氏によると、一帯のバックグラウンド放射線は現在でも通常値を大幅に上回る。
しかし、立ち入り禁止区域内は野生生物が戻り、ゴーストタウンと化したプリピャチの町でも樹木が再生しているという。
カナダの旅行会社によると、現在でも夏の間は管理当局公認のガイドが1日約20~30人を5時間から6時間程度立ち入り禁止区域内に案内している。
ガイドが放射線量を測定し、立ち入り可能な場所を見極めているという。
観光する場合は、万が一被曝した場合に備えてその場に捨てていける着衣を身に着けた方がよいとマイシオ氏は助言する。
ただし、放射性物質の大半は地面に吸収され、観光客が浴びる放射線の量は、大西洋を横断する便に乗った場合と同程度だという(CNNニュース)』


観光ツアーの詳細(しかも日本語)
http://www.japanese-page.kiev.ua/jpn/chernobyl-tour-main.htm
なんと福島第一原発事故でチェルノブイリに注目が集まり観光ブームになっているそうです(;´∀`)

●チェルノブイリ「居住禁止区域」案内
●ゴーストタウン(プリピャチ市内見物)
●チェルノブイリ原子力発電所や石棺(周辺観光めぐり)
●放射能汚染の飛行機と車両の墓場
●事故後放棄された村への訪問
●チェルノブイリ原発のVIP特別所内見学
●チェルノブイリ原発の1・4号炉の冷却水池にいる魚に餌をやり
●居住禁止区域周辺観光めぐり


いつの日か福島第一原発周辺観光ツアーなんて催行されるのでしょうか。


チェルノブイリ原発事故から20年を越えて放射能とともに生きることを選んだ人々もいます。 “地図から消えた村”では、家主をなくした多くの人家が残されています。チェルノブイリ原発事故から20年以上が過ぎた現在、こうした人家にロシア、グルジア、アルメニア、カザフスタン、チェチェンといった旧ソ連の各地域やベラルーシ国内の非汚染地域からの移住者が暮らすようになりました。ベラルーシでは事故後の汚染地域における復興対策として、汚染地域の労働者に対し給料面での優遇などが行われています。地図から消えた村で生活を営む彼らの多くは、祖国で民族紛争が勃発したり、安定した職に就くことができなかったりなどしたため、汚染地域での“安住”を求めてこの地へやってきたと言います。現実に目の当たりにしなければならない銃や戦争や経済的な不安と違って、放射能は目に見えないから怖くはない、目に見えないものを怖がっても仕方ない、彼らはそう説明します。


…そうですね。放射能は線量計で測らない限り色も臭いも何もありませんからね。

ただ上記にあるとおりチェルノブイリの観光はとどのつまり汚染地帯への物珍しさと怖いもの見たさであるかと思います。


日本もすでに海外からは自然の美しさではなく汚染地帯とみられているのです。

そうではないとお思いですか?ではこのリストをご覧ください。
世界の皆さんがどう日本をみているか如実にわかります。
http://www.maff.go.jp/j/export/e_info/pdf/kensa_0906.pdf


最後に。放射能汚染されてしまったけど日本の誇る自然は見た目には何も変わりませんし!色も臭いもしませんし!海外の皆さん観光に来てくださいね!

終わりなき放射能汚染

最近更新が滞っていました。やや無力感に苛まれていました。このサイトは福島第一原発の放射性物質の大規模な放出は3月下旬までにほとんどなくなったと考えて、東京の地表がどのくらい汚染されているかを調査したいという目的がありました。大筋ではそれだけでよいと思っていたのです。しかし事態はどんどん悪い方向に進んでいます。


すでに報道でご存知だと思いますがお茶、魚、牛肉など次々と食品の汚染が明らかになりさらに拡大し続けています。

また風の谷のナウシカを引用してしまうのも何なんですが、その国は土をやられたらもうおしまいなんです。今後、汚染された土から次々と米や野菜が出荷されていきます。国が暫定基準値を超えた食物は出荷制限してくれるから大丈夫?果たしてそうでしょうか。


福島を始め各地の放射線量を調べる機関は絶えず持ち込まれる大量の食品で悲鳴を上げています。そのほとんどが抜き取りテストと称して、ほとんどチェックされないままスーパーストアやレストランなどに配送、陳列されているんです。さらに福島県は「ふくしま新発売。」と称して農作物の売り込みキャンペーンを展開してます。福島県の農産物の正確な情報を発信し、風評被害を払拭したい狙いだそうですが、検索してみると7月から2ヶ月もの間、再検査されていない生産市町村も多々あります。どういう事なんでしょう?やる気あるのですか?


肉だって稲わらを食べた肉牛だけでしょうか?鳥や豚が食べる飼料は福島や近県のものは含まれていないでしょうか?人間の食べる食物でさえザルなのにです。


内部被曝問題に加え、なんと環境省は8月27日に放射能で汚染されたがれきなどの焼却灰の埋め立て可能な暫定基準値8千ベクレル以下を10万ベクレル以下に引き上げる方針を決めました。一挙に12倍以上の引き上げです。これにより各自治体は10万ベクレル以下の瓦礫はガンガンに燃やして大気中に焼却灰を放出していい事になりました。加えて瓦礫や土壌の最終処分場について細野環境大臣は「福島の痛みを日本全体で分かち合うことが国としての配慮だ」と述べ、福島県以外に設けたいという考えを示しました。


http://www.youtube.com/watch?v=yEIS1-56Lgs&feature=related


福島第一原発周辺はもう200年は住むには適さない高濃度汚染地域になり、その後も農業は営めない土地となったのです。もう戻る事は無理なんです。除染?そんな夢物語をまだみているのですか?森林の除染は事実上不可能です。福島県は面積の71%が森林で、多くが山地です。

福島第一原発は格納容器も剥き出しのまま、燃料プールからもくもく水蒸気が上がっている今のままでですか?地獄の釜はまだ開いている事をお忘れなく。
原発の30キロ圏内を半永久的侵入不可の地域として福島第一原発周辺部に最終処分場を作るのが、どう考えても正論です。ここは人情論に振り回されるべきではありません。



放射能瓦礫の受け入れをしている自治体です。


【北海道】
 札幌市、函館市、根室市、標茶町、幌加内町、大空町、清里町、登別市、北十勝2町環境衛生処理組合
 根室北部廃棄物処理広域連合、釧路広域連合、愛別町外 3町塵芥処理組合、大雪清掃組合、北斗市
 苫小牧市、石狩市、千歳市、十勝 環境複合事務組合、平取町外2町衛生施設組合
 日高中部衛生施設組合、室蘭市日鐵セメント株式会社

【秋田】
 大館町エコシステム秋田、秋田市、にかほ市、仙北市、横手市、能代山本広域市町村圏組合
 八郎湖周辺清掃事務組合、大仙美郷環境事業組合、湯沢雄勝広域市町村圏組合

【山形】
 西村山広域行政事務組合、東根市外二市一町共立衛生処理組合
 最上広域市町村圏事務組合、置賜広域行政事務組合、酒田地区広域行政組合

【群馬】
 前橋市、桐生市、神流町、草津町、渋川地区広域市町村圏振興整備組合、吾妻東部衛生施設組合
 西吾妻衛生施設組合、利根東部衛生施設組合、大泉町外二町清掃センター

【埼玉】
 さいたま市、川越市、所沢市、飯能市、加須市、春日部市、狭山市、入間市、桶川市、坂戸市、川島町
 蓮田市白岡町衛生組合、志木地区衛生組合、彩北広域清掃組合、秩父広域市町村圏組合、埼玉中部環境保全組合

【東京】
 東京二十三区清掃一部事務組合+多摩市町村及び一部事務組合+1都3県産廃処理施設

【神奈川】
 横浜市、川崎市、 横須賀市、藤沢市、茅ヶ崎市、逗子市、大和市、南足柄市、箱根町、厚木市、相模原市
 小田原市、泰野市伊勢原市 環境衛生組合、高座清掃施設組合、足柄東部清掃組合、足柄西部清掃組合

【富山】
 高岡市、氷見市、射水市、富山地区広域圏事務組合、新川広域圏事務組合、砺波広域圏事務組合

【石川】
 金沢市、輪島市、加賀市、七尾鹿島広域圏事務組合、羽咋郡市広域圏事務組合、白山石川広域事務組合

【山梨】
 峡南衛生組合、甲府市、山中湖村、笛吹市

【岐阜】
 大垣市、高山市、多治見市、中津川市、瑞浪市、山県市、下呂市
 岐阜鳥羽衛生施設組合、可茂衛生施設利用組合、南濃衛生施設利用事務組合

【静岡】
 伊東市、函南町、志太広域事務組合、牧之原市御前崎市広域施設組合、袋井市森町広域行政組合

【愛知】
 蒲郡市、刈谷知立環境組合、尾三衛生組合、尾張東部衛生組合、稲沢市、北設広域事務組合、豊川市

【三重】
 いなべ市、四日市市、鈴鹿市、亀山市、津市、鳥羽市、志摩市、尾鷲市、紀北町、熊野市
 伊賀南部環境衛生組合、桑名広域清掃事業組合、伊勢広域環境組合

【滋賀】
 草津市、栗東市、彦根市、中部清掃組合、湖北広域行政事務センター、大津市

【京都】
 亀岡市、船井郡衛生管理組合、京都市、伊根町

【大阪】
 岸和田市貝塚市清掃施設組合、吹田市、高槻市、枚方市、茨木市、岬町、柏羽藤環境事業組合
 泉南清掃事務組合、泉佐野市田尻町清掃施設組合、東大阪都市清 掃施設組合、箕面市、摂津市
 寝屋川市、豊中市、熊取町、堺市、四條畷市交野市清掃施設組合、泉北環境整備施設組合、池田市、門真市、大阪市

【兵庫】
 神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市、洲本市、芦屋市、相生市、豊岡市、加古川市、宝塚市、三木市、高砂市
 三田市、加西市、篠山市、養父市、丹波 市、南あわじ市、朝来市、淡路市、播磨町、佐用町、香美町、新温泉町、
 揖龍保健衛生施設事務組合、中播北部行政事務組合、洲本市・南あわじ市衛生事務組合
 小野加東環境施設事務組合、くれさか環境事務組合、猪名川上流広域ごみ処理施設組合

【奈良】
 大和郡山市、天理市、生駒市、田原本市、南和広域衛生組合、十津川村

【和歌山】
 和歌山市、御坊広域行政事務組合、岩出市、田辺市

【鳥取】
 鳥取中部ふるさと広域連合、日野町江府町日南町衛生施設組合、三光株式会社境港市

【島根】
 浜田地区広域行政組合、海士市、松江市

【岡山】
 岡山市、倉敷市、玉野市、新見市、備前市、真庭市、岡山県西部環境整備施設組合
 岡山県井原地区清掃施設組合、総社広域環境施設組合

【広島】
 広島市、福山市、呉市、尾道市、大竹市、山県郡西部衛生組合、広島中央環境衛生組合
 安芸地区衛生施設管理組合、庄原市、廿日市市

【山口】
 岩国市、山陽小野田市、周南地区衛生施設組合

【徳島】
 徳島市、北島町、中央広域環境施設組合

【香川】
 高松市

【愛媛】
 西条市、内山衛生事務組合、新居浜市、株式会社イージーエス・新居浜市、オオノ開發株式会社・東温市

【高知】
 香南清掃組合、高吾北広域町村事務組合、四万十町、嶺北広域行政事務組合

【福岡】
 宮若市外二町じん芥処理施設組合、筑紫野・小郡・基山清掃施設組合
 北九州市、八女市、糸島市、甘木朝倉三井環境施設組合、うきは市

【長崎】
 県央県南広域環境組合、五島市、東彼地区保健福祉組合、長崎市

【熊本】
 熊本市、大牟田・荒尾清掃施設組合、天草市、山都町、天草広域連合
 水俣芦北広域行政事務組合、阿蘇広域行政事務組合

【大分】
 佐伯市、豊後高田市、豊後大野市、国東市、別杵速見地域広域圏事務組合

【宮崎】
 都城市、延岡市、串間市、えびの市、宮崎市

【鹿児島】
 伊佐北姶良環境管理組合、南薩地区衛生管理組合、大隅肝属広域事務組合
 霧島市、いちき串木野市、鹿児島市


これによりまさしく西日本も含めた日本全国じゅうに放射能がばら撒かれる事が決定になった次第です。


もう日本は外国向けの観光のパンフレットから『日本は四季折々の美しい自然が楽しめる』といった文言は外すべきでしょう。チェルノブイリのまわりには多くの自然が残されていますがウクライナの自国民を含め観光を楽しめるなんて思わないしそんなキャンペーンもしないはず。


6月の統合本部共同会見で「私を信じてほしい」と言った細野さん。3ヶ月経ちその目はよどんで光を失っているかのように見えます。

有志、福島へ

機会があり福島に行ってきました。東北自動車道をガイガーカウンターを持って北上すると那須あたりからどんどん数値が上がっていきます。那須といえば御用邸もあり観光地として大人気のスポットです。さらに北に向かうと福島の青々とした水田地帯が眼下に広がります。

この原発の事故で放射性物質に汚染されていない食べ物を探し求め、逆に東京で流通している野菜がいかに東北と北関東で占められているか思い知らされた人は多いと思います。ちなみに福島県の米生産量は全国4位。水田地帯が広がります。私が行った時はアマガエルがおたまじゃくしから育ったばかりで畦道でぴょんぴょん跳んでいました。遠く彼方まで広大な田んぼが見渡せ、空の青さ以外は山まで緑が一面に広がっていました。こどもたちに遊ばせたい自然が多く残っています。


近くの小学校に行きました。近所の子供たちでしょうか、野球の練習をしていました。校庭の片隅にはテレビにも紹介された汚染された表土を削り取った盛り土がこんもりと積んでありました。そこで私たちは現実に引き戻されます。そうです。ここは福島第一原発から程近い高濃度汚染地帯。でも国から避難の指示もなく生まれたばかりの赤ちゃんも普通にいます。


田んぼの畦道に立って高さ1mの空間線量を計ります。1.357μSv。

東京放射能の日々『有志による東京都内放射線地表汚染マップ』http://bit.ly/kFN0cY




1メートルといったら大体子供の身長です。この空気を吸っているだけで年間10mSvを越す放射性物質を吸い込みます。

次に地面から5cmのところで計ってみます。4.131μSv。年間にしてみると38mSvにも達する値です。
東京放射能の日々『有志による東京都内放射線地表汚染マップ』http://bit.ly/kFN0cY
校庭の年間20mSv被曝許容問題で小佐古内閣官房参与が4月30日付で涙の辞任をしたのは印象的でした。東京大学教授の小佐古氏は、チェルノブイリ原発事故の研究家としても国際的に認知されている原子力分野で日本を代表する学者です。氏が配布した文書から引用します。


『今回、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準が年間20mSvの被曝を基礎として導出、誘導され、毎時3.8μSvと決定され、文部科学省から通達が出されている。これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2, 3 日あるいはせいぜい1, 2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべきと考えます。年間20 mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです.年間10mSvの数値も、ウラン鉱山の残土処分場の中の覆土上でも中々見ることのできない数値で(せいぜい年間数mjvです) 、この数値の使用は慎重であるべきであります。小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直しを求めます』



なんとその2倍近い線量がお米を作るのどかな水田で出ていました。愕然としました。このブログで何度も書いていますが放射性物質は臭いも色も味もありません。目の前にはどう見てもすばらしい自然と田園風景がひろがっているのです。


近くの農家の方はその事は知りません。国は地平線まで続く広大な農村地帯のわずか数箇所を測り『米を作って大丈夫』と宣言してしまったからです。でもうすうすとは感じているのです。だってその水田のすぐ近くの学校の校庭は高い放射線が検出されて表面を削り取られたから。もちろん都合よく放射性物質が校庭だけに落ちたなんてありえません。


「校庭は表面の土を削ればいいけど、田んぼはなぁ…。水を少し流しただけだし…、収穫の時に出荷制限が掛からないように祈るだけだ。俺のようなJAに属さない独立農家は国から補償なんて貰えるかわかんねぇもの…」


農家の人はそう不安そうにつぶやきました。


現在、セシウム汚染肉牛が500頭以上全国に出回っていますが農林水産省は汚染された稲わらについて「盲点だった」などと牛が何を食べるのか知らなかったかのような戯けた弁明をしているようです。


予想通りの後手後手な対応。


米は日本人の主食。来年になってセシウム汚染米が出荷され日本人が総内部被曝して「日本人が何を食べるのか知らなかった。盲点だった」などと弁明だけはして欲しくないと思います。

『ガイガーカウンターでは被曝量は測れない』の記事の本当の目的

本来、マスメディアの報道というものは、記者や出版社としての利益や主観は交えずに、客観的に事実のみを伝えるべきと思います。

大手メディアが電力会社との癒着で機能していない現在、雑誌媒体にはより真実を報道する姿勢を持っていただきたいと思います。


有名出版社のとある週刊誌の『知っていましたか?ガイガーカウンターでは被曝量は測れない』という記事を読みました。「安物のGM計数管使って測り方も間違い」「無知な者が危険を煽るために用いれば、害にしかならない」「外国製の粗悪品はセンサー自体も取り替えが必要な消耗品でとても壊れやすい。空輸する際に壊れてしまうことも多い」「行政のモニタリングポストなどはシンチレーション式で、少なくとも素人がGM管で測った値よりは信用できる。1回30秒間を5回繰り返して行ない、平均値を出している」
そして”煽り派”は「放射能をバラ撒いた東電以上に国を悪くしている」と締めくくっています。


結局『いいから国や政府が発表することをお前たち庶民は鵜呑みにしてりゃいいんだよ』という事なんでしょうか。



【反論】

■シンチレーション式は30秒では正しい計測値に上がり切る前に計る事になります。つまり低い値になります。それを5回繰り返したとしても同じことです。我々は普段使っているBS2010は普段、放射線管理区域にいる人間が高い濃度を計測した時にすばやく被曝回避できるように早めに計測できるようになっています。日本製のシンチとも比べましたが倍以上に早く高い値を感知して警告音を鳴らします。でも、そのBS2010でも1分程度しないと上がりきった数値は計れません。

■ガイガーカウンター(GM計数管)が計測しているのは放射線の数であり、シーベルトは予測値というのは正しいです。でもシンチレーションカウンターも同様ですけど。なぜシンチは正しくてガイガーは粗悪、という構造になるのでしょう?シンチレーション式は日本製がほとんどでGM管は外国製であるという図式も根底にあると思われます。

■「ベータ線を測ってしまうGM管方式は空間線量の計測には向かない」「GM管方式はベクレルは測れるがシーベルトは測れない」など誤情報が含まれています。原発由来の人口放射線と自然放射線源とのおおきな違いは、ベータ線量の値です。ベータ線を計測しない国のやり方は数値を低く出そうとしているように思えてなりません。


■『GM管は放射性物質が付着しているかどうかを調べるもので、空間線量を測るための機器ではない。空間線量を測りたければシンチレーション検出器が必要』ならば、我々が行っている地表の放射線量測定はGM管でよろしいということになります。


■記事のタイトルである「ガイガーカウンターでは被曝量は測れない」自体、当たり前のことです。例えばガイガーカウンターをノドにかざしても甲状腺に溜まったヨウ素の量は計れません。それはシンチレーション式でも「被曝量は測れない」のは同じこと。甲状腺内部被ばくで問題となるのはベータ線です。シンチで計ってもガンマ線の量から予測となります。野菜や魚にかざしてもガイガーカウンターでは被曝量はわかりません。だからガイガーカウンターが使えない、と強引に誘導しているように感じます。


■『GM管には使用による劣化や、ガスを密封した構造であることから、少しでも漏れれぱ数値は狂うし、漏れなくとも検知能力は次第に低下していく。蛍光灯を連想してもらうとわかりやすい』。確かにガイガーカウンターは定期的に校正を受けるべき機器と思います。ただ入手してから1年以内の新品でしたら来年あたりまで問題なく正確な測定ができると思われます。蛍光灯も買った当初は問題ないですよね。それを最初から壊れてるかもしれない粗悪品ばかりと決め付けているあたり誘導している臭いがプンプンです。



その雑誌の過去の記事を読んでみると「なるほど」と…


■「風力なら原発40基分の発電可能」を専門家が批判  
■放射能測定器 現場では10万円以下の外国製はおもちゃ扱い  
■孫正義氏の「原発の発電コストは一番安い」説に疑問抱く  
■放射線と同レベルの健康への危険 日焼けマシンやタバコ 
■1960年代の日本 自然放射線による被曝は今より高いとの報告  
■自然放射線の多いブラジル・ガラパリ 日本の6倍以上ある  
■宇宙飛行士 宇宙半年滞在で原発事故処理職員より多く被爆  
■新宿での被爆量 日本平均値の約半分、世界平均の三分の一  
■ヨウ素131による甲状腺がん 40歳以上は心配しなくていい 


自然放射能と人口放射能をごっちゃにして「ああ、なるほど」と思わせ、なんとなく先導していきたい方向が読めてきます。


放射能、安全安心なんですよ~。お国を信じましょうねって。それがマスメディアの姿勢なんでしょうか?


調べてみるとその週刊誌を発行している出版社は女性誌も発行しており


■内部被曝抑えるには、ほうれんそうなど葉ものや小魚を食べる  
■地表1cmの放射線量は、厚さ2cmの土をかぶせるだけで68% 放射能はこんな手段でも着実に減る 


との記事が。


ほうれん草もスーパーで探しても東京じゃ北関東や福島県産ばかりだし、小魚も生物濃縮ではまず先に放射性物質を取り込むことも知られています。さすがですね。そして表土と削り取る、ではなく覆いかぶせろ、と指導するあたりは他の場所に移すな、という政府の指針にも沿っていて見事です(実際、福島では雨どいの下や側溝は土の処分先が決まっていないという理由で、できるだけそのままにとのお達しが出ています)。


そして、これも同じ出版社が発行する情報誌は、あのトンデモ推進派御用文化人の池田信夫氏を起用してこんな記事を…


『最悪の事態は防げたという意味で、よく現場は原発をコントロールしていると言える。
人類は原発を安全にコントロールする知恵と技術は本来持っているのである』


わかりました。有難うございます。

虚構のサンクチュアリ

先日、どなたかのツイートで紹介されていた宮崎駿監督の『On Your Mark』を観ました。5分ほどの短編アニメなのですが時は近未来、人類は、乱造した原発のメルトダウン事故により汚染され地下に潜って生きています。食べ物も汚染され魚介類はバイオ合成。しかし地上はのどかな田園風景。


宮崎駿「緑はあふれていて、ちょうどチェルノブイリの周囲がそうだったようにね。自然のサンクチュアリ(聖地)と、化している。で、人間は地下に都市を作って住んでいる。実際はそんな風には住めなくて、地上で病気になりながら住むことになると思いますが」(15年前のインタビューより)


15年前ってすごいと思いませんか?体制側が捕獲した『羽根の生えた少女』を二人の正義感あふれた警官が『EXTRA DANGER』と掲げられたメルトダウンした石棺の近くに帰してあげるのですが、あれは放射能で畸形となって生まれてきた人間を表現しているのではないかなとも思います。


宮崎駿「チェルノブイリの住人は被曝していると言われても、他に知っている土地はないし、その場で暮らし続けて、この芋は汚染されてるんだよって、笑いながらそれを食べるという生活をしていた。あれが我々の未来図」(インタビューより)


やはり核戦争後の世界を描いた『風の谷のナウシカ』。人類は放射能汚染された腐海の片隅に生きています。腐海の植物は瘴気という放射能物質を噴出します。こんな台詞があります。
ナウシカ「地下500mから上げたきれいな水と土では腐海の木々も毒を出さないとわかったの。汚れているのは土なんです。なぜ誰が世界をこんな風にしてしまったのでしょう?」


『風の谷のナウシカ』はもう25年以上前の映画です。まるで福島第一原発事故による土壌汚染を予想していたかのような展開。宮崎監督の先見の明に改めて頭が下がる思いです。


『On Your Mark』も『風の谷のナウシカ』も共通しているのは美しい草原や田園風景、森です。放射性物質は色も臭いも味もありません。見た目には何も変わっていない美しい風景がそこにあるんです。それが本当の放射能の怖さ、恐ろしさ。それを宮崎駿監督はずっとずっと前から我々に訴えかけていたのです。


チェルノブイリ原発の10km圏内は世界で最も放射性物質で汚染された地域ですが、人間が退避したこの場所は驚くべき事に多くの絶滅危惧種にとって豊かな生息地になっています。そこに存在する放射性物質の90パーセント以上はその土壌に集中しています。


福島県は本来とても良い土壌でとても美味しい野菜がとれるそうです。そして放射性物質で汚染された地域で獲れる野菜や果物は今でも(放射性物質は味も臭いもしませんから)美味しいままなんです。風景も自然も土も見た目にはきれいなままなんです、悲しいことに。


東京に住む我々もまたガイガーカウンターを持ち歩き計測していると理不尽な現実を突き付けられます。人工的な建造物、舗装道路やコンクリートではすでに雨水に流され低い線量を示すのですが、きれいな植え込みや川の土手、新緑まぶしい公園など自然な風景から高い線量を示すことが多いのです。これはひとえに原発から噴出されたセシウム137(半減期30年)が土に吸着しやすく、かつ吸着すると水に溶けない性質を持つからです。


有志で東京を回り、いまだ東京にも多くの緑や自然が残っているのを肌で感じました。いつまでも残したい風景です。親水公園や計画的緑地など多くの自然を残そうと先人たちの努力のあとが偲ばれます。夕暮れの川の土手ののどかな風景、しかしそこに線量計をおろすと…。もう寝ころべない現実がそこにあります。


我々のすぐ近くにある自然の本当の美しさを奪ってしまった原発、そしてそれを推進してきた国や企業、メディアを激しく憎悪します。最後に宮崎駿監督のインタビューにある一文で締めさせていただきます。


『我々は血を吐きながら、繰り返し繰り返し、その朝を越えて飛ぶ鳥だ』

東京都が100箇所の空間線量を計りました

仕事が忙しく10日ほどどこにも線量の測定に行けませんでした。そのあいだに『東京都が100箇所の線量を計る』というニュースが出ました。ついに重い腰を上げたのかと喜びましたが、その結果をみて(あれ?なんでこんな低い数値なのだろう?)と感じました。

現在、都内の空間線量が高いのは、3月21~22日にかけての降雨による地表の汚染の影響と言われています。そういう理由で我々は地表を計っているのですが、都の調査は高さ1mと5cmのところで実施しているようです。ですのでそもそも単純な比較はできないのですがいくつか同じ場所を計っていたので列挙しますと


墨田区錦糸公園 都の測定 0.12μSv/h 当サイト 0.24μSv/h
足立区舎人公園 都の測定 0.12μSv/h  当サイト 0.21~26μSv/h 
葛飾区花の木小学校 都の測定 0.20μSv/h  当サイト 0.47μSv/h


と、いずれも約半分の値です。なんでそもそもそんな高くない場所ばかり計ったのだろう(→事前調査があった?)という疑問はさておき、これを元にテレビのワイドショーで解説の専門家の方が「上がったと言っても西日本並みになっただけです」「民間のガイガーカウンターの数値は信用できませんね」「砂遊びしても普通に手を洗うだけでいいと思います」とおっしゃっていました。
人間はとかく安心したい生き物、私も発表された低い数値にホッとし(あれから何度か雨も降ったし、都内はかなり綺麗になったのだろうか、よかったよかった)などと思っていたのですが、今日、亀有から葛西に至る環七のライン沿いにある小中学校、公園など計ってみて地表の汚染はほとんど高いまま安定していることを確認しました(後日、更新いたします)。ヨウ素131は8日で半減期になり水にも溶けやすいのですが、セシウム137は半減期も30年と長く、土の粒子に吸着して長く同じ場所に留まる事が原因と思われます。また一度吸着すると水には容易に溶け出さないようです。
また政府(都道府県)公表の放射線量はγ(ガンマ)線のみでα(アルファ)線・β(ベータ)線は除外されているというのもあります。理由はα線等は透過力が低く、紙一枚、衣服などでも遮蔽されるからというのですが、一方、人体に吸引などで内部被曝するととても危険とも言われています。
思いつくだけでも、土の地面の校庭で追いかけっこやサッカーをすれば土埃が舞いますよね。乾燥した日にトラックが横を通り過ぎれば砂塵が舞い、目や口に入ることもしばしば。いかがでしょう、本当に問題ないのでしょうか?
さらにいうなら計るのは本当に空間線量だけでいいのかなとも思います。小さいお子さんは公園で絶対転びませんか?砂遊びしませんか?飼い犬の散歩はクツを履かせますか?

都内の調査は今のところ一回のみ試験的に行っただけのようです。念頭に「安心させる」結論ありきの大本営発表ではなく、さらなる大規模かつ詳細な調査を望みます。



『有志による東京都内放射線地表汚染マップ』更新

金町~柴又~小岩~篠崎周辺を更新しました。


金町の駅前からやや高い線量で、あの水道水に基準値以上のヨウ素が検出された事で話題となった金町浄水場周辺も高かったです。

自転車で南下したのですが全体的にやや高い数値を検出し続けました。


途中、新中川の土手を歩いているおじいさんとお話をしました。「生まれてからずっと住んでいるこの町が好きだ」とおじいさんは川を眺めながらつぶやきました。私はその時、足元に線量計を置いて数値を見ていたのですが毎時0.5μSv以上を検出して声を失いました。もちろんおじいさんには何も言えませんでした。


今回毎時1μSvを超える場所もいくつかありました。いずれも特に溜まりそうな場所でもありませんでした。どうしてそんな濃縮されてしまったのでしょう。より大規模な調査を望みたいです。


毎年、盛大に行われる江戸川花火大会はよく観にいきました。友人たちとビニールシートを広げ酒盛りしつつ素晴らしい花火を堪能しました。会場は江戸川の土手なのですが、篠崎公園のトイレはよく利用させてもらいました。今年は被災地の状況などを踏まえ中止を決定したそうです。来年は…、来年はぜひ原発の事故が収束し「去年のあの頃は大変だったね。今はもう都内の放射線もほとんどなくなったよね」と振り返りながら、またあの花火を鑑賞したいものです。


『有志による東京都内放射線地表汚染マップ』http://bit.ly/kFN0cY

有志による東京都内放射線地表汚染マップの前口上

有志による東京都内放射線地表汚染マップ



まだまだ局所的ではありますが暫定公開いたします。このマップは風評被害を意図したものではありません。子供を守りたいお母さんお父さんのために有志で作成いたしました。主に小学校、公園、駅などで計測しています。リンクフリーです。
もし気になる親御さんはぜひ公的機関による大規模な土壌データを調査、そして開示を働きかけてみてください。

単位はμSv/h (毎時マイクロシーベルト) です。
1 Sv = 1,000 mSv (ミリシーベルト) = 1,000,000 μSv (マイクロシーベルト)です。
暫定的に0.25μSv以上を黄色、0.5μSv以上を紫、1.0μSv以上を赤に色分けしてみました。
人体は年間およそ 2.4 mSv (世界平均) の自然放射線にさらされています。またICRPの勧告では1年間にさらされてよい人工放射線の限度 は1mSvとあります。それを基準に1時間の許容線量を算出すると0.114μSv/hとなります。ですが1回のCTスキャン で6.9mSv、1日1.5箱のタバコを吸う喫煙者の年間の線量は13~60mSvと考えると1mSvというのはかなり曖昧な基準とも思われます。政府お得意の『ただちに健康被害が起きる数値ではありません』という一節も曖昧。じゃ直ちに健康被害が出る数値ってどのくらいなのでしょう。5年後、10年後どうなるかも含め放射性物質の人体への影響は学者の中でも見解がわかれ未だ明確にされていないと思います。

測定はすべてガイガーカウンターをジップロックに入れ地上表面に置いて計測しています。計測後ジップロックをウェットティッシュで清拭、やや高い数値が出た場合は、次の測定場所はジップロックを新しいものに替えています。
東京都健康安全研究センターなどの採取用の桶を置き一日ごとに降下した塵や雨の放射性物質を測定する方法ではなく、3月11日から調査した日までの地面の放射性物質の総堆積量となります。コンクリート、アスファルト、土、芝生等条件で数メートル先でも線量はかなり変わります。
変動が大きい場合、平均の数値を取っています。数値の正確性に関しては他サイトでの数値と比較しても誤差はあまりないようなので一定の判断材料になると思っておりますが、あくまで個人レベルでの計測です。参考程度にお考えください。
測定器:BESEN BS2010